『プライベート・ライヴズ』通信
8月10日(木)
稽古前に照明の実験と大道具の発注。
今回の舞台デザインでは、1幕の「ホテルのテラス」には大きなパラソルが据えられている。キャンバス地の、ビーチパラソルの様な物なのだが、デザイン上のポイントでもあるこのパラソルも、照明デザイナーにとっては厄介な代物である。本来こういったパラソルの目的は日陰を作り出す事にある。なので、その下に俳優が入れば、当然ながら通常の舞台照明は遮られて表情も暗くなってしまう。
それを回避する手法については8月5日の照明打ち合わせで幾つかのアイデアが出ていたのだが、そのアイデアを、実際に稽古場に照明機材を持ち込んで検証してみたのである。結果は悪くなかったので一安心。
稽古は1幕のおさらいとその続き。これでとりあえずは1幕の最後まで辿り着いた。
1幕の登場人物は4人。だが4人が同時に登場する瞬間はない。ほとんどの瞬間、舞台上に登場するのはカップルである。そして時折、事情があってそのカップルの相手が入れ替わる。
ここまでとても順調に稽古が進んできた印象があったので、稽古の最後に思い切って1幕を通してみた。やはり全体が繋がると俳優たちのテンションも自然と上がってとても面白い。飯島早苗さんの上演台本ではキャラクターと伏線がとても丁寧に書かれているのだが、通して見るとそれが生きて来る。
今回、飯島さんと組めたことは本当に幸いであった。稽古場でも一番笑ってくれているし。
PARCO劇場公式ブログでは西川浩幸さんによる『プライベート・ライヴズ』の稽古場リポートが始まった。飯島さんの「顔を洗って出直します」と併せて読むと一層楽しんで頂ける筈である。
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