『TDV』通信
6月6日(火)
2週間ぶりの東宝ミュージカルアカデミーでの講義。先週は私が『ミー&マイガール』の道具調べだったので、お休みだったのである。
受講生たちには既に『ミー&マイガール』を観て貰った。感想を聞くと、こういうタイプの作品=ミュージカル・コメディに初めて触れたという声が多かった。そして、ミュージカル・コメディの楽しさを発見して、それぞれ大いに触発された様子である。
こういうタイプの作品が上演される機会が年々減っているだけに、若い世代に興味を持って貰える事はとても嬉しい。ミュージカル・コメディの上演にはそれ相応の技量を持った人々が大勢必要だからであるし、そう言う人材は一朝一夕には育たないからである。
ミュージカル・コメディは、観るのとやるのとでは大違いなのである。
さて、午後は『ダンス・オブ・ヴァンパイア』の稽古場へ。今日も立ち稽古、新しい場面を3シーン当たる。
そもそものタイトルが『ダンス・オブ・ヴァンパイア』と言うだけあって、このミュージカルにはダンスの見せ場が幾つも存在する。その振付を一手に引き受けてくれているのは上島雪夫さんである。
上島さんは、現代日本を代表する振付家のひとりである。私と上島さんとの付き合いは古く、まだ上島さんが現役のダンサーだった頃、私は駆け出しの演出部員で、宮本亜門さん演出のミュージカル『エニシング・ゴーズ』で一緒に仕事をしたのが始まりである。
その後、上島さんは振付家として一本立ちし、私も演出家としてデビューする事ができた。振付家&演出家として組んだ最初の作品は『サウンド・オブ・ミュージック』で、以後『南太平洋』『I Do! I Do!(川崎麻世さん・高嶺ふぶきさん版)』『シェルブールの雨傘』『世界中がアイ・ラヴ・ユー』『風と共に去りぬ』『ジキル&ハイド』と、私が最も多くコンビを組んで来た振付家である。
世代やキャリアが近い所為もあるであろうし、ミュージカルに於けるダンスの捉え方に共通する部分があるからでもあるだろう。
そして今回の『ダンス・オブ・ヴァンパイア』である。これは、これまで2人で手掛けて来たどの作品よりも振付家の役割が大きいミュージカルになる。
既に私は稽古場で、上島さんに「おんぶにだっこ」状態になっている。
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