『演出実習Ⅱ』
5月18日(木)
毎週木曜日、午前中は日大芸術学部演劇学科にて授業。
私のクラスは、演出コースの1年生を対象とする『演出実習Ⅱ』というものだが(他コース、他学年の生徒も若干いるが)、生徒たちは授業中、程度の差はあれ、何だかもどかしそうな、歯痒そうな顔をしている。「演出」という言葉が持つ曖昧さ、分かり難さがそうさせているのだと思う。
「演出とは何か」を一言で説明する事は難しい。100人の演出家がいれば、恐らく100通りの説明が出て来るだろう。その説明し難い理念を、実際の芝居作りの中で演出家が出会う様々なシチュエーションを通して読み解こうとするのが私の『演出実習Ⅱ』なのである。
とは言え、私が日常的に出会うシチュエーションも、彼らには自分の事としてイメージする事が難しいらしい。そして、熱心な生徒ほど、もどかしそうに、歯痒そうになって行くのである。
今日の授業で面白かったのは、私が実際に使用している台本やスコアを見せた時である。彼らは開かれた台本やスコアを、目を輝かせて覗き込んで来た。そこにはいつものもどかしそうな、歯痒そうな生徒は1人もいなかった。
自分たちとは無関係に感じていたプロの現場が、自分たちと繋がっている事に気づいた瞬間だったに違いない。
午後は東京會舘にて『ダンス・オブ・ヴァンパイア』の製作発表。東宝の公式ページに速報がUPされているので、どうぞご覧ください。
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