7月3日(月)
今日のブログが手柄話になる事をお許し頂きたい。そう言うのが苦手な方はどうぞ読み飛ばしてください。
さて、今日は浦井アルフレート&大塚サラの初日。昨日とは違って、今日のお客様はリラックスして、序盤から積極的に楽しもうという雰囲気であった。そのお陰もあってか、舞台は昨日以上にスムーズに流れた。アルフレート&サラも重圧を跳ね返し、見事な初日であった。
カーテンコールでは、昨日に引き続いて私も登場、と言う事はもちろんクンツェさんの紹介役である。今日が初日の2人の為に、再び舞台に上がってくださったのである。
終演後、クンツェさん、ジム・スタインマンさんの代理人・スティーブン・リンコフさん、クンツェさんのご子息・シュテファンさんに招かれ少人数で祝杯を挙げる。クンツェさん始め、お三方はとにかく日本版を大絶賛であった。
リンコフさんは、サウンド・デザインの素晴らしさを褒めてくださった。
「ロック・ミュージカルのサウンド・デザインは音量が大きいだけでノイジーになりがちだが、帝劇の音響チームの作り出したサウンドは暖かで、しかも広がりがあって、世界で最も素晴らしい『TDV』だよ」。
と言う事である。これにはシュテファンさんも同意見で、「そのままで音楽専用スタジオレベルのクォリティ」との事であった。お2人とも何度も「お世辞じゃないよ」を繰り返されていた。
クンツェさんは指揮の西野さんを「完璧だ」と大絶賛。西野さんの作り出すテンポやニュアンスは「パーフェクトだ」との事。
そして、日本版の演出には細かなアイデアがふんだんに盛り込まれていて「ファンタスティック!」そしてどのアイデアも「グレート・アイデアズ!」。私が「どれもこれも、あなたの台本の中から取り出したアイデアですよ」と申し上げると「あなたは本の読める演出家だね。世界中に本の読める演出家は10人しかいないけど、あなたはそのひとり。だから私たちは友達だよ」。
2004年の5月、青山劇場で『浪人街』を開けた直後にハンブルクで『TDV』を観劇してから本格的な準備に入って足掛け2年。初日を開けるのにこれほど苦労した作品はかつて無かったのだが、私は幸運であった。優秀なキャスト&スタッフに恵まれて、こんなに見事な作品に仕上がったのだから。
別れ際に、クンツェさんから「ぜひまた一緒に仕事をしよう」と言われた。演出家冥利に尽きるとはこの事であろう。
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