『フラガール』通信

7月18日(金)

  初日。

  無事に開きました。どんな作品に仕上がったかは、どうぞ劇場でお確かめください。

  どの作品の時でもそうだが、私は舞台『フラガール』にも全力を注いでやって来た。なので、今現在は一番愛着のある作品である。
  この機会を私に与えてくださった皆さんに、この場を借りてお礼を申し上げたい。そしてこの舞台を裏側から支えてくださった全ての関係者にも。ご覧頂けばお分かりになるだろうが、この舞台の裏側はまさに戦場である。

  これで『フラガール』通信はお終いである。ご愛読ありがとうございました。

  次は『青猫物語』通信。ただし、8月まではちょっとお休み。

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『フラガール』通信

7月17日(木)

  ここ数日、愛想の無いブログで済みません。何しろやらなきゃいけないことが山積みで・・・。山積みなので、とにかく時間に追われてはいるが、現場の空気はすこぶる良い。

  昨日から舞台稽古が始まっていて、今日はその2日目。2幕後半を稽古した後、ゲネプロ。上演時間は20分の休憩とカーテンコールを入れて、2時間35分程度になりそうである。

  舞台『フラガール』初日まであと1日。

  ・・・って、これ、初日の朝に書いてるんだけどさ。わ、もう出かける時刻!

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『フラガール』通信

7月16日(水)

  ただ今帰宅。4時間後にはACT。

  舞台『フラガール』初日まであと2日。

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『フラガール』通信

7月15日(火)

  午前中は音響チームの調整、午後から明かり作りの続き。予定のメニューを消化できず。

  舞台『フラガール』初日まであと3日。

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『フラガール』通信

7月14日(月)

  午前中『青猫・・・』。終えてACTへ、タッパ合わせ。後、別稽古場へ、『フラ・・・』芝居部分のみ稽古。ACTに戻り照明フォーカス、更に明かり作り。深夜作業。帰宅。

  舞台『フラガール』初日まであと4日。

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『フラガール』通信

7月13日(日)

  赤坂ACTシアターにて、終日大道具、照明、音響などの仕込み。別の場所にてダンスのみの集中稽古も行われたが、私は劇場の方へ。

  舞台『フラガール』初日まであと5日。

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『青猫物語』と『フラガール』通信

7月11日(金)

  午前中は『青猫物語』の舞台美術打ち合わせ。

  『青猫物語』は、昨年末の『恐れを知らぬ川上音二郎一座』から続く、シアタークリエのオープニング・シリーズの1本である。
  新しい劇場に相応しい新鮮な舞台にするために、キャストもクリエイティブ・チームも今まで東宝では仕事をなさっていない方たちを中心に声をかけている。
  詳細は公式ページへ。

  『フラガール』はいよいよ稽古場最終日。本番通り衣裳、ヘアメイクありで通し稽古。

  この規模で、稽古場に大道具を組んで衣裳やヘアメイク付きで通す。
  この仕事をされている方ならお分かりいただけるであろうが、これは並大抵のことではない。それを実現してくださったスタッフの皆さんに敬意を表したい。 そのお陰で、劇場に入ってからの貴重な時間を大幅に節約することができるのである。
  そして今ならまだ間に合う、と言った変更や直しも。つまり、作品のクォリティが上がる、と言うことなのである。

  明日は稽古は休み。スタッフは3週間近く過ごしてきた稽古場の撤収である。

  舞台『フラガール』初日まであと7日。

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『フラガール』通信

7月10日(木)

  4回目の通し稽古。

  トラブルのため途中で止まり、厳密には「通し」ではなかったが、全体的には上出来・・・な部分と、そうでもない部分が混在。
  芝居って難しいなあ!

  それでも、連日ハードな稽古が続いていたので、今日は意識して早い時間に稽古を終える。明日は稽古場最終日。衣裳付きで通し稽古である。
  明日もきっとハード・・・。

  舞台『フラガール』初日まであと8日。

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『青猫物語』と『フラガール』通信

7月9日(水)

  稽古前に『青猫物語』の衣裳打ち合わせと音楽打ち合わせ。

  恋愛喜劇『青猫物語』はシアタークリエの9月公演である(5月28日付の日記参照のこと)。とにかく笑える楽しい作品になるので(予定)、ご期待いただきたい。

  さて、『フラガール』

  稽古前にガールズたちのメイクアップ・テスト。そして稽古の方は3回目の通し稽古。
  昨日とは打って変わって、メリハリのある良い出来であった。何よりもひとりひとりの集中が素晴らしかったのだと思う。
  稽古後は全体で駄目出し。更にカーテンコールを手直し。そしていくつかの場面を抜き稽古。

  舞台『フラガール』初日まであと9日。

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『フラガール』通信

7月8日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。夏休み前最後のクラスであった。

  午後は『フラガール』の稽古場へ。

  ガールズのみんなと、当時の物価のことや衣食住のことをディスカッション。そして常磐ハワイアンセンターオープンの5年後に放送された、ハワイアンセンターと常磐炭鉱閉山のドキュメンタリーを観る。
  その後2回目の通し稽古。
  タイムは順調に縮まったが、取りこぼしも多い通しであった。毎回どれだけ新鮮でいられるか、が課題。
  通しの後、カーテンコールを作る。更にその後、ダンスナンバーのおさらい。

  舞台『フラガール』初日まであと10日。

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『フラガール』通信

7月7日(月)

  先日録音した本番用の音楽が到着したので、ダンスシーンをその本番用の音楽でさらう。その後、全幕の通し稽古。

  今日から稽古場最終日まで、連日通し稽古である。劇場入りが近づくにつれ、スタッフの人数も増えて来た。シンプルなストーリなので客席からは気付かないかもしれないが、舞台裏から見た『フラガール』は大作の部類に入るだろう。
  残りの稽古期間中に1幕をあと1~2分縮めたい。明日縮まないかなあ。

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『フラガール』通信

7月6日(日)

  朝から夜まで、1日かけて衣裳合わせ。

  ・・・お疲れ様でした。

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『フラガール』通信

7月5日(土)

  昨日と一昨日の日付を誤って6月と記していた。既に訂正したが、ご指摘くださった皆さん、どうもありがとうございました。

  さて、今日は稽古前にフラ・シークェンスの「ラヴ・ソング・オブ・カルア」の衣裳合わせ。夏らしい、清楚な衣装である。そして×××シーンの羽飾りのテスト。
  稽古は2幕を細かくさらった後、2幕の通し。
  昨日、今日と『フラガール』は順調に進化している。と同時に、一同疲労もそれなりに蓄積している様子でもある。このところの蒸し暑い陽気のせいもあるだろう。
  何にせよ夏の長丁場である。上手に体調管理をしていかなければなるまい。

  稽古後は照明デザイナーの高見さん、舞台監督の北条さん等と照明打ち合わせ。
  『フラガール』は場面数がそもそも多い上に、音楽場面もふんだんに登場するので照明Cueも相当な数になるだろう。となると、今日の様な事前の打ち合わせがとても重要になって来る。イメージや意図や、そのための方法論についてじっくりと確認した。

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『フラガール』通信

7月4日(金)

  1幕を丁寧にさらう。その後1幕を通す。

  少しテンポが出て来た。前回の通しより1分程度縮まった。更にあと1、2分は出したいところであるが。
  しかし今日は暑かった。
  稽古前、稽古場である元小学校の体育館と校舎を結ぶ渡り廊下に設置されているベンチに座って、ぼーっと校庭の雑草を眺めていたのだが・・・
  このまま梅雨が終わって夏になってしまうのかな、と思われる様な空であった。どうやら今日は梅雨前線がどこかへ行ってしまっていたらしい。

  夏。

  と言えばフラガールの季節である(誰が決めた?  いつ決まった?)。
  残すところ稽古場は1週間。月日が経つのは早いなあ。

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『フラガール』はお休み

7月3日(木)

  午前中は日大芸術学部所沢へ。前期最後の「演出実習Ⅱ」。

  本来はもう1回、7月17日があるのだが、『フラガール』初日前日、舞台稽古の真っ最中なので、17日はさすがに休講である。よって本日が前期最後の授業なのであった。

  『フラガール』の方は稽古は休みだが、この休みを利用して舞台監督チームは、稽古場に組まれている大道具の直しやヴァージョン・アップをやっている。
  実際に稽古をしてみての不都合などを、劇場入りする前に改善できるとは何てありがたいことだろう。それもこれも、本番用のセットを、作業スペースの捻出できる広い稽古場に組めているからである。

  感謝。

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『フラガール』通信

7月2日(水)

  稽古場はダンスのレッスン・デー。私は『フラガール』の音楽録音でサウンドインスタジオへ。

  お昼から夕方までかけて佐橋俊彦さん作曲・編曲の劇伴を録音し、その後、フラ・シークェンスのための楽曲を録音した。
  劇伴は29人編成のゴージャスなオーケストラによる演奏で、フラの方はご機嫌なハワイアン・バンドである。

  映画版ではジェイク・シマブクロさんによる音楽が全編にフィーチャーされていたが、私たちの舞台版では佐橋さんの手による新しい音楽がストーリーを運んで行く。
  ジェイクさんの音楽は、あの風景と切っても切り離せない関係にある、と私は考えている。そして、風景を持たない舞台という表現形態においては、音楽が担う役割は映画よりも遥かに大きい、と私は思う。
  そこで佐橋さんの登板である。佐橋さんの音楽は、ジェイクさんの音楽とはまた違ったアプローチで『フラガール』の世界を醸し出している。舞台版『フラガール』はミュージカルではないが、ある意味ではミュージカル以上に、音楽が様々なことを語るのである。

  夜は『どんまい  マインド』の打ち合わせ。
  井口プロデューサー、脚本の橋本二十四さんと。

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『フラガール』通信

7月1日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  2チームに分かれ、先週音取りをした新しいミュージカル・ナンバーを、生徒たちだけでステージングさせている。
  近々試演会があったりして彼らは何かと忙しい筈だが、授業時間外にも時間を捻出したりして稽古を重ねているらしい。そのせいもあって、私が予想していたより遥かに本格的で、しかも作品の本質をつかんだステージングが出来上がりつつあった。
  見直したぞ、3期生。

  午後は『フラガール』の稽古場へ。2幕をさらった後、2幕を通す。

  2幕の上演時間は一昨日の予想とそれほど違わず、胸をなで下ろした。
  稽古後、公演プログラム用にインタビューを受け、「新しい劇場に相応しい、新しいスタイルの大劇場演劇を作りたい」みたいなことを喋る。

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『フラガール通信』 そして『レベッカ』千穐楽

6月30日(月)

  2幕を2シーン手直しした後、1幕のおさらい。更にその後1幕を通す。

  昨日書いた予想上演時間より若干長い・・・?
  それはともかく、今回の芝居は、繋げてみて初めてその面白さが見えて来る。そして実際に今日の通しは面白かった。こうなると一刻も早く劇場に入りたくなる。いつもの私の悪い癖であるが。

  『レベッカ』は無事に千穐楽を迎えた。

  4月6日に初日を開けて以来3カ月、105回の公演であった。観劇くださった皆さん、ありがとうございました。そしてキャスト&スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。
  打ち上げの挨拶で岡本プロデューサーが「『レベッカ』はいつまでも繰り返し上演される作品の1本に加わったと思う」とおっしゃっていた。
  本当にそうなったら嬉しいのだが。

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『フラガール』通信

6月29日(日)

  稽古前に×××シーンの衣裳の仮縫い。

  このシーンは、映画版には出てこない舞台版だけのシーンである。が、映画版の脚本作りの中で一旦は検討されたことのあるエピソードだそうだ。私は学生時代、○○○○でバイトしていたことがあったので、私にとっては懐かしいシーンでもある。
  完成した映画にこのシーンは入らなかったが、私たちの舞台版ではここから物語を始めることにした。映画ほど様々なことを細かく説明することができない舞台では、このシーンを入れることで△△△△△の心情が伝わり易くなったのではないかと思う。

  稽古は2幕の中盤をさらった後、2幕を台本順にひと通りあたる。
  まだまだ未完成ではあるが、完成時の輪郭の様なものは見えて来た。舞台は2幕構成で、幕間に休憩が入る(恐らく20分?)。上演時間は各幕とも1時間程度に仕上がりそうなので、休憩やカーテン・コールを入れて、全体では2時間30分前後になるのではないか(なると良いな)、と予想している。

  稽古場は残り2週間。「繋げる」稽古に移行する。

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『フラガール』通信

6月28日(土)

  午前中は松岡和子さんに会い『シラノ』の台本改定について意見交換。

  午後は『フラガール』の稽古場へ。

  1幕冒頭の2シーン、2幕頭の2シーン、ハワイアンセンター・オープン当日のシーン、そしてラストシーンを稽古。
  ハワイアンセンターのシーンでは映画同様にガールズたちによるフラとタヒチアン・ダンスが披露される。映画で使われた楽曲や振付もあるし、舞台版で新たに選ばれた楽曲もある。
  フラやタヒチアン・ダンスには特別な何かが宿っている様だ。既に何度となく見ているシーンであるにもかかわらず、見ている我々の中に毎回熱いものが込み上げて来るのである。

  何だろう?

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『ミー&マイガール』オーディション

6月27日(金)

  『フラガール』はフラのシーンの衣裳合わせ。私は終日『ミー&マイガール』のアンサンブル・オーディションへ。

  ・・・12時間稽古場にいました。

  ・・・もうヘトヘトです。

  ・・・最後は退出時間を過ぎたので稽古場から追い出されました。

  井上芳雄さんと笹本玲奈さん主演のミュージカル『ミー&マイガール』は2009年6月に帝国劇場にて上演の予定。お楽しみに!

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『フラガール』通信

6月26日(木)

  午前中は日芸所沢へ。

  今日は学生たちと「好きな劇場」について「演出家の視点から」考えてみた。
  「何をやりたいのか?」と学生たちに質問すると、大抵の場合、その答えは「まだ分からない」である。具体的なビジョンを持てている学生もいるにはいるが、それは少数派である。かく言う私も大学1年の時は「何がやりたいのか」自分ではまったく分かっていなかった。
  「何をやりたいのか」が良く分からないのは、「何ができるのか」が分からないからなのだと思うのだが、では「どこでやりたいのか?」考えてみるのはどうだろう。
  「どの劇場でやるのか」は、「どんな芝居をやるのか」より格段にイメージし易い。加えて、自分たちの経済程度が選択肢を自動的に狭めてくれる。「何をやりたいのか?」が「何ができるのか?」に変質するのである。
  「何を?」と構えてしまうと手も足も出なくなりそうに思えることも、「誰と?」であるとか「どこで?」などと考えると見えて来ることがある。どんなベテランにだって「初めて」はあったのである。

  午後は『フラガール』の稽古場へ。

  1幕の、最近当たれていなかった3場面をおさらいした後、1幕を台本順にひと通り当たる。
  今日は映画『フラガール』のプロデューサーである石原さんが顔を出してくださった。まだお見せできるのはプロトタイプと言うか、試供品と言うか、そんなクォリティのものでしかないのだが、それでも石原さんに気に入ってもらえるかどうか、私はひやひやしながら稽古を見ていた。
  稽古後、石原さんは「これからちょくちょく見に来てもいいですか?」とおっしゃった。きっと不安で居ても立っても居られなかったのだろう、と私は想像したのだが、「なんだか楽しくなっちゃって」と石原さんはおっしゃった。

  もし、石原さんに本当に楽しいひと時を過ごして頂けたのなら、私としてはこれほど嬉しいことはない。

  石原さん、本当に楽しかった?

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『フラガール』通信

6月25日(水)

  稽古前に、照明の高見さん、舞台監督の北条さん、イルミカ東京の小田桐さんと電飾関係の打ち合わせ。

  舞台の場合、舞台面を照明器具で照らして場面を作ることの他に、遠くの建物の窓に明かりが灯っている、とか、星空であるとか、街灯であるとか、あるいは文字通りの電飾とか・・・、そう言った物がしばしば登場する。それらの舞台照明以外の明かり一切の仕込みに関しての打ち合わせであった。
  それらは、照明さんが舞台照明と共に受け持つ場合もあるのだが、今回は規模がそれなりに大きいので、電飾専門の業者にお任せするのである。
  現在稽古場には本番の劇場と同じ規模で稽古用の大道具が仕込まれているので、この種の打ち合わせにはとても都合が良い。作業の規模や工程、必要な効果がイメージし易いからである。

  さて、稽古の方は1幕の中盤をおさらい。

  1幕の前半でひと通り紹介された登場人物たちが、第一印象とは異なる顔を見せ始めるのが1幕の中盤である。その事によって、最初に設定された人間関係や人物同士の距離感も微妙に変化し始める。
  気をつけなければいけないのは、我々はストーリーの結末を知っているので、演技がどうしてもその結末に影響されてしまい勝ちな事である。

  先が読めない様にストーリーを運ぶ。ドラマ作りの鉄則であるが、これがなかなか簡単ではないのである。

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『フラガール』通信 そして『レベッカ』

6月24日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  現在私のクラスでは、最新の東宝ミュージカルの楽曲をテキストにして、歌うこと動くこと、そして同時に演じることをやっている。今週からは新しい楽曲に進むので、前半はその音取り。
  後半は皆のタップの実力を知りたくて、ひとりひとりにステップを踏んでもらう。と言うのも、今年度からダンスの講師陣に本間憲一さんが加わってくださり、タップが正規のカリキュラムとなったからである。
  タップは難しい。技術の巧拙が明らかに見えてしまうからである。だがせっかく手を付けたタップである。短時間に上達する道は無いので根気良く、そして楽しみながら続けて行って欲しいと思う。

  午後は『フラガール』の稽古場へ。

  今日はフラとタヒチアン・ダンスの集中稽古デー。
  『フラガール』のクライマックスにはガールズたちがフラとタヒチアン・ダンスを披露する場面があるが、その場面の、今日は踊りに絞っての稽古であった。
  いつもの様に常磐音楽舞踊学院の吉田尚子先生の指導により、前半はフラとタヒチの基礎をみっちりと、後半は各ナンバーの振りを丁寧におさらい。
  3月からレッスンをスタートし早4ヶ月。ガールズたちは確実に腕を上げている。が、まだまだまだまだ。「絶対に上達する」という執念を緩めずに初日を迎えて欲しい。
  フラは「自分との闘い」なのだから。

  夜はシアタークリエへ。

  『レベッカ』を久しぶりに観劇し、終演後のミニ・トークショーに参加した。
  いつもの通り松澤重雄さんの進行で始まったトークショー、最終回の今日は大塚ちひろさんとシルビア・グラブさんが登場した。私はその後半に参加し、今日観劇した感想や稽古中の思い出などを話した。
  気がつけば『レベッカ』も残り8回である。6月26日には通算100回目を迎え、千穐楽には上演回数は105回になる。
  残りの日々が無事に過ぎます様に。

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『フラガール』通信

6月23日(月)

  1幕の幕開きと後半を稽古。

  稽古中は、当たり前のことだが芝居のことだけを考えている。
  正確には今目の前で行われている芝居のことと、そのシーンと関連する前後のシーンのことと、そのシーンに後々加わることになる音楽や効果音や照明や舞台美術のことと、今日1日のタイムテーブルに現在の進行状況がはまっているかと言うことと、次に稽古するシーンをどういう手順で進めようかと言うことを考えている。
  私のブログには稽古場でのエピソードが記されることが少ないが、その理由は、実は稽古場でのエピソードをあまり記憶していないからである。エピソードを記憶していない訳は、上に記した通りだからである。

  今日のエピソードで印象に残っているのは、1幕のラストシーンの稽古中に突然大雨になり、稽古場である体育館の屋根がものすごく大きな音をたてたので一同がざわついた、と言うことと、そのすぐ後にガールズのひとりである大澤恵さんが私のことを「先生」と呼び、私が「先生と呼ばないで」と注意したことから「では何て呼べば良いのか」と言う話になり、片瀬那奈さんが「監督は?」と提案したので私が「監督が良いです!  めったに監督とは呼ばれないので」と言うと、福田沙紀さんが「監督じゃないんですか?」と素朴な質問をし、演劇の場合は「演出家だから監督と呼ぶことは少ない」と田山涼成さんが答えた。

  わざわざ書くほどのエピソードでなくて申し訳ありません。

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『フラガール』通信

6月22日(日)

  本日より、より広い稽古場に移動。

  廃校になった小学校が芸術創造のための施設として再利用されていて、その体育館が今度の稽古場である。以前『ミー&マイガール』や創作舞踊劇場の稽古をした小学校とは別の所で、それだけ子供が減っている、と言うことだろうか。
  さて、稽古場には一部本番仕様の大道具も建て込まれた。今までの稽古場では飾り切れなかった舞台の奥側部分も設営された。
  これまでは場面転換の度に稽古を中断して演出部の皆さんがセットを入れ替えていたのだが、これからは本番さながらに大道具を動かすことができる。あくまでも仮であった舞台奥の動線も見える様になった。

  で、今日は2幕を台本順にひと通りさらう。演出席と舞台との距離も広がって、舞台全体を見渡し易くなったのがありがたい。
  今日は場面の繋がりを確認するだけに留めてサクサク進行するつもりだったのだが、今まで曖昧にしておいた部分を具体的に判断できる環境が整ってしまったので、つい微調整をしてしまい予定より多く時間を費やしてしまった。反省。

  2幕をひと通り終えた後は1幕前半の2シーンを細かくおさらい。今までは、とにかく稽古を進めることを優先して来たのだが、2巡目は内面を丁寧に追いかけるつもり。

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今日は『シラノ』

6月21日(土)

  再会を約束していたフランク・ワイルドホーン氏と、ミュージカル『シラノ』についてのミーティング。

  前回のミーティングのことは5月7日の日記に記したが、それ以降のひと月半の間に、日本側のクリエイティブ・チームで意見交換したアイデアについての報告が今日のテーマの1つであった。
  そして今日の嬉しい驚きは、このひと月半の間に、ワイルドホーン氏も脚本・作詞のレスリー・ブリカッス氏と台本の見直しを進めてくれていたことであった。

  ワイルドホーン氏&ブリカッス氏も、我々日本版のクリエイティブ・チームも、目指すところは同じである。即ち「戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』を、どうやって現代の若い世代の観客ためのミュージカルにするか」と言うことである。
  今日は音楽監督の塩田さん、演出助手の小川美也子さんに加わっていただいて、新たに施された台詞の削除やミュージカル・ナンバーの移動、ナンバーの内容や音楽性についてなどを意見交換、私はミュージカルづくりの醍醐味を大いに堪能した。

  明日は引き続き音楽班のみでミーティング。私は『フラガール』へ。

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『フラガール』通信

6月20日(金)

  まだ手を付けていなかった2幕の稽古場シーン2つを当たる。これで全シーンに取りあえず手を付けた。

  ふぅ~。

  明日は稽古OFF。そのOFFを利用して、舞台監督の北条さん率いるチームは稽古場の引っ越しである。より広い稽古場に本番仕様の大道具を仕込むのである。
  明後日からは舞台全面が実寸で取られた新稽古場で、『フラガール』に魂を籠めるための稽古に突入する。

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『フラガール』通信

6月19日(木)

  日大芸術学部所沢校舎から『フラガール』の稽古場へ。現在の稽古場は隅田川の東なので、これは結構な大移動である。

  消耗しきって稽古場に到着し立ち稽古。
  2幕前半の「キャラバン・ツアー」周りの手を付けていなかった部分を新規に段取り、既にやった部分をおさらい。そしてラストシーンを作る。
  舞台版『フラガール』は大筋では映画版と一緒だが、細部は、特に2幕のストーリー運びは映画版と若干異なっている。皆さんの興味を削いではいけないので詳しくは触れないが、まあそう言うことである。

  ガールズの皆さんは、今日は稽古前にフラとタヒチをみっちりとやっていた。福田沙紀さんも根本はるみさんも今井りかさんも風間水希さんも華城季帆さんも、汗だくであった。

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シド・チャリース死去

  ハリウッドのミュージカル女優シド・チャリースが亡くなった。

  シド・チャリースと言えば『バンド・ワゴン』の「ダンシング・イン・ザ・ダーク」が真先に思い浮かぶ。そして「ガールハント・バレエ」も。
  更には『ブリガトーン』の「ヒースの丘」、『いつも上天気』の「ベイビー・ユー・ノック・ミー・アウト、そして『雨に唄えば』の「ブロードウェイ・バレエ」、他にも『絹の靴下』や『ジーグフェルド・フォーリーズ』や『ハーヴェイ・ガールズ』や・・・。ディーン・マーティンのサイレンサー・シリーズでも踊っているのを観た記憶がある。
  『青猫物語』のチラシでの黒谷友香さんの赤いドレス姿は、実は『バンド・ワゴン』の「ガールハント・バレエ」の中のワンシーンでシド・チャリースが身につけていたドレスにインスパイアされた物であった。

  日本では良く「シド・チャリシー」とも表記されるが、私は映画『ザッツ・エンタテイメント Part 2』の中で、ナレーターのフレッド・アステアとジーン・ケリーが共に「チャリース」と発音しているのを聞いて以来、そう記す様にしている。

  ご冥福をお祈りします。

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『フラガール』通信

6月18日(水)

  2幕の、昨日とは別のシーンを当たる。

  まどかの炭住に洋二朗が3たび訪ねて来るシーン、映画でも描かれていた「ストーブ」のシーン、そしてハワイアンセンター・オープン当日のシーン・・・等々である。
  連日10時間程度は稽古場で過ごしている。その甲斐あって、まだ初日までひと月あると言うのに大半のシーンを当たり終えた。このペースで稽古を進めるのは私自身は結構しんどかった。俳優の皆さんも大変だったろうと思う。そして連日新しい場面の準備をしてくれているスタッフの皆さんも。
  でも、そのお陰で、ひと月前にもかかわらず作品の全体像を俯瞰することができるのである。この安心感は捨て難い。

  今日は洋二朗役の阿部力さんが『笑っていいとも!』にご出演。ただし、私は放送時間には既に稽古場に到着していたのでオンエアは見ていない。が、『フラガール』のボスターを持参してくれた様である。

  1人でも多くの方に『フラガール』をご覧いただけると嬉しいのだが。

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『フラガール』通信

6月17日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー、午後は『フラガール』の稽古場へ。

  2幕の前半、まどか先生率いるガールズたちがハワイアンセンターを宣伝するために行なったキャラバン・ツアーの場面を当たる。
  まずはガールズたちの初舞台シーン。映画版でも描かれていたが、彼女たちのデビューは散々であった。
  そして彼女たちの成長を短いエピソードの積み重ねで描くシーン。ここは舞台ならではの表現方法で構成しているのだが、こういうシーンは稽古にとても時間がかかる。僅か1分30秒のシーンを段取るのに3時間も費やした。

  その後、2幕後半のステージ・シーンを稽古。
  このシーンの振り付けは随分前に終わっているのだが、芝居部分の稽古をある程度重ねてここに至るまでのドラマが見えて来た現在では、このシーンの重みや大切さが以前とは大きく異なって来ている。
  残り1カ月、ガールズたちにとってはこれからが正念場であろう。

  15日(日)の特番放送終了後のチケットの動きがとても良かった様だ。特番としては大成功の部類に入るらしい。
  番組自体が何より素晴らしかった(私が登場する部分はともかく)。取材チームの健闘に拍手を送りたい。

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『フラガール』通信

6月15日(日)

  まどか先生が紀美子たちにフラを教える決心をする場面、ガールズたちにフラのハンドモーションの意味を教える場面、そして1幕の幕切れを当たる。その後、1幕を台本順にひと通りさらう。

  稽古を開始して1週間、まだ「段取りました」の域を出ていないが、これで1幕の全シーンに手を付けた。初日までまだひと月以上のこの時期に、ストレートプレイとしては異例に早い進行であろう。
  『フラガール』は、ストーリー自体は至ってシンプルである。人間関係も複雑と言う程ではない。が、こういうシンプルなもので観客に満足を与えるのは難しい。加えて今回は、映画版をこよなく愛されている方々も大勢ご来場されるだろう。
  映画版と舞台版は別の作品である。が、見終わった時に観客が持ち帰るものが大きく違ってしまっては『フラガール』を舞台にする意味がない。
  残りひと月を有効に使って、『フラガール』の名に恥じない、立派な舞台に仕上げたいと思う。

  明日は稽古OFF。明後日より2幕に突入。

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『フラガール』通信

6月14日(土)

  稽古前に衣裳打ち合わせ。その後、立ち稽古。

  稽古は、まどか先生が稽古場でひとり踊っているのを紀美子たちが目撃するシーン、久世星佳さん扮する紀美子の母親・千代が紀美子を連れ帰ったシーンを当たった後、幾つかあるアクションがらみの場面の手順を付ける。
  紀美子の親友・早苗が父親に暴力を振るわれるシーンやまどかの炭住に借金取りが現れるシーンなどである。

  『フラガール』のアクション担当は渥美博さんである。私の作品の殆どで、渥美さんはアクションや立ち回りを作り出してくれている。
  『浪人街』の演劇史に残る大立ち回りや『プライベート・ライヴズ』の常軌を逸した夫婦喧嘩、『ジキル&ハイド』の連続殺人など、挙げればきりがない。

  渥美さんのアクションは手数(てかず)が多い。そしてスピードが速い。舞台で見栄えがするしユーモアもあり、何よりもリアルである。
  阿部力さん扮する洋二朗と借金取りとの格闘も、炭住と言う空間とその場にある物を巧みに利用している。そして速い。
  格闘の後の俳優たちは本当に息が上がっているのだが、その「本当」こそが渥美さんのアクションの真骨頂であろう。

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『フラガール』通信

6月13日(金)

  1幕中盤の4シーンを当たる。

  今井りかさん演じる紀美子の親友・早苗と父親のシーン、まどかの炭住を2シーン、そして「常磐音楽舞踊学院」のレッスン風景モンタージュの4シーンである。
  今日は稽古開始が通常より1時間遅かったのだが、あっという間に21時なっていた。やはりこの稽古場は時間が経つのが早い。そして案の定、本当は手を付ける筈だったもう1シーンを積み残した。

  明日の稽古スケジュールにも新規の場面が4つ。果たして積み残さずに消化できるか?

  お知らせ。『青猫物語』公式ページがリニューアル。

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『フラガール』通信

6月12日(木)

  2回目の読み合わせ。その後、立ち稽古。

  まどかと吉本がいわきに到着した場面をさらい、まどかと福田沙紀さん扮する紀美子が出会う場面を当たる。
  『フラガール』の稽古場ではいつもより時間が経つのが早い、様な気がする。
  あれをやってこれをやって、あのことも段取ってこのことも手配して・・・、と思っている内に、あっという間に1日が終わってしまい、やろうと考えて来たことが結局はやれずに積み残されて行く。

  一生懸命やってるんだけどなあ。

  明日からは稽古のペースが更に上がる。が、ペースを上げて早めに全体像が見えるようにしたい、と言ったのは私である。自業自得なのである。

  『フラガール』の公式ページがヴァージョン・アップした。6月15日(日)に放送予定の特番の告知なども載っているので、覗いてみてください。

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『フラガール』通信

6月11日(水)

  7日に当たった2シーンをおさらい。

  改めて記すまでもないとは思うのだが、舞台版『フラガール』はミュージカルではない。ストレート・プレイである。
  ミュージカルではないが、フラについての物語なので、フラを踊る場面はもちろんある。レッスン風景や、映画でも描かれたハワイアンセンター開場を告知するための宣伝キャラバン・ツアーでのステージ場面もある。そしてハワイアンセンターのステージも映画以上のスケールで再現される予定である。

  お楽しみに。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』製作発表など

6月10日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー、午後は東京會舘へ。『ラ・カージュ・オ・フォール』の製作発表。

  製作発表の出席者は、鹿賀丈史さん、市村正親さん、森公美子さん、今井清隆さん、島谷ひとみさん、山崎育三郎さん、新納慎也さん、そして真島茂樹さんに私である。ミュージカルらしい、実に華やかな顔ぶれであろう(本日は欠席であったが香寿たつきさんも出演される)。
  壇上ではそれぞれが簡単に抱負を述べた後、今回が初出演の方たちは今の心境や期待することを、経験者は失敗談やエピソードを語った。
  私は演出家としては今回が初めての参加であるが、1997年の青山劇場での公演に舞台監督として参加していた。なので、そのことを喋った。
  マスコミとの質疑応答の中で、市村さんが子育てのことを語ったくだりがあったのだが、その何とも言えない温かな感じが製作発表全体を気持ちの良い雰囲気にしていた。

  夜は『シラノ』の打ち合わせ。
  松岡和子さんから準備稿を受け取り、竜真知子さんにはミュージカル・ナンバーをどう扱うかを説明。近々フランク・ワイルドホーン氏と2回目のミーティングが予定されているので、それに向けてこちらの準備もペースを上げている。

  遅ればせながら『青猫物語』のチラシをゲットした。一部変形のちょっと凝ったチラシである。既に各所で配布されているのでご覧になった方もいらっしゃるのではないだろうか。
 

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『フラガール』通信

6月8日(日)

  立ち稽古。

  片瀬那奈さん演じるまどか先生が、田山涼成さん演じる常磐炭砿労務課課長・吉本に連れられていわきの炭鉱町を訪れる場面と、まどか先生が住むことになった炭住(炭鉱住宅)に、阿部力さん演じる洋二朗が炭鉱夫仲間と訪れる場面を当たる。
  舞台版『フラガール』は、短い場面がテンポよく繋がってストーリーを語って行くスタイルになっている。今日手を付けた2つの場面も時間にすれば僅かな場面である。が、その僅かな持ち時間の中で、観客に手渡さなければならない情報は膨大である。
  なので、短い場面2つだけの稽古であったにもかかわらず、今日は段取りを付けただけで時間切れ、であった。

  でも稽古は楽しい。

  個性豊かな人たちが集まっているので、繰り返すごとに芝居がどんどん面白くなる。まずは快調な滑り出し、であろう。

  芝居の稽古後はフラのレッスンを3時間みっちりと。ガールズたちは文字通り顔を真っ赤にして腰を回していた。
  並行してスタッフは衣裳打ち合わせ。衣裳デザインは原まさみさんである。時代色、経済程度、キャラクターの個性、そしてどのタイミングでどうやって着替えるのか。
  舞台ならではの課題が並んでいる。

  明日は稽古OFF。

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『フラガール』通信

6月7日(土)

  本日より立ち稽古。

  稽古前に『フラガール』特番用のインタビューを受ける。
  今までも稽古場や打ち合わせにカメラが入っていたのだが、この特番は6月15日(日)の16時からTBSテレビにて放送される予定。

  さて、稽古の方は幕開きから。
  舞台版の『フラガール』は×××の場面から始まる。今日はその幕開きの場面と、それに続く場面の2シーンを作る。
  ここでは片瀬那奈さん演じる平山まどかの(以下、ネタバレを避けるため自主規制)。

  稽古後は舞台美術の発注。
  この風景も特番のカメラが納めていた。ただし、私のインタビューも打ち合わせ風景も、番組でどの程度採用されるかはわからない。全く流れないかもしれないし。

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『フラガール』通信

6月6日(金)

  『フラガール』の稽古が始まった。

  今さら説明する必要もないであろうが、『フラガール』は2006年に公開されて様々な賞を獲得した大ヒット映画である。そしてその映画を舞台化するのが私たちの『フラガール』である。
  今日はキャスト、スタッフ、公演関係者が集まっての顔寄せであった。
  キャストは総勢42名、それにスタッフや関係者を加えるとかなりの人数になる。決して手狭な稽古場ではないのだが、今日はどっちを向いても人だらけ、と言う印象であった。
  顔寄せではひとりひとりが紹介され、キャストの何人かと主催者代表、そして「まどか先生」のモデルでフラの指導と振付をされるカレイナニ早川さん、脚本の羽原さん、私が挨拶をした。

  羽原さんは「映画版を超える、満足の行く台本を書くことができた」と力強く挨拶をされ、私は「映画版にラブレターを書くようなつもりでひと月半稽古をしたい」と控え目に喋った。着席するや否や羽原さんに「トーンダウンさせてどうするんですか」と駄目出しされた。

  顔寄せに続いてキャスト全員で読み合わせ。
  その前に、時代背景を全員で共有するために当時のニュース映像を観た。三池炭鉱での合理化をめぐる労働争議と爆発事故に関する映像である。
  『フラガール』は実話を基にはしているがフィクションである。登場人物も創作された架空の人びとで、なので実際にフラを教えた早川さんは、まどか先生の様な人生の落伍者では決してない。
  とは言え、『フラガール』の中で描かれる出来事には事実としての重みやリアリティは不可欠であろう。なので、当時石炭産業に従事していた人たちがどんな思いで過ごしていたのかを想像し易くするために、当時のニュースを観たのであった。

  読み合わせ終了後は、更にフラのレッスン。
  3月から週2回のペースで続けて来たレッスンも、これから先は芝居の稽古に組み込まれて行くことになる。今までは俳優として作品に必要な技能を習得するために踊っていた訳だが、これから先は炭鉱町の娘が人生を賭けて踊って行くことになるのである。

  稽古終了後は音響打ち合わせ。音響デザイナーは山本浩一さんである。来年は山本さんとの仕事が目白押し、の予定。

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アカデミー/『シラノ』

6月3日(火)

  午前中は火曜定例の東宝ミュージカルアカデミー。

  早いものでもう6月。彼女たち、彼らも、既にふた月アカデミーで過ごした訳である。
  時は流れ行く。毎日を充実して送っても、例え悶々と過ごそうと、時間は無慈悲に、或いは残酷に過ぎて行く。だが一方で、時の流れは誰にも等しく平等、公平である。
  演劇とは本来不公平なものである。その不公平な世界の中で、少なくともアカデミー生に与えられた持ち時間だけは公平なのである。
  ならば後は「持ち時間を如何に有効に利用できるか」、であろう。

  夜はミュージカル『シラノ』の台本打ち合わせ。

  先月『シラノ』の音楽班と整理した事柄を翻訳の松岡和子さんに伝え、音楽と台本の整合性を取るための打ち合わせであった。
  誤解を恐れずに言えば、今回の翻訳は、どれだけエドモンド・ロスタンの原戯曲から離れることができるか、がポイントではないかと考えている。
  ロスタンの『シラノ・ド・ベルジュラック』は優れた戯曲である。が、(当然のことながら)ミュージカルのテキストではないので、全てのことが言葉を尽くして語られ過ぎている。

  音楽の力を利用して、音楽でしか伝えることのできないやり方で、シラノの人生を語りたい。

  私たちが『シラノ』で目指しているのはそこなのである。

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『フラガール』通信

5月31日(土)

  『フラガール』の舞台美術打ち合わせ。

  稽古開始が迫って来たので、もう1度舞台美術の全体を確認するための打ち合わせであった。
  映画版に比べると、登場人物もエピソードの数も絞り込まれているのだが、それでも舞台としては場面数は多い方である。なので、どうすればそれを手際よく処理できるのか、と、『フラガール』の世界観をどう劇場に移し替えるのか、の2点をポイントにこれまで打ち合わせを重ねて来た。そしてそれらは概ね満足の行く形に落ち着きそうである。

  最近色々な人から『フラガール』のことをテレビで見ました、と言われるのだが、主催がTBSさんなので、TBS系列ではスポットCMが流れたり、番組内でも良く取り上げられているらしい。そしてそのスポットCMも、今日からは福田沙紀さんと片瀬那奈さんが登場するヴァージョンに変わったのだそうだ。
  チラシも、出演者のスチールが入った本チラシが出来上がった。

  後は中身か。

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『シラノ』

5月30日(金)

  ミュージカル『シラノ』の音楽打ち合わせ、2回目。

  前回は1幕の整理だけで終わっていたので、今日は2幕を。
  膨大なエピソードのどこにフォーカスを当てて行くのか。音楽的なハイライトをどこに持って行くのか。そして、ミュージカル・ナンバーの前後を音楽的にはどう処理するのか。
  音楽監督の塩田さんと今取り組んでいるのはそういう部分である。
  まだ全編の音楽スコアが存在せず、ナンバーのスコアも暫定的なものなので、稽古ピアノの國井さんと種村さんにも付き合って貰いながら、ああでもない、こうでもない、と試行錯誤しているのである。

  久しぶりに、ミュージカルをゼロから生み出す喜び(と苦しみ?)を味わっている。

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演出実習Ⅱ

5月29日(木)

  日大芸術学部所沢校舎へ。

  木曜定例の「演出実習Ⅱ」である。
  学生たちに持参させた公演プログラムのスタッフ欄から、舞台を作り上げるために関わっている様々な肩書の人々をピックアップしてみる。その「様々な肩書」の人々との関係こそが、演出家が芝居作るプロセスだからである。
  そこに記されている「様々な肩書の人々」はどんな仕事をする人たちなのか。その人たちに対して演出家はどう接するのか。
  次週以降で、その事に具体的に触れて行きたいと思う。

  授業後は学生食堂へ。学生たちと昼食を共にし、だべる。

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恋愛喜劇『青猫物語』

5月28日(水)

  東宝演劇部へ。恋愛喜劇『青猫物語』の打ち合わせ。

  『青猫物語』はシアタークリエの9月公演である。
  この公演は「北村有起哉さんと黒谷友香さんの初顔合わせ」であるとか、「きたろうさんから橋本淳さんに至る多彩なキャスト」であるとか、「シアタークリエのオープニング『恐れを知らぬ川上音二郎一座』に続くシチュエーション・コメディ」であるとか・・・、様々な切り口で語ることができるだろう。
  かつての小劇場界的な興味で見てみれば、「M.O.P.のマキノノゾミさんの本を、キャラメルボックス(近江谷太朗さん)、カクスコ(岸博之さん)、第三舞台(小須田康人さん、山下裕子さん)の役者が集まって、東京サンシャインボーイズの演出家(私です)の演出で上演する」と言うことになるし、現在の小劇場界的には「モダンスイマーズ(小椋毅さん)とペテカン(本田誠人さん、羽柴真希さん)に何故か文学座(佐藤淳さん)が加わって・・・」となろう。
  後は「ミュージカル界的」にも見ることができて「北村岳子さん、富田麻帆さん、石田佳名子さん、岡村さやかさん・・・」と言うことにもなるのだが、別に無理に「××的」に見る必要も無いと言えば無い。

  『青猫物語』は、そもそもは劇団M.O.P.の第26回公演としてマキノノゾミさんの作・演出で1994年に初演された作品である。M.O.P.では2年後に再演されているが、それから12年を経た今年、M.O.P.とはまた違ったスタイルでこの傑作コメディをリバイバル上演しよう、と言うのが今回のシアタークリエ版『青猫物語』なのである。

  何はともあれ、スピーディでちょっぴり切なくて、とびきりキュートなコメディをお送りする予定である。
  チラシには演出家の言葉としてその様に記してある。なので、その言葉に違わぬ楽しい舞台を何としてもお目に掛けたい、と心から念じているのである。

  ご期待ください。

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アカデミーと『フラガール』

5月27日(火)

  午前中は火曜定例の東宝ミュージカルアカデミー。

  先週と比較して「悩み」や「迷い」が良い方向に向かっているか、の問いに、「良い方向に向かっている」と答えた者が1/3、「変わらない」と答えた者が1/3、そして「悩みや迷いが益々増えた」と答えた者が1/3、といった様子であった(先週の様子はこちら参照)。
  とは言え、先週のややどんよりとした空気よりは今週の空気の方が遥かに良い。でもそれは、先週が嵐の様な天候だったのに比べて今日が清々しい晴天だったから、かもしれないが。

  午後は『フラガール』のフラ・レッスンへ。

  ひと通りレッスンを見学し、レッスン終了後、カレイナニ早川さん、早川さんと共にフラの指導をしてくださっているハワイアンズの吉田先生(常磐音楽舞踊学院の助教授)と、舞台に登場するレッスン場面やステージ場面について打ち合わせ。
  映画版の感動を、舞台のやり方で再現したい。目標はそれである。

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『ラ・カージュ・・・』公式ページと『フラガール』音楽打ち合わせ

5月26日(月)

  ブロードウェイ・ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』の公式ページがオープンした。

  公式ページでは全キャストや公演日程などをご覧いただくことができる。また、同ページによると、市村さんのザザは今回で見納めらしい。「市村ザザの集大成」(同ページ)の名に恥じない最高の『ラ・カージュ・オ・フォール』にしたい、と思う。

  さて、夜は佐橋俊彦さんの仕事場へ。

  『フラガール』の音楽打ち合わせのためである。5月6日にも1度打ち合わせをしており、今日はその続きと言うことになる。
  打ち合わせの初めに、佐橋さんがテーマ曲のデモを聞かせてくれた。前回の打ち合わせの時に私から佐橋さんに伝えてあったイメージを基に、佐橋さんが打ち込みで作ってくれたものである。私がイメージしていたものにぴったりの楽曲で、大いにモチベーションも上がったところで今日の打ち合わせへ。
  準備稿を基に、音楽をどこに入れるのか、その音楽のイメージやモチーフとなる事柄は何か、そのサイズは・・・、などなど、じっくりと意見交換をした。

  佐橋さんとはオリジナルの大作ミュージカル『風と共に去りぬ』で出会い、『ミー&マイガール』や『ウェディング・シンガー』の音楽監督も務めてもらった。
  特に『風と共に去りぬ』では、1年以上かけてミュージカル・ナンバーの全てを佐橋さんに作曲・編曲してもらったり、再演の度に楽曲を入れ替えたり直したりした。その作業を通じてお互いの志向性が良く分かっているので、打ち合わせでのコミュニケーションがとても取り易い。何よりも打ち合わせること自体が楽しいのである。

  次回の打ち合わせが待ち遠しい!

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日芸と『レベッカ』トークショー

5月22日(木)

  午前中は毎週木曜定例の日芸所沢。

  演劇情報誌から、学生たちの知っている演出家の名前をピックアップさせてみる。
  1人で十数人の名前を並べる学生もいれば、一方で、半数近い学生は片手にさえ満たない名前しか挙げることができなかった。だが、これが現在の日本の演劇を取り巻く状況であろう。大切なのは、ここから先、彼ら、彼女たちの興味がどう広がって行くか、である。
  因みに、断トツの認知度を誇ったのは蜷川幸雄さんであった。舞台は未見でも名前だけはほぼ全員が知っていた。

  夜はシアタークリエへ。

  『レベッカ』夜の部終演後、ファン感謝デーとしてトークショーが行われるので参加するように、と急遽指令が下ったのである。
  本日のメンバーはシルビア・グラブさんと吉野圭吾さん。司会の松澤重雄さんによる巧妙なリードで、お2人のチャーミングな素顔や舞台裏の愉快な様子が楽しく披露された。私は後半にちょっとだけ参加。相変わらず大した話もできず、自己嫌悪。

  トークショはこのあと3回の開催が予定されている。興味のある方はこちらを。

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『シラノ』

5月21日(水)

  ミュージカル『シラノ』の音楽打ち合わせ。

  音楽監督の塩田さんが帝劇の『ルドルフ』を振っているので、その終演を待っての打ち合わせであった。5月7日のフランク・ワイルドホーン氏とのミーティングで話し合われたことを基に、日本版をどう作っていくのかを音楽面から検討、意見交換した。
  ここ数日、今日の打ち合わせのためにエドモンド・ロスタンの原作戯曲とレスリー・ブリカッス氏のミュージカル版の台本を読み直していたのだが、やはり『シラノ・ド・ベルジュラック』は実にいい話だと思う。そしてブリカッス氏版の台本はかなり原戯曲に忠実である。

  この「いい話」を、気品や華やかさはそのままに、スピーディに生き生きと現代的に再現したい。先日の打ち合わせの席でワイルドホーン氏が、この作品の方向性を共有するために引き合いに出したのは映画『恋におちたシェイクスピア』であったのだが、それは私のお気に入りの1本でもある。

  ミュージカル『シラノ』日本版を形にするまでにはまだまだ課題も多い。何よりもこの仕事を難しくしているのは『シラノ・ド・ベルジュラック』が「言葉」と「話し方」をテーマにしていることであろう。
  英語で書かれた台詞や詩をどんな日本語に置き換えるのか。そして音楽的な制約の付きまとう歌詞をどう訳すのか。
  その困難に取り組んでくださっている松岡和子さんと竜真知子さんに、心から敬意を表したい。

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3週間振りのアカデミー

5月20日(火)

  祝日が続いたりなどしたので、3週間振りとなる東宝ミュージカルアカデミーへ。

  先々週と先週やっていたのは、アカデミーを卒業した受講生たちの中から選抜されたアドヴァンス・コースのためのワークショップ。3期生の正規授業は4月22日以来なのである。お陰で、コツコツと積み重ねていた受講生たちの顔と名前を一致させる作業も水泡に帰した。
  それはともかく、4月の初めにはとても明るく生き生きとしていた受講生たちが、久しぶりに顔を合わせてみると、なんだかいまひとつ元気がない様に感じられた。
  それは昨日のムシムシした天候のせいかもしれなかったし、いわゆる5月病だったのかもしれなかった。
  「毎日が充実しているか」との質問にためらいなく手を挙げた受講生も僅かであった。その理由を聞いてみると、それぞれが抱えている課題や弱点が、順調に克服されるどころか新たな課題や弱点が日々見つかって、どうやらそのことも受講生たちを本来の楽天性から遠ざけている一因の様であった。

  だがそれは、言い方を変えれば「現実が見えて来た」と言うことである。悪いことではない。
  ミュージカル俳優を目指す者にとって、自分を知ることは最初の一歩である。自分を知り、弱点は徹底的にレッスンを重ねて克服する。長所は、それが強力な武器になるまでとことん伸ばして行く。俳優修業とは生涯その連続であろう。
  その為にはまず自分を客観的に知らなければならない。知れば次に何をするべきかは自ずと明らかになる。
  大切なのは自分がどこへ行こうとしていたのか、それを見失わないことである。

  願えば、いつかそれは叶うのだから。