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2006年7月の記事

『TDV』通信

7月5日(水)

 キャストのシャッフル、今日は泉見アルフ&大塚サラ。これでキャストの入れ替えは一巡した。私の仕事もこれで一段落である。なので『TDV』通信も今日で一旦区切りとしたい。

 この3ヶ月はそれこそ無我夢中で働いて来た。もちろん好きでやっている事だし、それは望んでいた事でもあるのだが、今月はちょっと一休み。ブログの更新も不定期にさせて頂こうと思う。その分、リー君とマウス君には今まで以上に頑張って貰いたい。
 と言う訳で、『TDV』通信、ひとまず終了である。何かお伝えすべきエピソードがあった時にはまた書かせて頂きます。

 ところで、リー君が本公演にチラッと出演している事にお気づきだろうか。ちょっと見えにくいシーンなのだが、探してみてください(ヒント・・・2幕です)。ちなみに、7月2日の初日より出演しています。
 それと、駒田一さんのファンの方は、1幕が終わって休憩になってもすぐに席を立たないように。

 それではまた。劇場で。

p.s./次回は『プライベート・ライヴズ』通信。お楽しみに。

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『TDV』通信

7月4日(火)

 3日目。アルフレートとサラをシャッフル、今日は浦井アルフ&剱持サラ。今日よりスペシャル・カーテンコールの付かない通常公演となる。舞台裏も少しずつ落ち着いて来た様子である。

 クンツェさんたちは帰国の途に就かれた。到着とドイツvsイタリア戦のキック・オフのどちらが先か気を揉みながらの旅立ちであった。聞く所によると、2幕の「悪夢」のダンスナンバーも、「今までのどのバージョンよりも素晴らしい」とおっしゃっていたらしい。やったねウェッシー!

 終演後、東京會舘にてWOWWOWの取材を受ける。WOWWOWは『TDV』の製作発表から稽古場、劇場とカメラを入れてくださっており、この模様は今月の後半でオンエアされるらしい。舞台の映像もふんだんに流れるそうなので、この機会に加入しちゃう?

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『TDV』通信

7月3日(月)

 今日のブログが手柄話になる事をお許し頂きたい。そう言うのが苦手な方はどうぞ読み飛ばしてください。

 さて、今日は浦井アルフレート&大塚サラの初日。昨日とは違って、今日のお客様はリラックスして、序盤から積極的に楽しもうという雰囲気であった。そのお陰もあってか、舞台は昨日以上にスムーズに流れた。アルフレート&サラも重圧を跳ね返し、見事な初日であった。
 カーテンコールでは、昨日に引き続いて私も登場、と言う事はもちろんクンツェさんの紹介役である。今日が初日の2人の為に、再び舞台に上がってくださったのである。

 終演後、クンツェさん、ジム・スタインマンさんの代理人・スティーブン・リンコフさん、クンツェさんのご子息・シュテファンさんに招かれ少人数で祝杯を挙げる。クンツェさん始め、お三方はとにかく日本版を大絶賛であった。

 リンコフさんは、サウンド・デザインの素晴らしさを褒めてくださった。
 「ロック・ミュージカルのサウンド・デザインは音量が大きいだけでノイジーになりがちだが、帝劇の音響チームの作り出したサウンドは暖かで、しかも広がりがあって、世界で最も素晴らしい『TDV』だよ」。
 と言う事である。これにはシュテファンさんも同意見で、「そのままで音楽専用スタジオレベルのクォリティ」との事であった。お2人とも何度も「お世辞じゃないよ」を繰り返されていた。

 クンツェさんは指揮の西野さんを「完璧だ」と大絶賛。西野さんの作り出すテンポやニュアンスは「パーフェクトだ」との事。
 そして、日本版の演出には細かなアイデアがふんだんに盛り込まれていて「ファンタスティック!」そしてどのアイデアも「グレート・アイデアズ!」。私が「どれもこれも、あなたの台本の中から取り出したアイデアですよ」と申し上げると「あなたは本の読める演出家だね。世界中に本の読める演出家は10人しかいないけど、あなたはそのひとり。だから私たちは友達だよ」。

 2004年の5月、青山劇場で『浪人街』を開けた直後にハンブルクで『TDV』を観劇してから本格的な準備に入って足掛け2年。初日を開けるのにこれほど苦労した作品はかつて無かったのだが、私は幸運であった。優秀なキャスト&スタッフに恵まれて、こんなに見事な作品に仕上がったのだから。

 別れ際に、クンツェさんから「ぜひまた一緒に仕事をしよう」と言われた。演出家冥利に尽きるとはこの事であろう。

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『TDV』通信

7月2日(日)

 初日。

 大変な難産であったが、親の心配をよそに、生まれた子はとても元気な子であった。親の手を離れた後も、この子なら皆に愛されながらすくすくと育ってくれる事であろう。

 カーテンコール。初日なので今日はスペシャルで、市村さん、山口さんがコメント。その後私も舞台に上がったが、私が登場する時はいつも必ず誰かを紹介するためである。今日紹介させていただいたのはミヒャエル・クンツェさんであった。
 クンツェさんからは身に余る様なお言葉を頂いた。重たい荷物をようやく下ろす事ができた様な瞬間であった。

 終演後、ロビーにてパーティ。クンツェさんをはじめ、ウィーン劇場協会の方や、ジム・シュタインマンさん、ロマン・ポランスキーさんそれぞれの代理人の方など大勢のゲストを招いた華やかなパーティであった。公式ブログで見られる初日カーテンコールの映像の中で、私がクンツェさんと並んでいるのはこのパーティでのものである。
 ひと月前の顔寄せで笑いを取っていた岡本プロデューサーが、今日は皆を感動させる様なスピーチをされた。この人も根っからの舞台人なのである。

 『TDV』は、これからふた月の航海に出る。長く困難な旅であろうが、航海の安全と無事を祈りたい。その前に、明日は浦井アルフレート&大塚サラの初日である。2人も泉見アルフレート&剱持サラと同様に皆に祝福されます様に!

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