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『TDV』通信 最終回

8月27日(日)

 大勢のお客様にご来場頂いた『ダンス・オブ・ヴァンパイア』も遂に千秋楽。当日券を求める列には1.200人の方が並ばれたという。

 どの劇場にも「監事室」と呼ばれているガラス張りの小部屋があって、劇場関係者はその部屋から舞台を監視することができる様になっている。帝劇でも1階席の最後尾に監事室があり、今日の千秋楽は私もそこで、竜真知子さんやウェッシー、歌唱指導の矢部さん、演出助手の小川さんなどと一緒に観劇した。

 そして特別カーテンコール。30分程も続いたであろうか。駒田さんの司会により主要キャストのコメントなどもあり、大いに盛り上がったひとときであった。
 カーテンコール終了後、舞台袖にて関係者全員で手締め。2ヶ月にわたったTDVサマーはようやく終わりを告げたのであった。

 楽しい『ダンス・オブ・ヴァンパイア』の中で、何故クコールだけが無惨な最後を迎えるのか。そう質問されたことがあった。
 吹雪の中でオオカミに噛み殺されるのは、クコールにとってももちろん本意ではないだろう。しかし、では果たしてあそこで生き延びたとして、クコールの生涯は幸福なものになったのだろうか。
 クコールは自分を不幸だったとは考えてもいなかったであろうが、人間として生を受けたクコールが人間の世界では生きて行くことができず、伯爵の元に辿り着いた後も一族として迎えられることはなかった。
 クコールには不本意な最後だったのかもしれないが、あの物語の中では、クコールの最後は恐らく唯一のハッピーエンドだったのではないだろうか。

 果てなく続くあの物語の中で、終わりを迎えることができたのは唯一クコールだけだったのだから。

 何事にも始まりがあり、そしてそれはいつかは終わる時が来る。『ダンス・オブ・ヴァンパイア』が終わってしまうのは寂しいが、終わりがあったからこそ2006年の『ダンス・オブ・ヴァンパイア』は輝いたのではないかと思う。

 上演に関わった全ての皆さん、そしてご覧くださった全ての皆さんに感謝します。いつかまた、どこかで再会できることを願って『TDV』通信を終えることにします。

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コメント

私はこの作品を何度も観ることができた上に、幸運なことに千秋楽も観ることが出来た一人です。楽しい千秋楽でした♪
私はいつもクコールは働き者なのに(幕間も働いているのに)伯爵にはちょっとうっとうしそうにされるし、最後は狼に殺されてしまう彼が不憫で不憫でたまりませんでした。でも山田さんの「TDV通信」を読んで納得しました。クコールはその生を全うしたんですね。これが彼の天寿だったんですね。
この作品のおかげで楽しい夏が過ごせました。ほんとうにありがとうございました。でも楽しすぎたので今は抜け殻状態です。また再会できますように心から祈っています。

投稿: 猫大好き | 2006年8月28日 (月) 19時07分

千秋楽おめでとうございます。
とても楽しい舞台でした。
音楽もダンスもカッコ良かったです。
見えないところ、見えにくいところでも、
ステキなダンスをされていたのが、とっても印象的でした。
堪能しました。どうもありがとうございます。

クコールの最期、ハッピーエンドだったんですね。
山田さんに解説いただき、そうだ~!って思いました。

ぜひ、また再演を期待しています!

投稿: yun | 2006年8月29日 (火) 02時00分

私は千穐楽の抽選に外れましたが、1200人もの列に並んだ人たちと「本日千穐楽」の看板を見て感無量でした。

クコールのこと私の中では謎だったのですが、山田さんの書かれたのを読んで「そうか・・・確かにクコールだけが天に召されたんだな」と納得しました。

私は6回観劇させていただきましたが、まだまだもの足りないです。
ぜひぜひ再演をお願いします!

山田さん、最後になりましたが、素敵な舞台をありがとうございましたm(__)m

投稿: gambie-cat | 2006年8月29日 (火) 03時23分

千秋楽おめでとうございます。お疲れ様でした。
次から次へとお仕事が大変そうですね。
でも、その分私たちは楽しみがいっぱいです。
ダンスオブヴァンパイアは3回見ました。
しか~し、オオカミのシーンがまさかクコールの最後だったとは分かりませんでした。
自分ながら、何を見てたんだ!。
吹雪の中でオオカミに噛み殺され、あの叫び声をあげていたのは、クコールだったんですね。
分かったところで、もう1回見たいです。
音楽もダンスもとても素敵な舞台でした。
また、ウイルスを繁殖してくれるのを待っています。

投稿: あきこ | 2006年8月29日 (火) 15時04分

クコールは自分を不幸だったとは考えていない…クコールは生きたいと思っていたのではないでしょうか。
人間界で生きられず、伯爵のもとで働きながら、生きることに一生懸命だったように感じていました。
あの後、クコールが生き延びたとして幸福だったかどうか?
幸福じゃないかもしれません。でも、生きたいと思っている人が不本意な死を迎えることは、決して幸せな出来事ではないと思います。「物語の中で唯一終わりを迎えられた」としても、クコールの死がハッピーエンドとは、どうしても考えられません。

投稿: yui | 2006年8月29日 (火) 22時37分

私もyuiさんと同じく、どうしてもクコールが死んで幸せだったとは思えません。
舞台を何度か拝見しましたが、人間界から阻害された自分を拾ってくれた伯爵に対して駒田クコールは敬愛の情を持っているようにを感じましたし、伯爵もそんな働き者のクコールを大事に思っていたように感じました。
クコールにとっての幸せ…それは伯爵に仕えることだったんじゃないかと私は思っています。

投稿: おしん | 2006年8月30日 (水) 22時03分

初めまして。私は10日の昼、夜二回拝見しました。
クコールの件は私も『どうして?ヒドイ!!!』と悲しかったのですが、翌日仕事中に突然『そうか!クコールには欲望が無かったからだわ』と思い至りました。あの劇中で生き残るのは欲望に塗れた人間達だけ。
クコールにあったのは伯爵への愛情と献身だけだったから、彼だけが天に召される事を許されたのだと。
最後がああいう形なので惑わされてしまうのだけど。

でも、私のこの作品への感想は『微妙~・・・』です。
『だからどうなの???』という気持ちというか何かすっきりしないモヤモヤが残りました。もちろん歌や踊りはとても楽しかったし、帰りの夜行バスの中では劇中歌がグルグル回っていましたから。
じゃ、どうだったら私はスッキリしたのだろう?
ラストのアレが伯爵ではなくて教授だったらメチャクチャ納得したのに・・・。
伯爵の書庫にある蔵書の山(欲望)に負けて教授も仲間になっちゃいました~チャンチャン♪は駄目ですか??
だって知識欲に溢れたあの教授があの本達を諦めるなんてウソです。
ヴァンパイアにならないと制覇出来ないじゃないですか~~~~。
原作映画を観ていないのでこういう勝手な感想になりました。

話は変わりますが自宅のマックからは文字化けして書き込めません。何故???(涙)OSが古いから??
カフェの『窓』で書いてます。馴れないキーボードは使いにくい~(泣)


投稿: びぎなー | 2006年9月 4日 (月) 09時13分

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