『アニー』2023 Weekly

3月20日(月)

 丸美屋食品ミュージカルアニー2023の稽古が始まっている。

 ブロードウェイ・ミュージカル『アニー』は1977年4月21日にニューヨークのアルヴィン劇場(現在のニール・サイモン劇場)で初演の幕を上げた。そのシーズンのトニー賞ではミュージカル部門の作品賞を含む7部門で受賞し、1983年1月2日にクローズするまでに2377回の上演を重ねた。
 日本では1978年に日生劇場で東宝の製作により初演された。現在まで続く日本テレビ製作の『アニー』は1986年が初演で、以来その歴史は今日まで脈々と受け継がれている。

 その歴史ある『アニー』が上演されなかった年がある。2020年である。
 ご承知のように2020年は新型コロナ感染症が世の中のあらゆることを止めてしまったことで記憶される年である。『アニー』も(既に稽古には入っていたのだが)全公演が中止となった。

 翌2021年は「感染症対策としての緊急避難的措置」として、上演時間を短縮し登場キャストの人数も減らした「1幕ヴァージョン」での『アニー』の上演が試みられた。通常ではオーケストラが生演奏する音楽もこの年は録音したものを使用した。
 にも関わらず、春の東京公演は初日のみ公演しただけで2日目以降は中止となった。夏のツアーでも一部の公演が中止となった。

 昨年(2022)の『アニー』も「1幕短縮ヴァージョン」であった。が、オーケストラの生演奏は復活した。春の東京公演も夏のツアーも中止になることは免れたが、そのためにキャスト、オーケストラ・メンバー、スタッフの全員がどれほど神経をすり減らしたことだろう。

 さて。

 今年の『アニー』は待ちに待ったフル・ヴァージョンである。オーケストラももちろん生演奏である。
 まだまだコロナ以前のようには行かないが、世の中も少しずつ元の生活を取り戻しつつある。関係者全員が、そして劇場にいらっしゃるお客様が心置きなく『アニー』を楽しめるようになって行けば嬉しい。

 このブログには私が演出を担当するようになった2017年以降の『アニー』通信が残されている。上で触れた期間の記事もあるので、ご興味のある方はこのページ右側の「カテゴリー」欄にある『アニー』をクリックしてご覧ください。

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『SHINE SHOW!』上演決定!

 SHINE SHOW!(シャイン・ショウ)は、とある複合オフィスビルで毎年開催されている「そのビルに勤める会社員たちによるカラオケ大会」を舞台にした冨坂友さん/作の群像劇コメディである。 

 カラオケ大会の話なので(社員のショウ、ですね)当然のことながら歌唱場面は登場する。が、『SHINE SHOW!』はミュージカルではない。あくまでも歌唱場面のあるストレート・プレイである。

 大事なことなのでもう1度。

 『SHINE SHOW!』はミュージカルではない。ストレート・プレイである。

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ダブルキャスト初日! 『ジキル&ハイド』

3月12日(日)

 ダブルキャストの4人も無事に初日を迎えた。

 昨日も今日も「夜の本番」の前にゲネプロをやっているので、ダブルキャストではないキャスト、オーケストラ、スタッフの皆さんは実質「2日連続で2回公演」である。その前の3日間もほぼ終日舞台稽古だったので、とにかく皆さんお疲れさまでした。

 昨夜の初日も大変すばらしい出来であったのだが、今夜もまた昨晩に勝るとも劣らないエキサイティングな一夜となった。
 昨日に続いて観劇されたワイルドホーンさんも柿澤さんのジキル/ハイドを大絶賛。カーテンコールで柿澤さんが登場するや否や真っ先に立ち上がって拍手をしたのはワイルドホーンさんであった。

 そして今夜は鹿賀丈史さんがご観劇。言うまでもないが鹿賀さんは初代(2001~2007)のジキル/ハイドである。
 鹿賀さんは終演後、楽屋を訪ねて柿澤さんの労をねぎらってくださった。あの役の大変さを誰よりもご存じなのは鹿賀さんである。

 明日からはダブルキャストのシャッフルが始まる。どんな化学変化が現れるだろう。ぜひもう1度、初回とは異なるキャストで『ジキルハイド』をご覧いただきたいと思う。

 これで『ジキル&ハイド』通信/Weeklyはおしまいである。ご愛読ありがとうございました。
 次は『アニー』2023Weekly。早く気持ちを切り替えなくては……(汗)

 ミュージカル『ジキル&ハイド』東京公演は3月28日(火)まで。そののち名古屋・山形・大阪へ参ります。

 また会おうジキル!

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開幕! 『ジキル&ハイド』

3月11日(土)

 『ジキル&ハイド』が初日を迎えた。

 大勢のお客様がご来場くださり、まずそのことだけで私は胸が一杯であった(何しろ20年以上かかわっている作品なので……)。

 そしてフランク・ワイルドホーンさんと5年ぶりの再会。開口一番、ワイルドホーンさんは「ニュー・ヴァージョンの『ジキル&ハイド』がもうすぐ観られるよ!」と教えてくださった。これは今までの物とはストーリーの展開が異なるらしい(早速調べてみたのだが……これかな?)。

 「きっと君は好きだと思うよ」
 それを聞いて私はもう胸が一杯(以下略)。

 それはともかく。

 初日の公演は定刻に始まり、無事にカーテン・コールまで進行した。
 1幕のハイライトとなるナンバー「時が来た」ではショー・ストップになり、私はまたまた胸が(略)。

 カーテン・コールでは私も舞台に上がった。『ジキル&ハイド』では初日の恒例となっているのだが、ワイルドホーンさんをご紹介するためである。ワイルドホーンさんはいつものように、カンパニー一同に温かい、ねぎらいの言葉をくださった。横で聞いていた私は(略)。

 私は「1人でも多くのお客様にご覧いただけることが何よりも喜びである」みたいなことを喋った。東京公演は既にチケットの入手が困難らしいので山形や名古屋などにお出かけください、みたいなことも申し上げたのだが……

 ごめんなさい。名古屋もほぼ完売らしい。どうぞ山形か大阪にご来場ください。

 さて。

 明日はダブルキャストのもうひと組(柿澤さん、真彩さん、桜井さん、そして上川さん)の初日である。

 その前に“やらなければならないこと”はやっぱり残っているのだが。

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『ジキル&ハイド』通信

3月10日(金)

 予定されていたスタッフの作業、そして舞台稽古を(概ね)順調に終えた。

 今回の『ジキル&ハイド』は主要な幾つかの役がダブルキャストになっているので、舞台稽古にもその分時間が掛かるのである。加えて、5年ぶりの再演で、この5年の間に照明機材(ムービング・スポット)が新世代の物に更新されているので、照明のリデザインにも今まで以上に時間が必要となる。

 そんな困難な条件の下での5日間であったが、我々は上手く乗り切ったと思う。その遂行にご尽力くださったカンパニー・スタッフ、劇場スタッフの全員に感謝を申し上げたい。

 さて。

 明日は初日。ダブルキャストは石丸さん、笹本さん、Amiさん、そして石井さんである。開演時刻は17時30分だが、その前にまだ“やらなければならないこと”が残っている。

 それが上手く片付き、最高の初日を迎えられますように!

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『ジキル&ハイド』Weekly

3月6日(月)

 ピアノでの通し稽古(2回)、オーケストラとキャストの合わせ(オケ合わせ)、オケ付き通し稽古(2回)……と“稽古場最終週のメニュー”を無事に消化し、昨日で稽古場での全行程を終えた。本日から東京国際フォーラムホールCに場所を移しての作業が始まっている。

 言うまでもないことだが、ミュージカル『ジキルハイド』の作者はフランク・ワイルドホーンさん(音楽)とレスリー・ブリカッスさん(脚本・作詞)のお2人である。
 『ジキル&ハイド』のワールド・プレミアが行われたのは1990年。劇場はテキサス州ヒューストンのアレイ・シアターであった。ブロードウェイのプリマス・シアターに登場したのは1997年。日本初演はその4年後、2001年であった。

 日本初演の会場は日生劇場で、オープニング・ナイトは11月5日であった。ワイルドホーンさんは『ジキル&ハイド』が日本で上演される度に初日に駆けつけてくださるのたが、2001年の初日に駆けつけてくださったのはブリカッスさんであった。
 ブリカッスさんは初日のカーテン・コールで舞台に上がられ、日本カンパニーに最大級の賛辞をくださった。そしてその夜、私はブリカッスさんご夫妻と会食するという栄に浴した。

 その時のことを記した文章が残っている。このページの右側にある「カテゴリー」欄の「アーカイブ」に所蔵されているのだが、こちらをクリックしていただけば直接そのページに飛ぶことができる(20年以上前の文章なので……。乱筆乱文ご容赦ください)。もうひとつ、ブリカッスさんの訃報に接した時のブログがこちら。ブリカッスさんは2021年の10月19日に亡くなった。

 ブリカッスさんは、ワイルドホーンさんと手がけられたもう1本のミュージカルシラノが日本で上演された際にも初日(2009年5月5日/日生劇場)にご来場くださることになっていた。が、直前になってその予定はキャンセルされた(そのことに触れたブログはこちら)。

 ブリカッスさんとの再会は叶わぬ夢となった。

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『家族モドキ』上演決定!

 田渕久美子さんによる書下ろしの新作家族モドキの上演が決まった。

 キャストは山口祐一郎さん、浦井健治さん、大塚千弘さん、保坂知寿さんの4人のみである。
 お察しの良い方はもうお気づきだと思うが、2020年の12月~翌年の1月にかけて上演された『オトコ・フタリ』に続く「あのシリーズ」(?)の第2弾である。

 間違いのないようにお断りしておくが、これはミュージカルではない。ストレート・プレイである。

 大事なことなのでもう1度。


 これはミュージカルではない。ストレート・プレイである。

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『ジキル&ハイド』Weekly そして『キングダム』東京公演千穐楽

2月27日(月)

 『ジキル&ハイド』は全場面をあたり終え、今日は2幕をおさらい。そののちカーテン・コールを段取り、更に1幕の幾つかの場面を抜き稽古。
 オーケストラのリハーサルも別スタジオで始まった。明日は1回目の通し稽古。

 今回の『ジキル&ハイド』がダブルキャストで公演されることには以前も触れた。ダブルキャストの醍醐味には色々あるだろう。

 稽古では「キャストの数だけアナザー・ストーリーが生まれる」可能性があることも醍醐味のひとつだろう。台本もスコアも同じものを使用していても、キャストが違えば「そこから生まれる表現は別の物になる」可能性が少なくない。これが醍醐味でなくて何であろうか。

 稽古を終えて帝劇へ。2月5日に開幕した舞台『キングダム』東京公演が千穐楽。

 今日まで1人の休演者も無く、公演がキャンセルされることも無かったことは何よりも喜ばしい。この先『キングダム』は大阪、福岡、札幌へと出向くが、5月11日の大千穐楽までどうかこのまま無事が続きますように。
 

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『ジキル&ハイド』Weekly

2月20日(月)

 2幕の立ち稽古に入っている。

 今日のメニューは盛り沢山であった。
 ミュージカルの稽古は「歌」と「ダンス」と「芝居」の段取りや約束事を覚えるプロセスでもある。なのでメニューが盛り沢山だとその分演者の覚えなければならないことも増大する。タイトルロール(主人公)ともなれば覚えることはそれはもう膨大である。

 キャストの皆さんの覚える能力、覚えたことを再現する能力には敬服するほかはない。段取りを考えた本人である私には、それを覚えることも再現することも困難である。
 それを鮮やかにやってのける石丸さんと柿澤さんの能力はまさに驚異的である。さすがに今日の稽古終了時のお2人からは十分過ぎるほどの充実感が伝わってきたのであるが、石丸さん、柿澤さん、明日も新しい場面ですよ。

 『ジキル&ハイド』は全編に緊張感が漂うシリアスなミュージカルである。が、稽古場の雰囲気は和やかで明るい。
 それは座長である石丸さんのお人柄によるところが大きいだろう。キャスト・スタッフひとりひとりのプロフェッショナルな姿勢もあるだろう。

 クォリティの高い作品が生まれるのはこういう稽古場からなのだと思う。

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『ジキル&ハイド』Weekly

2月13日(月)

 ジキルハイド』の稽古場へ。

 ブロードウェイ・ミュージカル『ジキルハイド』は1997年4月28日にプリマス劇場(現在のジェラルド・ショーンフェルド劇場)で開幕した。日本版の初演は2001年11月5日に開幕、会場は日生劇場であった(今回は東京国際フォーラム ホールCです)。

 初演でタイトルロールを演じたのは鹿賀丈史さんで、2003年、2005年、2007年と再演を重ねた。石丸幹二さんが『ジキルハイド』を引き継いだのは2012年で、この時から演出が変わり、2016年、2018年と再演され今回で4度目の上演となる。

 主要キャストの内、前回(或いはそれ以前)からの続投となるのは石丸幹二さん(ジキル/ハイド)、笹本玲奈さん(ルーシー)、畠中洋さん(ストライド)の3人で、今回が初登場となるのは柿澤勇人さん(ジキル/ハイド)、真彩希帆さん(ルーシー)、Dream Amiさん(エマ)、桜井玲香さん(エマ)、石井一孝さん(アターソン)、上川一哉さん(アターソン)、佐藤誓さん(プール)、そして栗原英雄さん(ダンヴァース)である。

 かつてなかったような「大幅なキャストの入れ替え」と、初めての「ダブルキャスト」が2023年版の特徴と言うことができよう。現在は1幕を精力的に立ち稽古中。

 このブログには2007年以降の『ジキルハイド』通信が残されている。ご興味のある方は、このページ右側にあるカテゴリー欄の『ジキルハイド』から辿ることが可能です。

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『キングダム』通信 ダブルキャスト初日!

2月6日(月)

 2日目の今日も18時開演である。が、その前に今日のキャストでゲネプロ。実質的には今日は2回公演なのである。大変なのである。

 ゲネプロを済ませていよいよ本番。いつも冷静な(私にはそう見える)牧島さんが、開演前まるで小学生のように緊張していたのが意外であった。
 昨日と今日は特別カーテン・コール。出演者を代表して、昨日は三浦さん、小関さん、山口さんが、今日は高野さん、牧島さん、そして山口さんがご挨拶。どちらの公演も最後はスタンディング・オベーションを頂いた。

 これで『キングダム』通信/Weeklyはおしまいである。ご愛読ありがとうございました。
 次は『ジキルハイド』Weekly。早く気持ちを切り替えなくては……(汗)

 舞台『キングダム』は帝国劇場で2月27日まで。そののち大阪、福岡、札幌へ参ります。ご期待ください。

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『キングダム』通信 初日!

2月5日(日)

 朝から「やらなければならないこと(Part 1)」を全力で片付る。そののち舞台にて“公演の安全と成功”を願ってお祓い。更にそののち「やらなければならないこと(Part 2)」を無我夢中で片付ける。

 帝劇には沢山のお客様がご来場くださった。
 初日公演は18時開演。舞台『キングダム』の世界初演は時間通りに始まった。

 今日ご覧くださった皆さんは楽しんでくださっただろうか。期待に背かぬ『キングダム』になっていただろうか。楽しんでいただけたのなら、期待に応えることができたのなら嬉しい。

 そして原作者の原泰久さんが初日をご観劇くださった。終演後にキャストの皆さんと共にご挨拶。

 明日はダブルキャストのもうひとチームの初日。その前にやらなければならない(以下略)

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『キングダム』通信

2月4日(土)

 4日間に及んだ舞台稽古の締めくくりとして初日キャストでのゲネプロ。脚本の藤沢文翁さんが観に来てくださる。

 劇場に入り、照明やオーケストラの生演奏、舞台美術に衣裳、ヘアメイクなどが加わり、『キングダム』の世界が一気に広がった。その実現に全力で取り組んでくださったスタッフのおひとりおひとりに心より感謝を申し上げたい。

 そして明日はいよいよ初日である。が、やらなければならないことがまだ残っている。

 それらが無事に片付き、最高の初日を迎えられますように。

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『キングダム』Weekly

1月30日(月)

 帝国劇場に来ている。

 稽古場のメニューを無事に(?)終え、あとは“劇場でしかできない作業”に邁進するだけ、と言うところまで漕ぎ着けた。
 劇場入りしてからは搬入、仕込み、フォーカス合わせ……などを済ませた。引き続き道具調べ、照明デザイン、サウンドチェック……などに進む。明後日から始まる舞台稽古に向けての準備作業である。

 舞台『キングダム』のクリエイティブ・チームをご紹介しておくと、美術デザイナーは松井るみさん、照明デザイナーは高見和義さん、音響デザイナーは大野美由紀さん、映像デザイナーは栗山聡之さん、衣裳デザイナーは中原幸子さん、ヘアメイクデザイナーは宮内宏明さんである。帝劇で新作の幕を開けるのに相応しい、何とも頼もしい顔ぶれである。

 既に発表されている通り、帝劇は2025年をもって閉館・建て替えとなる。
 初めて帝劇の舞台裏に足を踏み入れたのは1984年のことであった。あれから40年近くが過ぎたが、帝劇は私の一番好きな劇場である。

 “現帝劇での最後の新作”と思って開幕まで全力を尽くしたい。

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『キングダム』Weekly

1月23日(月)

 追加キャストとして壌晴彦さんと岩間大樹さんの参加が発表された。壌さんは昭王(しょうおう)と竭氏(けつし)の2役を演じる。

 ここ数日はいつもの稽古場を離れ、倉庫・兼・稽古場とでも呼ぶべき場所に行き、そこに本番用の大道具を持ち込んでの稽古に勤しんでいた。いままでの稽古場では再現できなかった立体的な状況での様々なアクションを「これでもかっ!!」と言うくらい作り込む。

 本来の稽古場ではオーケストラのリハーサルも始まり(でもミュージカルじゃないよ!)色々と慌ただしくなってきた。

 そして原作コミックの『キングダム』は最新刊/67巻が発売された。

 舞台版がそこまでたどり着ける日がいつか来るのだろうか?

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『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』大千穐楽

1月22日(日)

 昨年の11月3日(日)に東京の東急シアターオーブで開幕した『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が本日、長野のホクト文化ホールで大千穐楽を迎えた。

 途中で体調不良による休演者や公演中止もあり順風満帆とはいかなかったが、大千穐楽を迎えられたことは喜ばしい。全ての公演関係者とご来場・ご声援くださった皆様に心より御礼申し上げます。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』はコロナ禍に突入する前、無事に全公演を完走することができたミュージカルの最後の1本であった(2020年2月2日が前回公演の大千穐楽。同年の2月下旬には政府がイベント開催自粛要請を出した)。あれから3年が過ぎた今も我々はコロナに翻弄され続けている。

 だがしかし、こんな時代にこそ『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』なのだと私は思う。この作品に携わることで私自身がどれほど癒され勇気づけられたことか。皆さんもそうであったのなら嬉しい。

 劇場が多くの人々に癒しと勇気を与えられる場所であり続けますように。

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『キングダム』Weekly

1月16日(月)

 稽古は佳境に入っている。怒涛なのは言うまでもない。

 ここ数日は2幕のクライマックスとなる場面を作っている(あ、舞台『キングダム』は2幕構成です)。クライマックスではほぼすべてのキャストが入り乱れて物語が進行することになるので、観客は「目がいくつあっても足りない」と感じることになるかも知れない。私は足りない。

 舞台『キングダム』のキャストは様々なフィールドから集まっている。人数も近年の舞台の中では多い方だろう。決して狭い稽古場ではないのだが、稽古用の大道具も並んでいるので居場所を確保するのにもひと苦労である。みんなでワイワイガヤガヤと、まるで部活のような稽古場ではある。

 話は変わる。

 舞台『キングダム』がミュージカルではないことは何度か記した。が、劇中で流れる音楽は生演奏である。音楽を担当してくださるのはアニメ版の音楽も担当しているKHOTA YAMAMOTOさん。音楽監督・編曲・オーケストレーションは深澤恵梨香さんである。舞台『キングダム』では音楽にもご注目いただきたい。

 さて。

 2月5日(日)の開幕まで3週間を切った。最後の1週間は劇場での作業になるので稽古場は残すところ2週間である。

 間に合う……のか?

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『キングダム』Weekly

1月9日(月)

 順調に稽古メニューを消化している。消化しているが“怒涛の進行”なのは相変わらずである。

 舞台『キングダム』は新作のストレートプレイであり、コミックをどのように舞台に移し替えるのか見通し難いこともあるので(それに加えて怒涛の進行!)キャストの皆さんは不安を感じることも少なくないのではないかと想像する。が、稽古場のムードは至って明るい。笑い声も絶えることがない。

 稽古中によくある事故に「登場人物の名前を言い間違える」がある。誰かの名前を呼ぼうとして別の人の名前を言ってしまう事故なのだが、これは毎日のように誰かがやっている。そしてそのたびに稽古場は爆笑である。

 しかし言い間違うのも無理ないことだと思う。『キングダム』では“見慣れない漢字”を用いた“言い慣れない”名前が続出するので、私も初めてコミック手にした時には「いま誰のことを話題にしているのか」分からなくなって何度も前のページを見返した。

 それはともかく、舞台『キングダム』の主要キャストは大半が20代である(梅澤美波さんお誕生日おめでとうございます)。近年私が演出した作品の中では群を抜いて若いキャストが多い(『アニー』は除くよ)。

 この顔ぶれで、帝劇で新作の幕を開ける。何て血沸き肉躍る仕事だろう。

 最高の『キングダム』を作りたい。

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2023年の予定(山田和也演出作品)

舞台『キングダム
 2月5日~27日 東京/帝国劇場
 3月12日~19日 大阪/梅田芸術劇場 メインホール
 4月2日~27日 福岡/博多座
 5月6日~11日 札幌/札幌文化芸術劇場hitaru

ジキル&ハイド
 3月11日~28日 東京/東京国際フォーラム ホールC
 4月8日、9日 名古屋/愛知県芸術劇場大ホール
 4月15日、16日 山形/やまぎん県民ホール
 4月20日~23日 大阪/梅田芸術劇場メインホール

アニー
 4月22日~5月8日 東京/新国立劇場 中劇場
 8月 松本公演、大阪公演、名古屋公演、新潟公演

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『キングダム』Weekly

12月26日(月)

 稽古は怒涛の勢いで進行している。私の演劇人生の中でも最高に怒涛である、と言っても過言ではない。

 ミュージカルの場合、稽古で時間がかかるのはダンスナンバーの振り付けである。大人数が踊る複雑なナンバーだと、1曲を仕上げるのに数日を費やすことも珍しくない。
 『キングダム』にダンスは無いが(ミュージカルではないので)、ダンスナンバー同様に「稽古に時間がかかる」アクションがある。それもふんだんに。

 『キングダム』のアクションをクリエイトしてくださるのは渥美博さんである。
 渥美さんとは今までにも多くの作品でご一緒してきた。このブログでも幾度となくお名前を挙げている。近いところでは『ローマの休日』があり、『キングダム』の後には『ジキルハイド』が控えている。

 『キングダム』では原作のコミックでも、映画版やアニメ版でも、アクションは見せ場のひとつとなっていると思う。私たちの舞台版でもそうでありたい。

 さて。

 今年はどんな1年だったであろうか。演劇界は相変わらずコロナに振り回された1年だった。来年はどんな年になるだろう。

 全ての人が笑顔を絶やすことのない1年でありますように。

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『ジキル&ハイド』 製作発表

12月20日(火)

 帝国ホテルへ。ミュージカルジキルハイドの製作発表。

 『ジキルハイド』は日本では2001年に初演され、以来20年以上に渡って繰り返し上演されてきた(2001年、2003年、2005年、2007年……ここまでは鹿賀丈史さんがタイトル・ロール。2012年、2016年、2018年、そして2023年……以上は石丸乾二さんがタイトル・ロール)。
 8回目となる今回は上演史上初めて「ジキル/ハイド役」がダブルキャストとなる。石丸さんと共にジキル/ハイド役を務めるのは柿澤勇人さんである。今回は他の主要な役もダブルキャストとなっていて、今までとはまた違った『ジキルハイド』が生まれるだろう。

 今日の製作発表では石丸さん、柿澤さんを始め、ルーシー役の笹本玲奈さん・真彩希帆さん、エマ役のDream Amiさん・桜井玲香さん、アターソン役の石井一孝さん・上川一哉さん、ストライド役の畠中洋さん、ダンヴァース役の栗原英雄さん、そして私が登壇した。

 会見は石丸さんと柿澤さんによる「時が来た」の歌唱で始まり、その後上記の面々が登場、トークとフォト・セッションが行われた。その様子はネットニュースなどの記事や動画でご覧いただくことができる。ご興味のある方は検索してみてください。

 『ジキルハイド』は2023年3月11日(土)に開幕。会場は東京国際フォーラム ホールCである。東京公演に続いて名古屋、山形、大阪での公演が予定されている。

 ご期待ください。

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『キングダム』Weekly

12月19日(月)

 舞台『キングダムの稽古が始まっている。

 説明の必要もないであろうが、『キングダム』は「週刊ヤングジャンプ」に連載されている大人気コミックである。スタートより既に16年を超え、コミックスの最新刊は66巻、累計発行部数は9200万部を突破しているという。アニメや実写映画も製作され、その舞台版がいよいよ誕生する。

 舞台『キングダム』はまだどこでも上演されていない「新作」なので、このブログでもあまり具体的なことには触れずにおこうと思う。先入観無しにご観劇いただいた方が絶対に楽しいと思うからである。ただ、ひとつだけお伝えしておきたいのは……

 舞台『キングダム』はミュージカルではない。

 そこだけは、どうぞお間違えのありませんように。

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『アニー』2023!

 丸美屋食品ミュージカル『アニー』。2023年公演の概要が発表された。

 公式サイトはこちらからどうぞ。全キャストも発表されてます。

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『ジキル&ハイド』 製作発表のオーディエンス募集

 ミュージカル『ジキル&ハイド』の製作発表記者会見が12月20日(火)に行われる。

 その会見にご参加いただけるオーディエンスが募集されている。応募締め切りは12月12日(月)の正午である。

 こちらからどうぞ。

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『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』 東京千穐楽

12月4日(日)

 11月25日より公演を中止していた『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が本日より公演を再開した。そして今日は東京公演の千穐楽。

 「全員がそろって」ではないし、森さんと吉野さんは昨日が東京の千穐楽(のはず)だったので手放しでは喜べないのだが、それでも今日再開できたことは本当に良かったと思う。そして中止となった公演をご観劇予定でいらした皆さん、何というか……本当に残念です。

 さて。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』はこの後ツアーに出発する。大阪を皮切りに、広島、愛知、福岡(で年を越し)、そして長野である。

 神様、どうぞ我々をお守りください!

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舞台『キングダム』新ヴィジュアル&プロモーションビデオ

 舞台 『キングダム』の新ビジュアルとプロモーションビデオが公式サイトで公開された。

 こちらからどうぞ。

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『アニー』2023ダンスキッズ・オーディション そして『ヘアスプレー』大千穐楽

11月20日(日)

 丸美屋食品ミュージカルアニー。2023年の“ダンスキッズ”を選ぶオーディションが昨日と今日で行われた。

 『アニー』で振付を担当しているのは広崎うらんさん。うらんさんとダンスチームの皆さんが愛情たっぷりに、そして入念にオーディションを行った。その結果、チーム・バケツとチーム・モップ合わせて12名のキッズが選ばれた。

 オーディションに参加してくれた全員に、この場を借りて拍手を贈りたい。そして、応援してくださったご家族やダンスの先生方には感謝を。皆さんのお力で『アニー』は続いて行くのです。

 12名の顔ぶれは公式サイトでほどなく発表されるだろう。どうぞ楽しみにお待ちいただきたい。

 さて。

 ブロードウェイ・ミュージカルヘアスプレーが名古屋・御園座で大千穐楽を迎えた。

 本来であれば2020年に上演されていた筈の『ヘアスプレー』が、2年遅れではあったが上演に漕ぎ着けた。
 コロナにより東京公演の開幕が2日遅れ、大阪公演は10月29日以降の全公演が中止となったが、こうして大千穐楽を迎えられたことは素直に喜びたい。キャスト、スタッフをはじめとする上演関係者の皆さんや、ご覧いただけなかったお客様の気持ちを思うと、その喜びも中くらいではあるのだが。

 またボルティモアのみんなと会える日が来るだろうか。

 会えたらいいなぁ……。

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舞台『キングダム』 キャスト&クリエイティブ・チーム発表

 舞台『キングダム』(2023年2月~)のキャストとクリエイティブ・チームが発表になった。

 公式サイトへはこちらからどうぞ。

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『シスター・アクト』Weekly 開幕!

11月14日(月)

 2022年の『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が昨日開幕した。ダブルキャストは森公美子さんと吉野圭吾さんで、もう1組の朝夏まなとさんと大澄賢也さんも今日無事に初日を迎えた。

 期日通りに開幕に漕ぎ着けたことにまずは安堵している。どうかこのまま。どうか千穐楽まで。

 では今回公演のトピックを幾つか。

 入場して最初に目に入る「Sister Act」のロゴが新しくなっている。
 今回の上演より“版権を管理する代理店”が変わったことに伴う変更で(以前はStage Entertainment社、今回からMTI社)、私たちの判断ではないのだが。

 過去の公演ではキャストが客席に降りて行く演出があったのだが今回は見合わせている。
 キャストと観客が安心して交流できる日が戻るのはいつになるのだろう。

 カーテンコールの名物であった「一緒に歌おう踊ろう!!」は今回も実施されている。
 ただし「歌わないで踊ろう!!」である。どうぞ気楽なお気持ちでご参加くださいますように。

 シスター・メアリー・ラザールス役の春風ひとみさんが体調不良で初日より休演。
 が、ほどなく戻っていらっしゃるだろう。代役を見事に務めてくれた桜雪陽子さんに感謝。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』東京公演は12月4日(日)まで。その後、大阪、広島、愛知、福岡、長野へ参ります。

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『シスター・アクト』Weekly

11月7日(月)

 ピアノでの通し稽古を済ませ、オーケストラとキャストの合わせ(通称「オケ合わせ」)を経て、昨日と今日は“リズム隊”での(フル編成のオーケストラではなく選抜メンバーで)通し稽古。今日で稽古場での全行程は終了である。

 毎度同じ感想を述べることになって恐縮なのだが、「オーケストラの演奏を聴く瞬間」がミュージカル製作の中で最もわくわくする瞬間である。

 私事だが、小学校高学年から中学校にかけて「ポップス・イン・デイリー」と言うラジオ番組を聴取していた。FM東京(現在の東京FM)で平日の夕方にオンエアされていた音楽番組なのだが、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』で全編に渡って流れるソウル・ミュージック(フィラデルフィア・ソウル)を初めて耳にしたのがその番組であった。番組で当時のソウル・ミュージックを代表する楽曲「ハッスル」が紹介された時のことは今でも鮮明に覚えている。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』で取り上げられているソウル・ミュージックは1970年代に流行したサウンドである。『ヘアスプレー』では60年代のサウンドが、そして『ウェディング・シンガー』では80年代のサウンドが我々を大いに楽しませてくれた。

 “時代”の特徴的な音楽をフィーチャーしたミュージカルは楽しいなぁ。

 さて。

 東急シアターオーブでは仕込み作業が始まっている。初日まで1週間を切った。(次回もWeeklyなのか……?)

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