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『TDV』通信、そして坂上道之助さんのこと

6月28日(水)

 稽古はOFF。劇場では終日大道具の仕込み作業と照明のフォーカス合わせ。更にオーケストラのシーティング、そして深夜からは音響チームの作業。

 途中で劇場を抜け出して、坂上道之助さんのお通夜に行ってきた。坂上さんは『屋根の上のヴァイオリン弾き』の振付を初演以来ずっと担当されていた。それ以外にも様々なお仕事をされているが、私は『・・・ヴァイオリン弾き』だけのお付き合いであった。

 私が最初に『・・・ヴァイオリン弾き』に付いたのは、森繁さんがテヴィエを演じた最後の公演であった。もちろん、一番下っ端の演出部としてである。道之助さんは、その時ももちろん振付を担当されていたのだが、同時に「ヴァイオリン弾き」として出演もされていた。
 その後、私は西田敏行さんのテヴィエの初演、再演まで演出助手として『・・・ヴァイオリン弾き』に関わったのだが、この時から道之助さんは振付に専念され、「ヴァイオリン弾き」役は駒田はじめさんに譲られた。

 とにかくダンディな人だった。振付家としては熱い人であった。何よりも芝居が好きでたまらない、と言う感じであった。NHKの子供番組の仕事も長く続けられていたはずであるし、フォーリーズやNLTなどでも沢山の舞台を手掛けられていたはずである。
 つい最近まで、そのNLTの会報誌にNLTでのお仕事を回顧する連載記事を書かれていたのを興味深く拝読していたのだが、その連載を丁度終えられて旅立たれた。

 『屋根の上のヴァイオリン弾き』と言えば、つい先日、西田さん時代に司祭様を演じていらした青年座の森塚敏さんも亡くなられたばかりである。

 お2人のご冥福をお祈りしたい。

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