『王様と私』通信

5月21日(月)

  金環日食であった。

  皆さんはご覧になることができたであろうか?  東京は生憎の薄曇りであったが、幸いなことに、ほとんどの瞬間で太陽は見えていた。
  私は自宅のベランダから眺めていたのだが、高校時代(だったと思う)に、学校の校庭で部分日食を観測した時のことを思い出した。あの頃は、今の様な専用の眼鏡なんて誰も持っていなかったなあ。

  さて。

  王様と私の稽古が始まった。

  まずは歌稽古からである。今日登場したのは、タプチム役をダブルキャストで演じるお2人、はいだしょうこさんと平田愛咲(あずさ)さんである。

  はいださんは、言わずと知れた『おかあさんといっしょ』の第19代「うたのおねえさん」である。
  2008年に「うたのおねえさん」を卒業されてからは、コンサート、テレビ出演に加えて、ミュージカルの舞台にも活躍の場を広げていらっしゃることはご存じの通り。「うたのおねえさん」の以前はタカラジェンヌで、星組に配属され、歌唱力抜群の娘役として将来を嘱望されていた(のではないかと勝手に想像している)。

  平田さんは東宝ミュージカルアカデミー出身のミュージカル女優のホープである。今までに『屋根の上のヴァイオリン弾き』の3女・チャヴァや、『レ・ミゼラブル』のエポニーヌなどを演じて来た。昨夏、セルビアのスボチカ市で開かれた「第1回シルベスター・リーヴァイ国際ミュージカル・コンクール」では、大勢の出場者の中から見事グランプリを受賞している。
  彼女は、子役さんだった時代に『王様と私』に出演した経歴を持っている(2000年1月/博多座)。私などより遥かに『王様と私』に精通している筈なので、色々とこっそり教えて貰おう。

  今週一杯は歌稽古が続く。来週からはステージングがスタートする予定。

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『王様と私』通信

5月6日(日)

  『王様と私の、東京での子供たちのオーディション。

  今回の『王様と私』では、東北・北海道での公演には東北の子供たちが出演することは前回の日記に記した通り。それ以外の公演に出演することになる子供たちの、今日はオーディションであった。
  60名余りの幼稚園生・小学生の皆さんが参加してくれた今日のオーディション。そのままでは人数が多すぎるので、2グループに分かれてもらい、それぞれ同じメニューで進行させていただいた。

  『王様と私』のミュージカル・ナンバーのひとつである“Getting to Know You”を利用して、それに幾つかの振りを付け、歌いながらその振りを行う、と言うのが今日のメニューであった。
  全員がとても快活に課題をこなしてくれたので、決められた人数に絞り込む作業にはとても苦労した。全員と『王様と私』を作れたらどんなに楽だろう、とも思うが、そう言う訳にもいかないし。

  私たちが配役をする時の基準は、「その作品に必要とされるキャラクターの人たちを選ぶ」である。
  選ばれた人は、その作品のキャラクターに合っていた、と言うことであるし、選ばれなかった人は、より相応しい人が他にいた、と言うことである。決して能力の優劣を見ている訳ではない。

  オーディションに参加してくれた皆さん、今日は本当にありがとうございました。皆さんのお陰で、とても楽しい1日でした。

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『王様と私』通信

5月2日(水)

  『王様と私の稽古・・・と言うか、ワークショップ・・・と言うか、そう言う物が始まっている。

  今回の『王様と私』は、東北・北海道での公演には仙台でオーディションされた東北地方の子供たちが出演する。子供たちは平日は学校があるので、稽古は週末などを利用して仙台で行われることになるのだが、その週末稽古がまもなく始まるのである。
  この『王様と私』は、今まで行われていた上演の再演ではなく、新しい演出で1から作り直す新作である。なので、子供たちの登場する場面も(舞台美術や人数が今までの上演とは異なるので)新しく作り直されることになる。

  だが、大人たちの(と言う言い方も妙だが、つまり本体の)稽古は5月下旬からの予定でいるので、まだどの場面も形になっていない。
  そこで、子供たちの参加するミュージカル・ナンバーだけを先行して(東京にいる大人たちで)作ってしまおう、と言うのが、冒頭に記した稽古の様な、ワークショップの様な物の正体なのであった。

  稽古場には振付の真島茂樹さん、アシスタントの日比野啓一さん、演出補の落石明憲さん、そして、今回の出演者の中から東宝ミュージカルアカデミーの出身者が集まった。そして、いい大人たちを子供に見立てて、アンナ先生との対面場面やGetting to Know Youなどのナンバーがステージングされて行く。
  こうして出来上がったステージングを持って、日比野さんと落石さんが仙台に赴く。そして仙台に集まった子供たちに『王様と私』の中身が少しずつ手渡されて行くことになる。

  その様な稽古が、やがて本体と合流する日まで続けられるのである。

  その日が来るのを首を長くして待っています。

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第37回菊田一夫演劇賞

4月20日(金)

  東京會館へ。第37回菊田一夫演劇賞の授賞式

  華やかで、活気があって、知った顔に大勢出会えて、授賞式と言う物はそもそもが嬉しいものである。が、今年は例年以上に嬉しい。米倉涼子さん、石丸幹二さん、瀬奈じゅんさんと、苦楽を共にした戦友たちが壇上にずらりと並んでいるのだから。
  そして大賞の三谷幸喜。ご存知の方も多いと思うが、三谷君と私は大学の同級生である。こうしてそれぞれが業界で生き伸び、そして今日の様な席で再会しようとは、学生時代の私は夢にも思わなかった。

  受賞者の皆さん、おめでとうございます。

  菊田賞の後は王様と私の音楽打ち合わせ。

  ニュー・ヴァージョンの『王様と私』を作るにあたって、音楽をどの様に扱うか。音楽監督の八幡茂さんと、そのことについて意見交換。
  八幡さんは今までのヴァージョンも手掛けていらしたので、以前のヴァージョンについても詳しく教えていただいた。何しろ私は、『王様と私』に関しては全くの新人なので。

  その後は江古田へ。舞台総合実習ⅢAの稽古。

  参加者の男女比の関係で、女子はほぼダブルキャスト、男子はシングルである。男子の存在が貴重なのは何処も同じなのだなあ。

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学校三昧

4月19日(木)

  昨日からミュージカルアカデミーでの私のクラスが始まった。今日からは日大芸術学部演劇学科の方のクラス「演出実習Ⅱ」がスタート。これは所沢校舎での授業で、現在『ゼブラ』を稽古中の「舞台総合実習ⅢA」は江古田校舎。学校三昧である。

  毎年この季節には多くの新たな出会いがある。多くの新たな出会いは「顔と名前を覚える」と言う苦行を一緒に連れて来る。今季は学校三昧なので、処理しなければならないデータは100名を超える。現在の私には、100名は不可能と同義語である。
  こう言うことが苦にならない方もいらっしゃると思う。そう言う方がつくづく羨ましい。

  『ゼブラ』の稽古は毎日21時に終わるのだが、稽古前や稽古中に夕食をとらないことにしているので、食べるのは稽古後になる。
  さすがに腹ペコなので江古田で食べることになるのだが、私の知っている江古田とは随分と様変わりしているので、どこに行けばよいのかが分からない。学生たちに教わって、少しずつ新しいお店を開拓中。

  学校三昧である。

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新しいミュージカル・アカデミー

4月16日(月)

  新しいミュージカル・アカデミーの入学式。

  6年間運営されてきた東宝ミュージカルアカデミーが発展的解消をして設立されたのが、新しいミュージカル・アカデミーである。i Padの新型が「i Pad 3」という名称ではなく、単に「新しいi Pad」と呼ばれることと、なんか似てる。
  それはともかく、 晴れて1期生となったのは35名。明日より、厳しくも温かい講師陣との濃密な1年が始まる。

  1年は短い。1年で身に付くことは高が知れている。
  然りとて1年である。
  1年間、毎日毎日、自分の弱点を自覚してレッスンを重ね、自分の長所を少しずつでも伸ばして行けたら、1年後のあなたは今のあなたとは見違えているだろう。
  ミュージカル俳優のレッスンは生涯続く。今はその第1歩である。

  皆さん、入学おめでとう。

  さて。

  入学式の後は江古田へ。
  舞台総合実習(略して総実)ⅢAの顔合わせ。参加する学生たち(キャストとスタッフ)、そして指導の先生方が集まった。
  まずは上演担当の藤崎先生より先生方のご紹介。学生たちは自己紹介。そして演出家(私です)の挨拶。学生たちを前に、「演劇の面白さ、芝居を作る楽しさを思う存分味わわせる」とか何とか、やや風呂敷を広げて喋る。

  顔合わせの後はスタッフ・ミーティングに参加。
  装置コースの学生たちが、台本の要請と演出家の要求の狭間で四苦八苦している。装置担当の沼田先生が、それを叱咤激励しつつ、プランを少しずつでも具体的な方向に導いてくださっている。
  明日から読み合わせに入る。読み合わせ期間中に、ラフで良いから装置プランが見えて来てくれると嬉しいのだが。

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舞台総合実習 そして『ジキル&ハイド』2012千穐楽

4月15日(日)

  日大藝術学部演劇学科には「舞台総合実習」という科目がある。

  演劇、日舞、洋舞、それぞれの舞台総合実習があるのだが、現在私は、その内の演劇の指導を担当している。
  日大藝術学部の江古田校舎には、客席数249、間口8間(けん)の立派な劇場があり(中ホールと呼ばれている)、そこが実習発表の会場となる。演劇の実習では演技コースの学生がキャストを務め、演出コース、装置コース、照明コース、企画制作コースなどの学生がスタッフを担当することになる。

  今年度私が担当するのは「舞台総合実習ⅢA」で、これは3年生を中心にした(4年生も参加している)実習である。
  本番は6月8日(金)、9日(土)、10日(日)の3日間で、土曜日のみ2回公演の4ステージを予定している(詳細は決まり次第ご報告します)。

  この実習で取り上げる作品は『ゼブラ』である。
  『ゼブラ』は、劇団ONEOR8(ワン・オア・エイト=「イチかバチか」ってこと?)が2005年に(今は無き)新宿THEATER/TOPSで初演した作品で、作・演出は田村孝裕さんである。2007年に再演され、更に2009年には、キャストを大幅に入れ替え、舞台空間も拡大され、東宝の製作でシアタークリエでも上演されている。

  私が実習発表を担当するのは2005年以来である。日頃の現場とは色々と勝手が違うが、初心を思い出させてくれると言う点で、私にとっても大切な場所なのである。

  さて。

  2012年の『ジキルハイド』もついに千穐楽。
  ご観劇くださった全ての方に御礼申し上げます。そして、キャスト&スタッフの皆さん、お疲れさまでした。
  いつか、どこかで、また皆さんとお目に掛かれます様に!

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最終公演地・名古屋 『ジキル&ハイド』通信

4月14日(土)

  愛知県芸術劇場へ。

  キャパシティ2500の大ホールは、紛れも無く、日本の『ジキルハイド』史上、最大の会場である。梅田芸術劇場のメインホールも空間としてはかなり大きな部類であったが、愛知は梅田を遥かに凌ぐ。客席は5階席まであるのである。
  客席だけではない。舞台空間もどこよりも広大である。但し、アクティング・エリアは日生、梅田、愛知と共通に設定している。

  私は今までこの劇場を訪れる機会が無かった。なので今回が初訪問である。
  訪問前の想像では、空間が無駄に大き過ぎるのではないか、とか、4階席・5階席は遠過ぎるのではないか、或いは、オペラの為に建てられた劇場なのでホールの残響が長過ぎるのではないか、などと危惧していたのだが、全ては杞憂であった。
  この劇場が持つスケール感と華やぎが、『ジキルハイド』のそれらと見事にマッチして、思いもよらぬ相乗効果を挙げてくれるのである。

  サウンド・デザイナーの山本さんとマエストロ・塩田さんは、オーケストラの響きをデザインし直した。ホールの響きの良さと相まって、聞こえてくる音楽のスケールも格段に大きくなっている。塩田さんによれば、上手舞台袖に作られたピット内の条件も、どこよりも良いらしい。
  石丸幹二さんも、ここは自分の声が届いていることが分かるので安心して歌える、とおっしゃっていた。つまり、キャストにとってもスタッフにとっても、ここはストレスの少ない、本来やるべきことだけに集中していれば良い、最良の劇場なのである。

  今日は、2階席(と言う名称だが、通常の劇場でイメージすれば1階席のやや後方、)の最前列、PA卓のすぐ後ろの席から観たのだが、我々が意図したことの全てが見え、全てが聞こえて来た。キャストの歌も演技も今までに無く安定している。
  既に千穐楽目前で、キャストの表現もスタッフ・ワークも、共に成熟して来たことの表れでもあるだろう。大阪後のしばしの休息も効いているかもしれない。
  が、舞台上の環境や諸条件が演じ手にとってすこぶる良いことが最大の要因の様に私には感じられた。

  今日を観ることができて、私は本当に嬉しかった。我々が目指した『ジキルハイド』の理想の形がそこにあったからである。
  と同時に、舞台の難しさを今更の様に痛感した。いつご覧頂いても、今日と同程度のパフォーマンスをご覧いただくことが何故容易ではないのか。その実現のために演劇界が取り組まなければならないことは余りにも多い。

  さて、明日は本当の千穐楽である。
  観ようか止そうか迷っている方、観ないと一生後悔することになりますよ。

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『クールの誕生』

  情報解禁されたので(速報はこちら)、告知。

  現在シアターコクーンで『淋しいマグネット』に取り組んでいるD-BOYSの皆さんの次回作である。
  脚本は鈴木聡さんによる書き下ろし。公演は8月25日、26日が大阪/森ノ宮ピロティホール、9月4日~10日が東京/紀伊國屋ホールである。

  お楽しみに。

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大阪初日 『ジキル&ハイド』通信

4月6日(金)

  まずお詫び。
  音響機材のトラブルがあり、1幕の前半で、オーケストラとヴォーカルのバランスが崩れ、お聞き苦しい場面が度々あった。今日ご来場くださった皆さん、本当にごめんなさい。

  もうひとつ、残念なお知らせが。
  薬剤師のビセットやダンヴァース邸の執事などを演じている山田展弘さんが、病気のため本日より休演。1日も早く回復されます様に。

  と言う訳で、今日の日記は実に書き難い。が、上記のトラブルを除けば、メリハリもありエネルギッシュな良い初日であった。限られた時間内ではあったが、芝居、ステージング、そしてスタッフ・ワークをブラッシュ・アップした成果が表れている。
  開幕したばかりの大阪公演であるが、明後日(8日)にはもう千穐楽である。関西方面の皆さん、どうぞお見逃しのありません様に。

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大阪へ 『ジキル&ハイド』通信

4月5日(木)

  大阪に来ている。

  3月28日に無事東京公演の千秋楽を迎えた『ジキルハイド』。明日より大阪公演が始まる。会場は梅田芸術劇場メインホールである。
  既にスタッフは粗方の作業を終えている。今日は夕方よりサウンドチェック、簡単な場当たり、そして通し稽古であった。

  梅田芸術劇場は、日生劇場と比べると一回り大きい大劇場である。劇場が変わると舞台と客席の関係も変わる。距離感であったり、客席の傾斜角度であったり……、梅芸には日生には無かった新鮮な視点が存在する、と言うことである。
  日生で観慣れている我々には、この違いが実に面白い。舞台上で行われていることは変わらないのに、その印象は随分と異なる。
  学生の頃、良く映画を観ていた時期があったのだが、映画も映画館によってその印象が違ったことを思い出す。映画好きにはそれぞれのお気に入りの映画館があったし、お気に入りのシートがあったものである。

  閑話休題。今日も順調にメニューを消化し、ほぼ予定通りに作業を終了した。東京公演の疲れも取れ、良い仕上がり具合だと思う。

  明日は14時開演。その前に、今日の通し稽古の駄目出し。

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発表 第37回(2011年度)菊田一夫演劇賞

4月4日(水)

  今年も菊田一夫演劇賞の受賞者が発表された(こちらから)。

  菊田一夫さんは、戦前・戦後の演劇、映画、放送界に大変大きな足跡を残された劇作家・演出家である。と同時に偉大なプロデューサーでもあり、東宝の演劇担当重役でもあられた。
  今日4月4日は菊田さんの命日である。菊田一夫演劇賞は、毎年この日に発表されている。

  今年度の受賞者の内、3人の方の受賞理由となった作品の中に、私の演出した作品が含まれている。米倉涼子さんの『風と共に去りぬ』、石丸幹二さんの『ジキルハイド』、瀬奈じゅんさんの『三銃士』、そして『ニューヨークに行きたい!!』である。
  特に『風と共に去りぬ』は、菊田さんがその舞台化の実現に命をすり減らす程の情熱を込められた作品のリブートであったので、米倉さんがその作品で選ばれたことは何よりも嬉しい。

  皆さん、ご受賞おめでとうございます。

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『王様と私』舞台美術打ち合わせ

3月10日(土)

  デザイナーの土岐研一さんと王様と私の舞台美術打ち合わせ。

  前回、土岐さんが大変きれいな舞台模型まで仕上げて来てくれたにもかかわらず、演出家は冷酷にもその案を却下した(その経緯はこちら)。その演出家が今回はどんな反応を示すのか、が今日最大のポイントであった。
  土岐さんは、怯むことなく、新しい(そしてもちろんきれいな)舞台模型を持参してくれた。そして場面毎に模型を飾り変えながら、デザインのポイントをプレゼンテーションしてくれた。

  今回の『王様と私』は、北海道、東北から、東海、近畿まで、ツアーで巡ることが条件付けられている。
  つまり、仕込み・撤収に掛けられる時間がタイトであること、トラックの積載量に制約があることがデザインをする上での前提となる。加えて、各地の会場の物理的条件も千差万別と来ている。
  その様々な制約の中で、土岐さんは最高に美しくて機能的なデザインを考えてくれた。今日の演出家は、何ひとつ注文を付けることもなく、ただただ感激している様子であった。

  今度は演出家が、この素敵な舞台美術に負けない中身を考える番である。素敵な『王様と私』にしなければ。

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演出助手・プロデューサー募集/2012

  東宝演劇部の演出助手・プロデューサー募集が告知された(詳細はこちらから)。

  ついこの間、2011年度の募集があったばかりな気もするが、またまた募集である。
  前回までの告知ページには「演劇の仕事を目指す皆さんへ」という題名の拙文が掲載されていたのだが、今季は新たに文章を書き起こした。題名は「芝居づくりを職業にするということ」で、拙文である所は相変わらずである。

  それはともかく、大劇場演劇は今、大きな曲がり角にある(と私は思う)。若く、夢と冒険心に溢れた才能の持ち主に、ひとりでも多く応募いただけることを願っている。

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ロクサーヌがふたり

  来年1月に日生劇場で上演されるミュージカル『シラノ』。ヒロイン、ロクサーヌのキャストが発表された(こちらから)。

  今回、ロクサーヌはダブル・キャストである。新しい『シラノ』が生まれそうな予感。お楽しみに。

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初日 『ジキル&ハイド』通信

3月6日(火)

  初日(舞台のダイジェスト映像はこちら)。

  朝から各セクションの直し。12時からゲネプロ。フランク・ワイルドホーンさんが登場し、幕間や終了後に幾つかのアドヴァイスをくださる。
  一昨日、昨日と、バタバタと進行して来たにもかかわらず、ゲネは悪くない仕上がりであった。が、まだいくつかの大きな問題を抱えている。キャスト、スタッフ双方に駄目を出し、残り時間内に解決すべきことを、優先順位を付けて潰して行く。
  16時30分、舞台にて公演成功&安全祈願のお祓い。お祓いの後も、舞台では作業が続き、18時の開場時刻を5分ほど遅らせてしまう。

  開幕。18時30分の定刻を5分押す。暗闇から、ヘンリー・ジキルの熱い声が響いて来る。
  久々に胃が痛くなる様な、固唾を呑みながらの観劇となったが、終わってみれば、様々な課題が解消され堂々たる初日であった。
  カーテン・コール。スタンディング・オペ―ションの最中に、石丸さんに紹介されて私も舞台に上がる。私が登場する時は、いつだって誰かを紹介する為である。今日は勿論、ワイルドホーンさんである。
  終演後、緞帳を下ろした舞台で、関係者一同で初日の乾杯。新『ジキルハイド』が観客に受け入れられたことがはっきりとして、誰もがとても嬉しそうであった。私は、ただただ「ほっ」としていた。

  幾つかの直しをスタッフに依頼し劇場を後にする。そして、ワイルドホーンさん、プロデュース・チームの皆さんと祝杯を挙げる。

  ワイルドホーンさん「今日のゲネプロは(英語では「ドレス・リハーサル」)何回目だったの?」
  山田「1回目です」
  ワイルドホーンさん「1回目!?  それで、その日の内に初日!?」
  山田「そうです」
  ワイルドホーンさん「どうすればそんなことができるの?」
  山田「天に祈るしかありません」

  私の場合、これはあながち冗談ではない。演出家にできるのは、キャスト&スタッフが最善を尽くすのを見守ることだけなのだから。

  ワイルドホーンさん「ブロードウェイではドレス・リハーサルに2週間、その後プレビューに4週間、それでようやく初日だよ」

  日本では、4週間後には千秋楽を迎えている。
  我々も、劇場入りしてからの持ち時間が1日でも多くあって欲しいと望まないではないが、日本の演劇を取り巻く様々な条件がそれを許さない。ならば、その中でベストを尽くすのが、我々に与えられた使命だろう。

  『ジキルハイド』通信はこれでお終いである。ご愛読、ありがとうございました。

  昨年の秋から続いたオープニング・ラッシュ( 『ニューヨークに行きたい‼』 『ダンス オブ ヴァンパイア』 『ラ・カージュ・オ・フォール』 そして『ジキルハイド』 )もひと息ついた。次は『王様と私』通信。が、本格始動は6月。それまでは不定期更新です。

  『ジキルハイド』は3月28日まで上演中。その後、大阪と名古屋へ旅に出る。それでは劇場で!

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『ジキル&ハイド』通信・ややミニ

3月5日(月)

  舞台稽古2日目。

  朝から道具調べ、照明合わせ、テクニカル・リハーサル、様々な直し作業など。スタッフはスピードを緩めること無く、開幕に向けて走り続けている。
  そして舞台稽古の続き。「事件、事件」が、様々な調整に時間がかかりヒヤヒヤする。

  タイトなスケジュールで無理難題に応えてくださった舞台監督の小林さん、照明の高見さん、音響の山本さん、振付のうーちゃん、他、、全ての関係者に感謝。

  明日は初日。その前にGP。雨あがれ!

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『ジキル&ハイド』通信

3月4日(日)

  舞台稽古1日目。

  午前中はオーケストラのサウンド・チェック。並行して大道具の直しと照明合わせ。
  今回、オーケストラ・ピットは使用しない。オーケストラは舞台の下手(しもて)袖中で演奏する。なので、客席最前列は舞台の目の前である。
  午後から舞台稽古。半日かけて1幕を終える。
  今回の『ジキルハイド』はキャストも一新され、舞台美術もステージングも照明もゼロから作り直した「新作」である。新作は、やはりそれなりに時間がかかる。今日も時間との闘いであった。

  明日は2幕の舞台稽古。だが、その前に終えなければならないスタッフワークがまだまだ残っている。

  音楽のフランク・ワイルドホーンさんが今日、来日されたはず。初日のカーテン・コールでは舞台に上がっていただくことになっているので、お楽しみに。

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『ジキル&ハイド』通信・ミニ

3月3日(土)

  桃のお節句である。

  それはそれとして、今日も終日スタッフワーク。道具調べと照明合わせ、そしてテクニカル・リハーサル。深夜まで。

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『ジキル&ハイド』通信

3月2日(金)

  今日は雨。昨日の搬入が好天に恵まれて良かった。

  昨日に引き続いてスタッフワーク・デー。大道具をはじめ、照明、音響など、各セクションの仕込み作業が続く。楽屋周りでも、衣裳、ヘア・メイクのチームが初日目掛けて着々と準備を進めている。

  『ジキルハイド』のアンサンブル・オーディションを行ったのは、昨年の3月14日、15日であった(その時の日記はこちら)。
  あの震災の3日後で、まだ電力事情が悪く、鉄道ダイヤも不安定な中でのオーディションであったことを思い出す。延期する、と言う選択肢も無い訳ではなかったのだが、決行した。何かをしないではいられなかったのだ。
  続く3月16日の日記(こちら)には、作品名を伏せて「打ち合わせ」のことが記されているが、開催された方の打ち合わせが『ジキルハイド』である。
  今回の舞台美術のイメージは、3月14日のオーディションの最中に思い付いたものである。そのイメージを16日の打ち合わせでfクリエイティブ・チームに披露した。そのイメージが今日、1年近くの時を経て、現実となって姿を現した。

  当時の日記を読み返すと、今こうして仕事に専念できていることすら夢の様である。劇場街に日常が戻っていることに、改めて感謝。

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『ジキル&ハイド』通信

3月1日(木)

  3月である。昨日とは打って変わって、東京は春らしい、暖かな陽気であった。

   『ジキルハイド』は、日生劇場での仕込みが始まった。稽古は無いのでキャストはOFFである。
  日比谷に用事があったので、ついでに劇場にも顔を出す。夕方の早い時刻だったのだが、まだ吊り物と床面の作業中で、セットは建て込まれていなかった。

  日生劇場では、つい先日『ラ・カージュ・オ・フォール』でお世話になったばかりである。そもそも『ジキルハイド』が、2001年から2007年の間に4回も上演されている。その他にも『サウンド・オブ・ミュージック』『ウェディング・シンガー』『シラノ』『メリー・ウィドー』など、この劇場には沢山の良い思い出がある。

  明日も終日スタッフ・ワーク。夕方には舞台美術がその全貌を現すだろう。

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『ジキル&ハイド』通信

2月29日(水)

  東京地方は未明から雪であった。

  もう四半世紀以上も前のことだが、帝劇で『屋根の上のヴァイオリン弾き』を上演中にも雪の激しい1日があった。
  交通機関が乱れ、開演時刻になっても何人かのキャストが着到しなかった。それでも幕は開けられ、不在者には急遽代役が立てられた。芝居が進むにつれ少しずつ人数が増えて行き、代役はいつの間にか本役に戻った。
  懐かしく楽しい思い出のひとつである。

  今日も交通機関に乱れが生じていたが、関係者一同、無事に稽古場に集まった。そして最後の通し稽古が始まった。
  幕開きから、いつにない緊張感とエネルギーに満ちていた。時に激しく、或いは甘美に、丁寧でありながらも荒々しく、劇中で起こることの全てが新鮮であった。
  とても意味のある通し稽古だったと思う。今日稽古場で起こったことは、この先必ずキャストひとりひとりの指針となるだろう。

  通し稽古終了後は最後の駄目出し。そして余韻に浸る間もなく、すぐに撤収作業が始まった。我々の仕事には余韻などあった試しがないが。
  稽古場を出る時には雪は既に止んでいた。冷たい空気が上気した顔を気持ち良く撫でた。

  1月4日の歌稽古から始まった『ジキルハイド』の稽古は、稽古場での全行程を終了した。明日からは日生劇場で仕込み作業が始まる。開幕は3月6日である。

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『ジキル&ハイド』通信

2月28日(火)

  オケ付き通し稽古。

  オケだけではない。今日は衣裳付き、ヘアメイク付きの通し稽古であった。
  少人数で着替えの多くない作品ならともかく、この規模のミュージカルでここまですることは滅多に無い。が、舞台稽古を効率良く進めるために、演出部さん、衣裳さん、ヘアメイクさんたちのご尽力で実現した。今日の為に様々な作業が前倒しで行われ、今日の為に本公演同様の態勢が敷かれたのである。関係各位に心から感謝したい。

  初めてのオケ付き、そして手狭な稽古場で本番同様の着替え、など、今日の稽古では芝居に集中するのが困難であろうことは容易に想像がついた。が、私のそんな予想とは裏腹に、今日の通しは極めて水準の高い、安定した仕上がりであった。
  キャストひとりひとりの成長は勿論、このチーム全体が着実に力を付けていたことに気づかされた1日であった。

  通し後はいつも通り駄目出し。更にその後、カーテン・コールの段取り。テキパキと進めたつもりだが、稽古終了は今日も20時を回っていた。

  明日は稽古場最終日。みんな雪に注意!

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『ジキル&ハイド』通信

2月27日(月)

  オケ合わせ、1日目。

  オーケストラがやって来た。案の定、我々には最早居場所がない。
  それはともかく、5年振りに聞く『ジキルハイド』のオーケストラ・サウンドである。マエストロがタクトを振り下ろし、オーケストラが譜面の最初の音を奏でた瞬間、様々な感情が込み上げて来るのを私は抑えることができなかった。が、照れくさいので何ともない振りをした。
  今日のオケ合わせは、台本順に、音楽の流れているシーン全てを当たって行った。PAのバランスをとることや、歌と演奏のニュアンスや約束事の確認、そして音楽とドラマを融合させることを主眼に、緊張感を保ちながらも和気あいあいと進行した。

  オケ合わせはいつになくハイ・ペースで進んだ。数々の好条件が重なったからであるが、明日までかかると想定されていたメニューを、何と今日1日で終えた。
  これを読んだ業界関係者は、「やれば出来るじゃないか」と早合点しないで頂きたい。上にも記した通り、今回は奇跡的に好条件が幾つも重なっていたために、偶然そうなったのである。やろうと努力してやれることではない。

  と言う訳で、明日はオケ合わせ無し。いきなりオケ付き通し稽古である。
  これは本当にありがたい。通し稽古の後に、色々なことを修正する時間的余地ができた、と言うことなのだから。

  話は変わるが、おけぴ管理人さんの稽古場レポートがUPされている。稽古中の写真満載である(こちらからどうぞ)。

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『ジキル&ハイド』通信

2月26日(日)

  今日はやらなければならないことが多いので、午前中から稽古スタート。大抵は13時からなのだが、今日は11時からである。

  やらなければならないこと、その1。通し稽古。

  3回目の通し稽古である。書こうか書くまいか迷ったのだが、書いてしまおう。幕切れの、すっごく良いシーンで、石丸幹二さんが「俺はハイドだ」と言うべき所で「俺はジキルだ」と言ってしまった。
  周囲は、ヘンリー・ジキルだと思っていた人物が突然「ハイド」を名乗るので困惑しなければならないのだが、困惑する気満々で「ハイドだ」の台詞を待っていたら「ジキルだ」が来てしまったので、芝居の困惑と現実の困惑が一緒に来てしまい、超困惑になってしまったのだった。
  あー、すっきりした。

  やらなければならないこと、その2。衣裳パレード。

  衣裳パレードとは、劇中の扮装をして、衣裳やかつら、小道具、アクセサリーなどを場面毎に細かくチェックする作業である。今回は劇場入りしてからの持ち時間がタイトなので、稽古場でやっておけることは全てやっておきたい、と言うことで衣裳部、ヘアメイク部、演出部総がかりでのパレードとなった。
  以前『ザ・ヒットパレード』と言うミュージカルをやった時、キャストの何人かから「衣裳パレードって何ですか?」と質問をされたことがあるのだが、その時のブログはこちら

  やらなければならないこと、その3。照明打ち合わせ。

  衣裳パレードを演出助手の郷田さんに委ね、私は照明デザイナーの高見さん、舞台監督の中村さんと照明打ち合わせ。
  照明は、実際に劇場に入って大道具を飾り、照明機材を吊り込んでみないと何も始まらない。だから、理想は劇場で実際に明かりを出しながら、ああでもない、こうでもないと試行錯誤することであるが、上にも記した通り、劇場入りしてからそんな余裕はない。
  なので、こうして前もってイメージや方法論を摺り合わせておくことが大切になって来る。何しろ2時間30分の作品で、照明Cueは400近い。正に時間との勝負である。

  やらなければならないこと、その4。オーケストラのセッティング。

   明日からは稽古場にオーケストラがやって来る。やって来るにあたっては、そのための場所を確保しなければならない。
  なので、今までキャストやスタッフが我が物顔にしていたエリアを明け渡さなければならないのである。そうして捻出されたスペースに、大小様々な楽器が次々と並べられて行く。

  ピアノでの稽古は今日が最後。稽古ピアノの國井雅美さん、宇賀村直佳さん、今までありがとうございました。

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『ジキル&ハイド』通信

2月25日(土)

  稽古場見学会であった。

  応募された方の中から抽選で選ばれた50名の方を稽古場にお招きした。『ジキルハイド』の稽古場は決して狭くは無いのだが、50名をお迎えする様にはレイアウトされていないので、窮屈な思いをされたことと思う。
  ホリプロの平野プロデューサーの挨拶で見学会がスタート。私はその次に登場し、稽古場のことや、これからご覧頂くミュージカル・ナンバーのことなどを喋る。ご覧頂いたのはオール・キャスト(除くヘンリー)による「嘘の仮面」、ヘンリー&エマのデュエット「ありのままの」、そしてルーシーの「あたしは誰」の3曲であった。
  生憎の雨の中をご参加くださった皆さん、ありがとうございました。劇場でお目に掛かる時には、更に進化した『ジキルハイド』をお目に掛けます。

  稽古場見学会の後は、通常通りの稽古。

  幾つかの場面を確認した後、2回目の通し稽古。
  メリハリが付いて更に深まった部分と、手際は良くなったものの新鮮では無くなってしまった部分がある。いつもながら芝居って難しい。とは言え、差し引きすれば、深まった部分の方が格段に多いのだが。
  通しの後はいつもの様に駄目出し。更にその後、いくつかの場面を抜き稽古。今日もあっという間に日が暮れた。

  明日は3回目の通し稽古。その後、衣裳パレード。

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『ラストダンス~the musical 越路吹雪~』

  シアタークリエの12月公演ラストダンス~the musical 越路吹雪~が発表になった。

  越路吹雪さんは日本のミュージカル女優の草分けの1人である。宝塚歌劇団の男役スター出身で、シャンソンの歌い手としても一時代を築かれた。
  その越路さんの舞台人生を、越路さんが歌われた数々のヒットソングに乗せて描こう(予定)、と言うのが『ラストダンス~the musical 越路吹雪~』である。

  出演者は発表されている6人だけで、つまりこの6人が劇中に登場する全てのキャラクターを演じることになる(予定)。
  越路さんを演じるのは瀬奈じゅんさんで(予定)、越路さんのマネージャーであり、越路さんが歌われた数々の名曲の詞を書かれた岩谷時子さんを演じるのは斉藤由貴さんである(予定)。

  今年は越路さんの33回忌だそうである。越路さんの舞台同様に、明るく、華やかで、楽しく、そして激しい作品にしたい(予定)。

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『ジキル&ハイド』通信

2月23日(木)

  通し稽古。

  最初の読み合わせが1月24日だったから、ほぼひと月で通せる所まで来たことになる。この規模の新作ミュージカルとしては大変順調だ、と言えるだろう。
  もちろん、まだまだ課題は山積している。が、集中を切らさずに、とにかく最後まで辿り着くことができた、という意味で、大変良い「初通し」であった。
  通し稽古の後は駄目出し、その後、更に抜き稽古。山積している課題を貪欲に減らす。

  明日は稽古場最後のOFF。別スタジオではオーケストラのリハーサルが始まる。

  日比谷シャンテでは、今日から『ジキルハイド』パネル展が始まった(詳細はこちら)。お近くにお出かけの際は是非お立ち寄りください。

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『ジキル&ハイド』通信

2月22日(水)

  稽古前に『王様と私』の舞台美術打ち合わせ。

  美術デザイナーの土岐研一さんが素晴らしくきれいな舞台模型を作って来てくれた。なのに、もう一案、その模型とは違うコンセプトのデザインを考えてくれる様にリクエストする。演出家って冷酷だなあ。嫌な顔ひとつせずに引き受けてくれた土岐さんに感謝。
  公式ページでは出演者(+1名)のコメント・ムービーがUPされている。ご興味がある方はこちらからどうぞ。

  『ジキルハイド』は昨日の予告通り全幕、全場面を当たる。お陰で今日もタフな1日だったが。
  だが、その甲斐あって、場面場面のクォリティは確実に上がっている。前回までの『ジキルハイド』を愛してくださった方にも、今回が初『ジキルハイド』の方にも、十分に満足していただけるミュージカルになりつつあると思う。

  明日はいよいよ初の通し。この稽古場で過ごすのも、あと1週間である。

  You Tubeの東宝チャンネルで『ジキルハイド』の稽古場風景映像公開中。観劇日まで我慢できない、と言う方はこちらからどうぞ。

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『ジキル&ハイド』通信

2月21日(火)

  1幕のラストから2幕のラストまでを整理。

  一昨日(19日)の稽古頭に、「今日と明日はタフな2日間になるだろう」と宣言して稽古に入った。
  タフ(tough)と言う言葉を辞書で引いてみると、「骨の折れる」「難しい」「粘り強い」「不屈の」「乱暴な」「物騒な」と言った文字が並んでいるが、連日、確かにタフな稽古であった。宣言と違っていたのは、それが3日間だったことである(19日の日記を参照)。

  広い稽古場、と言っても、セットを建て込むとキャスト&スタッフの居場所は、もう猫の額ほどしかない。近隣への騒音防止が徹底している建築物なので窓も少なく、澱んだ空気の入れ替えが捗らない。きれいで、使い勝手も考えられている良い稽古場なのだが、稽古が長時間に及ぶと、ちょっと意識が遠ざかりそうになる。

  だが、タフな3日間を過ごしたお陰で作品の完成度は大幅に上がった。が、出突っ張りの石丸さんには過酷な3日間だったろうと想像する。
  「昨夜は9時間寝てしまった」と石丸さんは仰っていたが、今夜はそれ以上寝られるだろう。が、ジキル&ハイド役は幕が開いてからも過酷だから、ま、いいか。

  明日は全幕を当たる予定。最近、予定通りに行かないことが多いけど。

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