『GWTW』通信
9月18日(月)
ミュージカル『風と共に去りぬ』は、帝劇初演とそれ以降とでヴァージョンが異なっている。改訂は台本、ミュージカル・ナンバーから舞台美術まで多岐にわたって行われた。
前作『ローマの休日』の時にも、上演の度に繰り返し手直しが行われたのだが、『風と共に去りぬ』は、帝劇初演から次の大阪梅田コマ劇場での再演まで1年以上間が空いていたこともあり、かなり大規模な改訂を一気にやり遂げた感じであった。大阪以降の再演は、この時の「梅田コマヴァージョン」にほぼ準じている。今回の博多座版もである。
前回、最後に『風と共に去りぬ』が帝劇で上演されてから今回の博多座再演までの間には3年の年月が流れている。そのせいか、稽古に入ってみて幾度となく「あれ・・・?」という瞬間に出くわした。
「あれ・・・?」というのは、「この場面に出ていたっけ?」であったり、「そっちに退場するんだっけ?」であったり、「こんなこと、やってなかったっけ?」と言った類のことである。
それは初演ヴァージョンと再演ヴァージョンがごちゃ混ぜになって記憶に残っていることに起因する混乱であった。やはり苦労した初演の時のことの方が強く残っているらしく、それが「あれ・・・?」という違和感を引き起こしたのである。
そう感じたのは私だけでなく、以前も参加していた人はほとんど全員、スタッフも出演者も、例外なく同じ感覚を味わった様である。
人の記憶ほど当てにならないものはない。
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