『パイレート・クイーン』通信

11月11日(水)

  稽古前に日経新聞さんの取材。ただし『パイレート・クイーン』のことではなく、デジタル家電について。

  稽古は台本順に、プロローグから1幕前半をおさらい。
  未整理な部分や場面の繋がりなどを潰しながら、芝居のニュアンスなど、少し細かい部分にも踏み込む。久し振りにあたる場面も多かったが、皆さんよく覚えていて下さったこともあり、概ね順調に進行した。
  それにしても、1幕前半には手の込んだ場面が多い。キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。私も結構消耗しました。

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『パイレート・クイーン』通信

11月10日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー、午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。

  まずは「洗礼式」に続く場面をあたる。この場面の終わりにもちょっとしたアクションがある。ミュージカル・ナンバーのステージングの後、このアクションを作る。
  その後、1幕11場、12場、14場をおさらい、手直し。1幕を稽古していた時点では来日していなかったコナーさん、ブライアンさん、キアランさん、ノリーンさんを入れ込む。久し振りの1幕で、自分で作った場面の段取りを忘れていたりして、我ながら情けない。

  今日で全場面に手を付けたことになる。明日は1幕前半を頭からさらってゆくつもり。

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訃報

  森繁久彌さんが亡くなった。

  私にとって森繁さんは、他のどの俳優さんとも異なる特別な存在の方であった。
  大学を出て東宝演劇部に所属した私は、その1年目の終りに初めて森繁さんの作品に配属された。もちろん演出部の一番下っ端として、であった。以来、森繁さんの最後の舞台まで、私は全ての森繁さんの舞台に参加した。

  こうしてこの記事を書いていても、森繁さんとのお仕事での様々な出来事が次から次へと蘇って来る。が、今はそれを整理して記している余裕が残念ながら私に無い。いつか時間が確保できた時に、改めて森繁さんとのことを記したいと思う。

  先生、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

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『パイレート・クイーン』通信

11月9日(月)

  稽古前に、保坂さん、山口さん、涼風さん、キャロルさん、そして私で、新聞、通信社、雑誌などの演劇記者の皆さんの合同取材。初日が近づくにつれて、色々な所で記事になるだろう。

  キャロルさんと私はひと足先に取材を抜けて稽古場へ。1日かけて「洗礼式」のアイリッシュ・ダンスを振り付け。これで大きなダンス・ナンバーの振り付けはひと通り終わった。
  今日も稽古場に何人かのミュージシャンが顔を出して下さった。笛やヴァイオリン、パーカッションの音色が加わり、『パイレート・クイーン』の世界がいきなり目の前に現れたかの様であった。

  音楽の力は偉大だなぁ。

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『パイレート・クイーン』通信

11月8日(日)

  アクション・シークェンスのおさらい、兼、コナーさん、ブライアンさん、キアランさんの入れ込み。
  アクション・シークェンスの動きを付けた時点で彼らはまだ来日していなかった。なので、今まではアンサンブルの女子が彼らの代役となって稽古をしていたのであった。彼らはアクションは未体験だったらしく、手順がひとつ付く毎に大騒ぎであった。チャンバラごっこが男子をわくわくさせるのは日本もアイルランドも同じらしい。

  アクションの後は、2幕中盤にある「洗礼式」場面の導入部を作る。ここでもアイリッシュ・ダンスが踊られるのだが、その振り付けは明日のメニュー。更にその後、1幕中盤の「結婚式」に続く場面を作る。
  明日「洗礼式」を振り付け、明後日「洗礼式」のダンス後をあたれば、ひと通り全場面に手を付けたことになる。

  そこから先が大変なんだけど。

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『パイレート・クイーン』通信

11月6日(金)

  稽古前に保坂さん、涼風さんとプログラム用の対談。

  稽古ではラストシーンを作る。その後、フィナーレの振り付け。並行して女王お2人の衣裳の仮縫い。
  グレイスとエリザベスの衣裳を比べると、2人の生活の違いが見えて来る。グレイスのそれは活動的で素朴であるのに対し、エリザベスは重々しく、きらびやかである。易々と国を飛び出し大海を駆け巡ったグレイス、多くの取り巻きに囲まれ宮廷でまつりごとを行ったエリザベス。その「動」と「静」の違いである。
  同時代に生まれ、同じ様に国を治めることになった2人の女性の対象ぶりは実に興味深い。衣裳の差異は国力の差でもあるだろう。

  稽古後は美術デザイナーの松井るみさんと、大道具発注前の最後の確認。大道具製作用に作られた更に細密な舞台模型と図面とで仕上がりを最終確認。

  明日は稽古OFF。久し振りに本当に休むぞ。

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『パイレート・クイーン』通信

11月5日(木)

  午前中は日藝所沢へ。
  舞台平面図(舞台を真上から見た状態の図面)に書かれている情報を読み取って、エレベーション(舞台を客席から見たときの見え方)を起こしてみる。更に、ある作品が劇場入りしてから初日を迎えるまでには何日間必要か、シミュレーションしてみる。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。アイリッシュ・ダンスのおさらいデー。
  この4日間で振り付けたアイリッシュ・ダンスのナンバー、結婚式や酒場、プロローグなどのステップとフォーメーションを整理、確認。振り付けた日と比較すると格段にアイリッシュらしくなって来た。

  今日も長い1日であった。

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『パイレート・クイーン』通信

11月4日(水)

  稽古と並行しながら色々な作業も進行している。今日も稽古前に、アイリッシュ・ダンサーたちの衣裳や靴のフィッティング、英国軍兵士たちの鎧のフィッティング、などが行われていた。
  今回、ミュージシャンの皆さんはオン・ステージ、舞台後方のエリアで演奏することになるのだが、そのミュージシャンの何人かも稽古場に顔を出してくれた。
  オーケストラを舞台に上げることはアラン・ブーブリルさんとクロード=ミッシェル・シェーンベルクさんのたっての願いであった。そして、いくつかの場面では、ミュージシャンの何人かが演奏エリアを離れ、舞台上で(つまり俳優の近くで)演奏することになる。これも2人の希望であった。

  さて、稽古は今日も新しいナンバーを振り付け。
  出演者の皆さんに聞くと、アイリッシュ・ダンスは30分も続ければヘトヘトだそうである。それを(休憩を挟みながらとは言え)6時間以上も!  キャロルさん、並びに出演者一同の奮闘に敬意を表したい。

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『パイレート・クイーン』通信

11月3日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。

  今日は1幕8場を振り付け。
  1幕8場はグレイスとドーナルの結婚式の場面である。余談だが、思い返せば今までにもずいぶんたくさんの結婚式の場面を作って来た。
  『サウンド・オブ・ミュージック』にも結婚式の場面があった。『I Do!,I Do!』にも。『I Love You 愛の果ては?』にも『シェルブールの雨傘』にもあった。今回の結婚式は、もちろんアイルランド流である。
  ここでもアイリッシュ・ダンスをふんだんにご覧いただける。アイリッシュ・ダンサー6名の見せ場もあるし、大勢でステップを踏む賑やかな瞬間もある。

  今月16日に予定されている公開稽古で、この場面もご覧いただけるかもしれない(そうならなかった時はごめんなさい)。

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『パイレート・クイーン』通信

11月2日(月)

  『パイレート・クイーン』の稽古は通常13時スタートである。が、11月に入ってからは、その前に2時間、アイリッシュ・ダンサーたちの稽古が組まれている。
  ここで言うアイリッシュ・ダンサーとは、昨日ご紹介した4名(コナーさん、ブライアンさん、キアランさん&ノリーンさん)に加えて、タカ・ハヤシさんと中川唯可さんである。この6人が、アイリッシュ・ダンスの場面では特に重要なパートを受け持つことになる。

  さて、今日の振り付けは1幕7場。10月25日に手を付けた「もぐり酒場」の場面の続きである。この場面のナンバーは「男は男」で、ここでは上記の6人が見事な足さばきを披露してくれる。1幕中盤のハイライト・シーンになるだろう。
  更にその後、同じ25日に作った1幕11場に登場する、イギリス軍の行軍シークェンスの短いステップも振り付ける。このナンバーの振り付けにはキャロルさんのアシスタント、ノリーンさんのキャリアが生かされている。彼女はマーチングの経験も豊富なのだそうである。

  明日ももちろんアイリッシュ・ダンス!

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『パイレート・クイーン』通信

11月1日(日)

  アイリッシュ・ダンスの振り付けを担当するキャロル・リーヴィ・ジョイスさんが稽古場にやって来た。製作発表の行われた8月以来の再会である。
  そして、今日からはアイリッシュ・ダンサー4人を新たにお迎えした。コナー・オサリバン(Conor O’Sullivan)さん、ブライアン・シナーズ(Brian Shinnors)さん、キアラン・ディロン(Ciaran Dillon)さん(以上男性)、そしてキャロルさんのアシスタントも兼務するノリーン・ボイル(Noreen Boyle)さんである。

  稽古では、早速プロローグと、続く1幕1場の導入部を振り付け。
  日本版『パイレート・クイーン』のプロローグはブロードウェイ版とは異なるものになる。オーヴァーチュアに続く音楽が新たに用意され、「Community Dance」とキャロルさんが命名した新ダンス・ナンバーが展開されることになる。
  その「Comunnity Dance」が終わると1幕1場である。すでに先月、立ち稽古の初日に作ったシーンに繋がる、オマリー一族の登場シークェンスがキャロルさんによって作られて行く。
  その2つを新たに作った後、1幕1場の前半をおさらい。プロローグから繋げてみても、我ながら「悪くない」と思える出来で、ひと安心であった。

  ところで、アイルランドと日本とでは9時間の時差がある。稽古が始まる13時も、アイルランド時間では午前4時になる。キャロルさんたちの来日は昨日のことで、と言うことは、5人ともまだ時差ボケの真っ最中である。
  案の定、昨日は到着早々眠りに落ちてしまったと聞く。だとすれば、今朝も暗い内から目覚めていたに違いあるまい。さすがに稽古も17時(日本時間)近くになると、一同ややお疲れのご様子であった(特に男子3名)。が、キャロルさんはそんな素振りを全く見せず、お見事であった。キャロルさんが3度目の来日であるのに対して、4人は初来日だったことも関係しているのかもしれない。

  明日もアイリッシュ・ダンス!

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『パイレート・クイーン』通信

10月31日(土)

  2幕の11場、12場をあたる。ストーリー的にはもうクライマックスである。なので内容には触れない。

  10月21日の立ち稽古スタートから10日間、今日で第1段階のメニューは終了である。
  明日から11月に突入、アイリッシュ・ダンス・シークェンスを仕上げるために、キャロル・リーヴィ・ジョイスさんが戻って来る。4人のアイリッシュ・ダンサーも一緒である。
  明日からしばらくは「ダンス漬け」である。

  ところで、すでにご存じの方も多いだろうが、『パイレート・クイーン』の稽古場を取材陣と一般の応募者の方に公開することになった。詳細はこちらからどうぞ。
  「なんでウィーク・デーに実施するの?」というご質問をよく受けるのだが、パイレート・クイーン』の稽古場は帝劇ビルの中にあり、稽古場へ行くための通路やエレベーターは、本公演のキャスト&スタッフと共有しているのである。
  なので、稽古場に部外者を一度に100人もお招きするためには、帝劇の休館日を選ぶしかなかったのである。
  どうぞご了承ください。

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『パイレート・クイーン』通信

10月29日(木)

  午前中は日藝所沢。本業の方が佳境に入ると所沢往復はしんどいなあ。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。2幕の後半、8場、9場、10場をあたる。
  7場と8場の間には大きな時間経過が存在する。本編ではあっという間に通過してしまうのだが、その間に7年の年月が流れる。その7年の間にアイルランドとイギリスの力関係は決定的に変化する。
  グレイスやティアナンの運命も大きく変わる。あんなことになっていたり、こんなことを試みてみたり、その結果こんなことになったりする。そのことがエリザベスの心にも大きく影響を与えたりもする。
  そしてグレイスはある場所に向かうことになり、そこで誰かと出会い、あんなことやこんなことをするのである。

  明日は稽古OFF。とっくに締め切りを過ぎてしまったプログラムの挨拶文を執筆しなければ。

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『パイレート・クイーン』通信

10月28日(水)

  2幕の幕開き、3シーンを作る。

  もうストーリーには触れないでおくが、2幕1場ではグレイスの身に変化が訪れる。この船上での出来事は実話だと言われている。2幕2場では再びイギリス軍との戦い。1幕前半の戦闘に比べれば短時間だが、もちろん渥美さんの出番である。そして2幕3場。グレイスの人間関係が大きく変化する。そしてそれは新たなドラマの始まりでもあるのだが、ここでは触れない。

  稽古スケジュールが発表された時、今日の終了予定は20時になっていた。が、実際には2時間以上早く終えることができた。
  私も学習しているのである。

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『パイレート・クイーン』通信

10月27日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。相変わらず欠席者が多い。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。今日も新しい場面、1幕13場、2幕4場、5場をあたる。昨日とは打って変わって少人数の場面ばかりが並んだ。

  1幕13場と2幕4場はロンドンのエリザベスの王宮場面である。
  弱冠25歳で即位した女王は次第にその統治能力を発揮し、やがて大英帝国に大いなる繁栄をもたらす大女王となって行く。そのプロセスが『パイレート・クイーン』では対アイルランド政策の進行によって表される。
  女王の命を受けアイルランドに赴くのがリチャード・ビンガム卿である。この時代のアイルランド政策については公式ページの「もっと知りたいアイルランド」コーナーに連載中の「グレイス・オマリーが生きた世界」に詳しい。史実では何人かが引き継いだアイルランド総督の役割を、『パイレート・クイーン』ではビンガム卿が一手に引き受けることになる。
  涼風真世さんと石川禅さんは今までにも幾度となく共演されて来たが、今回は主従の関係である。どちらも歌、演技、共に申し分のない実力者同士、お2人の場面も否応なしにボルテージが上がる。『パイレート・クイーン』のハイライトのひとつになる筈である。

  2幕4場はグレイスとティアナンの場面。内容には触れないでおくが、保坂さんと山口さんのデュエット場面である。お2人のデュエットと言うだけで、学生時代からお2人を見続けて来た私はもう胸がいっぱいである。
  観劇という行為には、観客の過去、そして現在が強く影響する。「思い入れ」と言い換えれば理解し易いと思うが、そういう観客ひとりひとりの「思い」が加わって、ようやく作品は完成するのだと思う。

  『パイレート・クイーン』はそういう作品でありたい、と思うのである。

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『パイレート・クイーン』通信

10月26日(月)

  顔寄せ。だがその前に保坂知寿さん、涼風真世さんとタカラヅカ・スカイ・ステージの収録。毎度のことだが、こういうことに私は向いていない、とつくづく思う。

  顔寄せの方は公式ブログにその様子がUPされているのでそちらを参照されたい。因みに、私が挨拶で述べたのは、
  「遣り甲斐のある作品を演出する機会を与えられて感謝している。が実際に稽古に入ってみると遣り甲斐がありすぎる……」
  みたいな、ウケ狙いなものであった。
  稽古は1幕5場をさらった後、新たに1幕12場と14場をあたる。
  12場は、ドーナルと結婚し今ではオフラハティ一族の街「ロックフリート」に暮らすグレイスが、オマリー一族の暮らす「クルー湾」に向かうことになるエピソード。ここのナンバー「進め  クルー湾へ」は、ブーブリル&シェーンベルク作品としてはやや異質な、ちょっとソウルっぽい雰囲気も感じられる楽曲である。とにかくコーラスが格好良い。
  14場は1幕の幕切れ。グレイスが名実共にオマリー一族の族長となる感動的で美しい場面である。

  稽古は順調に進行している(と思う)が、今の私は十分に「いっぱいいっぱい」である。そうは見えていないかもしれないが。

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『パイレート・クイーン』通信

10月25日(日)

  1幕7場、そして8、9場をすっ飛ばして1幕10場~11場をあたる。

  1幕7場は「ロックフリートのもぐり酒場」である。
  「ロックフリート」とは、オフラハティの一族が暮らすアイルランドの一地方の名前である。その地方のもぐり酒場に、海賊の女王との結婚が決まったドーナル・オフラハティを祝うために悪友たちが集っている。そこにお店の女の子たちも加わって……。
  当然、賑やかで陽気なナンバーが繰り広げられることになるのだが、今日ステージングしたのはその前半部分のみである。後半はアイリッシュ・ダンスの掛け合いになるので、この続きはキャロルが再来日する11月に入ってから手を付ける予定。

  1幕10場はとても短い場面だが、グレイスとドーナルの新婚生活がどの様なものであったかを垣間見ることができる。そして、続く11場ではロックフリートの街に重大な危機が訪れる。その時グレイスがとった行動は……。
  どちらのシーンも青木美保さんの手を煩わせた。加えて、10場では渥美博さんの手も。

  稽古後は、明日予定されているシーンのために盆を回して色々なことをシミュレーション。遅くまで付き合ってくださった青木美保さん、小川美也子さん、そして演出部の皆さん、ありがとうございました。

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『パイレート・クイーン』通信

10月24日(土)

  1幕5場、6場をあたる。

  5場はイギリス。エリザベスが女王に即位した日である。
  エリザベス1世も、グレイスに負けず劣らず波乱万丈の生涯を送った人物であった。国王ヘンリー8世とその2番目の妻アン・ブーリンの間に生まれたが、国王は後に妻の首をはねる。一時は王位継承権を剥奪されロンドン塔に幽閉されたが、1558年、遂にイギリスの女王となる。『パイレート・クイーン』はその1558年から始まる。
  『パイレート・クイーン』の台本の冒頭には次のように記されている。
  「『パイレート・クイーン』は、女性が無力だった時代に生きた、二人の強力な女性の物語である。」
  つまり、物語の冒頭では、グレイス・オマリーもエリザベスも、無力な女性のひとりに過ぎないのである。『パイレート・クイーン』は、2人の挫折と成長の物語でもある。

  6場は再びアイルランド。
  アイルランドへの圧力を強める近代国家イギリスに対抗するためには、有力部族同士が手を結ぶしか方法はない。が、昨日まで敵味方に分かれていた部族がそう簡単に手を結べる筈もない。そんな時に選ばれるのは政略結婚である。
  オマリー一族は、オフラハティ一族と同盟を結ぶことになった。これはグレイスにとっては2つの苦しみが訪れることを意味している。ひとつは、ようやく手に入れた「海で暮らす」夢を取り上げられること、もうひとつは、最愛の人・ティアナンと別れなければならないということである。さて……。

  稽古スケジュールは情け容赦ない。明日も更に先へ進む。

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『パイレート・クイーン』通信

10月23日(金)

  午前中はPRGさんへ。『レベッカ』のために、ある照明機材のテストを見せてもらう。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。1幕4場をあたる。
  4場はパイレート・クイーン号と英国軍の戦闘場面。時間にすれば僅か1分ちょっとのアクションを1日がかりで作る。アクション・コーディネーターはもちろん渥美博さんである。
  この戦闘を通して、グレイスはオマリー一族の中で次のリーダー候補として認められて行くことになる。そして、イギリス側からは「女王陛下に歯向かう厄介な人物」として認識されることになる。

  明日の稽古は、そのイギリス側の反応、など。

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『パイレート・クイーン』通信

10月22日(木)

  午前中は日藝所沢。

  私の受け持つ「演出実習Ⅱ」に、「演劇」を授業科目に持つ高校などから先生が「研修」にいらっしゃることがある。多くの場合、先生方は1年間、日大の学生たちと演劇についての様々な授業を受けられるのである。
  私のクラスにも過去お2人の先生が研修にいらした。今年度もその様な先生が参加されている。
  夏休み明けの「演出実習Ⅱ」では「ある芝居のワンシーンを演出してみる」を継続中なのだが、今日はその先生が演出にチャレンジされた。先生は高校演劇を指導されて来た経験が豊富な方なので、大勢の生徒に役割を与えたり、芝居作りが停滞しないように常に新しい指示を追加したりなど、稽古の進め方がとてもユニークで、私はとても面白く拝見した(このブログでは説明の都合上「先生」と記しているが、「演出実習Ⅱ」ではあくまでも生徒として参加されているし、私も他の生徒と同様に接している)。
  「演劇は面白い」「稽古は楽しい」と言う根本的なことに改めて思いを巡らすことができた貴重な時間であった。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。

  昨日手を付けた1幕1場をおさらいした後、2場と3場をあたる。
  1場は、アイルランドの「海賊」たち=オマリー一族が新造した船の命名式から始まる。船の名前はもちろん「パイレート・クイーン号」である。
  当時の海賊船は女性禁制であった。海賊たちは「女性が船に乗ると不吉な事が起こる」と、頑なに信じていたのである。そんな海賊船にグレイスがどうして乗り込むことになったのか、が1場では語られる。
  昨日7時間かけて段取った1場も、通せば僅か10分である。だがその10分を価値ある時間にするためには昨日の7時間が必要だったのである。「新作を作る」と言うのはそういうことの連続なのである。
  2場、3場は1場から連続するシークェンスで、グレイスを乗せて処女航海に出たパイレート・クイーン号の船上で、2場ではグレイスと父・ドゥブダラの、3場ではグレイスとティアナンの、それぞれの思いを託したナンバーが展開されることになる。

  新作の稽古始めは緊張する。「上手くやれているだろうか」とか「別のやり方があるのではないか」とか、余計な事が頭をよぎり、平常心ではいられない。
  劇場の神様、どうか『パイレート・クイーン』号の航海をお守りください。私が進路を誤りませんように!

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『パイレート・クイーン』通信

10月21日(水)

  立ち稽古始まる。

  1幕の1場を1日がかりで段取る。一昨日の日記に「盆を回すことで様々なシーンを作ってみたい」と記したが、その通り、このシーンでは幾度となく盆が回る。
  ある場面を稽古する時、私は前もって人物の動線や舞台転換などをシミュレートして臨むことにしている。今回もいつも通り、1幕1場の様々な要素を前もってシミュレートして稽古に臨んだ。臨んだのだが、今回はいつもの様には行かないことが分かった。稽古場で実際に盆を回してみると、思いもよらない様な部分で想像とは異なる見え方になることが頻繁にあったのである。
  立ち稽古初日の今日は、1幕1場の段取りを大雑把に付けただけで20時近くになってしまった。「盆を多用する」と決めたのは自分なのだが……先が思いやられる。

  辛抱強くお付き合いくださった出演者とスタッフの皆さん、ありがとうございました。次回はもう少し要領良くやれるように心掛けます。

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『パイレート・クイーン』はお休み

10月20日(火)

  東宝ミュージカルアカデミーへ。
  欠席者が増えて来たのが気がかり。季節の変わり目で体調を崩しやすい時期であるのに加えて、インフルエンザの流行である。
  舞台を務める者にとって、毎年のように襲い来るインフルエンザは正に脅威である。舞台に穴は開けられないからである。これから逃れるには予防を徹底するしかない。
  舞台俳優には難儀な時代になった。

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『パイレート・クイーン』通信

10月19日(月)

  稽古場には回り舞台(我々は「盆」と呼ぶ)が仮設されている。日本版の『パイレート・クイーン』では、大がかりな舞台装置は用いない代わりに、「盆」を回すことで様々なシーンを作ってみたいと考えている。
  で、稽古前にステージングの青木美保さんと、様々なタイミングで盆を回してみて色々なシーンのシミュレーション。頭の中で想像しているのと実際に目の前で回るのとでは、やはり大違い。稽古場に「盆」があることのありがたみを実感。

  稽古は昨日に引き続き、全体でのヴォーカル稽古。ナンバーの間に挿入される台詞も入れて、全場面をひと通りあたる。これでヴォーカルをメインとした稽古は終了、いよいよ明後日より立ち稽古に入る。

  稽古後は休館日の帝劇の舞台袖をお借りして、やや規模の大きいテクニカル・テスト。想定通りの結果にひと安心。
  更にその後、舞台美術の松井るみさん、照明の高見和義さんと美術・照明についての打ち合わせ。細部が具体的になって来た。

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『パイレート・クイーン』通信

10月18日(日)

  稽古前に「ミュージカル」誌の取材を受ける。私の後には涼風さんが取材を受けていらした。12月号……かな?

  稽古は全体でのヴォーカル稽古。
  全体での、と言ってもまだ何人かが『レ・ミゼラブル』に出演中である。その何人かを除いて、今までアンサンブル、ソロ・パート別々に進めて来たヴォーカル稽古を合体させての稽古であった。物語の進行に沿って、セリフも端折らずに、ある程度繋げながら稽古したので、今まで自分のパートしか聞いたことのなかった殆んどの人々にも、ようやく全貌が伝わったことだろう。

  稽古後は音響デザイナーの山本浩一さんと打ち合わせ、更に照明デザイナーの高見和義さんと打ち合わせ。それぞれが現時点で気にしている事項を確認する。

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『パイレート・クイーン』通信 超ミニ

10月17日(土)

  ヴォーカル稽古。私は欠席。

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『パイレート・クイーン』通信

10月16日(金)

  アクション・デー。
  アクション・コーディネーターの渥美さんに、3時間みっちりしごかれる。最初はいつもの様に基礎の動作から。そして最終的にはひとり対大勢の手を付けて、実践に近い集団戦。目付きや剣のさばきなど、ひとりひとりが様になって来た。
  並行して青木美保さんとステージングの打ち合わせ。1幕前半の舞台の使い方を、模型を使用してシミュレーション。

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『パイレート・クイーン』通信

10月15日(木)

  午前中は日大藝術学部所沢。「ある芝居のワンシーンを演出してみる」の続き。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。アイリッシュ・ダンスのレッスンとヴォーカル稽古と、クリエの舞台をお借りして「帆」の素材テストが並行して行われる。
  「帆」の素材テストは、クリエに大型送風機2台を持ち込んで、想定されている大きさの帆を吊り、実際に風を当てながらその見え方や効果を検証。我々の『パイレート・クイーン』では、大規模な舞台美術は使用せず、なるべくシンプルな表現を目指そうと考えている。どうすれば余分なものを削ぎ落とせるのか、今日の様な検証作業が欠かせないのである。

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『パイレート・クイーン』通信

10月13日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。
  受講生たちは次の試演会へ向けて動き出している。私の担当ではないが、次はミュージカル作品である。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。
  ヴォーカル稽古も後半に入り、かなり良い具合に仕上がって来た。特にコーラスの厚みなどは、ブーブリル&シェーンベルクならではだと思う。
  『パイレート・クイーン』には歴史上に実在する人物が次々登場する、と昨日の日記に記したが、このミュージカルのストーリーは事実にインスパイアされた「フィクション」である。ただし、ストーリー上にも実際の出来事がいくつもちりばめられている。ネタバレになるのでひとつひとつには触れないが、あのエピソードもこのエピソードも実際に起きたことがストーリーに取り入れられているのである。もちろん脚色が施され、時間経過などは史実の通りではないのだが。

  明日は稽古OFF。場面ごとの演出プランをもう一度練り直すつもり。

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『パイレート・クイーン』通信

10月12日(月)

  ヴォーカル稽古。今日は石川禅さん、涼風真世さん、保坂知寿さん。

  石川さんが演じるのはエリザベス女王の忠実なる僕、リチャード・ビンガムである。ビンガム卿はエリザベスの命を受け、アイルランドの掃討に乗り出すことになる。
  『パイレート・クイーン』に登場する主要人物の大半は実在の人物である。グレイス・オマリー、エリザベス女王はもちろん、リチャード・ビンガムも実在の人物である。グレイスの父・ドゥブダラも記録に残っているし、グレイスの夫となるドーナルも実在している。が、史実ではグレイスの結婚は1度ではなかった。
  『パイレート・クイーン』には主要な人物がもうひとり登場する。グレイスの幼馴染・ティアナンだが、この人物が実在していたのかどうか、現時点で私の調べはついていない。

  ご存知の方はご教示ください。

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『パイレート・クイーン』通信

10月11日(日)

  ヴォーカル稽古。まずは今井清隆さん。

  今井さんはグレイス・オマリーの父で、オマリー一族の族長・ドゥブダラを演じる。
  16世紀中頃のアイルランドがどんなであったかは公式ページの「もっと知りたいアイルランド!」コーナー内の文章「グレイス・オマリーが生きた世界」をお読みいただきたいのだが、近代的な国家として統一される前夜、有力な部族が群雄割拠していた様な時代である。オマリー一族はアイルランド西方を拠点に、「海」をその生業の場所としていた人々であった。
  因みに、その頃の日本は安土桃山時代であり、グレイス・オマリーは上杉謙信と同年生まれなのであった。

  今井さんの後のヴォーカル稽古は宮川浩さん。

  今井さんの稽古が終わり宮川さんが現れると、宮川さんが先日まで出演していたミュージカル『The Musical Aida アイーダ』の話題になった。今井さんの観劇の感想が意外に白熱し、聞いていた宮川さんが少々うんざりしていたのが私には愉快であった。

  宮川さんのソロをあたった後は宮川さんと保坂知寿さんのデュエット曲をあたり、更にその後、保坂さんのソロをさらって今日のメニューは終了。もうしばらくはヴォーカル中心の稽古が続く。

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『パイレート・クイーン』通信

10月10日(土)

  ヴォーカル稽古。昨日に引き続きアンサンブルの皆さん、その後、荒木里佳さん。

  今日までの稽古では、帝劇地下の小ぶりな稽古場だったり、新宿の貸しスタジオだったり、日々稽古場を移動していた。そのためにスタッフも膨大な資料をその都度移動させたり、キャストも稽古着やシューズを持ち帰ったりしていたのである。錯覚をおこして、その日稽古が行われていない場所に向かってしまう人もいた。
  だが、それも今日までである。明日からは帝劇公演の本拠地、帝劇内にあるメインの稽古場(通称「9階稽古場」)での稽古が始まる。もっとも、明日はヴォーカル稽古のみ、しかも少人数で、であるが。

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『パイレート・クイーン』通信

10月9日(金)

  ヴォーカル稽古デー。今日はアンサンブルの皆さん、そして涼風さん。稽古は着々と進行している。
  公式ページの方も着実に進化している。ブログはこまめに更新されているし、特に「もっと知りたいアイルランド!」コーナーの充実ぶりが目覚ましい。
  公式ページと言えば、『レベッカ公式ページもリニューアルされた。よければ覗いてみてください。

  夜、久しぶりに佐藤B作さんにお目に掛かる。とてもお元気で安心しました。

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『パイレート・クイーン』通信

10月8日(木)

  台風18号の上陸に伴い、日大藝術学部は昨日の早い段階で臨時休校が決定。因って『演出実習Ⅱ』も休講。今朝の首都圏の交通機関の様子を見れば、正しい判断であった。

  さて、『パイレート・クイーン』の方は午後からであったので、予定通り稽古メニューを消化。
  今日はヴォーカル稽古に宮川浩さんが登場。宮川さんは、グレイスを妻に迎えるアイルランドの有力一族・オフラハティ家の息子ドーナルを演じる。音楽監督の山口さんは今日も快調なスピードで稽古を進行、持ち時間の半分ちょっとで宮川さんの稽古を終えた。
  その後は保坂知寿さんのヴォーカル稽古、さらにその後、荒木里佳さんのゲール語レッスン。
  荒木さんはオマリー一族の長老格の女・イヴリーンを演じる。イヴリーンには1曲、ゲール語で歌うナンバーがあり、しかしゲール語といわれても我々にはその知識がない。なので、専門の方をお招きしてその発音を教えていただいたのであった。

  稽古後は衣装打ち合わせ。小峰リリーさんが素敵なデザイン画を描いてきてくださった。

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『パイレート・クイーン』通信

10月6日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。
  試演会『濹東奇譚』を終えた受講生たちは一皮むけた様に感じる。それとも私の見方が変わっただけなのか?

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。
  今日はアイリッシュ・ダンス・デー。歌稽古、アクション、アイリッシュと、出演者たちは連日充実した稽古メニューを消化している。シーンの稽古が始まった時、今やっていることが生きて来る筈である。
  とは言え疲労もそれなりに蓄積していることであろう。明日は稽古OFF、ゆっくりと体を休めて欲しい。きっと台風接近で大荒れだし。

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『パイレート・クイーン』通信

10月5日(月)

  『パイレート・クイーン』の舞台美術打ち合わせと『レベッカ』のそれとがかち合ってしまった。
  が、『パイレート・クイーン』の方は今日は技術的な話が中心なので、冒頭の1時間だけ参加することにして、後は『レベッカ』の打ち合わせに専念することに。

  『パイレート・クイーン』の美術デザイナーは松井るみさんである。
  舞台奥にミュージシャンのエリアを置き、直径7間(けん/1間は6尺、1尺は約30.3cm)の盆を仮設した基本舞台のデザインは至ってシンプルなものである。『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』の様に巨大な構造物が出たり入ったりする、と言うことは今回はないので、ここのイメージも早めに軌道修正されることをお勧めする。
  一方、『レベッカ』の美術デザイナーは伊藤保恵さんである。
  こちらも既に数回打ち合わせを重ねたので、デザインはかなり具体的になって来ている。今日は簡単な舞台模型を使用して、幕開きから順番に各場面を追いかけて、必要とされる要素や転換方法などについて細かく意見交換した。

  現代のミュージカルは場面数が多い。どちらの作品もその例外ではないので、1回の打ち合わせに要する時間もそれなりに必要だ。しかし、それなりに時間をかけたにも関わらず、大抵の場合、1幕が終わった辺りで時間切れ、となるケースが殆どである。なので、今日の様な打ち合わせを何回も重ねなければならないのである。
  話は全く変わるが、「誕生日が同じ人がこのカンパニーには多い」と言うネタをもうひとつ。このブログでも今までに幾度となく触れて来たのだが、私と照明デザイナーの高見和義さんの生年月日が同じなのである。つまり私と高見さんは「同じ星の下に生まれた」2人なのである。
  高見さんはまだ誕生日嬉しい?

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『パイレート・クイーン』通信

10月4日(日)

  アクション・デー。

  『パイレート・クイーン』は、残念ながら大冒険活劇ではない。なので、「海賊たちが風光明媚な南の海で、血沸き肉踊る戦いとロマンスを繰り広げる」みたいなイメージをお持ちの方は、早目に軌道修正されることをお勧めする。
  とは言え、やはり戦いの場面は登場する。アイルランドのオマリー一族と、アイルランドを植民地化しようと目論む英国軍との戦いである。なので、今日はアクションの基礎的なレッスン。剣を使ったアクションをこなすために必要な20の基本動作を、アクション・コーディネーターの渥美博さんに仕込んでいただく。
  剣を使ったアクション(つまり立ち回り)には様々なルールが存在する。そのルールのお陰でアクションがリアルに見え、なおかつ舞台上の安全が保たれるのである。なので、立ち回りに参加する俳優は、まずこのルールをしっかり体に叩き込まなければならない。今日はみっちりと3時間、基本動作とその発展形を情け容赦なく教えていただいた。

  ところで、「誕生日が同じ」という昨日の話題の続きだが、出演者のタカ・ハヤシさん、真樹めぐみさん、そして穴田有里さんの3人が、何と同じ日生まれなのだそうだ。それも、おめでたいことにクリスマス・イヴ、『パイレート・クイーン』東京公演の前楽! である。
  3人はまだ誕生日が嬉しいだろうか?

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『パイレート・クイーン』通信

10月3日(土)

  ヴォーカル稽古デー。

  今日は涼風真世さんから。
  涼風さんはイギリスの女王・エリザベス1世を演じる。『パイレート・クイーン』は、エリザベスが即位した年、1558年から物語が始まる。
  稽古に入る前、涼風さんは、「照明で私を真っ白にしてくださいね」とおっしゃった。映画などに登場するエリザベス1世は一様に、白塗り、と言うか、顔が真っ白に見える様な化粧を施している。なので、涼風さんはそのことをおっしゃっているのだ、と思って話を聞いていたら、『パイレート・クイーン』のエリザベスのナンバーはどれもこれもキーが高く、顔を真っ赤にすることなしには歌えない、と言う話なのであった。
  確かにエリザベスのナンバーはどれもこれもキーが高い。今回は涼風さんの美しくパワフルなソプラノをたっぷりと堪能していただけるはずである。

  2番目は保坂知寿さん。保坂さんはタイトル・ロールの海賊の女王、グレイス・オマリーを演じる。
  保坂さんが稽古場に入っていらした時、涼風さんはちょうど帰り支度を終えられたところであった。保坂さんも涼風さんも、日本のミュージカルの第一線に立ち続けて来られた方である。そしてほぼ同世代でもある。
  お2人は稽古場の片隅でしばし談笑されていたのだが、僭越ながら私も同世代で、なのでお2人の舞台は何度となく拝見して来た。このお2人が並んで楽しそうに語り合っている姿にはちょっと感慨深いものがあったのであった。

  更にその後、アンサンブルさんたちのヴォーカル稽古。
  前回は音を取る作業で時間切れとなっているので、今日はもう少し細かく、ニュアンスや約束事を確認しながら歌い込む。
  それにしても、音楽監督・歌唱指導の山口琇也さん(皆は愛と尊敬をこめて「ビリーさん」と呼ぶ)の稽古は猛烈なスピードで進む。見ている私にはとても気持ちがいいが、歌う方は付いて行くだけで大変なエネルギーが必要だろう。
  ところで、9月30日は山口さんのお誕生日であった。『レ・ミゼラブル』の稽古場で、山口さんの似顔絵入りのケーキが振る舞われたことが関係者のブログなどに報告されている。訳詞の竜真知子さんも9月30日がお誕生日なのだそうである。どうやらこのカンパニーには誕生日が一緒な人たちが結構多そうだ。
  遅ればせながら竜さんに「おめでとうございます」と申し上げたら、「もうそれほど嬉しくはありませんけど」とのことであった。

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『パイレート・クイーン』通信

10月2日(金)

  昨日、今日はアイリッシュ・ダンスのレッスン・デー。まだアイリッシュ用のシューズが揃わないので、各自自前のタップ・シューズで代用している。
  タップ・ダンスとアイリッシュ・ダンスは一見とても似ている。どちらも靴底の固いチップで床を踏み鳴らし、軽快なリズムを刻みながら踊る。が、アイリッシュ・ダンスとタップ・ダンスは似て非なる踊りである。
  6月から行っていたアイリッシュ・ダンスのレッスンの中でも、指導を受け持つタカ・ハヤシさんは「そうやるとタップ・ダンスになってしまうから」と、繰り返しタップとアイリッシュの違いを説明していた。大半の出演者はなまじタップの経験があるために、そこから離れることに苦労しているように見える。
  とは言え、レッスン開始から既に4か月が過ぎた。私の眼には、一同それなりに様になって来た様に映る。少なくとも、今の日本でこの人数でアイリッシュ・ダンスを見せられるチームは他にはないのではないだろうか。
  どうか開幕を楽しみにお待ちいただきたい。

  夜は東宝ミュージカルアカデミーの試演会『濹東奇譚』へ。今回の経験を、これから先のレッスンにどう生かすか。全てはひとりひとりの意識の持ち方次第である。
  Just do it!

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日藝 → 東宝MA

10月1日(木)

  午前中は日藝所沢。

  先週に引き続き、ある芝居のワンシーンを「30分の持ち時間の中で演出する」課題を行なう。
  これはページ数にして10ページ、登場人物2名の、ある芝居の発端部分なのだが、このささやかなシーンをどう解釈して、それをどのように実行するか、演出に名乗りを上げた生徒ひとりひとりの個性が見えて私は飽きることがなかった。
  これは何よりも「対俳優」に関する訓練である。演出家の仕事領域は多岐に渡るが、その中で最も大きな比重を占めるのは「俳優との作業」であろう。演出家は自分のイメージをどうすれば他者に伝えられるのか、演出家が求めるものはどのようにすれば獲得できるのか、それを疑似体験することから「演出」について考察して行こう、と言う試みでもある。

  午後は東宝ミュージカルアカデミーの稽古場へ。

  今日、明日と4期生の試演会が行われており、それを観る。
  演目は永井荷風氏の小説を菊田一夫氏が劇化した『濹東奇譚』で、これは1期生、2期生、3期生の時も取り上げた。『濹東奇譚』は、若い俳優たちが取り組むには大変有益な戯曲だと思う。現代口語とは異なるが内容は容易に理解可能な台詞、市井の人々の日常の情景と、その人たちを襲う過酷な運命……。
  つまり、登場人物の喜怒哀楽を俳優自身の感情から導き出すことと、昭和初期の玉の井に暮らした人々をかっちりと造形することの2つが同時に求められるのである。
  指導は例年同様、山賀教弘先生である。何はともあれ、お疲れ様である。

  図らずも今日は、アラトゥ(なんて言葉があるのか?  「20歳前後の人々」の意のつもり)が演劇を学ぶ2つの学校を掛け持ちした。彼ら・彼女たちに伝えたいこと、求めたいものは山ほどある。何よりも、芝居がやりたいことであるならば本気でやって欲しい。
  が、彼ら・彼女たちから私が教わることもまた無数にある。今日も彼ら・彼女たちに感謝。

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『ミー&マイガール』CD発売!

9月30日(水)

  『ミー&マイガール』のハイライト・ライヴ録音盤CDが自宅に届いた。

  詳細はこちらをご覧いただきたいのだが、帝国劇場売店などで今日から発売になる。「オーヴァーチュア」から「フィナーレ」まで全20トラック。ミュージカル・ファンとしては、省略されがちな「アントラクト」が収録されているのが嬉しい。
  東宝ミュージックのWeb Storeでは、他にも『ラ・カージュ・オ・フォール』『ダンス オブ ヴァンパイア』『ジキルハイド』などのCDもお求めいただくことができる。

  この機会に大人買い?

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『パイレート・クイーン』短信

  『パイレート・クイーン』公式ページが充実して来た。

  ブログがスタートし、「もっと知りたいアイルランド!」と言うコーナーも始まった。作品の背景や雰囲気を予習しておきたい方はどうぞ覗いてみてください。

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『パイレート・クイーン』通信

9月28日(月)

  アンサンブルさんの歌稽古始まる。

  それぞれの歌のパートを決めた後、今日はコーラス・パートの音取り。音楽監督・歌唱指導の山口琇也さんの要領の良い指示の下、猛烈なスピードで全編の音取りを4時間で終える。
  訳詞の竜真知子さんも立ち会ってくださり、皆の歌を聞きながら、気になった部分があればなお貪欲に修正を加えている。
  今までは、全編を1人で歌っているデモ音源を聞いていたので、こうして大勢で、そしてハーモニー付きで歌われると、見違える様にダイナミックに聞こえる。私自身のモチベーションも大いに上がった。

  稽古後、花組芝居の稽古場へ。

  花組芝居は現在『ナイルの死神』の稽古中。アガサ・クリスティ作のこのミステリーを以前私も演出したことがあり(その時のタイトルは『ナイル殺人事件』)、加納幸和さんとのプログラム向けの対談の相手にご指名いただいたのである。そもそも加納さんは大学時代の1年先輩でもある。
  花組芝居流のクリスティがどの様に仕上がるのか、クリスティファンである私も大いに楽しみにしている。

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『ダンス オブ ヴァンパイア』千穐楽

9月27日(日)

  博多座の『ダンス オブ ヴァンパイア』も遂に千穐楽。今年の夏も、これで本当に終わった。

  まずは3か月に及ぶロングランを無事に乗り切ったキャスト&スタッフの皆さんに感謝したい。本当にお疲れ様でした。そしてご来場くださったお客様。皆さんが今年の『ダンス オブ ヴァンパイア』を作ってくださったのでした。ありがとうございました。
  これでアルフレート少年の冒険も、クロロック城の宴も封印されることになる。が、いつの日か、「血」を求める多くの者の声に押されて、再び封印が解かれる時が訪れるかもしれない。

  訪れるといいな。

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『パイレート・クイーン』など通信

9月25日(金)

  渋谷へ。
  来年に予定されている新作ストレート・プレイの打ち合わせでEプロデューサーに会う。Eプロデューサーの下でこの作品を担当する今春入社の新人は、日大藝術学部演劇学科の卒業生。早い話が私の教え子である。
  卒業の折に、「いつか山田先生と仕事をするのが夢です」と言ってくれていたのが、こんなに早く実現するとは。私もちょっぴり嬉しい。

  その後、帝劇へ。
  『パイレート・クイーン』の舞台美術絡みの作業を今後どの様に進めて行くか、演出部の皆さんと意見交換。課題山積。

  お知らせ。
  9月26日発売の『ベストステージ』誌11月号に私のロング・インタビューが載っている。ご興味のある方はどうぞ。

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夏休み やっと終わる

9月24日(木)

  大学生の夏休みは長い。

  この話題も毎年書いているが、今年も書く。長すぎないか、大学生の夏休み?
  今日から日大藝術学部の後期の授業が始まった。いきなり1時限目に私の授業である。休み明けの1限は出席率も悪いだろう、と予測していたのだが、あに図らんや、かなり良い出席率であった。みんなのこと、根拠も無く疑ってごめん。
  それはともかく、今日からはあるテキストのワンシーンを学生たちに演出させている。前期はディスカッション主体で授業を進めて来たのだが、後期は「演出をする」と言う体験を通して様々なことを考察していこう、と計画しているのである。

  果たしてどのように発展して行くだろうか。

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『パイレート・クイーン』通信

9月22日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  アカデミーの2学期は既に8月の第3週から始まっている。私のクラスでは、最近上演されたミュージカルのワンシーンを素材にして、受講生たちに演じて(もちろん歌って)もらっている。1学期も同じ様にして来たのだが、2学期に入って素材を変えた。
  このやり方は、私にとっては大変やり易く、そして受講生に伝えたいことを過不足なく伝えられるので実にありがたい。ありがたいのだが、難点があって、このやり方では1コマの中で演じる機会が回って来るのはせいぜい2~3チーム。残りの大勢は見学しているだけになってしまうのである。
  もちろん、他者が演じるのを見ることは若い俳優にとって大変有益なことだと思っている。そして演出者の指示によって演技がどう変化して行くのか、演技の変化が見え方にどんな影響をもたらすのか、そのことをしっかりと観察して欲しいとも思う。
  だがしかし、欲を言えば、他者の演技を観察する機会の、せめて半分程度でも演じる機会を設けて上げられないものか、とも思う。
  うーん……。

  午後は帝劇へ。『パイレート・クイーン』のステージング打ち合わせ。

  『パイレート・クイーン』の作中にはアイリッシュ・ダンスが度々登場する。アイリッシュ・ダンスは、日本でも「リバーダンス」の来日公演などで知られる様になったと思うが、硬い木の底を持った専用の靴を履き、その靴で床を踏み鳴らしながら踊る、アイルランドの伝統的な民族舞踊である。
  『パイレート・クイーン』でアイリッシュ・ダンスのナンバーを振り付けるのは、「リバーダンス」での指導、振付の経験も豊富なキャロル・リーヴィ・ジョイスさんである。彼女は『パイレート・クイーン』のブロードウェイ公演でもアイリッシュ・ダンスの振り付けを担当された。
  ところで、『パイレート・クイーン』は、全編アイリッシュ・ダンスで進行する、と言う訳ではない。アイリッシュ・ダンスをご存知の方には言わずもがなことであろうが、あんな激しいダンスを2時間半も踊り続けるのは不可能である。あのダンスを踊りながらでは、そもそも歌うことさえままならないだろう。
  話が長くなったが、キャロルさんはアイリッシュ・ダンス以外のミュージカル・シーンのステージングを担当しないのである。それを受け持つのは青木美保さんである。なので、今日は青木さんとの打ち合わせなのであった。
  今年の5月に日生劇場で上演された『シラノ』もそうだったと思うのだが、ダンス・ナンバーと呼ぶ様なシーンが(アイリッシュ・ダンスのシーンを除けば)『パイレート・クイーン』には殆ど存在しない。なので青木さんのクレジットも「振付」ではなく「ステージング」なのである。だがしかし、この「ステージング」と言う言葉が示す領域は極めて曖昧で、なので今日の打ち合わせでも、このシーンを担当するのは私なのか青木さんなのか、そんな喧々諤々の連続なのであった。

  美保ちゃん、よろしくね。

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『パイレート・クイーン』通信

9月21日(月)

  帝劇へ。『ドリームボーイズ』の休館日を利用して、舞台を拝借して特殊効果機材のテスト。

  開始時刻の少し前に到着すると、既に様々な機材が広げられていて……、と言うより、広げられていた機材が片付けられようとしていた。
  種を明かせば、『パイレート・クイーン』の為の機材テストの前に、シアタークリエ10月公演『ガス人間第1号』のチームが、我々同様に様々な機材をセッティングしてテストを行っていたのであった。
  何しろあちらはガス人間である。色々なことが要求されているのであろう。一方、こちらは16世紀のアイルランドである。「特殊効果」と言っても「自然現象の一部をどう表現するか」と言う話であって、取り立てて驚くようなものではない。

  話は逸れるが、この秋の演劇界で私が最も楽しみにしているのが『ガス人間第1号』である。理由は……、
  なんだか面白そうじゃないですか?

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『パイレート・クイーン』通信

9月20日(日)

  今日はパイレート・クイーンデーであった。

  まず午前中は衣裳の打ち合わせ。
  我々の世界には「香盤表(こうばんひょう)」と言うものがあるのだが、これは「どの場面に誰が何の役で登場するか」が記された一覧表である。その香盤表を基に、どこでどの様な衣裳が必要になるのかを衣裳デザイナーの小峰リリーさんと打ち合わせ。
  今日の打ち合わせを基に衣裳のデザイン画が描かれることになる。

  午後はアクションの打ち合わせ。
  『パイレート・クイーン』は16世紀アイルランドの海賊たちの話である。当時のアイルランドはイギリスとの戦いを繰り返していた。なのでこの作品の中でも何度か戦闘場面が登場する。「海賊vs英国兵」の他にも、男たちのけんか、など、アクションが含まれる場面は多い。
  今日はその1回目の打ち合わせ。アクション・コーディネーターは渥美博さんである。

  その後、ミュージカル・ナンバーの録音。
  オーヴァーチュアからフィナーレまで、つまり『パイレート・クイーン』の全音楽を日本語の歌入りで録音する、と言う作業を行っている。日本語の歌詞をメロディに乗せた時に違和感が生じないかをチェックする為であると同時に、アクション・コーディネーターの渥美さんやステージングの青木美保さんが構想を練るために、そして私や演出部の皆さんが舞台の転換や着替えのための持ち時間などを計算する為に、この録音データが活用されるのである。
  今日はその最終回。訳詞の竜真知子さんの立会いの下、歌ってくださったのは音楽監督の山口琇也さん、そして全楽曲をピアノで弾いてくださったのは稽古ピアニストの間野亮子さんであった。

  6月から週2回のペースで行われていたアイリッシュ・ダンスのワークショップも先週でひとまず終了した。
  その成果の一部は8月17日に東京會館で行われた製作発表でも披露されたが(その時のムービーはこちらから)、ワークショップで講師を務めてくださったTakaさんによれば、ワークショップを終えた今現在はその時よりも格段の進歩を遂げているそうである。

  10月からは本格的な稽古が始まる。それに合わせて『パイレート・クイーン』通信もいよいよ本格的に始まる。11月28日の初日まで、どうぞお付き合いくださいませ。

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『ダンス オブ ヴァンパイア』博多座開幕!

9月3日(木)

  『ダンス オブ ヴァンパイア』が博多座で開幕した。

  昨日(2日)が初日で、初日のサラは知念さん。大塚サラは今日(3日)からで、アルフレートは博多座では泉見さんのシングル・キャストとなる。
  博多座は帝劇と比べると一回りコンパクトな劇場である。何よりも舞台と客席が近い。2階席、3階席からでも近い。そして音の響きが素晴らしい。また、2階席・3階席の前方サイドからは、帝劇には存在しなかった角度から舞台(と1階席の様子)を眺めることができる。この角度からの見え方はちょっと面白い。

  博多座さんの公式ページでも日々の情報が「最新ニュース」としてUPされて行くらしい。既に初日のカーテン・コールの映像がUPされている。
  それと、コーモリの女の子の姿をチラッと見かけたような……。

  博多座10周年記念公演『ダンス オブ ヴァンパイア』は9月27日まで。臨場感抜群の博多座へ、是非!

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『ダンス オブ ヴァンパイア』東京千穐楽

8月26日(水)

  帝劇7-8月公演『ダンス オブ ヴァンパイア』が無事に千穐楽を迎えた。

  何よりもご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。そしてスタッフ&キャストの皆さん、お疲れ様でした。
  今日の千穐楽は、音響機材のトラブルで開演が10分ほど遅れた。微妙な緊張感が客席に広がる中、開演前の舞台に団扇を手にしたクコールが。お陰で一気に千穐楽モードに切り替わり、監事室で事の成行きを見守っていた私も胸を撫で下ろした。
  カーテン・コールでは、いつもの様に駒田一さんの進行でキャストの皆さんがご挨拶。そしてその後、もう一度「フィナーレ」をオール・スタンディングの客席の皆さんと歌い踊った。
  エグズィット・ミュージックの演奏が終わっても、キャストは何度も舞台に呼び戻された。その内の1回に私も参加した(恥ずかしながら。何しろ精神的には裏方なので)。良い千穐楽であった。

  これで2009年の帝劇版『ダンス オブ ヴァンパイア』は終演である。観客にも出演者にも愛された、本当に幸福なミュージカルであった。
  と言っても今年の『ダンス オブ ヴァンパイア』はまだまだ終わらない。スタッフは休む間もなく博多座へ移動する。ヴァンパイア・ウィルスが遂に九州地方を襲うのである。

  博多座の初日は9月2日。禁断症状の深刻な方はこちらへどうぞ!

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『パイレート・クイーン』製作発表

8月17日(月)

  東京會館にて『パイレート・クイーン』の製作発表。

  取材陣、そして一般のオーディエンス550名を招いて開かれた今日の製作発表は、ブロードウェイ公演のメイキング&プロモーション・ビデオの上映から始まった。
  4分間の抜粋映像が流れた後、今日の出席者が登壇。保坂知寿さん、山口祐一郎さん、今井清隆さん、石川禅さん、宮川浩さん、涼風真世さん、アンサンブルの皆さん、アイリッシュ・ダンス振付のキャロル・リーヴィ・ジョイスさん、そして私である。
  それぞれが抱負を述べたあと、アラン・ブーブリル氏、クロード=ミッシェル・シェーンベルク氏からのメッセージが紹介され、更に取材陣との質疑応答。その後、何曲かのミュージカル・ナンバーが披露された。
  披露されたのは保坂さんの歌った「女って」、今井さんによる「我が娘よ」、そして涼風さんの「女王の務め」であった。そしてタカ・ハヤシさんに率いられたアンサンブル・キャスト全員によるアイリッシュ・ダンスのデモンストレーションも行われた。
  製作発表の最後はフォト・セッション。マスコミに配信されている居並びの写真はこの時に撮られたものである。

  製作発表終了後、保坂さん、山口さん、涼風さんと共に幾つかの取材を受ける。製作発表の様子と共に、いずれどこかに掲載、オンエアされるだろう。

  明日から3日間は、来日中のキャロルと集中ミーティングである。まだまだ先のことと思っている内に、『パイレート・クイーン』ももう目の前である。

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『ミー&マイガール』 at 中日劇場

7月8日(水)

  名古屋へ。中日劇場で上演中の『ミー&マイガール』を観る。

  中日劇場の良さは、舞台と客席の距離が近いことと、音響の響きが素晴らしいことである。そのため、とてもアットホームな雰囲気が生まれるし、何よりも臨場感がある。『ミー&マイガール』の様な作品にはうってつけの劇場なのである。
  帝劇と比べると、舞台美術はやや小ぶりになっている。が、それは仕方がない。そもそも6年前の帝劇初演の時、帝劇でしかできないものを、帝劇のスケールと舞台機構をフル活用して、と考えて作り上げた舞台美術である。
  が、先に記したように、その小ぶりさもいい意味でアットホームに見えていて、中日版には中日版の良さがあった。事実、中日劇場は大いに盛り上がっていた。何よりも、台詞のひとつひとつに反応してくださっていたのが嬉しかった。

  困難な引っ越しを実現してくれた、演出助手の落石君、舞台監督の佐藤さん、そして玉野さんに感謝したい。もちろん中日劇場のスタッフの皆さんにも。

  中日劇場の『ミー&マイガール』は7月15日まで上演中。

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『TDV』通信

7月7日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。

  前期の私のクラスは今日で終了。なので今日は通常のカリキュラムを離れ、ひとコマ(2時間)全枠を受講生との質疑応答に当てた。日々のレッスンの中で感じていることや演劇製作上の疑問点、或いは、私が演出家としてどの様に作品作りをしているのか……、などなど、素朴だが真剣な質問が数多くなされた。
  今現在の彼ら・彼女たちを見てアドヴァイスをするとすれば、それはただひとつ、「やりたいんなら本気でやれ!」

  午後は帝劇へ。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』も本日より2回公演。昨日も記した通り、今日はアルフレートとサラがシャッフルされて、これで4パターンあるダブル・キャストの組み合わせの全てが初日を終えたことになる。
  カーテン・コールも挨拶の無い通常の形になり、いよいよ3か月に及ぶロング・ランがスタートする。

  さて、『TDV』通信も今日でひとまず終了である。ご愛読本当にありがとうございました。今後のヴァンパイア・ニュースは充実ぶりも目覚ましい公式ブログでどうぞ。

  さて、5月の『シラノ』、6月の『ミー&マイガール』、そして『ダンス オブ ヴァンパイア』と続いた大型ミュージカルの連続オープンもこれで一区切りついた。3月16日に『シラノ』の歌稽古を開始して以来、大変充実した3ヵ月半であった。
  次回はパイレート・クイーン』通信であるが、これが本格的に始まるのは10月に入ってからである。それまでは不定期に、書くべきことがあった場合にのみ書き込みます。

  皆さん、良い夏を!

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『TDV』通信 ダブル・キャスト初日!

7月6日(月)

  浦井アルフレート&大塚サラの初日。

  「2落ち」と言う業界用語がある。
  無事に初日を終えた次の日(つまり2日目)は、初日とは打って変わって低調な出来で終わってしまうことが多い、と言うことを言った言葉だが、ジンクスの様でもあるし、自戒を込めた戒めの様な言葉でもある。が、ダンス オブ ヴァンパイア』は今日も「2落ち」とは無縁の素晴らしい出来であった。
  そして浦井アルフレートも大塚サラも、昨日のコンビ、泉見さん・知念さんとは違ったそれぞれの持ち味を生かした役作りで、堂々たる初日振りであった。
  実際にはお2人とも相当緊張していたらしい。大塚さんは、1幕よりも2幕でそれが顕著であったと言う。が少なくとも客席からはそんな風にはこれっぽっちも見えていなかった。
  私はダブル・キャストの公演はこの様であるべきだ、と思っている。つまり、「どちらを見ても印象が変わらない」と言うのではなく、それぞれの個性やアイデアが反映されていて、どこを取ってもその人にしかできない表現がなされているべきだ、と言うことである。

  それはともかく、明日は初の2回公演。そしてキャストがシャッフルされて、昼は泉見アルフレート&大塚サラ、夜は浦井アルフレート&知念サラの顔合わせである。また一味違う『ダンス オブ ヴァンパイア』が見られる筈である。

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『TDV』通信 初日!

7月5日(日)

  大道具や照明、音響が最後の調整を続ける中、我々は昼過ぎから稽古場に集合。昨日のゲネプロ終了後は速やかに帰宅したので、その駄目出しを含む最後の確認であった。
  開演の2時間前、舞台にて初日のお祓い。2か月に渡る帝劇公演の成功と無事を祈願。
  そして17時30分。荘厳なオーヴァチュアが3年振りに帝劇に響き渡った。そして吹雪の中を、大小の荷物をぶら提げた少年が心細そうにトボトボとやって来た……。

  休憩中の「あの人」を含め、何から何までが楽しく、そして懐かしかった。上演中は、あの夏から既に3年も過ぎたとは思えない様な、少し不思議な感覚であった。
  終演後は通常のカーテン・コールに加えて初日のご挨拶。駒田一さんの司会で、知念里奈さん、泉見洋平さん、石川禅さん、そして山口祐一郎さんが短くコメントを述べた。
  そして総立ちのお客様は、何度も何度もキャストを舞台に呼び戻してくださった。一旦はエグズィット・ミュージックが演奏されたにもかかわらず、お客様は拍手を止めてくださらなかった。

  やはり『ダンス オブ ヴァンパイア』は楽しい。が、そのことは、お客様が客席を埋めてくださった時に初めて実感できる楽しさなのである。作品と観客の幸福な出会い。ダンス オブ ヴァンパイア』は、その出会いに恵まれた幸運な1本であろう。

  明日は浦井健治さんと大塚ちひろさんの初日。今日に劣らない、素敵な初日になります様に!

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『TDV』通信 そして『ミー&マイガール』名古屋初日

7月4日(土)

  舞台稽古の続き、そしてゲネプロ。

  困難な3日間であったが、それでもタイム・テーブル通りに全行程を修了した。優秀で献身的なスタッフ陣にまずは感謝したい。
  再演で、しかも通常公演より多めに作業時間が確保されている今回でこの大変さである。3年前の初演は、良く無事に初日まで漕ぎ着けたものである。それこそ奇跡の様にして幕が開いたのだ。

  さて、いよいよ明日は初日。熱狂の3ヵ月の始まりである。

  名古屋・中日劇場の『ミー&マイガール』は本日初日。無事に幕を下ろすことができたそうである。スタッフ&キャストの皆さんお疲れ様でした。そしてご来場くださった皆さん、ありがとうございました。

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『TDV』通信

7月3日(金)

  舞台稽古2日目。

  昨日、幕開きから1幕7場までを終えているので、今日はその続き。1幕8場の幻想の舞踏会から2幕7場の図書館までを舞台稽古。
  『ダンス オブ ヴァンパイア』の舞台稽古では、やらなければいけないことの量が膨大である。今回は再演であるにもかかわらず、やはりそれなりの時間を費やしてしまう。ダンスに仕掛けに舞台転換に照明。1つ1つは決して大げさなものではないのだが、その総量が多いのと、それぞれをデリケートにシンクロさせなければならないのとで、手順を付けるのに手間がかかるのである。
  とは言え、タイム・テーブル的には至って順調。予定のメニューを無事時間内に終了した。

  明日は舞台稽古の残りとゲネプロ。「すべて順調、万事快調!」

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『TDV』通信 ミニミニ

7月2日(木)

  テクニカル・リハーサル、サウンド・チェックの後、舞台稽古。その後、再びテクニカル・リハーサル。昨日ほどではないけど深夜帰宅。また明日。

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『TDV』通信 ミニ

7月1日(水)

  終日道具調べ、照明合わせ。深夜帰宅。おやすみなさい。

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『TDV』通信

6月30日(火)

  博多へ。博多座開場10周年記念公演となる『ダンス オブ ヴァンパイア』の製作発表であった。

  今日の博多は大雨警報と雷洪水注意報が発令される生憎の天気であったが、それでも大勢のマスコミの方が詰め掛けてくださった。ヴァンパイア・カンパニーから出席したのは岡本プロデューサー、山口祐一郎さん、石川禅さん、大塚ちひろさん、知念里奈さん、そして私で、それぞれが抱負を述べた後、質疑応答と写真撮影が行われた。
  更にその後は個別のインタビューなども設定され、各人が分刻みで応対した。私もKBCテレビとFM福岡のインタビューを受けた。
  これらの模様は、9月の博多座公演に向けて様々な媒体に登場することになると思われる。九州地方の方はお楽しみに。

  博多滞在4時間ほどで、私はとんぼ返りして帝劇へ。仕込み作業の進行状況を確認して、今日の所は早々に帰宅。明日が長い1日になりそうだからである。

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『TDV』通信

6月29日(月)

  オケ付き通し稽古2回目。舞台では本格的な仕込み作業が始まっている。

  全体での稽古は今日が最終日である。後は劇場で、扮装して、舞台美術や照明や音響と合わせての稽古に委ねたい。
  稽古後、開演アナウンスの録音。
  本当は初演時のアナウンスをそのまま使用するつもりだったのだが、その録音ソースが発見されず、仕方なく録り直すことに。なので文面は殆ど変わっていないが、一応新録音である。

  明日はヴァンパイア・ダンサーのみの振り固め。私は博多座へ出張。

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『ミー&マイガール』東京千穐楽 そして『TDV』通信

6月28日(日)

  『ミー&マイガール』が帝劇で千穐楽。ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。

  今日の千穐楽、私は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古で観劇できなかったのだが、稽古の始まる前に舞台袖から幕開きを、稽古の休憩時間にフィナーレを覗いた。
  フィナーレ時に舞台袖にいたのは、終演後に舞台裏で行われる恒例の手締めに参加するためだったのだが、成り行きで何度目かのカーテン・コールで舞台上に登場する羽目になった。今日ご観劇くださった皆さん、私は決して「出たがり」ではないので、どうか誤解の無い様に。
  終演後、舞台裏では東宝の増田専務がご挨拶、そして『ミー&マイガール』の作曲者ノエル・ゲイ氏のお孫さんで著作権を管理していらっしゃるアレックス・アーミテージ氏からもお言葉を頂戴した。そして井上芳雄さんの音頭で3本締め、帝劇公演を打ち上げた。
  さて、『ミー&マイガール』は名古屋に旅立つ。中日劇場にて7月4日から15日まで、東宝版としては初めて帝劇を離れての公演である(詳細はこちら)。
  キャスト&スタッフ&オーケストラの皆さん、どうか良い旅を。次は中日劇場が世界で1番幸福な場所になります様に!

  『ダンス オブ ヴァンパイア』はオケ合わせの2日目。昨日の続きで2幕の後半を合わせる。
  休憩を挟んだ後、オーケストラで1回目の通し稽古。とてもいい出来であったと思う。通し稽古後の駄目出しでもそのことを全員に伝えた。

  舞台ではヘアフォード邸が着々と解体されている。そしてその跡に運び込まれるのはクロロック城である。『ダンス オブ ヴァンパイア』開幕は1週間後に迫った。

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『TDV』通信

6月27日(土)

  オケ合わせ。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』のオーケストラは25名。壮大な楽曲、美しい楽曲、ミステリアスな楽曲、激しい楽曲……。昨日までピアノだけで演奏されていたミュージカル・ナンバーの世界観が一気に広がった。
  今日は1日かけて2幕半ばまでを消化。明日は残りのオケ合わせを終えた後、オケ付き通し稽古。

  稽古後、帝劇の奈落作業場に下りて、「霊廟」の場面で教授に降りかかる「アクシデント」のテスト。教授の場所に上がってみると、結構高く感じるのである。

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『TDV』通信

6月26日(金)

  稽古前に東宝の社内誌「宝苑」の取材。『ダンス オブ ヴァンパイア』の見どころなどを語る。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』は通し稽古の2回目。今日は泉見アルフレートと大塚サラ。2人も全体も着実に進化している。
  通し稽古後は駄目出し。更にその後、『ミー&マイガール』終演後の舞台を拝借して“ベッド・シーン”の稽古。
  稽古後、稽古場には楽器が搬入された。昨日、今日と別のスタジオでオーケストラ・リハーサルが行われていたのだが、明日からはここでオーケストラとの合わせである。指揮は西野淳さんである。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』の後は『パイレート・クイーン』の舞台美術打ち合わせ。台本の要請、音楽の要請、ダンスの要請に、それぞれどう応えるか……。

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『TDV』通信

6月25日(木)

  午前中は日藝所沢。

  演劇には「空間」の概念と「時間」の概念がある、と言う話をする。
  前回の授業で考察したのは「空間の概念」で、近代演劇以降に持ち込まれたその概念が演劇に「時間の概念」をもたらし、そしてそのことが「演出」と言う仕事を独立、発達させたのではないか、と言う様なことを、ある空間の中で人物を動かしながら実例を上げて解説。珍しくアカデミックな授業であった。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。1回目の通し稽古。

  通し稽古の合間に、岡本プロデューサーから「特に心配な所はないだろう?」と言われた。その通り、順調な仕上がりだと感じている。『ダンス オブ ヴァンパイア』が備えている祝祭的な楽しさと哲学的な深さの両面が、理想的なバランスで醸し出されていると思う。
  通し稽古終了後は駄目出し、そしてダンスシーンの抜き稽古。明日はキャストを入れ替えて2回目の通し稽古。因みに今日のアルフレートは浦井健治さん、サラは知念里奈さんであった。

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『TDV』通信

6月23日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。

  私は歌えないし踊れないし演技経験も無い。なので歌やダンスや演技の技術を教えることはできない。では私のクラスでは何をやっているのか、と言うと、私は演出をしている。あるミュージカルのある場面を、プロの現場でミュージカルを作るのと同じプロセスで受講生たちに体験させている。
  歌、ダンス、演技。個々のレッスンは私以外の先生方が充実したカリキュラムを組んでくださっている。なので、私のクラスでは、個々のレッスンで受講生たちが獲得したスキルを総合的に見ることに主眼を置いている。
  「何のためにレッスンを重ねるのか」が、私のクラスのテーマなのである。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。昨日整理した1幕を通す。その後、ダブル・キャストを交代してもう1回通す。

  1幕は初演とほぼ同じ、1時間12~3分に仕上がりそうである。今回から新たに加わってくださったキャストの皆さんも、それぞれの持ち味が活かされて良い感じになって来た。初演からの皆さんは、その魅力に益々磨きがかかっている。
  明日は稽古場最後のOFF(イベントのある方はご苦労様です)。明後日より通し稽古態勢に入る。

  稽古後は『レベッカ』の舞台美術打ち合わせ。『レベッカ』の舞台美術は、シアタークリエ版とはコンセプトを一新することになる。さて……。

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『TDV』通信

6月22日(月)

  1幕を場面毎に、丁寧にさらう。

  何しろ、最後に1幕を稽古したのは1週間以上前のことだ。場面によっては2週間近く前になる。どうなることやら……と言う気持ちは、恐らく俳優たちも私も大差なかっただろうと思う。
  予想通り、芝居が上手く流れなかったり、手順を忘れてしまったていたり……はあった。が、そうなるのは当たり前のこと、心配はしていない。そのことよりも、2幕ラストまでひと通り手を付けたことによって、それぞれのキャラクターが抱えるドラマがより具体的に表現される様になったことが大きな収穫であった。

  ところで、今日は他にも幾つかご報告が。

  まず、『ミー&マイガール』のハイライト・ライブ録音CDの発売が決定した。詳細は未定だが、第一報はこちらからどうぞ。
  次に『パイレート・クイーン』のアンサンブル・キャストが発表になった。こちらからどうぞ。

  最後に、この記事の左、私の顔写真の下に存在している小さな7桁のカウンターであるが、この数字は、このブログを訪問してくださった方のアクセス数の総計である。
  ココログでこのブログを始めたのが2006年4月。以来、足掛け3年と3カ月で1.000.000人を超えることとなった。
  この場をお借りして、このブログを覗いてくださった皆さんに御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

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『TDV』通信

6月21日(日)

  前半はダンス・ナンバーの振り固め。その後、2幕をおさらい。

  1幕をやるより先に、2幕を台本順に全場面当たった。今まで場面ごとにブツ切れで稽古していた為に掴み辛かった繋がりや流れが、これで理解し易くなっただろう。
  明日は久々に1幕に戻る。1幕を稽古してから随分と時間が経っているので、果たして覚えているだろうか?

  公式ブログには久々のリー君登場。もうご覧いただいたであろうか?

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『TDV』通信

6月20日(土)

  2幕10場、11場を稽古。

  10場はクロロック城で行われる舞踏会。
  このシーンも細かい約束事の連続で、場面にすれば10分足らずなのだが稽古は1日がかりである。とは言え、初演の時の苦労に比べれば再演の稽古は楽なものだが。
  そして11場。ラスト・シーンである。
  全ては終わった。そして教授は歩き始める。彼が再びトランシルバニアを訪れることはないだろう。……本当に?

  今日でとりあえず全シーンを当った。明日からは2順目。「とりあえず」当った各シーンをより精密に仕上げて行きたい。『ダンス オブ ヴァンパイア』開幕まであと2週間である。

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『TDV』通信

6月19日(金)

  『ダンス オブ ヴァンパイア』のもうひとつのハイライト、2幕9場を稽古。

  2幕9場はクロロック城の尖塔と墓場である。
  城の最上部まで上り詰めたアルフレートと教授。外は既に陽が落ちていた。果たして2人はヴァンパイアvs人類の戦いに勝利することができるのか……?
  一方、墓場では今夜の舞踏会に向かうヴァンパイアたちが続々と蘇っていた。この場面のミュージカル・ナンバーは、永遠に死ぬことの無い死者たちによる「永遠」と、7分に及ぶ伯爵の「抑えがたい欲望」である。どちらもが2幕後半のハイライトだと思う。

  明日はいよいよ舞踏会に潜入!

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『TDV』通信

6月18日(木)

  午前中は日藝所沢。

  学生たちに「好きな劇場はどこか」尋ねてみたら、即答した者は少なく、「まだ色々な劇場に行ったことがないので……」と言う者が多かった。それはそうだ。半年前までは受験生だった訳だし、全員が関東圏出身でもないのだから。
  「でも理想の劇場なら……」あります、と言うことで、それぞれが様々なことを答えてくれた。私はこの仕事を始めて既に四半世紀。好きな劇場もあれば、それ程でもない劇場もある。観客としてはいいが、仕事では……と言うところもある。もちろんその逆も。
  劇場は1点ものである。同じ劇場は2つとない。だから面白い。皆さんの好きな劇場はどこだろうか?

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。

  まずは2幕2場、アルフレートの悪夢シークェンス「夜を感じろ」を当る。
  ここは『ダンス オブ ヴァンパイア』のハイライトである。伯爵の城に泊まったアルフレートが深夜に見た悪夢がダンスで表現されている。初演の時、脚本・作詞のミヒャエル・クンツェ氏から「ウィーン版より素晴らしい」とのお言葉を頂戴したシーンである。エキサイティングなダンスとヴォーカルをお楽しみに。
  続いて2幕7場、8場を稽古。
  7場は、失意のアルフレートが、アブロンシウス教授から「人生をやり直す勇気」を与えられる場面である。そこへ再びミステリアスな歌声が聞こえて来て……。
  8場は、その歌声の聞こえる場所を探し求めるアルフレートが、思い掛けないキャラクターに遭遇してしまう場面。そのキャラクターはアルフレートに近づくと……。

  稽古後、声の録音。誰の声かはここでは言えない。更にその後、シャガールがマグダを○○○す場面の○○○をテスト。結果は良好であった。

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『TDV』通信

6月17日(水)

  2幕の3場から6場までを稽古。

  2幕3場は、アルフレートとアブロンシウス教授にあてがわれたクロロック城内の客間である。
  悪夢にうなされて寝覚めの悪いアルフレート。対する教授は至って爽やかに目覚めた様子。陽の高い内にクロロック伯爵の棺を見つけ出し、その心臓に杭を打ち込むことにした教授はアルフレートを従えて霊廟(れいびょう)へと向かう。
  2幕4場はその霊廟。
  伯爵の棺を見つけ出した教授とアルフレート。アルフレートは手にした杭とハンマーで伯爵の心臓に狙いを定めるが……。
  続く5場は城内の図書室。
  古今東西の書物が収蔵されているのを目の当たりにした教授は、興奮を押さえ切れずに本の山へと分け入って行く。一方、サラの歌声を聴いたアルフレートは、声の主を求めて城内をさ迷い歩く……。
  6場は城内のバス・ルーム。
  遂にサラとの再会を果たしたアルフレート。入浴中のサラに「一刻も早く城を抜け出そう」と持ち掛けるが……。

  客間から霊廟へと向かう教授とアルフレートのナンバー、そして霊廟でのシャガール&マグダのナンバーは、上島雪夫さんによって今回マイナー・チェンジが施された。それに、先日の「クロロック城 スペシャルナイト イベント」にお越しくださった方にはすでにご報告したが、城内のバス・ルームも、よりゴージャスに(当社比)デザインし直された。

  その辺りのことも、どうぞお楽しみに。

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『TDV』はお休み

6月16日(火)

  『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古は休み。午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。ここの所はあるミュージカルのワン・シーンを取り上げている。

  そのシーンは、台詞からデュエットへと発展する、ミュージカルの典型的なシーンである。
特に工夫を凝らさなくても、そのまま喋って、そのまま歌って、そのまま動けばミュージカルのワン・シーンが出来上がりそうに感じるくらい、典型的なシーンであると思う。
  なのに、受講生たちにはそれが簡単なことではないのである。何故か? それを 受講生たちとじっくりと考えた。

  夜は日暮里サニーホールへ。東宝ミュージカルアカデミーを卒業した者たちの中から選ばれた「アドバンス・コース」の試演会であった。

  演目は『ミス・サイゴン』で、今回は1期生、2期生、3期生の初合同公演であった。そして1期生たちはこの試演会を最後にアドバンス・コースを卒業する。
  1期生たち、お疲れ様でした。しんどい時や辛い事もあったでしょう。それでもあなたたちは良く頑張りました。これからも今まで同様に頑張って、後に続く者たちの目標となってください。応援しています。

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『TDV』通信

6月15日(月)

  『ミー&マイガール』の休館日を利用しての『クロロック城 スペシャルナイト イベント』

  19時の開演だが、スタッフは昼前から舞台の設営に忙しい。15時からはキャストも参加して舞台稽古。照明、音響、そして帝劇の舞台機構も動かして、本番の流れをひと通り当たる。
  そして本番。
  その様子は、リー君かリー子ちゃんが公式ブログでリポートしてくれるだろうから、そちらに譲る。が、大いに盛り上がったことはご報告しておこうと思う(私が登場した部分以外は)。ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。リー君渾身のイベント、楽しんで頂けましたでしょうか?
  なお、昨日の日記に記した応募総数「5.000近く」は、「8.400」が正解らしい。お詫びして訂正いたします。

  さて、初日まで3週間を切った。アツイ(暑い)アツイ(熱い)夏はもうすぐそこまで来ている。

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『TDV』通信

6月14日(日)

  1幕10場、そして2幕1場を立ち稽古。

  1幕10場は、アルフレートとアブロンシウス教授が遂に伯爵の居城に辿り着いた場面である。思い掛けない形の出迎えを受けた2人はこの城に投宿することにするのだが……。この場面ではクロロック伯爵、その息子ヘルベルト、そして伯爵の忠実なる下僕・クコールが登場する。
  2幕1場はお城の大広間。夥しい数の肖像画が飾られているが、それはこの城の先祖たちの姿なのだろうか。その大広間へ足を踏み入れたサラは、遂に招待主と面会する……。今回は肖像画のライト・アップ方法を変更してみようと考えている。それに伴って、この場面のステージングも微調整。
  どちらの場面にも大きなミュージカル・ナンバーがあるのだが、1幕10場には、噂の伯爵の超ロング・トーンが聞ける「Act 1フィナーレ」が、2幕1場には伯爵とサラの「愛のデュエット」が存在する。お楽しみに。

  その後は、明日に迫った「クロロック城 スペシャルナイト イベント」のリハーサル。
  このイベントには5.000名に近い数のご応募があったと伺った。当選された方は明日、帝劇で大いに盛り上がりましょう。残念ながら外れた方は、7月を首を長くしてお待ちいただきたい。

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『TDV』通信

6月13日(土)

  1幕のラスト、クロロック城の近くに出没する女性ヴァンパイア・ダンサーの振り付け。その後、1幕8場、1幕9場を当る。

  1幕8場はシャガールの宿の外。夜、1人で部屋を抜け出したアルフレートは、そこでサラに声をかけられてびっくり。一瞬、ロマンティックな雰囲気になりかける2人だったが……。
  1幕9場はシャガールの宿の食堂。昨晩ある事件が起こって、宿の女房・レベッカは一睡もしていない。村の人々も心配して集まって来ているが、そこに木こりたちが運び込んで来たものは……。
  この場面では、様々なアクションやリアクションのタイミングが音楽で決められている。ミュージカルなのだから当然と言えば当然なのだが、やや過剰にそれがなされているので、ともすればアニメーションを見ている様な気にさせられる。
  こういう場面の稽古は大変である。出来上がった場面はとてもファニーで楽しいが、出来上がるまでは何度も試行錯誤して、芝居の間尺を調整するしかないからである。

  初演の時は猛烈に早いペースで稽古が進行していたのだが、今回の稽古も猛烈に速いペースで進行中。今回から参加の皆さんは付いて来てくださっているだろうか?

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『TDV』通信

6月12日(金)

  1幕6場、1幕7場、そして1幕5場を当る。

  1幕6場はシャガールの宿の表。久し振りの晴れ間にシャガールたちが家事を片づけていると、不気味な人物が現れて……。この場面のハイライトは、アブロンシウス教授が科学者としての心得と決意を語るショー・ストップ・ナンバー「すべて順調」。石川禅さんの大真面目な熱演が楽しい。
  1幕7場はシャガールの宿のバス・ルーム。アルフレートがお風呂の支度をしていると宿の娘・サラが現れて……。更にその後、思いがけない賓客が……。この場面の泉見洋平さんと浦井健治さんは、お2人ともアルフレートを演じるために生れて来たとしか思えない。一生アルフレートだけをやっていて欲しい位である。
  そして1幕5場。深夜のシャガールの宿。伯爵さまの初登場場面である。どこからともなく現れたクロロック伯爵は、建物の外からサラに呼びかけると、再び何処かへと去って行く……。

  セットも照明も無いただの稽古場が、音楽が流れ俳優たちが演技を始めると、雪に閉ざされたトランシルバニアの山奥に思えて来る。舞台は面白いなあ。

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『TDV』通信

6月11日(木)

  午前中は日藝所沢。「演出家と俳優の関係」について学生たちとディスカッション。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。1幕2場、1幕4場を当る。

  1幕2場は、トランシルバニアの僻村にある、シャガールが経営する宿屋の食堂が舞台。異様に精力的な村人たちが「ガーリック!  ガーリック!」と歌い踊る「ニンニク」のシーンである。そこへ、雪の中で遭難しかかった主人公・アルフレートが助けを求めて飛び込んで来るのだが……。
  1幕4場は宿屋の5つの部屋が舞台。アルフレートが教授と宿泊する部屋、宿屋の主人夫妻・シャガールとレベッカの部屋、宿屋の娘・サラの部屋、宿屋のウェイトレス・マグダの部屋、そしてバス・ルームである。ミュージカル・ナンバー「初めてだから」の中で、6人それぞれのドラマが微妙に交錯しながら同時進行する。
  どちらもそれほど長いシーンではないのだが、細部の調整を繰り返している内に、あっという間に1日が終わる。そうだった。3年前の初演の稽古も、そんな風にして「あっ」という間に過ぎて行ったのだった。

  稽古後は『パイレート・クイーン』の訳詞打ち合わせ。訳詞の竜真知子さん、音楽監督の山口琇也さん、プロデューサーの坂本義和さんと。

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『TDV』通信 そして『シラノ』千穐楽

6月10日(水)

  ミュージカル・ナンバーの固めデー。

  「フィナーレ」のヴォーカルとダンス、そして「外は自由」の“サラの幻想”シークェンスのダンスを固める。その後、「抑えがたい欲望」のダンス・ソロを当る。
  『ダンス オブ ヴァンパイア』では、タイトルにある通り、ダンスが重要な位置を占めている。そのダンスの全てを創造したのは上島雪夫さんである。上島さんは今や日本を代表する振付家、演出家、ダンサーである。大ヒットミュージカル『テニスの王子様』の演出・振付担当としての活躍も目覚ましい。
  そして今回も初演に劣らない素晴らしいダンサーが集まってくださった。新上裕也さんとWキャストでヴァンパイア・ダンサーを演じる森山開次さんもその1人。今日の最後の稽古メニューは、上島さんと森山さんのコラボレーションの時間なのであった。

  稽古後は衣裳の打ち合わせ。
  今回、フィナーレの衣裳デザインを新規に起こし直すことにしたので、上島さん、そして衣裳デザイナーの有村淳さんと意見交換。どう変わったのかは劇場で。

  ところで、5月5日に日生劇場で幕を開けたミュージカル『シラノ』も、本日の広島公演で全日程を終了した。
  ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。そしてキャスト&スタッフの皆さんお疲れ様でした。いつかまたこの作品で、皆さんとお目に掛かれる日が来るのを楽しみにしています。

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『TDV』はお休み

6月9日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。
  ある場面を「動いて」やってみよう(つまりテーブル稽古ではなく立ち稽古)と言うことになった時、経験の浅い俳優は何故なかなか動けないのか。手持無沙汰に感じるのはどうしてか。また、その様な状態から解放されるにはどうすればいいのか。そのことを考察した。

  午後は久し振りにまとまった時間が取れたので、少し先の仕事の資料に当たる。が、余りにも先の話なので、まったく実感が湧かず途方に暮れる。

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『TDV』通信

6月8日(月)

  顔寄せ。

  いつもの通り、公演関係者が一堂に会し、ひとりひとり紹介されるセレモニー。一見ダークな『ダンス オブ ヴァンパイア』であるが、稽古場の雰囲気はとても明るい。今日も和気あいあいとした顔寄せであった。

  顔寄せの後は早速立ち稽古。

  まずは雪深い山中をアルフレートがさ迷うプロローグを当る。「雪の中で遭難寸前」と言う設定なのに、両アルフレートが汗びっしょりなのが(特に泉見アルフレートが)面白い。
  続いて、山奥の宿屋でアルフレートが宿屋の娘・サラと出会う場面を当る。ここには宿屋の亭主でサラの父親・シャガールが歌う「きれいな娘を持ったなら」がある。
  その後、アルフレートとサラが宿の風呂場で再会する場面を当る。ここのミュージカル・ナンバーはサラとアルフレートの「あんたは素敵」である。

  音楽が鳴り、俳優たちが動き、そして喋ると、3年前の様々なことが鮮やかに蘇って来る。どんな気持ちでその場面を作っていたのか、とか、その場面で何を表現しようとしていたのか・・・・・・とかである。

  再演の稽古は面白い。そして同じくらい難しい。

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『TDV』通信

6月7日(日)

  さて『TDV』通信である。

  既に稽古は5月12日から始まっていることは以前記した通り。これまでに歌稽古と幾つかのダンス・ナンバーの振り付けが終わっている。
  今日は歌入りで読み合わせ。ダブル・キャストの人は各幕交替で、全幕を通した。3年前の初演時もこの時期に歌入り読み合わせを行ったが(こちら参照)、やはりこの作品は楽しい。今日もそのことを再確認した。
  1幕のラストでは伯爵さまが空前絶後のロングトーンをご披露くださり(譜面の指定よりも圧倒的に長い!)、稽古場は熱狂に包まれた。

  明日からは場面毎の稽古が始まる。前回の楽しさ、興奮はそのままに、よりグレード・アップした『ダンス オブ ヴァンパイア』をお見せするべく、キャスト&スタッフ一同、全力で取り組む所存である。
  因みに、表題の「TDV」は原題『anz er ampire』の頭文字。ドイツ語である。

  稽古後は舞台美術の打ち合わせ。
  今回『ダンス オブ ヴァンパイア』は初めて帝劇を離れ、博多座にお邪魔する。なので、博多座でも上演可能な様に、細部をアレンジする為の打ち合わせ。

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『レベッカ』再演

ミュージカル『レベッカ』の再演が発表になった。

こちらからどうぞ。

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オープニング・ナイト 『ミー&マイガール』

6月3日(水)

  初日。だが、まずは通し舞台稽古(ゲネプロ)。

  開演前のロビーでの「お楽しみ」からカーテン・コール後のエグズィット・ミュージックまで、全て本番通り、25分の休憩を挟んで3時間余りのゲネプロであった。
  ゲネプロ後は全体で最後の駄目出し。そして舞台にて初日のお祓(はら)い。お祓いが済んでしまうと、もはや私は用無しである。開場時刻まで近所を散歩して時間を潰すことにした。

  本番は18時30分の開演。

  これまで、演出家としては100点満点で初日が開いた試しは無いのだが、今日はかなり満足度の高い初日のひとつであった。温かいお客様の声援にも大いに励まされたと思う。
  終演後、カーテン・コールでは井上芳雄さんがカンパニーを代表してご挨拶。
  「初演の時は余りの大変さでミュージカル・コメディを嫌いになりかかったが、今日はミュージカル・コメディを続けて来て本当に良かったと思った」
  と言う様なことを話された。

  さて、ここからは演出家としてではなく、いちミュージカル・ファンとして感じたこと。

  今夜は幾つかのミュージカル・ナンバーで、自然発生的に手拍子が起こった。が、その大半は途中でうやむやと手拍子が消えて行った。
  で、思うのだが、ミュージカルの場合、私は「原則的には手拍子はしない方が良い」と考えている。

  ミュージカル・ナンバーの途中には音楽的な、或いは演劇的な様々な仕掛けが施されている。例えばテンポや音量が次々と変化する様なことであったり、それらを利用して人間関係が大きく転換したことを暗示したり……であるが、つまりミュージカル・ナンバーには、観劇時に見落とすことのできない様々な重要な情報が盛り込まれているのである。
  そのことに敏感でいるためにも、私はミュージカル・ナンバーでは「手拍子」はするべきではない、と思う。叩くなら「手拍子」ではなく、ナンバー途中のクライマックス部分か、ナンバーの終りで盛大に「拍手」を、である。

  例外は1幕ラストの「ランベス・ウォーク」。ただし、このナンバーの中でもドラマとしては見逃せない様々な人間関係の変化が描かれている。
  「ランベス・ウォーク」で「手拍子」が許されるのは、全ての人間関係の変化が終わった後、舞台上で起こった奇跡が帝劇全体に広がって行く瞬間からだと思うのだが、いかがなものであろうか。

  閑話休題。

  昨日のブログで「開演の20分前くらいまでには到着しているのが良いだろう」と記したのだが、開演前の「お楽しみ」を全て堪能するつもりなら、もう少し早い到着が必要であることが判明した。余裕を持つなら開演の30分前くらいに到着するのが良さそうである。

  これで『ミー&マイガール』通信は終わりである。いつもながらご愛読ありがとうございました。次は『TDV』通信。今度の週末辺りからスタートの予定である。

  今月ひと月、帝国劇場が世界で最も幸福な場所であり続けます様に。それでは劇場で!

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『ミー&マイガール』通信

6月2日(火)

  舞台稽古2日目。

  昨日の続きで、1幕ラストからフィナーレまでをブロックごとに当たる。そして通し舞台稽古(ゲネプロ)は……、残念ながら時間切れで、明日の昼間、初日公演の前に行なうことに。
  もちろん「今日中にやってしまいたかった」と言うのが偽らざる気持ちだが、初日にずれ込むケースも想定されていたことなので、それほどの困惑はない。

  ところで、帝劇にお越しいただく時は、できれば少し早めに、時間に余裕を持って到着されることをお勧めする。できることなら、開演の20分前くらいまでには到着しているのが良いだろう。
  前回の『ミー&マイガール』(2006年の帝劇公演)をご覧いただいた方にはお馴染みの、「開演前の楽しいひととき」が今回も用意されている。

  それでは帝劇でお待ちしています。

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速報!

あ!
リー君だっ!

こちらから。

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『ミー&マイガール』通信 ミニ

6月1日(月)

  舞台稽古1日目。

  午前中はサウンド・チェック、引き続いてお昼より舞台稽古。
  今日の目標は「1幕を全場面当り終えること」だったのだが、達成できず。
  明日は今日の続き。その後、通し舞台稽古(GP)の予定……だが、果たして?

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『ミー&マイガール』通信 ミニ

5月31日(日)

  終日スタッフ・ワーク。朝はサウンドチェック、お昼前から道具調べ・照明合わせ。

  予定通りの深夜作業ではあったが、予定以上のペースで進み、明日以降のスケジュールに幾らかの余裕を確保して作業を終えることができた。スタッフの皆さん、ありがとうございました。

  明日から6月。舞台稽古1日目。

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『ミー&マイガール』通信

5月30日(土)

  オケ付き通し稽古。

  これで稽古場での全メニューを終了。劇場での最終調整を残すのみとなった。
  『ミー&マイガール』はミュージカル・コメディである。素晴らしいソング&ダンス、思わず吹き出すシチュエーションやギャグ、そして心温まるラブ・ストーリー。劇場で体験することのできる最良のもの全てが揃っている。
  『ミー&マイガール』はエンターテインメントである。が、この中で描かれているのは「価値観の異なる者同士がお互いを認め合うことの大切さ」である。
  現実の世の中では相変わらず様々な対立が未解決で、世界のあちこちで紛争が絶えない。だが『ミー&マイガール』の中では、対立する者同士が最後にはお互いを認め合い和解する。それは現実の世界では実現困難な理想かもしれない。が、その実現は困難ではあるかもしれないが決して不可能なことではない筈だ。
  『ミー&マイガール』でその困難を可能にしたのは「愛」である。愛の力が、愛する心が世界を変えて行くのである。

  稽古後、出演者の有志は「稽古打ち上げ」と称して有楽町の街に繰り出した模様だが、私は劇場へ。舞台では大道具の建て込み、照明、音響、オーケストラ・ピットの仕込み等が始まっている。
  今日もスタッフは深夜まで照明のフォーカス合わせ。明日も終日スタッフ・ワークである。

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『ミー&マイガール』通信

5月29日(金)

  稽古前に「キネマ旬報」誌の取材を受ける。

  今回は「キネ旬MOOK」などの別冊ではなく「キネマ旬報」本誌である。「キネ旬」本誌に「私を舞台に連れてって」と言う連載コーナーがあり(今回の取材を受けるまで知りませんでした。ごめんなさい)、「映画を基にした舞台作品」について取り上げて行くらしい。ただし、毎号ではなく、隔号毎の連載の様だ。
  今日話したのは『ダンス オブ ヴァンパイア』について。基になっているのは、1967年に製作された映画『ロマン・ポランスキーの吸血鬼』である。
  記事の内容は掲載号をご覧いただきたいのだが、7月の上旬に発売される号だそうなので、興味を持たれた方は是非どうぞ。

  さて、『ミー&マイガール』はオケ付き通し稽古。

  決して狭くはない帝劇の稽古場だが、オーケストラが配置されると、さすがに我々の居場所はない。僅かな隙間に肩を寄せ合いながら通し稽古を見守った。
  塩田さんがタクトを振り下ろし、オーヴァーチュアの最初の音が鳴り響いた瞬間に、早くも私の目頭は熱くなった。3年前の芳雄&玲奈コンビの初演のことや、6年前の東宝版の初演時のこと、宝塚歌劇団による初演の時のこと、そしてブロードウェイの公演のことなど、『ミー&マイガール』の様々な思い出が一気に込み上げて来たからである。
  ちなみに東宝版のオーヴァーチュアは、音楽監督の佐橋さんが編曲してくださった東宝版だけのオリジナルである。どの『ミー&マイガール』よりもゴージャスで華やかなオーヴァーチュアだと自負している。

  帝劇5月公演『放浪記』も、本日無事に千穐楽を迎えた。と言うことは、いよいよ『ミー&マイガール』の仕込みが始まる訳である。
  明日は稽古場最終日。2回目の、そして最後のオケ付き通しである。

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