『ミー&マイガール』 at 中日劇場

7月8日(水)

  名古屋へ。中日劇場で上演中の『ミー&マイガール』を観る。

  中日劇場の良さは、舞台と客席の距離が近いことと、音響の響きが素晴らしいことである。そのため、とてもアットホームな雰囲気が生まれるし、何よりも臨場感がある。『ミー&マイガール』の様な作品にはうってつけの劇場なのである。
  帝劇と比べると、舞台美術はやや小ぶりになっている。が、それは仕方がない。そもそも6年前の帝劇初演の時、帝劇でしかできないものを、帝劇のスケールと舞台機構をフル活用して、と考えて作り上げた舞台美術である。
  が、先に記したように、その小ぶりさもいい意味でアットホームに見えていて、中日版には中日版の良さがあった。事実、中日劇場は大いに盛り上がっていた。何よりも、台詞のひとつひとつに反応してくださっていたのが嬉しかった。

  困難な引っ越しを実現してくれた、演出助手の落石君、舞台監督の佐藤さん、そして玉野さんに感謝したい。もちろん中日劇場のスタッフの皆さんにも。

  中日劇場の『ミー&マイガール』は7月15日まで上演中。

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『TDV』通信

7月7日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。

  前期の私のクラスは今日で終了。なので今日は通常のカリキュラムを離れ、ひとコマ(2時間)全枠を受講生との質疑応答に当てた。日々のレッスンの中で感じていることや演劇製作上の疑問点、或いは、私が演出家としてどの様に作品作りをしているのか……、などなど、素朴だが真剣な質問が数多くなされた。
  今現在の彼ら・彼女たちを見てアドヴァイスをするとすれば、それはただひとつ、「やりたいんなら本気でやれ!」

  午後は帝劇へ。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』も本日より2回公演。昨日も記した通り、今日はアルフレートとサラがシャッフルされて、これで4パターンあるダブル・キャストの組み合わせの全てが初日を終えたことになる。
  カーテン・コールも挨拶の無い通常の形になり、いよいよ3か月に及ぶロング・ランがスタートする。

  さて、『TDV』通信も今日でひとまず終了である。ご愛読本当にありがとうございました。今後のヴァンパイア・ニュースは充実ぶりも目覚ましい公式ブログでどうぞ。

  さて、5月の『シラノ』、6月の『ミー&マイガール』、そして『ダンス オブ ヴァンパイア』と続いた大型ミュージカルの連続オープンもこれで一区切りついた。3月16日に『シラノ』の歌稽古を開始して以来、大変充実した3ヵ月半であった。
  次回はパイレート・クイーン』通信であるが、これが本格的に始まるのは10月に入ってからである。それまでは不定期に、書くべきことがあった場合にのみ書き込みます。

  皆さん、良い夏を!

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『TDV』通信 ダブル・キャスト初日!

7月6日(月)

  浦井アルフレート&大塚サラの初日。

  「2落ち」と言う業界用語がある。
  無事に初日を終えた次の日(つまり2日目)は、初日とは打って変わって低調な出来で終わってしまうことが多い、と言うことを言った言葉だが、ジンクスの様でもあるし、自戒を込めた戒めの様な言葉でもある。が、ダンス オブ ヴァンパイア』は今日も「2落ち」とは無縁の素晴らしい出来であった。
  そして浦井アルフレートも大塚サラも、昨日のコンビ、泉見さん・知念さんとは違ったそれぞれの持ち味を生かした役作りで、堂々たる初日振りであった。
  実際にはお2人とも相当緊張していたらしい。大塚さんは、1幕よりも2幕でそれが顕著であったと言う。が少なくとも客席からはそんな風にはこれっぽっちも見えていなかった。
  私はダブル・キャストの公演はこの様であるべきだ、と思っている。つまり、「どちらを見ても印象が変わらない」と言うのではなく、それぞれの個性やアイデアが反映されていて、どこを取ってもその人にしかできない表現がなされているべきだ、と言うことである。

  それはともかく、明日は初の2回公演。そしてキャストがシャッフルされて、昼は泉見アルフレート&大塚サラ、夜は浦井アルフレート&知念サラの顔合わせである。また一味違う『ダンス オブ ヴァンパイア』が見られる筈である。

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『TDV』通信 初日!

7月5日(日)

  大道具や照明、音響が最後の調整を続ける中、我々は昼過ぎから稽古場に集合。昨日のゲネプロ終了後は速やかに帰宅したので、その駄目出しを含む最後の確認であった。
  開演の2時間前、舞台にて初日のお祓い。2か月に渡る帝劇公演の成功と無事を祈願。
  そして17時30分。荘厳なオーヴァチュアが3年振りに帝劇に響き渡った。そして吹雪の中を、大小の荷物をぶら提げた少年が心細そうにトボトボとやって来た……。

  休憩中の「あの人」を含め、何から何までが楽しく、そして懐かしかった。上演中は、あの夏から既に3年も過ぎたとは思えない様な、少し不思議な感覚であった。
  終演後は通常のカーテン・コールに加えて初日のご挨拶。駒田一さんの司会で、知念里奈さん、泉見洋平さん、石川禅さん、そして山口祐一郎さんが短くコメントを述べた。
  そして総立ちのお客様は、何度も何度もキャストを舞台に呼び戻してくださった。一旦はエグズィット・ミュージックが演奏されたにもかかわらず、お客様は拍手を止めてくださらなかった。

  やはり『ダンス オブ ヴァンパイア』は楽しい。が、そのことは、お客様が客席を埋めてくださった時に初めて実感できる楽しさなのである。作品と観客の幸福な出会い。ダンス オブ ヴァンパイア』は、その出会いに恵まれた幸運な1本であろう。

  明日は浦井健治さんと大塚ちひろさんの初日。今日に劣らない、素敵な初日になります様に!

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『TDV』通信 そして『ミー&マイガール』名古屋初日

7月4日(土)

  舞台稽古の続き、そしてゲネプロ。

  困難な3日間であったが、それでもタイム・テーブル通りに全行程を修了した。優秀で献身的なスタッフ陣にまずは感謝したい。
  再演で、しかも通常公演より多めに作業時間が確保されている今回でこの大変さである。3年前の初演は、良く無事に初日まで漕ぎ着けたものである。それこそ奇跡の様にして幕が開いたのだ。

  さて、いよいよ明日は初日。熱狂の3ヵ月の始まりである。

  名古屋・中日劇場の『ミー&マイガール』は本日初日。無事に幕を下ろすことができたそうである。スタッフ&キャストの皆さんお疲れ様でした。そしてご来場くださった皆さん、ありがとうございました。

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『TDV』通信

7月3日(金)

  舞台稽古2日目。

  昨日、幕開きから1幕7場までを終えているので、今日はその続き。1幕8場の幻想の舞踏会から2幕7場の図書館までを舞台稽古。
  『ダンス オブ ヴァンパイア』の舞台稽古では、やらなければいけないことの量が膨大である。今回は再演であるにもかかわらず、やはりそれなりの時間を費やしてしまう。ダンスに仕掛けに舞台転換に照明。1つ1つは決して大げさなものではないのだが、その総量が多いのと、それぞれをデリケートにシンクロさせなければならないのとで、手順を付けるのに手間がかかるのである。
  とは言え、タイム・テーブル的には至って順調。予定のメニューを無事時間内に終了した。

  明日は舞台稽古の残りとゲネプロ。「すべて順調、万事快調!」

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『TDV』通信 ミニミニ

7月2日(木)

  テクニカル・リハーサル、サウンド・チェックの後、舞台稽古。その後、再びテクニカル・リハーサル。昨日ほどではないけど深夜帰宅。また明日。

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『TDV』通信 ミニ

7月1日(水)

  終日道具調べ、照明合わせ。深夜帰宅。おやすみなさい。

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『TDV』通信

6月30日(火)

  博多へ。博多座開場10周年記念公演となる『ダンス オブ ヴァンパイア』の製作発表であった。

  今日の博多は大雨警報と雷洪水注意報が発令される生憎の天気であったが、それでも大勢のマスコミの方が詰め掛けてくださった。ヴァンパイア・カンパニーから出席したのは岡本プロデューサー、山口祐一郎さん、石川禅さん、大塚ちひろさん、知念里奈さん、そして私で、それぞれが抱負を述べた後、質疑応答と写真撮影が行われた。
  更にその後は個別のインタビューなども設定され、各人が分刻みで応対した。私もKBCテレビとFM福岡のインタビューを受けた。
  これらの模様は、9月の博多座公演に向けて様々な媒体に登場することになると思われる。九州地方の方はお楽しみに。

  博多滞在4時間ほどで、私はとんぼ返りして帝劇へ。仕込み作業の進行状況を確認して、今日の所は早々に帰宅。明日が長い1日になりそうだからである。

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『TDV』通信

6月29日(月)

  オケ付き通し稽古2回目。舞台では本格的な仕込み作業が始まっている。

  全体での稽古は今日が最終日である。後は劇場で、扮装して、舞台美術や照明や音響と合わせての稽古に委ねたい。
  稽古後、開演アナウンスの録音。
  本当は初演時のアナウンスをそのまま使用するつもりだったのだが、その録音ソースが発見されず、仕方なく録り直すことに。なので文面は殆ど変わっていないが、一応新録音である。

  明日はヴァンパイア・ダンサーのみの振り固め。私は博多座へ出張。

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『ミー&マイガール』東京千穐楽 そして『TDV』通信

6月28日(日)

  『ミー&マイガール』が帝劇で千穐楽。ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。

  今日の千穐楽、私は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古で観劇できなかったのだが、稽古の始まる前に舞台袖から幕開きを、稽古の休憩時間にフィナーレを覗いた。
  フィナーレ時に舞台袖にいたのは、終演後に舞台裏で行われる恒例の手締めに参加するためだったのだが、成り行きで何度目かのカーテン・コールで舞台上に登場する羽目になった。今日ご観劇くださった皆さん、私は決して「出たがり」ではないので、どうか誤解の無い様に。
  終演後、舞台裏では東宝の増田専務がご挨拶、そして『ミー&マイガール』の作曲者ノエル・ゲイ氏のお孫さんで著作権を管理していらっしゃるアレックス・アーミテージ氏からもお言葉を頂戴した。そして井上芳雄さんの音頭で3本締め、帝劇公演を打ち上げた。
  さて、『ミー&マイガール』は名古屋に旅立つ。中日劇場にて7月4日から15日まで、東宝版としては初めて帝劇を離れての公演である(詳細はこちら)。
  キャスト&スタッフ&オーケストラの皆さん、どうか良い旅を。次は中日劇場が世界で1番幸福な場所になります様に!

  『ダンス オブ ヴァンパイア』はオケ合わせの2日目。昨日の続きで2幕の後半を合わせる。
  休憩を挟んだ後、オーケストラで1回目の通し稽古。とてもいい出来であったと思う。通し稽古後の駄目出しでもそのことを全員に伝えた。

  舞台ではヘアフォード邸が着々と解体されている。そしてその跡に運び込まれるのはクロロック城である。『ダンス オブ ヴァンパイア』開幕は1週間後に迫った。

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『TDV』通信

6月27日(土)

  オケ合わせ。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』のオーケストラは25名。壮大な楽曲、美しい楽曲、ミステリアスな楽曲、激しい楽曲……。昨日までピアノだけで演奏されていたミュージカル・ナンバーの世界観が一気に広がった。
  今日は1日かけて2幕半ばまでを消化。明日は残りのオケ合わせを終えた後、オケ付き通し稽古。

  稽古後、帝劇の奈落作業場に下りて、「霊廟」の場面で教授に降りかかる「アクシデント」のテスト。教授の場所に上がってみると、結構高く感じるのである。

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『TDV』通信

6月26日(金)

  稽古前に東宝の社内誌「宝苑」の取材。『ダンス オブ ヴァンパイア』の見どころなどを語る。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』は通し稽古の2回目。今日は泉見アルフレートと大塚サラ。2人も全体も着実に進化している。
  通し稽古後は駄目出し。更にその後、『ミー&マイガール』終演後の舞台を拝借して“ベッド・シーン”の稽古。
  稽古後、稽古場には楽器が搬入された。昨日、今日と別のスタジオでオーケストラ・リハーサルが行われていたのだが、明日からはここでオーケストラとの合わせである。指揮は西野淳さんである。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』の後は『パイレート・クイーン』の舞台美術打ち合わせ。台本の要請、音楽の要請、ダンスの要請に、それぞれどう応えるか……。

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『TDV』通信

6月25日(木)

  午前中は日藝所沢。

  演劇には「空間」の概念と「時間」の概念がある、と言う話をする。
  前回の授業で考察したのは「空間の概念」で、近代演劇以降に持ち込まれたその概念が演劇に「時間の概念」をもたらし、そしてそのことが「演出」と言う仕事を独立、発達させたのではないか、と言う様なことを、ある空間の中で人物を動かしながら実例を上げて解説。珍しくアカデミックな授業であった。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。1回目の通し稽古。

  通し稽古の合間に、岡本プロデューサーから「特に心配な所はないだろう?」と言われた。その通り、順調な仕上がりだと感じている。『ダンス オブ ヴァンパイア』が備えている祝祭的な楽しさと哲学的な深さの両面が、理想的なバランスで醸し出されていると思う。
  通し稽古終了後は駄目出し、そしてダンスシーンの抜き稽古。明日はキャストを入れ替えて2回目の通し稽古。因みに今日のアルフレートは浦井健治さん、サラは知念里奈さんであった。

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『TDV』通信

6月23日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。

  私は歌えないし踊れないし演技経験も無い。なので歌やダンスや演技の技術を教えることはできない。では私のクラスでは何をやっているのか、と言うと、私は演出をしている。あるミュージカルのある場面を、プロの現場でミュージカルを作るのと同じプロセスで受講生たちに体験させている。
  歌、ダンス、演技。個々のレッスンは私以外の先生方が充実したカリキュラムを組んでくださっている。なので、私のクラスでは、個々のレッスンで受講生たちが獲得したスキルを総合的に見ることに主眼を置いている。
  「何のためにレッスンを重ねるのか」が、私のクラスのテーマなのである。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。昨日整理した1幕を通す。その後、ダブル・キャストを交代してもう1回通す。

  1幕は初演とほぼ同じ、1時間12~3分に仕上がりそうである。今回から新たに加わってくださったキャストの皆さんも、それぞれの持ち味が活かされて良い感じになって来た。初演からの皆さんは、その魅力に益々磨きがかかっている。
  明日は稽古場最後のOFF(イベントのある方はご苦労様です)。明後日より通し稽古態勢に入る。

  稽古後は『レベッカ』の舞台美術打ち合わせ。『レベッカ』の舞台美術は、シアタークリエ版とはコンセプトを一新することになる。さて……。

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『TDV』通信

6月22日(月)

  1幕を場面毎に、丁寧にさらう。

  何しろ、最後に1幕を稽古したのは1週間以上前のことだ。場面によっては2週間近く前になる。どうなることやら……と言う気持ちは、恐らく俳優たちも私も大差なかっただろうと思う。
  予想通り、芝居が上手く流れなかったり、手順を忘れてしまったていたり……はあった。が、そうなるのは当たり前のこと、心配はしていない。そのことよりも、2幕ラストまでひと通り手を付けたことによって、それぞれのキャラクターが抱えるドラマがより具体的に表現される様になったことが大きな収穫であった。

  ところで、今日は他にも幾つかご報告が。

  まず、『ミー&マイガール』のハイライト・ライブ録音CDの発売が決定した。詳細は未定だが、第一報はこちらからどうぞ。
  次に『パイレート・クイーン』のアンサンブル・キャストが発表になった。こちらからどうぞ。

  最後に、この記事の左、私の顔写真の下に存在している小さな7桁のカウンターであるが、この数字は、このブログを訪問してくださった方のアクセス数の総計である。
  ココログでこのブログを始めたのが2006年4月。以来、足掛け3年と3カ月で1.000.000人を超えることとなった。
  この場をお借りして、このブログを覗いてくださった皆さんに御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

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『TDV』通信

6月21日(日)

  前半はダンス・ナンバーの振り固め。その後、2幕をおさらい。

  1幕をやるより先に、2幕を台本順に全場面当たった。今まで場面ごとにブツ切れで稽古していた為に掴み辛かった繋がりや流れが、これで理解し易くなっただろう。
  明日は久々に1幕に戻る。1幕を稽古してから随分と時間が経っているので、果たして覚えているだろうか?

  公式ブログには久々のリー君登場。もうご覧いただいたであろうか?

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『TDV』通信

6月20日(土)

  2幕10場、11場を稽古。

  10場はクロロック城で行われる舞踏会。
  このシーンも細かい約束事の連続で、場面にすれば10分足らずなのだが稽古は1日がかりである。とは言え、初演の時の苦労に比べれば再演の稽古は楽なものだが。
  そして11場。ラスト・シーンである。
  全ては終わった。そして教授は歩き始める。彼が再びトランシルバニアを訪れることはないだろう。……本当に?

  今日でとりあえず全シーンを当った。明日からは2順目。「とりあえず」当った各シーンをより精密に仕上げて行きたい。『ダンス オブ ヴァンパイア』開幕まであと2週間である。

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『TDV』通信

6月19日(金)

  『ダンス オブ ヴァンパイア』のもうひとつのハイライト、2幕9場を稽古。

  2幕9場はクロロック城の尖塔と墓場である。
  城の最上部まで上り詰めたアルフレートと教授。外は既に陽が落ちていた。果たして2人はヴァンパイアvs人類の戦いに勝利することができるのか……?
  一方、墓場では今夜の舞踏会に向かうヴァンパイアたちが続々と蘇っていた。この場面のミュージカル・ナンバーは、永遠に死ぬことの無い死者たちによる「永遠」と、7分に及ぶ伯爵の「抑えがたい欲望」である。どちらもが2幕後半のハイライトだと思う。

  明日はいよいよ舞踏会に潜入!

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『TDV』通信

6月18日(木)

  午前中は日藝所沢。

  学生たちに「好きな劇場はどこか」尋ねてみたら、即答した者は少なく、「まだ色々な劇場に行ったことがないので……」と言う者が多かった。それはそうだ。半年前までは受験生だった訳だし、全員が関東圏出身でもないのだから。
  「でも理想の劇場なら……」あります、と言うことで、それぞれが様々なことを答えてくれた。私はこの仕事を始めて既に四半世紀。好きな劇場もあれば、それ程でもない劇場もある。観客としてはいいが、仕事では……と言うところもある。もちろんその逆も。
  劇場は1点ものである。同じ劇場は2つとない。だから面白い。皆さんの好きな劇場はどこだろうか?

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。

  まずは2幕2場、アルフレートの悪夢シークェンス「夜を感じろ」を当る。
  ここは『ダンス オブ ヴァンパイア』のハイライトである。伯爵の城に泊まったアルフレートが深夜に見た悪夢がダンスで表現されている。初演の時、脚本・作詞のミヒャエル・クンツェ氏から「ウィーン版より素晴らしい」とのお言葉を頂戴したシーンである。エキサイティングなダンスとヴォーカルをお楽しみに。
  続いて2幕7場、8場を稽古。
  7場は、失意のアルフレートが、アブロンシウス教授から「人生をやり直す勇気」を与えられる場面である。そこへ再びミステリアスな歌声が聞こえて来て……。
  8場は、その歌声の聞こえる場所を探し求めるアルフレートが、思い掛けないキャラクターに遭遇してしまう場面。そのキャラクターはアルフレートに近づくと……。

  稽古後、声の録音。誰の声かはここでは言えない。更にその後、シャガールがマグダを○○○す場面の○○○をテスト。結果は良好であった。

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『TDV』通信

6月17日(水)

  2幕の3場から6場までを稽古。

  2幕3場は、アルフレートとアブロンシウス教授にあてがわれたクロロック城内の客間である。
  悪夢にうなされて寝覚めの悪いアルフレート。対する教授は至って爽やかに目覚めた様子。陽の高い内にクロロック伯爵の棺を見つけ出し、その心臓に杭を打ち込むことにした教授はアルフレートを従えて霊廟(れいびょう)へと向かう。
  2幕4場はその霊廟。
  伯爵の棺を見つけ出した教授とアルフレート。アルフレートは手にした杭とハンマーで伯爵の心臓に狙いを定めるが……。
  続く5場は城内の図書室。
  古今東西の書物が収蔵されているのを目の当たりにした教授は、興奮を押さえ切れずに本の山へと分け入って行く。一方、サラの歌声を聴いたアルフレートは、声の主を求めて城内をさ迷い歩く……。
  6場は城内のバス・ルーム。
  遂にサラとの再会を果たしたアルフレート。入浴中のサラに「一刻も早く城を抜け出そう」と持ち掛けるが……。

  客間から霊廟へと向かう教授とアルフレートのナンバー、そして霊廟でのシャガール&マグダのナンバーは、上島雪夫さんによって今回マイナー・チェンジが施された。それに、先日の「クロロック城 スペシャルナイト イベント」にお越しくださった方にはすでにご報告したが、城内のバス・ルームも、よりゴージャスに(当社比)デザインし直された。

  その辺りのことも、どうぞお楽しみに。

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『TDV』はお休み

6月16日(火)

  『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古は休み。午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。ここの所はあるミュージカルのワン・シーンを取り上げている。

  そのシーンは、台詞からデュエットへと発展する、ミュージカルの典型的なシーンである。
特に工夫を凝らさなくても、そのまま喋って、そのまま歌って、そのまま動けばミュージカルのワン・シーンが出来上がりそうに感じるくらい、典型的なシーンであると思う。
  なのに、受講生たちにはそれが簡単なことではないのである。何故か? それを 受講生たちとじっくりと考えた。

  夜は日暮里サニーホールへ。東宝ミュージカルアカデミーを卒業した者たちの中から選ばれた「アドバンス・コース」の試演会であった。

  演目は『ミス・サイゴン』で、今回は1期生、2期生、3期生の初合同公演であった。そして1期生たちはこの試演会を最後にアドバンス・コースを卒業する。
  1期生たち、お疲れ様でした。しんどい時や辛い事もあったでしょう。それでもあなたたちは良く頑張りました。これからも今まで同様に頑張って、後に続く者たちの目標となってください。応援しています。

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『TDV』通信

6月15日(月)

  『ミー&マイガール』の休館日を利用しての『クロロック城 スペシャルナイト イベント』

  19時の開演だが、スタッフは昼前から舞台の設営に忙しい。15時からはキャストも参加して舞台稽古。照明、音響、そして帝劇の舞台機構も動かして、本番の流れをひと通り当たる。
  そして本番。
  その様子は、リー君かリー子ちゃんが公式ブログでリポートしてくれるだろうから、そちらに譲る。が、大いに盛り上がったことはご報告しておこうと思う(私が登場した部分以外は)。ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。リー君渾身のイベント、楽しんで頂けましたでしょうか?
  なお、昨日の日記に記した応募総数「5.000近く」は、「8.400」が正解らしい。お詫びして訂正いたします。

  さて、初日まで3週間を切った。アツイ(暑い)アツイ(熱い)夏はもうすぐそこまで来ている。

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『TDV』通信

6月14日(日)

  1幕10場、そして2幕1場を立ち稽古。

  1幕10場は、アルフレートとアブロンシウス教授が遂に伯爵の居城に辿り着いた場面である。思い掛けない形の出迎えを受けた2人はこの城に投宿することにするのだが……。この場面ではクロロック伯爵、その息子ヘルベルト、そして伯爵の忠実なる下僕・クコールが登場する。
  2幕1場はお城の大広間。夥しい数の肖像画が飾られているが、それはこの城の先祖たちの姿なのだろうか。その大広間へ足を踏み入れたサラは、遂に招待主と面会する……。今回は肖像画のライト・アップ方法を変更してみようと考えている。それに伴って、この場面のステージングも微調整。
  どちらの場面にも大きなミュージカル・ナンバーがあるのだが、1幕10場には、噂の伯爵の超ロング・トーンが聞ける「Act 1フィナーレ」が、2幕1場には伯爵とサラの「愛のデュエット」が存在する。お楽しみに。

  その後は、明日に迫った「クロロック城 スペシャルナイト イベント」のリハーサル。
  このイベントには5.000名に近い数のご応募があったと伺った。当選された方は明日、帝劇で大いに盛り上がりましょう。残念ながら外れた方は、7月を首を長くしてお待ちいただきたい。

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『TDV』通信

6月13日(土)

  1幕のラスト、クロロック城の近くに出没する女性ヴァンパイア・ダンサーの振り付け。その後、1幕8場、1幕9場を当る。

  1幕8場はシャガールの宿の外。夜、1人で部屋を抜け出したアルフレートは、そこでサラに声をかけられてびっくり。一瞬、ロマンティックな雰囲気になりかける2人だったが……。
  1幕9場はシャガールの宿の食堂。昨晩ある事件が起こって、宿の女房・レベッカは一睡もしていない。村の人々も心配して集まって来ているが、そこに木こりたちが運び込んで来たものは……。
  この場面では、様々なアクションやリアクションのタイミングが音楽で決められている。ミュージカルなのだから当然と言えば当然なのだが、やや過剰にそれがなされているので、ともすればアニメーションを見ている様な気にさせられる。
  こういう場面の稽古は大変である。出来上がった場面はとてもファニーで楽しいが、出来上がるまでは何度も試行錯誤して、芝居の間尺を調整するしかないからである。

  初演の時は猛烈に早いペースで稽古が進行していたのだが、今回の稽古も猛烈に速いペースで進行中。今回から参加の皆さんは付いて来てくださっているだろうか?

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『TDV』通信

6月12日(金)

  1幕6場、1幕7場、そして1幕5場を当る。

  1幕6場はシャガールの宿の表。久し振りの晴れ間にシャガールたちが家事を片づけていると、不気味な人物が現れて……。この場面のハイライトは、アブロンシウス教授が科学者としての心得と決意を語るショー・ストップ・ナンバー「すべて順調」。石川禅さんの大真面目な熱演が楽しい。
  1幕7場はシャガールの宿のバス・ルーム。アルフレートがお風呂の支度をしていると宿の娘・サラが現れて……。更にその後、思いがけない賓客が……。この場面の泉見洋平さんと浦井健治さんは、お2人ともアルフレートを演じるために生れて来たとしか思えない。一生アルフレートだけをやっていて欲しい位である。
  そして1幕5場。深夜のシャガールの宿。伯爵さまの初登場場面である。どこからともなく現れたクロロック伯爵は、建物の外からサラに呼びかけると、再び何処かへと去って行く……。

  セットも照明も無いただの稽古場が、音楽が流れ俳優たちが演技を始めると、雪に閉ざされたトランシルバニアの山奥に思えて来る。舞台は面白いなあ。

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『TDV』通信

6月11日(木)

  午前中は日藝所沢。「演出家と俳優の関係」について学生たちとディスカッション。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。1幕2場、1幕4場を当る。

  1幕2場は、トランシルバニアの僻村にある、シャガールが経営する宿屋の食堂が舞台。異様に精力的な村人たちが「ガーリック!  ガーリック!」と歌い踊る「ニンニク」のシーンである。そこへ、雪の中で遭難しかかった主人公・アルフレートが助けを求めて飛び込んで来るのだが……。
  1幕4場は宿屋の5つの部屋が舞台。アルフレートが教授と宿泊する部屋、宿屋の主人夫妻・シャガールとレベッカの部屋、宿屋の娘・サラの部屋、宿屋のウェイトレス・マグダの部屋、そしてバス・ルームである。ミュージカル・ナンバー「初めてだから」の中で、6人それぞれのドラマが微妙に交錯しながら同時進行する。
  どちらもそれほど長いシーンではないのだが、細部の調整を繰り返している内に、あっという間に1日が終わる。そうだった。3年前の初演の稽古も、そんな風にして「あっ」という間に過ぎて行ったのだった。

  稽古後は『パイレート・クイーン』の訳詞打ち合わせ。訳詞の竜真知子さん、音楽監督の山口琇也さん、プロデューサーの坂本義和さんと。

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『TDV』通信 そして『シラノ』千穐楽

6月10日(水)

  ミュージカル・ナンバーの固めデー。

  「フィナーレ」のヴォーカルとダンス、そして「外は自由」の“サラの幻想”シークェンスのダンスを固める。その後、「抑えがたい欲望」のダンス・ソロを当る。
  『ダンス オブ ヴァンパイア』では、タイトルにある通り、ダンスが重要な位置を占めている。そのダンスの全てを創造したのは上島雪夫さんである。上島さんは今や日本を代表する振付家、演出家、ダンサーである。大ヒットミュージカル『テニスの王子様』の演出・振付担当としての活躍も目覚ましい。
  そして今回も初演に劣らない素晴らしいダンサーが集まってくださった。新上裕也さんとWキャストでヴァンパイア・ダンサーを演じる森山開次さんもその1人。今日の最後の稽古メニューは、上島さんと森山さんのコラボレーションの時間なのであった。

  稽古後は衣裳の打ち合わせ。
  今回、フィナーレの衣裳デザインを新規に起こし直すことにしたので、上島さん、そして衣裳デザイナーの有村淳さんと意見交換。どう変わったのかは劇場で。

  ところで、5月5日に日生劇場で幕を開けたミュージカル『シラノ』も、本日の広島公演で全日程を終了した。
  ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。そしてキャスト&スタッフの皆さんお疲れ様でした。いつかまたこの作品で、皆さんとお目に掛かれる日が来るのを楽しみにしています。

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『TDV』はお休み

6月9日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。
  ある場面を「動いて」やってみよう(つまりテーブル稽古ではなく立ち稽古)と言うことになった時、経験の浅い俳優は何故なかなか動けないのか。手持無沙汰に感じるのはどうしてか。また、その様な状態から解放されるにはどうすればいいのか。そのことを考察した。

  午後は久し振りにまとまった時間が取れたので、少し先の仕事の資料に当たる。が、余りにも先の話なので、まったく実感が湧かず途方に暮れる。

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『TDV』通信

6月8日(月)

  顔寄せ。

  いつもの通り、公演関係者が一堂に会し、ひとりひとり紹介されるセレモニー。一見ダークな『ダンス オブ ヴァンパイア』であるが、稽古場の雰囲気はとても明るい。今日も和気あいあいとした顔寄せであった。

  顔寄せの後は早速立ち稽古。

  まずは雪深い山中をアルフレートがさ迷うプロローグを当る。「雪の中で遭難寸前」と言う設定なのに、両アルフレートが汗びっしょりなのが(特に泉見アルフレートが)面白い。
  続いて、山奥の宿屋でアルフレートが宿屋の娘・サラと出会う場面を当る。ここには宿屋の亭主でサラの父親・シャガールが歌う「きれいな娘を持ったなら」がある。
  その後、アルフレートとサラが宿の風呂場で再会する場面を当る。ここのミュージカル・ナンバーはサラとアルフレートの「あんたは素敵」である。

  音楽が鳴り、俳優たちが動き、そして喋ると、3年前の様々なことが鮮やかに蘇って来る。どんな気持ちでその場面を作っていたのか、とか、その場面で何を表現しようとしていたのか・・・・・・とかである。

  再演の稽古は面白い。そして同じくらい難しい。

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『TDV』通信

6月7日(日)

  さて『TDV』通信である。

  既に稽古は5月12日から始まっていることは以前記した通り。これまでに歌稽古と幾つかのダンス・ナンバーの振り付けが終わっている。
  今日は歌入りで読み合わせ。ダブル・キャストの人は各幕交替で、全幕を通した。3年前の初演時もこの時期に歌入り読み合わせを行ったが(こちら参照)、やはりこの作品は楽しい。今日もそのことを再確認した。
  1幕のラストでは伯爵さまが空前絶後のロングトーンをご披露くださり(譜面の指定よりも圧倒的に長い!)、稽古場は熱狂に包まれた。

  明日からは場面毎の稽古が始まる。前回の楽しさ、興奮はそのままに、よりグレード・アップした『ダンス オブ ヴァンパイア』をお見せするべく、キャスト&スタッフ一同、全力で取り組む所存である。
  因みに、表題の「TDV」は原題『anz er ampire』の頭文字。ドイツ語である。

  稽古後は舞台美術の打ち合わせ。
  今回『ダンス オブ ヴァンパイア』は初めて帝劇を離れ、博多座にお邪魔する。なので、博多座でも上演可能な様に、細部をアレンジする為の打ち合わせ。

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『レベッカ』再演

ミュージカル『レベッカ』の再演が発表になった。

こちらからどうぞ。

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オープニング・ナイト 『ミー&マイガール』

6月3日(水)

  初日。だが、まずは通し舞台稽古(ゲネプロ)。

  開演前のロビーでの「お楽しみ」からカーテン・コール後のエグズィット・ミュージックまで、全て本番通り、25分の休憩を挟んで3時間余りのゲネプロであった。
  ゲネプロ後は全体で最後の駄目出し。そして舞台にて初日のお祓(はら)い。お祓いが済んでしまうと、もはや私は用無しである。開場時刻まで近所を散歩して時間を潰すことにした。

  本番は18時30分の開演。

  これまで、演出家としては100点満点で初日が開いた試しは無いのだが、今日はかなり満足度の高い初日のひとつであった。温かいお客様の声援にも大いに励まされたと思う。
  終演後、カーテン・コールでは井上芳雄さんがカンパニーを代表してご挨拶。
  「初演の時は余りの大変さでミュージカル・コメディを嫌いになりかかったが、今日はミュージカル・コメディを続けて来て本当に良かったと思った」
  と言う様なことを話された。

  さて、ここからは演出家としてではなく、いちミュージカル・ファンとして感じたこと。

  今夜は幾つかのミュージカル・ナンバーで、自然発生的に手拍子が起こった。が、その大半は途中でうやむやと手拍子が消えて行った。
  で、思うのだが、ミュージカルの場合、私は「原則的には手拍子はしない方が良い」と考えている。

  ミュージカル・ナンバーの途中には音楽的な、或いは演劇的な様々な仕掛けが施されている。例えばテンポや音量が次々と変化する様なことであったり、それらを利用して人間関係が大きく転換したことを暗示したり……であるが、つまりミュージカル・ナンバーには、観劇時に見落とすことのできない様々な重要な情報が盛り込まれているのである。
  そのことに敏感でいるためにも、私はミュージカル・ナンバーでは「手拍子」はするべきではない、と思う。叩くなら「手拍子」ではなく、ナンバー途中のクライマックス部分か、ナンバーの終りで盛大に「拍手」を、である。

  例外は1幕ラストの「ランベス・ウォーク」。ただし、このナンバーの中でもドラマとしては見逃せない様々な人間関係の変化が描かれている。
  「ランベス・ウォーク」で「手拍子」が許されるのは、全ての人間関係の変化が終わった後、舞台上で起こった奇跡が帝劇全体に広がって行く瞬間からだと思うのだが、いかがなものであろうか。

  閑話休題。

  昨日のブログで「開演の20分前くらいまでには到着しているのが良いだろう」と記したのだが、開演前の「お楽しみ」を全て堪能するつもりなら、もう少し早い到着が必要であることが判明した。余裕を持つなら開演の30分前くらいに到着するのが良さそうである。

  これで『ミー&マイガール』通信は終わりである。いつもながらご愛読ありがとうございました。次は『TDV』通信。今度の週末辺りからスタートの予定である。

  今月ひと月、帝国劇場が世界で最も幸福な場所であり続けます様に。それでは劇場で!

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『ミー&マイガール』通信

6月2日(火)

  舞台稽古2日目。

  昨日の続きで、1幕ラストからフィナーレまでをブロックごとに当たる。そして通し舞台稽古(ゲネプロ)は……、残念ながら時間切れで、明日の昼間、初日公演の前に行なうことに。
  もちろん「今日中にやってしまいたかった」と言うのが偽らざる気持ちだが、初日にずれ込むケースも想定されていたことなので、それほどの困惑はない。

  ところで、帝劇にお越しいただく時は、できれば少し早めに、時間に余裕を持って到着されることをお勧めする。できることなら、開演の20分前くらいまでには到着しているのが良いだろう。
  前回の『ミー&マイガール』(2006年の帝劇公演)をご覧いただいた方にはお馴染みの、「開演前の楽しいひととき」が今回も用意されている。

  それでは帝劇でお待ちしています。

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速報!

あ!
リー君だっ!

こちらから。

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『ミー&マイガール』通信 ミニ

6月1日(月)

  舞台稽古1日目。

  午前中はサウンド・チェック、引き続いてお昼より舞台稽古。
  今日の目標は「1幕を全場面当り終えること」だったのだが、達成できず。
  明日は今日の続き。その後、通し舞台稽古(GP)の予定……だが、果たして?

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『ミー&マイガール』通信 ミニ

5月31日(日)

  終日スタッフ・ワーク。朝はサウンドチェック、お昼前から道具調べ・照明合わせ。

  予定通りの深夜作業ではあったが、予定以上のペースで進み、明日以降のスケジュールに幾らかの余裕を確保して作業を終えることができた。スタッフの皆さん、ありがとうございました。

  明日から6月。舞台稽古1日目。

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『ミー&マイガール』通信

5月30日(土)

  オケ付き通し稽古。

  これで稽古場での全メニューを終了。劇場での最終調整を残すのみとなった。
  『ミー&マイガール』はミュージカル・コメディである。素晴らしいソング&ダンス、思わず吹き出すシチュエーションやギャグ、そして心温まるラブ・ストーリー。劇場で体験することのできる最良のもの全てが揃っている。
  『ミー&マイガール』はエンターテインメントである。が、この中で描かれているのは「価値観の異なる者同士がお互いを認め合うことの大切さ」である。
  現実の世の中では相変わらず様々な対立が未解決で、世界のあちこちで紛争が絶えない。だが『ミー&マイガール』の中では、対立する者同士が最後にはお互いを認め合い和解する。それは現実の世界では実現困難な理想かもしれない。が、その実現は困難ではあるかもしれないが決して不可能なことではない筈だ。
  『ミー&マイガール』でその困難を可能にしたのは「愛」である。愛の力が、愛する心が世界を変えて行くのである。

  稽古後、出演者の有志は「稽古打ち上げ」と称して有楽町の街に繰り出した模様だが、私は劇場へ。舞台では大道具の建て込み、照明、音響、オーケストラ・ピットの仕込み等が始まっている。
  今日もスタッフは深夜まで照明のフォーカス合わせ。明日も終日スタッフ・ワークである。

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『ミー&マイガール』通信

5月29日(金)

  稽古前に「キネマ旬報」誌の取材を受ける。

  今回は「キネ旬MOOK」などの別冊ではなく「キネマ旬報」本誌である。「キネ旬」本誌に「私を舞台に連れてって」と言う連載コーナーがあり(今回の取材を受けるまで知りませんでした。ごめんなさい)、「映画を基にした舞台作品」について取り上げて行くらしい。ただし、毎号ではなく、隔号毎の連載の様だ。
  今日話したのは『ダンス オブ ヴァンパイア』について。基になっているのは、1967年に製作された映画『ロマン・ポランスキーの吸血鬼』である。
  記事の内容は掲載号をご覧いただきたいのだが、7月の上旬に発売される号だそうなので、興味を持たれた方は是非どうぞ。

  さて、『ミー&マイガール』はオケ付き通し稽古。

  決して狭くはない帝劇の稽古場だが、オーケストラが配置されると、さすがに我々の居場所はない。僅かな隙間に肩を寄せ合いながら通し稽古を見守った。
  塩田さんがタクトを振り下ろし、オーヴァーチュアの最初の音が鳴り響いた瞬間に、早くも私の目頭は熱くなった。3年前の芳雄&玲奈コンビの初演のことや、6年前の東宝版の初演時のこと、宝塚歌劇団による初演の時のこと、そしてブロードウェイの公演のことなど、『ミー&マイガール』の様々な思い出が一気に込み上げて来たからである。
  ちなみに東宝版のオーヴァーチュアは、音楽監督の佐橋さんが編曲してくださった東宝版だけのオリジナルである。どの『ミー&マイガール』よりもゴージャスで華やかなオーヴァーチュアだと自負している。

  帝劇5月公演『放浪記』も、本日無事に千穐楽を迎えた。と言うことは、いよいよ『ミー&マイガール』の仕込みが始まる訳である。
  明日は稽古場最終日。2回目の、そして最後のオケ付き通しである。

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『シラノ』東京千穐楽

5月28日(木)

  日生劇場の『シラノ』が千穐楽を迎えた。

  ご観劇くださった皆さん、ありがとうございました。キャスト&スタッフの皆さん、ひとまずお疲れ様でした。浦井さんは今日で本当の千穐楽。ご苦労様でした。
  この後『シラノ』は大阪へ、そして広島へと向かう。カンパニーの皆さん、どうぞ良い旅を。

  さて、私は午前中、日藝所沢へ。今日は学生たちと「演出家と戯曲」についてディスカッション。午後は東京芸術劇場へ。鴻上尚史さん、片瀬那奈さんと『僕たちの好きだった革命』のトークショーに出席。その後、あるミュージカルの打ち合わせへ。

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『ミー&マイガール』通信

5月27日(水)

  通し稽古の前に草刈さん、貴城さん、阿部さんの衣裳合わせ、衣裳を着用して「ランベス・ウォーク」のリフトをチェック、パブのシーンの抜き稽古、コーラス稽古……などなど。そして、例によって『放浪記』の終演を待って2度目の通し稽古。

  1回目の通し稽古より4分ほど縮まった。快調な仕上がりで、全体的には好印象。メリハリが更に付き、ひとつひとつの出来事を全員が新鮮に感じられる様になれば文句なしの『ミー&マイガール』が出来上がるのだが。

  稽古終了後、楽器の搬入とセッティング。明日はいよいよオーケストラとの合わせ。

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『ミー&マイガール』はお休み

5月26日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  前回まで台本とスコアで、テーブル稽古の形で進めて来たミュージカルのある場面を、今日からは立って、簡単なステージングも付けてやってみる。
  動いてみて初めて発見する様々なことがある。俳優にとって大いに助けとなってくれることもあれば、手枷足枷になる様なことも。簡単なことができなかったり、逆に釈然としなかったことが腑に落ちたり。
  俳優にとって大切なのは、どんなことであれ「まずやってみる」と言うことではないだろうか。

  午後は日生劇場へ。久々に『シラノ』を観劇。

  東京公演も残すところあと2日。無事に千穐楽を迎えられます様に。

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『ミー&マイガール』通信

5月25日(月)

  通し稽古の前にコーラス稽古。そして、『放浪記』の終演を待って(パーチェスターとチャールズが『放浪記』に出演中のため)通し稽古。

  初めて通した『ミー&マイガール』は、良く知っている、お馴染みの『ミー&マイガール』そのままであった。と同時に、まったく新しい、見たことの無い『ミー&マイガール』でもあった。
  抽象的で、混乱させるような言い方で申し訳ないのだが、今日の通し稽古の感想を述べればそう言うことになるのである。それは、3年振りの再演に十分意義があった、と言うことでもあるだろう。つまり私は嬉しかったのである。

  『ラ・マンチャの男』全行程を終えた塩田さんも『ミー&マイガール』に戻って来た。明日からはオーケストラのリハーサルも始まる。いよいよ追い込みである。

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『ミー&マイガール』通信

5月24日(日)

  昨日あたらなかった1幕4場、1幕5場、2幕1場、2幕3場を稽古。昨日と今日で全場面をさらった。

  その後に予定されていた振り固めがキャンセルとなったのだが、連日長時間の稽古が続いていることもあり、ここはきれいに稽古を終了することにした。なので、今日は久し振りに明るい内に稽古場を出た。

  明日はいよいよ通し稽古。気が付けば初日まであと10日である。

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『ミー&マイガール』通信

5月23日(土)

  帝劇の奈落に降りて、奈落の作業スペースに組み立てられた書斎のセットを使って「ヘアフォードの歴史」の一部を当る。
  初めてご覧になる方の為に詳細には触れないが、このセットは結構複雑にできている。2003年の東宝版『ミー&マイガール』初演の時は、このセットのテクニカル・リハーサルが難航し深夜まで及んだ。なので、2006年の再演時からこのセットは早目に組み立て、前もってあたって置くことになっているのである。

  稽古場に戻って、1幕1場、1幕2場、1幕3場、2幕2場、2幕4場を稽古。
  週明けより通し稽古態勢に入る。なので、今日と明日で全場面をひと通り当たり、通し稽古までに潰しておかなければならない部分を重点的に調整する。幸いなことに全体的には順調な仕上がりなので、明後日からは目標通り通し稽古に入れそうである。

  稽古後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の舞台美術打ち合わせ。今週は舞台美術打ち合わせが多かった。
  『ダンスオブヴァンパイア』と言えば、こんなイベントが発表になっている。ご応募お待ちしています。

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『ミー&マイガール』通信

5月22日(金)

  午前中、公演プログラム用に井上芳雄さん、剣幸さんと対談。

  『ミー&マイガール』が宝塚歌劇団で日本初演された時、ビルを演じたのが剣さんである(因みに、その公演で私は舞台監督を務めていた)。その剣さんと、現在のビル・井上さん、それに私で、舞台裏のエピソードや初演時の苦労話などを語りあった。
  剣さんは現在、シアタークリエの『この森で、天使はバスを降りた』に出演中。その本番前の貴重なお時間をいただいた。剣さん、ありがとうございました。

  午後はアンサンブルさんの衣裳合わせ。稽古は無し。

  『ミー&マイガール』の衣裳デザイナーは小峰リリーさん、ヘアメイク・デザイナーは宮内宏明さんである。お2人の指揮の下、衣裳、持ち物、装飾品、そしてウィッグなどを決めて行く。
  今まで頭では分かっていたつもりの人物像が一気に具体的になる。劇中の人間関係も、より具体的になってくれると嬉しいのだが。

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『ミー&マイガール』通信

5月21日(木)

  午前中は日大藝術学部、今日はいつもの所沢。演劇の公演パンフレットから、演劇製作にかかわる様々な仕事を拾い出してみる。
  「床山」ってなんですか?  「ムービング・プログラマー」って何するんですか?  「コレぺティトール」って……?
  お分かりになるだろうか?

  午後は『ミー&マイガール』。2幕の後半をおさらいし、その後、振り固め。
  稽古場にパティシエさんが現われ、美しくデコレートされたケーキが運び込まれた。貴城けいさんのバースデー・ケーキであった。本当の誕生日は明日なのだが、明日は全員が集まらないので、1日早いお誕生日となったのである。
  ケーキはパティシエさんによってきれいに切り分けられた。カシちゃん(貴城さんの愛称)おめでとう!

  稽古後は『パイレート・クイーン』の舞台美術打ち合わせ。
  台本に籠められたイメージをどの様に具体化するのか。相反する多様な要請にどうやって応えるのか。課題は多い。

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『ミー&マイガール』通信

5月20日(水)

  午前中は日大藝術学部の江古田の方のキャンパスへ。

  毎週受け持っている授業とは別に今日だけの特別講義を依頼され、150名ほどの学生の前で「アート・マネジメント」について喋る。
  通い慣れた江古田キャンパスは現在全面建て替え工事の後半に突入しており、在学時の面影は既にほとんど無い。校舎の大半は新しく建った物で、私はほぼ浦島太郎状態であった。個人的な郷愁はともかく、素晴らしい環境で学べる学生たちを羨ましく思った。
  戸田先生、どうでしょう、私の受け持ちも江古田にしてもらえませんか?

  午後は『ミー&マイガール』の稽古場へ。

  2幕1場、1幕1場をおさらい。その後、まだ手を着けていなかった最終場面とフィナーレをあたる。
  ミュージカル・ナンバーでも芝居でも、ちょっとしたことで見違えるように輝いて見えることがある。その「ちょっとしたこと」を見つけようと必死にもがき続けることが即ち稽古なのだが、歯痒いことに「ちょっとしたこと」はちょっとやそっとでは見つからない。
  「ちょっとしたこと」はピーター・パンの魔法の粉みたいなもので、それ自体はどうってことの無い代物なのだが、それを振りかけるだけで、その場面が空中に浮かびあがる位に見違える。
  残念ながら我々は魔法の粉を持っていない。なので、その場面を空高く舞い上がらせる為には繰り返し稽古を重ねるしかないのである。

  夜は来春に上演されるミュージカルの舞台美術打ち合わせ。豪華絢爛、スペクタクルな仕上がりを目指したいのだが……。

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『ミー&マイガール』通信

5月19日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  このひと月半で4期生たちも随分と落ち着いて来た。そして僅かずつではあるが着実に成長している。が、しかし……である。
  アカデミー生でいられる期間は1年である。1年は、過ぎてしまえば「あっ」という間である。もっともっと成長のペースを上げないと!

  午後は『ミー&マイガール』の稽古場へ。

  稽古場に熱いアイツがやって来た!
  『ラ・マンチャの男』大阪公演を終え、次の公演地・富山へ移動する間を利用して、指揮者の塩田明弘さんが稽古場にやって来たのである。塩田さんの今日の使命は、音楽的な約束事やニュアンスをクリアにすることと、稽古場のテンションを一気に高めること、の2つであった。
  東宝版『ミー&マイガール』をご覧になった方ならお分かりだと思うが、塩田さんはこの作品には欠かせない。塩田さん抜きの『ミー&マイガール』は考えられない。そのくらい私たちにとって大切な人なのである。まだご覧になっていない方は、ぜひご自身の目でご確認いただきたい。
  で、塩田マエストロの使命だが、もちろん2つとも無事に達せられた。そして特に2つ目の達成度が高かったことを付け加えておく。

  稽古の終了時刻が遅くなる日が続いている。
  歌あり、ダンスあり、コメディありの、『ミー&マイガール』の様な作品ほど、仕上げるためには時間を必要とする。初日まで2週間余り。最後まで全力投球で行きたいと思う。

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『ミー&マイガール』通信

5月17日(日)

  2幕2場をさらう。その後、2幕3場に手を付ける。

  2幕3場はロンドンの下町、ランベスのキャプスタン・ストリートが舞台。サリーがヘアフォードからひとりで戻って来てしまった。そのサリーを追いかけて来たのは……。
  ここには6分半に及ぶダンス・ナンバー「街灯の下で」がある。ロマンティック、且つ幻想的な、『ミー&マイガール』中で私の最も好きなナンバーである。

  今日は稽古場に音楽監督の佐橋俊彦さんが登場。
  佐橋さんとは『風と共に去りぬ』『フラガール』(共に作曲・編曲)でご一緒した。ミュージカルの音楽監督としては『ウェディング・シンガー』でもお世話になった。東宝版『ミー&マイガール』のオーヴァーチュア(序曲)は、佐橋さんの手による(ブロードウェイ版とも宝塚版とも異なる)独自のアレンジである。
  今日佐橋さんがいらしたのは、タイトル・ナンバー「ミー&マイガール」間奏のタップ部分のアレンジを微調整したい、と言うリクエストが玉野さんから出されたからである。3演目となる今回も細部まで手を抜かず、執拗にクォリティ・アップを図っているのである。

  明日は稽古OFF。なのでキャストの皆さんは稽古後、JRガード下のビールの美味い店へ。私も小一時間だけ顔を出す。

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『ミー&マイガール』通信

5月16日(土)

  「ヘアフォードの歴史」をさらった後、「ハンティング・スタイルの舞踏会」(通称「ギャロップ」)を振付。そして2幕2場をさらった後、振り固め。

  ところで、前回、2006年の『ミー&マイガール』では、この時期どんなことをしていたのだろうか。気になって、当時の『ミー&マイガール』通信を見てみた。そこから辿ってその前後の様子も見てみたのだが、やっていることは今とほとんど変わらない。
  同じ作品を同じチームで作っているのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、それでも比較すれば、今回の方が前回よりはやや先に進んでいる。ちょっと安心した。

  振り固めでは、今までに手を付けたナンバーの殆どを細かくあたり直した。今日も長時間の稽古であった。皆さんお疲れ様でした。

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『ミー&マイガール』通信

5月15日(金)

  2幕2場、ヘアフォード邸の書斎を稽古。

  ここは前半がビルとサリーの場面、真ん中がビルとマリア公爵夫人の場面、後半はビルとジョン卿の場面になっている。前半には「もしもハートをとられたら~リプライズ」があり、真ん中には「ヘアフォードの歴史」が、そして後半には「愛が世界を回してる」がある。
  ビルとサリーの場面はとにかく笑える。公爵夫人との場面も可笑しい。そしてジョン卿との場面もまた同様である。つまり2幕2場は全編愉快なのである。『ミー&マイガール』はミュージカル・コメディなのだから愉快で無くては困るのだが。

  稽古メニューの最後は「ヘアフォードの歴史」のステージング。このナンバーでは、跡取りとしてのビルの余りの不甲斐なさに、ついに痺れを切らしたあの人が……。
  一見シンプルに見えるナンバーだが、実は細かく計算された複雑なステージングで組み立てられている。移動のタイミングやスピード、動線などにも、相当の精密さが要求される。なので、今日もひと通りステージングが付くまでに3時間は費やした。
  これをゼロから作った初演時の事は、思い出すだけで気が遠くなる(と言っても作ったのは私ではなく玉野さんだが)。

  先日帝劇で行われたイベント「777人のランベス・ウォーク」の時に撮影された出演者とオーディエンスの皆さんの集合写真が公式ページにUPされた。
  もうご覧になられたであろうか。

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『ミー&マイガール』通信

5月14日(木)

  午前中は日藝所沢。

  演劇の話題で学生同士のディスカッションを試みているのだが、いまひとつ議論が活発にならない。が、毎年前半はそんなものである。
  芝居作りとはディスカッションの連続である。ことに演出家は、俳優に、デザイナーに、スタッフに、やりたいことを、やるべきことを説明し続けなければならない。未来の演出家たちが、早くディスカッションの達人になります様に。

  午後は『ミー&マイガール』の稽古場へ。

  「愛が世界を回してる」をさらった後、1幕5場を稽古。
  1幕5場はビルが貴族としてお披露目されるガーデン・パーティの場面である。ミー&マイガール』のハイライト、「ランベス・ウォーク」ががいよいよ登場する。
  既にステージングは終わっているのだが、場面冒頭の「準備のフーガ」から幕切れまで、細かな芝居のニュアンスなどを調整し直した。それにしても、何度見てもこの場面では目頭が熱くなる。ここにはミュージカルの素晴らしさ、ミュージカルに携わる人々の美しさが詰まっているからだろう。

  続いて2幕1場を稽古。ここには「熱いアイツがやって来た」「スマイル! スマイル!」がある。
  「熱いアイツがやって来た」は2幕の幕開きに相応しい、ゴージャスでエキサイティングな大タップ・ナンバーである。ここでは往年のハリウッド・ミュージカルの様な(「アステア&ロジャース」や「バスビー・バークレイ」風の)華やかな世界が蘇る。
  「スマイル! スマイル!」はサリーがジャスパー卿に歌いかけるナンバーだが、「このナンバーが『ミー&マイガール』で一番好き」と言う人が結構多い。演出助手の落石(おちいし)君もその1人である。

  更にその後、1幕2場をおさらい。稽古の終了時間がだんだん遅くなって来た。

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『ミー&マイガール』通信

5月13日(水)

  「愛が世界を回してる」をステージング。

  これはビルとジョン卿によるヴォードヴィル・スタイルの愉快なナンバーである。
  ブロードウェイで観た『ミー&マイガール』では、2人がアル・ジョルソンやビング・クロスビーの物真似を織り込みながら歌い踊っていた。が、今の日本の観客にジョルソンやクロスビーは伝わらないので、ご覧頂く形になった。
  今回が初参加となる草刈正雄さんは「ミュージカルは久しぶりだから」とおっしゃりながら、実に楽しそうにジョン卿を演じている。身長もあり、見栄えも貴族に相応しい。そして稽古場の草刈さんはとても熱心である。「難しい難しい」と連発しながら、しかし待ち時間を惜しんでコツコツと振りをさらっていらっしゃる。
  新コンビ「ビル&ジョンちゃん」をお楽しみに。

  その後、1幕4場を稽古。更にその後、1幕3場をおさらい。

  1幕4場はヘアフォードにあるパブ。下々の者たちの店にご領主さまがお忍びでやって来て・・・・・・。ここにはサリーのナンバー「もしもハートをとられたら」がある。
  笹本玲奈さんの歌は相変わらず観る者の心を打つ。どう歌うか、どう動くかではなく、「サリーがどんな気持ちなのか」を何よりも大切にしているからであろう。
  貴重なミュージカル俳優のひとりだと思う。

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『TDV』通信

5月12日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。

  ミュージカル初心者の受講生たちと接していると、普段ミュージカル作りの現場で当然のことだと思っていることが、実は俳優やスタッフたちがそれぞれの経験の中で獲得してきた貴重なノウハウであったことに気付かされる。
  ミュージカル作りの戦友たちに改めて感謝の気持ちを抱くと同時に、ミュージカルを作る際のそんな貴重なノウハウこそを受講生たちに伝えていかなければ、と思う。

  午後は帝劇へ。本日よりダンス オブ ヴァンパイアの稽古がスタート。

  『ミー&マイガール』通信も始まったばかりだと言うのにもう『TDV』通信である。
  まずは今回から参加してくださる皆さんの歌稽古からスタート。本日は知念里奈さんと石川禅さんの登場であった。ちなみに「TDV」とは原語(ドイツ語)でのタイトル「anz er ampire」の頭文字。
  並行して舞台美術と照明の打ち合わせ。今回『ダンス オブ ヴァンパイア』は帝劇公演の後、博多座にも進出する。なので前回の反省事項に博多座の物理的条件を加味し、美術デザイナーの堀尾幸男さん、照明デザイナーの服部基さん、舞台監督の廣田進さん、そして演出部の皆さんと意見交換。前回以上の暑い夏にすべく秘策を練っている。

  ちなみに『ミー&マイガール』の稽古は休み。明日は『ミー&マイガール』通信に戻ります。

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『ミー&マイガール』通信

5月11日(月)

  1幕1場の「ヘアフォード一族がビルを迎え入れる」ブロックをさらう。その後、1幕3場後半の「マリア公爵夫人によるビルを伯爵にするためのレッスン」場面を稽古。その後、振り固め。

  東宝版『ミー&マイガール』が今回で3演目であることは5月8日の日記でも触れた。つまり再々演である。
  ある作品の再演が決まると、必ず「再演ではどこが変わりますか?」と質問される。3月の『ザ・ヒットパレード』再演の折にも記したが(こちらこちら)、私は、再演ではできるだけ「変わった」ことに気付かれない様な変更、修正を心掛けるべきだ、と思っている。
  その気持ちは、今回の『ミー&マイガール』でも変わらない。もちろん稽古場では貪欲に、もっと面白いものを、より高いクォリティで、と思って稽古をしている。が、その「もっと」や「より高い」も、前回を全てチャラにしてしまう様な再演では、その達成は限りなく不可能に近い。

  と言う訳で、今回の『ミー&マイガール』もいつもの『ミー&マイガール』と変わらない。ただし、今までで一番完成度の高い『ミー&マイガール』になる筈であるが。

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『ミー&マイガール』通信

5月10日(日)

  『放浪記』休演日の帝劇の舞台をお借りして、ファン感謝イベント「777人のランベス・ウォーク」が行われた。
  内容はきっと公式ブログに掲載されると思うので割愛するが、短い時間ながらとても楽しい催しであった。私が「楽しい」と感じたのは、このイベントの準備にまったく関わっていなかったからかもしれないが。

  イベント終了後は1幕1場の中盤をおさらい。
  このブロックは、10人近い登場人物が勝手なことを喋り散らしながら、それぞれの動機とタイミングで移動し、なのに全体としては筋が通っている、と言う、演じる側にとってはかなり難易度の高い場面である。何しろ、自分の番で台詞を止める訳にはいかないし、喋っていない間も反応はし続けなければならないし……、一瞬たりとも集中を切らす訳には行かない場面なのである。
  時間にすればごく僅かなこの場面を、今日は細かく区切りながら、何回も何回も繰り返し稽古した。そしてこの場面、明日の稽古メニューにも入っている。

  ミュージカル・コメディは、観るのは楽しいが、演るのは本当に大変なのである。

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『ミー&マイガール』通信

5月9日(土)

  1幕2場、1幕3場の前半、そして1幕1場のビルとサリーのブロックを稽古。

  1幕2場はヘアフォード邸の厨房。ミュージカル・ナンバーは「イングリッシュ・ジェントルマン」がある。
  ロンドンの下町、ランベスに育ったビルは、自分がヘアフォード伯爵家の唯一の跡取りだと知らされる。その気になってお屋敷に乗り込んだビルを待ち受けていたのは……。

  続く1幕3場はヘアフォード邸の応接室が舞台。応接室ではビルの後見人マリア公爵夫人の娘ジャッキーがセクシーな衣裳でビルを待ち受けていて……。
  今回ジャッキーを演じるのは貴城けいさんである。貴城さんのジャッキーはゴージャスでセクシーで美しい。数年前まで「男」をやっていた人とはとても思えない。こんなジャッキーならビルでなくても夢中になってしまうだろう。特に「指先」がセクシーで美しいことを今日の稽古で発見した。
  この場面には「その気になればできるはず」と「この手をとって」の2つのミュージカルナンバーがある。前者はジャッキーがビルを誘惑するナンバーで、後者はビルとサリーのラブソングなのだが……。

  最後に1幕1場の、ビルがガール・フレンドのサリーをヘアフォード邸に連れ込んで「自分の家だ」と自慢する場面を稽古。
  ここにはタイトルになっているナンバー「ミー&マイガール」がある。このキュートなナンバーは明日のイベント「777人のランベス・ウォーク」でも披露される予定。

  話は変わるが、帝劇で上演中の『放浪記』が上演回数2000回を迎えた。『ミー&マイガール』は帝劇の稽古場で行われているのだが、今日の帝劇はいつになく賑やかであった。
  『放浪記』には『ミー&マイガール』のパーチェスター武岡淳一さんと、チャールズ丸山博一さんも出演されていて、今日も公演とセレモニーを終えてから稽古に駆け付けてくださった。武岡さん、丸山さん、お疲れ様でした。

  森光子さん、そして『放浪記』の関係者の皆さん、心よりお祝い申し上げます。

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『ミー&マイガール』通信

5月8日(金)

  既に記した通り、『ミー&マイガールの稽古は4月13日から始まっている。後ればせながら、私も本日より『ミー&マイガール』の人である。

  今日のメニューは「顔寄せ」から。
  全キャストと公演関係者が集まり、吉田プロデューサーがひとりひとりをご紹介。その後、東宝の増田専務、私、そして井上芳雄さんが関係者を代表して一言ずつ挨拶。公演の成功を目指して誓いを新たにした。

  顔寄せの後は、明後日のイベント「777人のランベス・ウォーク」のリハーサル。
  「777人のランベス・ウォーク」では私も観客のひとりである。当日は抽選で選ばれた777人のオーディエンスの皆さんと共に、一足早い「ミーマイ」気分を味わわせていただくつもりである。楽しみ楽しみ。

  更にその後、立ち稽古。
  既にステージングが終わっている幕開きの「ヘアフォードの週末」と、それに続く「わたしさえ良ければ」。その2つのミュージカルナンバーと、その前後にある芝居部分を稽古。更にその後、3つ目のミュージカル・ナンバー「弁護士におまかせ」をステージング。
  東宝版『ミー&マイガール』は、2003年、2006年と帝劇で上演されており、今回はそれに続く3演目となる。井上芳雄さんと笹本玲奈さんのコンビは2006年からで、2003年の初演から出演している方もいれば、今回が初参加の方もいる。
  なので稽古も半分は「思い出し」であり、半分は「新規に段取りを作る」である。すべてをゼロから始めた初演や、主役2人が初めてだった前回と比較すれば、さすがに今回の稽古場には余裕があるように感じられる。

  が、そう感じられたのは、どうやら演出助手の寺崎君と落石君の計らいだったらしい。明日の稽古メニューを見たところ、「余裕」なんて感じている暇はまず無さそうだ。今日の余裕あるメニューは、『シラノ』から駆け付けることになる私を不安に思った2人が組んだ「リハビリ・メニュー」だった様である。

  早く皆さんに追い付ける様に頑張ります。

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『シラノ』通信

5月7日(木)

  午前中は日大藝術学部所沢へ。
  学校行事のため先週は休みだったので、今日が今年度3回目の授業。努力の甲斐あって(?)顔と名前がほぼ一致した。果たしてこれを長期記憶に無事移行させることができるのか?

  午後は日生劇場へ。

  『シラノ』初の2回公演。その夜の部は中河内クリスチャンの初日であった。そして夜の部を、フランク・ワイルドホーンさんも初日以来のご観劇。
  自分以外は既に全員が初日を終えている中で、中河内君はとてもよくやったと思う。1幕が終わった所で本人は「思っていた以上に緊張しました」と言っていたが、客席からはそうは見えなかった。
  終わってみれば中河内君らしい、実に颯爽としたクリスチャン振りであった。これで私もひと安心。

  区切りの良い所で『シラノ』通信もひとまず終了。明日からは『ミー&マイガール』通信です。

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ワールド・プレミア ミュージカル『シラノ』

5月5日(火)

  初日。

  午前中から照明の直しなど、最後の調整。13時から昨日の通し舞台稽古の駄目出し、そしてミュージカル・ナンバー幾つかをオーケストラと合わせて調整。その後、舞台で初日のお祓い。更にその後、開場時間ぎりぎりまで各セクション調整作業。

  開演は17時30分。5分ほど遅れて客電が落ちた。
  誰もが固唾を飲んでいる、と言った空気の客席の最後列で、誰よりも固唾を飲んでいたのは私であったろう。こんなに緊張しながら見守った初日は他にちょっとない。
  演出助手の小川美也子さんが「奥さんが分娩室に入っている間の父親ってこんな感じなんですかねえ」と言っていたが、そうですそうです!  こんな感じ!
  結局、幕が下りるまで緊張のし通しであった。が、無事に幕は下りた。

  カーテン・コールはワールド・プレミア・スペシャル・ヴァージョン。
  作曲者のフランク・ワイルドホーンさんを紹介する為に、私も舞台に上がった(本来私は人前に出ることが苦手である。だからこそ裏方を職業にしているのだ)。
  ワイルドホーンさんはとても嬉しそうであった。そして温かい言葉をカンパニー全員に掛けてくださった。

  終演後、製作関係者とワイルドホーンさんを囲んだ。初日で疲労のピークであったろう鹿賀さんも同席された。鹿賀さんは余程嬉しかったに違いない。
  ワイルドホーンさんは別れ際に私に「次は何をやろうか?」と囁いた。私は「×××××××」と即答した。

  ミュージカル『シラノ』は5月28日まで日生劇場で上演中。その後、6月には大阪で、そして広島でも公演される。

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『シラノ』通信

5月4日(月)

  舞台稽古2日目。2幕を場面毎にあたった後、通し舞台稽古(ゲネプロ)。

  上演時間は1幕が1時間30分前後、2幕が1時間4~5分あたりに落ち着きそうである。休憩とカーテン・コールを合わせて、全体では3時間をちょっと回る位になるだろう。
  それにしても「きれいな」舞台である。物語も、音楽も、もちろん観た目にも。デザイナーの皆さんはもちろん、舞台美術、照明、衣裳、音響などの各スタッフに感謝したい。

  残念なお知らせが。
  レスリー・ブリカッスさんの来日が叶わないことになったそうだ。再会を楽しみにしていたし、何より私たちの日本版『シラノ』をどう思うか、それを聞いてみたかったのだが……。

  明日は初日。その前に、最後の調整を。

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『シラノ』通信 プチ

5月3日(日)

  舞台稽古1日目。1幕を冒頭より場面毎に。
舞台稽古後、道具調べ・照明合わせ、昨日の続き。
深夜作業、ただ今帰宅。おやすみなさい。

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『シラノ』通信 ミニ

5月2日(土)

  道具調べ、照明合わせ、サウンドチェック。
深夜作業、ただ今帰宅。おやすみなさい。

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『シラノ』通信

5月1日(金)

  今日、明日は『シラノ』の稽古は無し。スタッフのための2日間である。

  大道具はほぼ組み上がり、吊り物や照明バトンのタッパを決めた後、午後からは照明チームのフォーカス作業。並行して音響チームの調整。
  上手く進めば照明デザインに入れるか……とも思われたが、デザインに入ったことは入ったものの、幕開きのほんの1~2ページ分をデザインした所で今日は時間切れ。続きはまた明日。

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『シラノ』通信

4月30日(木)

  稽古場最終日。であると共にスタッフの劇場入り初日でもあった。

  なので、昨日まで稽古場に存在していた大道具の数々は劇場に運ばれてしまい、今日はビニール・テープのバミリと簡単な小道具だけで、但しオーケストラは有りで最後の通し稽古。
  日々細かな調整を続けて来た、今日はその集大成である。そして結果的にはとても良い出来の通し稽古であった。これで良い形で劇場入りすることができる。

  稽古後は日生劇場へ。大道具、照明、音響……等々の仕込み作業が進行中!

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『シラノ』通信

4月29日(水)

  2回目のオケ付き通し稽古。

  「オケ付きで通す」と言うこともあって、今日の稽古場にはいつもより多くのギャラリーが見受けられた(公演関係者です。念のため)。それらの人々の反応から推測するに、『シラノ』の仕上がりはどうやら悪くはなさそうだ。
  もちろん、自分では最良の『シラノ・ド・ベルジュラック』だと思って稽古しているのだが、「自分でそう感じている」ということと「客観的な仕上がり」はまた別問題な訳で。既にひと月半も稽古していると、中々客観的には作品を観られなくもなっているので、今日のギャラリーの反応にはひと安心。胸を撫で下ろした。

  明日は遂に稽古場最終日。3度目にして最後のオケ付き通し。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』CD

  『ラ・カージュ・オ・フォール』のハイライト・ライヴ録音CD、いよいよ5月5日発売!

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『シラノ』通信

4月28日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー、午後は『シラノ』。両者は同じ稽古場ビルのフロア違いのスタジオなので楽チンである。が、今日は12時間以上ここにいた。

  さて『シラノ』はまずはオケ合わせ、昨日の続き。
  『シラノ』は「全編が歌で進行する」と言うタイプの作品ではない。ミュージカル・ナンバーの合間には台詞だけの部分も結構ある。そう言う意味ではオケ合わせの物量はそれほどでもないのだが、テンポの揺れ方が繊細だったり、舞台上と指揮者のコンタクトが困難であったりなどで、オケ合わせには思いの他時間がかかった。

  予定時刻を1時間ほど超過しはしたが、オケ合わせ終了後、オケ付き通し稽古スタート。
  因みに『シラノ』のオーケストラは……

Violin1、2
Viola
Cello
Flute
Oboe
Clarinet1、2
Trumpet
Trombone
Horn1、2
Drum
Percussion
Bass
Keyboard1、2

  の17名である。

  明日もオケ付き通し。劇場入りが近づいて来た。

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『シラノ』通信

4月27日(月)

  オーケストラがやって来た!

  と言う訳で、オーケストラの演奏と出演者の歌を合わせる、通称「オケ合わせ」。
  音楽監督の八幡茂さんが編曲してくださった、世界中でまだ誰も聞いたことの無い、オーケストラによる『シラノ』である。音楽の美しさ、音楽の力強さが一層輝きを増したように感じられる。
  以前にも触れたが、『シラノ』では劇場のオーケストラ・ピットは使用しない。なので客席最前列から舞台までは目と鼻の先である。今回、オーケストラは舞台上、セットの裏側の客席からは見えない場所で演奏することになっている。と言う事は、舞台から指揮者は見えず、指揮者からも舞台は見えない、と言うことで、これが双方にとって様々な困難を引き起こす。
  もちろんビデオカメラとモニターが双方に配置されていて、間接的にはお互いを視認できるのだが、直接コミュニケートできるのとではかなり条件が異なる。なので今日は、そのことにも気を配りながら、時間をかけて丁寧にオケ合わせが行われた。

  明日も引き続きオケ合わせ。その後いよいよオケ付き通し。

  お知らせ。『ミー&マイガール』公式ブログがオープン。覗いてみてください。

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『ミー&マイガール』通信

4月26日(日)

  『シラノ』の稽古は休み。なので『ミー&マイガール』の稽古場へ。

  今日のメニューはオープニングのナンバー「ヘアフォードの週末」のステージングであった。
  「週末のロンドンはテニスの試合も競馬も無いから退屈だ」と言うので、上流階級の人々がロンドン郊外のヘアフォードへ繰り出して行く楽しいナンバーである。
  ヘアフォードにはヘアフォード伯爵のお屋敷(カントリー・ハウス)がある。ヘアフォード家はイギリスで最も由緒正しい貴族の家系のひとつ。そのヘアフォード家には悩みがあって、それは、この由緒正しい家系を受け継ぐ「お世継ぎ」がいないことである。
  その「お世継ぎ」が発見された、と言う報告がヘアフォードにもたらされ、ではそれはどんな男なのか……とゲストや勤め人たちが大騒ぎするまでが「ヘアフォードの週末」の中で描かれる。華やかなオーヴァーチュアに続く、4分に及ぶゴージャスなナンバーである。

  今日はヘアフォード家の一員であるジャッキーを演じる貴城けいさんとアンサンブルの皆さんとで、1日掛かりでこのナンバーをステージング。私も束の間のイギリス旅行を楽しんだ。
  明日は再びフランスへ。『シラノ』はオケ合わせである。

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『シラノ』通信

4月25日(土)

  2回目の通し稽古。

  昨日のクリスチャンは浦井健治さんで、今日は中河内雅貴さんであった。それぞれの良さが出たクリスチャンだと思う。浦井さんは育ちの良さであるとか愛情の深さであり、中河内さんは物怖じしない強さであるとか甘さである。
  クリスチャンだけではない。シラノの鹿賀さんは言うまでも無く、朝海ひかるさんのロクサーヌ、鈴木綜馬さんのド・ギッシュ、戸井勝海さんのル・プレ、光枝明彦さんのラグノー等々、それぞれのキャラクターと演じる俳優の個性とが融け合って一層チャーミングになって来た。
  『シラノ』は日々進化しているのである。

  ここでお知らせ。

  脚本・作詞のレスリー・ブリカッスさんと音楽のフランク・ワイルドホーンさんが共に来日され、初日(ワールド・プレミアである)の舞台をご覧くださることになった。恐らく、終演後には舞台に上がってくださるのではないか、と密かに期待している。
  私はブリカッスさんとは『ジキル&ハイド』初演の初日に、ワイルドホーンさんとは『ジキル&ハイド』3演目の初日に(その後『シラノ』のミーティングでも)お目にかかったのだが、お2人揃ってとなると今回が初めてである。特にブリカッスさんとは8年ぶりの再会となるので楽しみもひとしおである。と同時に、私たちの『シラノ』をどう思われるのか、緊張感もひとしおなのであるが。

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『シラノ』通信

4月24日(金)

  1回目の通し稽古。

  ようやくここまで来たか、という思いと、もうそんな時期か、と言う思いが交錯している。
  昨年の5月6日と7日のブログ『シラノ』について触れているが、『シラノ』日本版上演に向けての実作業はあの時からスタートした。それからちょうど1年である。短い準備期間であった様にも感じるが、ずいぶん長かったという気もしないではない。
  それはともかく、こうして『シラノ』が目の前に形となっていることに今日は大きな安堵感を覚えた。もちろん、初日を迎えるまでにはまだまだブラッシュ・アップの作業が必要だが、このカンパニーでならそれもまた充実した、実りの多い作業となるだろう。

  明日はダブルキャストのクリスチャンを交代して再び通し稽古。別稽古場では本日よりオーケストラ・リハーサルが始まっている。

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『シラノ』通信

4月23日(木)

  午前中は日大藝術学部演劇学科へ。午後は『シラノ』の稽古場へ。

  私の受け持ちは所沢校舎なので、都心の稽古場への移動には1時間半~2時間は見ておかないと不安である。早朝都内の自宅を出て、135分間の授業を済ませ、昼過ぎに稽古場に到着した時点でその日のエネルギーの8割は消費済み、な感じである。

  それはともかく、『シラノ』は抜き稽古。

  昨日の1幕通しで見えた課題や稽古不足と思われる部分を再整理して稽古。最後に2幕1場の後半を大幅に手直し。何しろ新作ミュージカルの初演なので、「これだ」と思える形に辿り着くまでには紆余曲折、試行錯誤の連続である。
  手間暇かけて作り上げた場面でも、「何かが上手く行っていない」と言う感覚が拭いきれないことがあったりする。その「何か」がすぐには見つからなかったりもする。悩みに悩んだ末に、もう一度別のやり方を試してみる。

  『シラノ』を少しでも良くしたい一心で、粘れる限りは粘りたい。

 

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『シラノ』通信

4月22日(水)

  昨日できなかった2幕2場をさらった後、1幕を通す。

  随分と色々なことが整理されて、とても見易くなって来たと思う。
  格調高いのに親しみ易い。クスクス笑えるのに涙が溢れて来る。鹿賀さん演じる多面的なシラノ・ド・ベルジュラックのお陰で、そんな『シラノ』が出来上がりつつある。
  稽古後は照明打ち合わせを入念に。今回の照明は、事前の打ち合わせが通常より重要になる。劇場入りするまでに決めておかなければならないこと、用意しなければいけない素材が多いからである。

  話は変わるが、先日の『ダンス オブ ヴァンパイア』記者懇親会の様子が公式ページにUPされている。こちらからどうぞ。

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『シラノ』通信

4月21日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー、午後は『シラノ』の稽古場へ。

  『シラノ』は1幕2場、3場、そして2幕1場をおさらい。
  昨日さらった1幕1場、そして今日のメニュー2幕1場はどちらも大勢の登場人物が舞台上に存在し、それぞれのドラマが同時進行する。こういう場面の稽古にはどうしても時間がかかる。なので、本当は昨日、今日で全場面をさらいたかったのだが、残念ながら時間切れ。大詰めは明日のメニューに。

  話は変わるが、今日は第34回菊田一夫演劇賞の授賞式であった。
  受賞者の内、シルビア・グラブさんへの賞が『レベッカ』の演技に対して贈られたものであった。今年はその他の受賞者も、保坂知寿さん、吉野圭吾さん、玉野和紀さんと、近々ご一緒する方ばかり。
  私はアカデミーと『シラノ』の稽古で残念ながら出席できなかったのだが、受賞者の皆さん、おめでとうございます。

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『ダンス オブ ヴァンパイア』記者懇親会 そして『シラノ』通信

4月20日(月)

  東京會館にて帝劇7~8月公演ダンス オブ ヴァンパイアの記者懇親会。

  今度の週末(4月25日)に7月分のチケット前売りが開始されるのを機に、新聞や雑誌の記者の皆さんと我々とで、通常よりやや長めに設定された質疑応答の機会が持たれたのである。出席者は山口祐一郎さん、石川禅さん、大塚ちひろさん、知念里奈さん、泉見洋平さん、浦井健治さん、そして私であった。
  これから初日が近づくに連れて、今日の模様は色々な所に掲載されて行く筈であるが、早くも本日、「初演の時に大塚さんは、身に着けていたヌーブラを落とした」という記事が速報された模様である。
  そんなアクシデントも含めて、『ダンス オブ ヴァンパイア』が楽しい夏を皆さんにお届けすることを保証する。前回見逃した方も、前回で虜になった方も、夏の帝劇をどうぞお楽しみに。

  懇親会を終えて『シラノ』の稽古場へ。

  一昨日(18日)は臨時の稽古休みであったが、昨日は初めから予定されていた稽古休みであった。休みの間にスタッフの皆さんが、稽古場内の大道具を本番仕様の物に入れ替えてくださった。これで稽古場道具の大半が本番で使用する物になった訳である。
  道具がより具体的になった所で、1幕に戻って1場と2場をおさらい。
  久し振りの1幕なので、細々とした約束事を再確認したり、手順が曖昧だった部分を整理したり、指揮者と音楽的な約束事を再構築したり……、以前と比較すると「より実践に即した稽古」と言う感じになって来た。
  オーケストラが稽古場にやって来るまでの今週1週間が、芝居を進化させる為の残り少ない貴重な時間、と言うことになる。今日・明日の2日間で、1幕、2幕をひと通り当たってしまいたい。それが達成できた暁には、やや乱暴だが、1度通してみたい、と考えている。

  『シラノ』が特集される『プレミアの巣窟』は、明日の深夜(正確には22日の午前2時08分より)に放送予定。見てね。

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『シラノ』通信

4月18日(土)

  稽古は休み。午前中は月刊『ミュージカル』誌の取材を受ける。午後は稽古場にて、照明と舞台美術の双方に関わる打ち合わせとテスト。

  『シラノ』の美術デザイナーは堀尾幸男さん、照明デザイナーは成瀬一裕さんである。
  『シラノ』の為に堀尾さんがデザインした舞台美術は、具体的な、或いは写実的な要素を大胆に排除している。台本に書かれている、または台本から連想される大道具の大半を、堀尾さんは無くしてしまったのである。代わりに1枚のパネル状の壁が常時舞台上に存在している。
  「この壁面をどう活用して行くか」が『シラノ』のビジュアルのハイライトなのだが、それは舞台美術の領域と照明の領域、その双方がオーバーラップする領域の話になって来る。なので今日も、両デザイナーに同席いただいて打ち合わせが持たれたのである。

  今回は本当にきれいな舞台にしたい。そうなるだろうか。

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『シラノ』通信

4月17日(金)

  ラストシーンを作る。

  3月16日に歌稽古が始まり、それからほぼひと月が経過した今日、ザッとではあるが、全場面をひと通り当たり終えた。まずまず順調だと言っても良いだろう。
  明日は2幕をさらう予定だったのだが、昨日、今日と順調に稽古メニューを消化できたので、明日の稽古はお休みすることに。出演者の皆さん、どうかゆっくりと体を休めてください。その代わり台詞は入れてね。

  稽古後、鹿賀さんの衣裳&ヘア&メイク合わせ。
  今日は衣裳や鬘(かつら)に加えて、「鼻」も装着していただいた。実は、今日付けた「鼻」は、チラシやポスターのヤツとは別物である。チラシやポスターの「鼻」は、見方によっては結構格好良い。が、本来シラノの「鼻」は、彼の劣等感、コンプレックスの象徴である筈である。格好良く見えてしまってはストーリー上、都合が悪い。なので、もう少しファニーに見える「鼻」を本番に向けて用意したのである。

  『シラノ』の後は、美術デザイナー・松井るみさんの仕事場へ。パイレート・クイーンの舞台美術打ち合わせ。

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演出実習Ⅱ そして『シラノ』通信

4月16日(木)

  先週の東宝ミュージカルアカデミーに続いて、日本大学藝術学部演劇学科演出コース1年生の授業「演出実習Ⅱ」が始まった。この授業を受け持って5年目、今年も20名ほどの新1年生と対面した。
  本格的な授業は来週からになるが、「演出」と言う、一言では説明の難しい仕事について、今年も学生たちと一緒に考えて行きたい、と思う。ただ……
  アカデミーの38名と合わせて、総勢60名の生徒たちの顔と名前が一致する日は果たして訪れるのだろうか。

  午後は『シラノ』の稽古場へ。2幕2場の前半を作った後、2幕1場をおさらい。

  2幕2場は『シラノ』の最終景である。2幕1場までは1640年の出来事で、2幕2場のみが「その15年後」と言う設定である。舞台はパリのとあるカトリック修道院の中庭。今では元帥にまで上り詰めたド・ギッシュの訪問を受けたロクサーヌは(以下自己規制)。
  ここも大変美しい、そして切ない場面である。「美しい」というのは筋書きのことでもあり、視覚的なイメージのことでもある。そしてラストの名台詞。あの名台詞は私たちの『シラノ』でもあの名台詞である。

  明日はいよいよ大詰めへ。

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『シラノ』通信

4月15日(水)

  2幕1場の後半ブロックを作る。

  今日も色々と試行錯誤を重ねた稽古であった。振付の前田清実さんやアクションの渥美博さん、歌唱指導と音楽監督を兼ねる(そして出演者でもある)林アキラさん、演出助手の小川美也子さん等の発想をお借りしながら、このブロックをどうにかこうにか形にした。
  ミュージカル・ナンバーのサイズを変更したり、エピソードの順番を入れ替えたり……と、『シラノ』の稽古場は、今やオリジナル・ミュージカルを作るのと同等のテンションである。

  明日はいよいよ最終景に突入。ようやく山頂が見えて来た。

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『シラノ』通信

4月14日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。最新のミュージカルをテキストにして、台詞をどう処理するのか、とか、役作りをどう進めるか、などについてレクチャー。

  午後は『シラノ』。2幕1場の真ん中ブロックを作る。

  2幕1場では、その場所にいる人たち全員で共有するストーリーと、シラノを中心とした2~3人だけで交わされるパーソナルな会話が交互に現れる。
  全員で共有している方のストーリーでは、ド・ギッシュ伯爵vsガスコン青年隊の因縁の行方や、刻一刻と迫り来る敵の総攻撃に向かって高まる緊張感、そして戦場に現れた「ある人物」が引き起こす波紋……などが語られる。もう一方のパーソナルな会話では、シラノやクリスチャンの個人的な心情やその変化が綴られて行く。
  両者がある時は別々に、時には密接に絡み合いながら、物語はクライマックスに向かって否が応でも盛り上がって行くのだが、これを舞台上で手際良く処理するのが(私にとっては)案外難しい。
  今日も色々と試行錯誤を繰り返していたのだが、その試行錯誤のプロセスが何よりも楽しい。新しいミュージカルを皆で作っている、と言う実感を抱かせてくれるのである。

  明日は今日の続き。何とか2幕1場の終りまで漕ぎ着けたいが……さて。

  『ミー&マイガール』からはこんなお知らせが届いた。奮ってご応募ください。

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『ミー&マイガール&シラノ』通信

4月13日(月)

  ミー&マイガール稽古スタート。

  『ミー&マイガール』は、1937年にロンドンで初演されたミュージカル・コメディである。『ミー&マイガール』が現在の、私たちの知っている形に整えられたのは1985年のロンドンでのリバイバル時で、この成功によって 『ミー&マイガール』はブロードウェイへ進出、更には日本へも輸入されることになったのである。
  日本での初演は1987年、宝塚歌劇団の月組が行った。以来、繰り返し上演され、歌劇団の財産演目のひとつとなっていることは御承知の通り。そしてご覧頂く東宝版『ミー&マイガール』である。
  東宝版の初演は2003年。唐沢寿明さんのビル&木村佳乃さんのサリーと言う配役で始まった。井上芳雄さん&笹本玲奈さんの登場は2006年で、今回はその時に続く再演となる。

  今日はアンサンブルさんが全員集合。誰をどの場面、どのパートに当てはめるかを睨みつつ、歌稽古、及び振付を開始した。私はその冒頭に顔を出し、抱負の様なものを手短かに述べた。
  このブログの読者には明白なことだが、現在私は『シラノ』の稽古中である。無事に『シラノ』が開幕するまでは、残念ながら私は『シラノ』の人である。何と言っても『シラノ』は新作なので、『ミー&マイガール』チームの皆さんはどうかご理解いただきたい。

  と言う訳で、『ミー&マイガール』の稽古場を後にし『シラノ』の稽古場へ。

  『シラノ』は本日より2幕に突入。2幕1場を3つのブロックに分けた内の最初のブロックを作る。
    2幕1場の舞台は戦場である。シラノやクリスチャンが属するガスコン青年隊は、今では「アラス包囲戦」に参加している。その戦場に思いがけぬ人が現れて(以下自己規制)。
  このブロックには、男女のコーラスが美しい「パリの思い出」、ド・ギッシュの手柄話にシラノが茶々を入れる「名誉のスカーフ」、そしてクリスチャンとシラノの「さよならの手紙」と言う3つのミュージカル・ナンバーがある。

  昨日の予告通り、今日は忙しい一日であった。この忙しさは7月になるまで続きそうである。

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『シラノ』通信

4月12日(日)

  稽古前にプレミアの巣窟の取材を受ける。

  『プレミアの巣窟』は、毎週火曜日の深夜(正しくは水曜の午前2時台)にフジテレビで放送されているエンターテインメント情報番組である。『ザ・ヒットパレード』の時も取材を受けたあの番組である。
  今日は稽古場にもカメラが入っていたので、番組では稽古風景や出演者のコメントも流れるだろう。オンエアには誰かがスタジオにお邪魔するかもしれないらしい。そちらもお楽しみに。

  稽古は1幕をひと通りおさらい。

  まだまだ「段取りをこなしている」域ではあるが、何はともあれ1幕は見えた。本当はこのまま1幕を成熟させたい気持ちも無い訳ではない。が、その誘惑を断ち切って、明日からは2幕の稽古に入ることにする。
  稽古場での稽古は残り3週間を切った。が、このタイミングで、例え荒くでも「1幕が見えている」と言う状況は、新作ミュージカルの稽古としてはとても順調な方だと思う。

  明日は忙しい一日になりそうだ。その理由は明日のブログで。

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『シラノ』通信

4月11日(土)

  クリスチャンの登場シーンを抜き稽古。

  『シラノ』では(当たり前のことではあるが)主人公シラノ・ド・ベルジュラックの視点でストーリーが進行する。が、シラノ以外の人物にもその人物の「ストーリー」がある訳で。ロクサーヌにはロクサーヌの、そしてクリスチャンにはクリスチャンの「ストーリー」がある筈である。
  と言う訳で、今日はクリスチャンの視点で、クリスチャンの「ストーリー」だけを追いかけてみよう、と言う試みであった。その結果見えてくるものは何か?  その見えて来たものが、『シラノ』本編に立ち返った時のクリスチャンにとって「大切にすべきもの」である筈である。

  私たちの仕事は、まずは「台本在りき」である。が、台本を読み込む時に用心しなければいけないのは、先々の展開を先取りして出来事や台詞を解釈して演じて(演出して)しまうことである。
  結末を知っている所為でついそうなってしまうのだが、観客にしてみれば、先の読めてしまうドラマほど興醒めなものはない。

  観客の目の前で、今まさにドラマが進行している。そんな新鮮な『シラノ』でありたいのである。

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『シラノ』通信』 そして下馬二五七さんのこと

4月10日(金)

  顔寄せ。

  稽古は3月16日から始まっているので、もうみんな顔馴染みなんじゃないのか・・・・・・と言うことではなくて、普段は稽古場に登場することのない主催者、劇場関係者、券売や宣伝担当者、マネジメントの方、等々が一堂に会し、いつも稽古場にいる我々を含めて「よろしくお願いします」の交換をしたのであった。
  『シラノ』は、『ジキル&ハイド』に続く東宝・ホリプロ・フジテレビ3社の共同製作作品である。なので、通常の顔寄せよりも参集した人数が多い。数えはしなかったが100人は下らなかっただろう。これほど大勢の人が『シラノ』を成功に導くために力を合わせているのである。何としても良い作品にしなければ、と決意を新たにした。

  稽古は1幕3場をおさらい。

  段取りを付けただけに過ぎなかったシーンが、稽古を繰り返す度に血の通った場面に進化して行く。そのことを実感できた時が芝居作りにおける大きな喜びのひとつなのだが、先週、今週はその喜びの連続であった。
  どの登場人物もキュートでチャーミング、ちょっとお馬鹿で、切なく、そして愛おしい。思わず吹き出してしまう様なシーンの連続なのに、気が付くといつの間にか目頭が熱くなっている。『シラノ』はそんなミュージカルになる筈である。

  稽古後は下馬二五七(しもうまにごしち)さんのお通夜へ。

  下馬さんはとても優しく、そして面倒見の良い俳優さんであった。私の演出作品では『ローマの休日』に出てくださった。山口祐一郎さん扮する新聞記者ジョーのアパートの家主や、ラストシーンの記者会見場面のジャーナリストなどをやっていただいた。
  演出部時代には『エニシング・ゴーズ』で何年もご一緒した。私事だが、その頃結婚した私に、下馬さんは夫婦茶椀を贈って下さった。
  下馬さんはつい先月まで舞台に立っていらしたのだそうだ。斎場の一角には出演作のチラシが何枚も貼られていた。『ローマの休日』も。

  ご冥福をお祈りいたします。

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『シラノ』通信

4月9日(木)

  稽古前に、プログラム向けに鹿賀さんと対談。写真も何枚か撮られる。恥ずかしい……。

  稽古は1幕3場の後半を。これで1幕はひと通り手を付けた。
  以前にも記したが、『シラノ』は1幕が3場面、休憩を挟んで2幕が2場面で、全5場面である。最近のミュージカルとしてはかなり少ない場面数だと言えるが、これはエドモン・ロスタンの原戯曲通りの場面数なのである。裏返せば「1場面1場面が結構長い」と言うことでもある。
  5場面のうち3場面に手を付けた、と言うことは、全体の大よそ60パーセントまでは来た計算になる。残り40パーセント。これまで以上にエネルギーを費やして最高のミュージカルに仕上げたいと思う。

  内容に触れずに書くのは難しいなあ……。

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『シラノ』通信

4月8日(水)

  1幕2場をおさらい。その後、1場のアクションをさらう。

  『シラノ』ではオーケストラ・ピットは使用しない。オーケストラは舞台上の、客席からは見えない場所で演奏することになる。そのお陰で舞台と客席との距離が縮まり、臨場感や劇場内の一体感が増す訳だが、舞台上の出演者や指揮者にとっては喜ばしいことばかりではない。俳優と指揮者間のアイ・コンタクトが封じられてしまうからである。
  「息を合わせる」と言う言葉があるが、ミュージカルでは舞台上の出演者と指揮者、演奏者が「息を合わせる」ことは不可欠である。テンポが一定で変化しない楽曲ならば、テンポ感さえあれば歌い手が演奏に合わせて行くことはそれほど困難ではない。が、ミュージカルの場合、テンポが一定であることはまずあり得ない。
  舞台上では指揮者の姿が映し出されるビデオ・モニターを見、指揮者は舞台が映し出されるビデオ・モニターを見て意思の疎通を図ることになる訳だが、直接目視するのとモニターを通すのとでは情報量が余りにも違い過ぎる。それにモニターでは所詮は一方通行なので、瞬時にお互いが「何が起こっているか」を理解することは不可能に近い。

  今日さらった1場のアクションは(ミュージカルなので当然と言えば当然だが)音楽と同期しながら行われる。今日の稽古では、アクションを組み立てることもさりながら、指揮者とどの様にコミュニケートするかが重要な課題であった。

  ミュージカルは大変だあ!

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『シラノ』通信

4月7日(火)

  午前中は早速東宝ミュージカルアカデミーの授業。

  この授業が全授業のトップバッターになるので、今日は具体的なレッスンには入らずに、アカデミー生としての心構え(例えば「生徒であるという意識を捨てよ」と言う様な話)から始めた。
  アカデミーでのレッスンは来春まで1年間続く。その間、モチベーションを維持し続けることがどれだけ重要なことであるか。1年間、そのモチベーションをどうやって維持すればよいのか……。
  この1年を、本当に価値のある1年にして欲しいと思う。

  午後は『シラノ』へ。

  手を着けていなかった1幕2場の後半を作る。その後、更に遡って、同じく未着手だった1幕2場の中盤を作る。これでようやく1幕が3場の前半まで繋がった。
  1幕2場の後半にはシラノとクリスチャンが意気投合して歌う「完璧な恋人」がある。1幕2場の中盤にはシラノの「独りで」がある。この場面でのシラノは有頂天からどん底へ、再び有頂天へ、と振幅が激しい。でも恋する男子って、そんなところ、あるよねえ。

  稽古後、シアターガイド誌の取材を受ける。この記事は来月発売の6月号に載る……のかな?

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東宝ミュージカルアカデミー 4期生入学式

4月6日(月)

  『シラノ』の稽古は休み。だがいつもの様に稽古場へ。同じ建物の中に東宝ミュージカルアカデミーの稽古場もあるからである。

  4期生は38名。これから1年間、人生を左右するレッスンをみっちりと積むのである。
  ミュージカル俳優にとってレッスンは不可欠である。レッスンは、アカデミーを修了したってミュージカルを続ける限り付いて回る。だが、今アカデミーで学ぶレッスンと将来夢が叶った時のレッスンとでは、多少その目的が異なるであろう。
  今はとにかく身体の基本を作ることが急務である。受講生の中には今までも厳しいレッスンを続けて来た者もいるだろうが、大半は「ダンスは未経験」であったり「本格的に歌うのは初めて」であったり「演技はまったくやったことがない」であったりである。
  ミュージカル俳優として成長するために大切なのは、まずは自分の弱点を知ることである。弱点を知り、それをどうやって潰して行くかである。「どうやって潰して行くか」が、すなわち今必要なレッスンである。

  受講生ひとりひとりの夢が叶うことを心から祈っている。皆の夢が叶うことは日本のミュージカルを進歩させることに他ならないのだから。

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