『TDV』2025 Weekly

3月21日(金)

 歌稽古と並行して、『ダンス オブ ヴァンパイア』の見せ場であるダンスナンバーの稽古もスタート。広い稽古場に稽古用の大道具(ベッド……とか)も運び込まれた。

 前回(2019年の再々々……演)までの稽古場は帝劇の9階であった。
 『THE BEST』通信でも触れたが、帝劇の「9階稽古場」は広いようで実はそこまで広くはなく、天井高もそこまで高くはなく、搬入条件もそれほど良いとはいえなかった。なので過去の稽古では「稽古用の大道具をダンボールで作る」という俄かには信じがたいような方法などで悪条件を乗り越えた。

 現在の稽古場は9階稽古場に比べると諸条件が良いので、晴れてダンボールではない大道具での稽古が実現した。

 ちょっと嬉しい。

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開幕目前! 『ライフ・イズ・ミュージカル』

3月19日(水)

 新国立劇場中劇場へ。石川禅さんのソロ・コンサートライフ・イズ・ミュージカルのサウンドチェック/舞台稽古。

 コンサートは明日20日(木)の13時と17時の2公演。ゲストは既報の通り13時の回が瀬奈じゅんさん、17時の回が浦井健治さんである。瀬奈さん、浦井さんも駆けつけてくださって、和気あいあいとしたリハーサルであった。

 禅さんらしさが隅々まで詰まった、とても素敵なコンサートになっている……と思う。前回までコンサートが行われていたよみうり大手町ホールとは雰囲気が異なる会場なので、その辺りも楽しんでいただけると嬉しい。

 では東京・初台でお待ちしています。

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『アニー』2025 Weekly

3月17日(月)

 歌稽古を終えて絶賛立ち稽古中。

 『アニー』は毎年上演されることがお約束になっているので、キャストの皆さんも続投の方が少なくない。が、今年も「今回から新たに参加するニュー・キャスト」が何人かいらっしゃる。

 グレースを演じる愛原実花さん、ルースター役の赤名竜之介さん、リリー役の浜崎香帆さん、ルーズベルト大統領役の森田浩平さんがニュー・キャスト。アンサンブルの後藤裕磨さん、岩矢紗季さん、江崎里紗さんも今回からの登場で、望月凛さんはカムバックである。アニー役の2人を含む子供たちもニュー・キャストとなる。

 アニー役、孤児役、そしてダンスキッズの子供たちには「出演した翌年はオーディションを受けられない」というルールがあって(1年空けば再びオーディションに応募が可能)、なのでほとんどの場合、子供たちはニュー・キャストとなるのである。
 そのルールのせいもあるのか、子供たちの印象……というか雰囲気は、毎年面白いくらい異なる。今年も今までとは結構印象が違っているので、どうぞお楽しみに。

 大人のニュー・キャストの皆さんも印象は結構異なるので……

 楽しい。

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『TDV』2025 Weekly

3月14日(金)

 ミュージカルダンス オブ ヴァンパイアの稽古が始まっている。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』は1997年にウィーンで初演されたゴシックホラー・ミュージカルである。日本では2006年に帝劇で初演され、再演を繰り返してきたことはご存知の通り。このブログにも過去の記事が数多く残されている。

 今回のトピックは、今までシングルキャストであったクロロック伯爵を山口祐一郎さんと城田優さんがダブルキャストで演じること、そして今まで東京公演のフランチャイズであった帝劇を離れること、であろう。伯爵以外のキャストも大幅に顔触れが変わって……これはもう新生『TDV』であると言っても過言ではない。

 開幕は5月10日(土)。どうぞお楽しみに。

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『アニー』2025 Weekly

3月10日(月)

 丸美屋食品ミュージカルアニーの稽古が始まっている。

 日本テレビ製作のブロードウェイ・ミュージカル『アニー』は1986年に上演をスタートし、以後、毎年再演を繰り返してきた。なので今年は「40年目の年」ということになる。
 この40年の間には3つのヴァージョンが作られた。最初は篠崎光正さんの演出によるヴァージョンで、1986年から2000年まで続いた。2つ目はジョエル・ビショッフさんの演出によるヴァージョンで、2001年から2016年まで上演された。3つ目が現在ご覧いただいているヴァージョンで、その稽古が今年も始まったのである。

 このブログには私が演出を担当するようになってからの記事が残されている。ページ右側の「カテゴリー」欄にあるアニーをクリックしていただければ過去の記事をご覧いただけるので、ご興味のある方は覗いてみてください。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』忘備録

 THE BESTが終演して1週間が経った。終わってから今日までがあっという間すぎて……。


 ちょっとびっくりである。

 大千穐楽には映画館でのライブビューイングも行われ、その幕間に私の音声も流された。2幕開演直前のほんの数分であったが、その時にしゃべったことと、用意していたがしゃべらなかったことをここに採録しておこうと思う。

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 ライブビューイングをご覧の皆さま、こんにちわ。『THE BEST』構成・演出の山田和也です。

 まもなく2幕が開演しますが、それまでの時間を少しいただいて『THE BEST』と帝劇の裏話をいくつかお話ししようと思います。

 ご覧いただいている『THE BEST』ですが、現在の構成/セットリストに落ち着くまでには様々なヴァージョンが検討され、そしてボツになりました。残されている「最初に書かれた構成案」の日付は2023年3月23日ですから……約2年前に書かれたものですね。

 まだ『THE BEST』というタイトルも決まっていなかった頃に書かれたこの「最初の構成案」には、「休憩ありの2幕構成にすること」や、「帝劇の舞台機構をフルに活用すること」、それから「緞帳とオーケストラ・ピットを使用すること」「オーケストラ・ピットをアップ/ダウンさせること」「衣裳の引き抜きのある、トニー賞のオープニングのような幕開きを作ること」、そして「客席降りをすること」などのアイデアが既に盛り込まれていました。
 それらのアイデアは生き延びて、今日ご覧いただいている形に実を結びました。

 ボツになった初期の案の中には「ストーリーのあるショーにする」ようなアイデアもありました。
 「ストーリー」というのは、例えば「いつかは帝劇のゼロ番に立ちたいと夢見る2人の少年が、アンサンブルとして帝劇に出演するチャンスをつかみ、だんだん人気が出て出番も増えて大きな役が付いて、ついに夢を叶えるまで……を、2人の友情や挫折、恋などを織り交ぜて、様々なミュージカル・ナンバーを通して描く」……みたいなことだったんですけど、ストーリーに相応しい楽曲を選ぶのが難しくて……ボツになりました。

 話は変わりますが、『THE BEST』で歌われている「歌詞」は……この場合の「歌詞」というのは「海外で上演された作品」が翻訳上演される際に作られる「訳詞」のことなんですけど……その「訳詞」は、『THE BEST』では、原則として「帝劇で上演された時のもの」を使用しています。
 今回登場する『シカゴ』や『ピピン』『オリバー』『スウィーニー・トッド』などのナンバーが「近年上演されているものと異なる訳詞」で歌われているのはそのためなんですが、近年の訳詞に馴染んでいらっしゃる方はちょっと違和感を覚えるかも知れませんね。
 1幕でご覧いただいた『ミー&マイガール』の「ランベス・ウォーク」の歌詞が、繰り返し上演されている「宝塚版」と異なっているのもそういう理由です。

 さて、現在の帝劇の最も大きな特徴は「巨大な舞台機構を備えていること」です。舞台機構というのは「回り舞台」や「迫り」などの「舞台面を動かしたり変形させたりする機能を持った装置」のことをいいますが、近年では『SHOCK』などを除くと使われることが少なくなっていました。
 その理由は「帝劇の舞台機構を活用して作品を作ってしまう」と帝劇以外での上演ができなくなってしまうから……なんですけど、近年は「帝劇で上演された作品が他の劇場でも上演される」ことが増えたために「宝の持ち腐れ」みたいなことになってしまったんですね。
 それはつまり「こんな舞台機構を備えた劇場は帝劇以外にはどこにもない」ということなんです。こんな劇場はもう2度と建設されることは無いでしょう。

 さて、まもなく2幕の開演です。最後までどうぞごゆっくりとお楽しみください。山田和也でした

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 以下は「保険」として用意はしていたが時間の都合で使われなかった文章である。

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 最後に緞帳のことに触れておきましょう。今日ご覧いただいている緞帳は「銀彩」という名前が付いていて、帝劇の設計を手掛けた谷口吉郎さんのデザインです。現在、帝劇にはこの緞帳しかありませんが、かつてはこの他に2枚の緞帳がありました。

 ひとつは「銀彩」に対して「金彩」という名前の付いた緞帳で、これも谷口吉郎さんのデザインでした。帝劇の思い出などを書いたお手紙を募集する「帝劇レターズ」という企画が行われていて、その企画でプレゼントされる「帝劇の緞帳」はこの「金彩」を切り取ったものなんですね。
 もう1枚は「緑の森とその森を映す湖、その畔を白馬が歩いている風景」が描かれている綺麗な緞帳でした。原画を描かれたのは日本画家の東山魁夷さんでした。

 それぞれ緞帳にはスポンサーがついていて、スポンサー企業の名前が緞帳の隅に記されていました。現在の緞帳にはスポンサー名は入っていませんが、この緞帳にも以前はスポンサーの企業名が記されていました。
 先日、用があって帝劇地下4階の大道具製作場を覗いたことがあったんですが、その時に、かつて「銀彩」を飾っていた企業ロゴが、取り外されて保管されているのを見つけて……なんだか甘酸っぱい気持ちになりました。

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 以上である。

 また何か記しておきたい事を思いついたら……更新するかも知れません。

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さようなら帝劇! 『THE BEST/New HISTORY COMING』千穐楽

2月28日(金)

 『THE BEST/New HISTORY COMING』が無事に千穐楽の幕を下ろした。

 全ての公演関係者の皆さま、そして帝劇の皆さま全員に心より御礼申し上げます。

 さようなら帝劇!

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信 初日!

2月14日(金)

 現・帝劇最後の公演『THE BEST/New HISTORY COMING』が開幕した。

 まずはご来場くださった皆さん、ありがとうございました。
 楽しんでいただけたのでしたら嬉しいのですが。

 そしてここ数日、なかなかハードな日々を過ごしたカンパニーの皆さんと劇場スタッフの皆さん、本当にお疲れさまでした。
 おひとりおひとりに感謝と労いの気持ちをお伝えしたいのだが、それは現実的ではないので……。

 ただ、舞台監督の廣田進さん、演出助手の末永陽一さん、チーフプロデューサーの斎藤安彦さんには特に謝意を表したい。
 お三方のお陰で私は今日を迎えることができました。

 さて。

 明日は2回公演。そして明後日以降もなかなかハードな日々が続く。

 が、『THE BEST/New HISTORY COMING』通信は今日で一旦おしまい。ご愛読いただきありがとうございました。

 ではまた。劇場で。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月13日(木)

 舞台稽古2日目。

 (中略)

 明日は初日。現・帝劇最後の公演の幕が上がる。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月12日(水)

 舞台稽古1日目。

 まずはお祓い。現・帝劇最後の公演の安全と成功を祈念する。そして舞台稽古へ。

 (中略)

 明日も舞台稽古。

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発表! ミュージカル『十二国記』

 小野不由美さんのベストセラー小説『十二国記 ー月の影 影の海ー』がミュージカル化されることが発表された。

 公式サイトはこちらからどうぞ。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月11日(火)

 道具調べ/照明合わせ。夕方からは並行してオーケストラと音響チームのサウンド・チェックも。

 今まで何度となくここで道具調べ/照明合わせをやってきた。その毎回が時間との戦いで、「幕が開かないかもしれない」と思うような展開になったことも一度や二度ではなかった。

 それらも今は懐かしく思い出す。今ではみんな「いい思い出」である。

 ……なんて振り返ってる場合ではなく、最後の最後も時間との戦いだぁー!!!

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月10日(月)

 舞台では順調に仕込み作業が進んでいる。

 今日・明日は稽古は無く、各セクションが帝劇最後の舞台の仕上げに勤しんでいる。
 大道具周りの仕込みは昨日ある程度終えているので、今日は照明のフォーカス合わせがメインの作業。並行してオーケストラ・ピットの設営や音響チーム、映像チームの調整なども。

 道具調べ/明かり合わせと舞台稽古の間、演出家席は客席の中央付近に仮設される。

 帝劇では客席1階L列のセンター付近に設置され、台本や譜面を広げたりメモを取ったりできるようにテーブルと手元明かりも用意される。隣には演出助手の末永陽一さんが座り、マイクを握って舞台稽古を進行することになる。

 今回、私の演出テーブルには菊田一夫さんが愛用された眼鏡と遺影が置かれている。

 菊田さんは初代帝劇の建て替え(つまり現・帝劇の建設)に采配を振るわれた、当時の東宝の演劇担当重役である。重役であると同時に劇作家、脚本家、演出家、プロデューサーでもあり、今でも「菊田一夫演劇賞」にその名前をとどめている。シアタークリエ1階ホワイエの胸像をご記憶の方もいらっしゃるだろう。

 先日発売された「帝国劇場アニバーサリーブック」でも「菊田さんが現・帝劇の実現にどれほど腐心されたか」にページが割かれている。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月9日(日)

 オケ付き通し2回目。そののちゲスト何人かのオケ合わせ。そして稽古場最終日。

 現・帝劇最後の作品の最後の稽古が終了した。
 終わってみれば、1月6日の稽古初日からあっという間だったように感じる。「早く初日にならないかなぁ……」と思う時もあったし、「いつまでも初日が来なければいいのになぁ……」と思う時もあったが、今は……よく分からないや。

 舞台では各セクションの仕込みが始まっている。明日・明後日は稽古は休みで、私はスタッフとの作業に専念する。

 さて。

 『THE BEST』はコンサートなので、通常のミュージカル公演の時には控えてしまうような「歓声」や「手拍子」「指笛」などは「周りのお客様のご迷惑にならない限り大歓迎」である。
 最初のナンバーの最初のキャストが登場した瞬間からカーテンコールの幕が下りる最後の瞬間まで、帝劇がライブ会場のように盛り上がったら嬉しい(でも歌の邪魔はしないでね)。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月8日(土)

 オケ合わせ3日目。
 ものすごい勢いで残りの楽曲を合わせまくる。

 そののちオケ付き通し。
 ピアノでの通し稽古をやっていないので、これが初めての通し。ついに『THE BEST』の全貌が。

 今日の時点で予想される上演時間は、休憩(25分……かな?)を入れておおよそ…… 3時間半…… 前後? ……である。
 ただし、ゲストの人数や歌う楽曲、トークの流れによっては大きく増減する可能性も捨てきれない。終演後のご予定はくれぐれも時間に余裕をもってお立てくださいますように。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月7日(金)

 オケ合わせ2日目。

 今日までのところは極めて順調、かつ快調に進んでいる。
 が、順調、快調に進んでも終わりはなかなか見えてこない。なので明日もオケ合わせ。

 そして帝劇クロージング公演の『レ・ミゼラブル』が千穐楽。
 関係者の皆さん、お疲れさまでした。引き続きどうぞ良い旅を。

 さて。

 『レ・ミゼラブル』の撤収が済むといよいよ『THE BEST』の仕込みが始まる。
 この2日間、9階稽古場には豪華なキャストが入れ代わり立ち代わり登場し、オーケストラの見事な演奏で最高の歌声を聞かせたくれた。

 まるで「あの時」に戻ったような2日間であった。(3日目もあります)

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月6日(木)

 オケ合わせ1日目。

 『THE BEST』のオーケストラは19名編成。ゴージャスなオーケストラである。
 9階の稽古場は「帝劇が公演中」だとワイヤレスマイクが使えない(その話はこのブログでも以前に何度か触れた)。なので今日も(明日も)キャストの皆さんはスタンドマイクの前で(ステージングや振付は脳内で)歌うことに。

 『THE BEST』では様々なタイプの音楽が演奏されるが、その幅の広さはミュージカルが持つ多様性そのものであるように思う。今日1日、最高のオーケストラと最高の歌い手でその多様性を堪能した。

 とうとう現帝劇最後のオケ合わせが始まってしまった。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月5日(水)

 アンサンブルの皆さんの振り固め。そののち大勢でがんばるナンバーのおさらい。
 本番の舞台上には「稽古場では再現できない」様々な要素が結構あって、おさらいをするのにも難儀する。これは「舞台稽古が思いやられる」パターン……なのか?

 そして稽古ピアノの皆さんは本日をもって任務完了。まだ音楽班として「オーケストラの奏でる音楽の仕上がりに目を配る」役割が残っているのだが、何はともあれお疲れさまでした!

 稽古後は、そのオーケストラのお引っ越し。9階稽古場にオーケストラがやって来た!

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月4日(火)

 ほぼ全場面をあたる。あたりながら、まだ段取りのついていなかった個所をひとつずつ潰す。可能な個所は極力繋げてやってみる。やや長時間の稽古となる。見応え、聴き応えはかなりある。

 稽古で粘れるのは明日までである。明後日からオーケストラとの合わせに突入するからである。待ちに待った日である。

 初日まで10日である。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月2日(日)

 まだ手を着けていなかったソロ曲やデュエット曲などを形にする。ゲストの皆さんも入れ代わり立ち代わり顔を出してくれる。懐かしい再会も連日あって、『THE BEST』の演出をやらせてもらって最高に幸せ。

 大変なことも少なくないけど。 

 稽古後は照明/舞台進行打ち合わせ。コンサートにしてはなかなか手ごわい……なぁ。

 で、明日は稽古OFF。現帝劇最後の「稽古OFF」である。皆さん、どうぞ良い休日を。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

2月1日(土)

 合流できていなかった人を「ステージングの済んでいるナンバー」にはめ込む日。並行して衣裳の仮縫いも。

 9階の稽古場で過ごす時間がどんどん長くなっている。稽古時間が長くなっているからであるが、私が時間より早く稽古場に来てしまうからでもある。
 稽古前の時間、私は「その日の稽古をどう進めるか」や「先々のプラン」を考えるために稽古場近くのコーヒーショップやファミレスなどでひとときを過ごし、それから稽古場に向かうことにしている。
 『THE BEST』でも当初はそうしていたのだが、ここのところはコーヒーショップやファミレスをスキップして稽古場に出勤してしまう。帝劇の稽古場は落ち着くし、広いし、電源に困らないし、公演の資料や舞台セットのミニチュアも置いてあるし、自販機も冷蔵庫もあるし……

 でも稽古場で過ごす時間が長くなっている一番の理由は帝劇に1分でも長くいたいから……です。
 
 明日からオーケストラのリハーサルが始まる(別稽古場でね)。そして明日の朝は「東京都内でも雪になるかも知れない」と気象庁が報せている。

 皆さん、どうぞお気をつけて。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

1月31日(金)

 今までの稽古で取りこぼしていた部分を解消。そしてブラッシュアップ。

 今日は振付チームの3人が順番に担当ナンバーをブラッシュアップしてくれたのだが、3人とも粘る粘る。
 粘れる……というのは、この仕事でやって行くためには不可欠な「才能」だと思う(ほめてます。いや尊敬してます)。振り返って自分は……

 足元にも及ばないなぁ……。

 今日は『レ・ミゼラブル』がお休みだったこともあって出席率が高かった。
 そのせいもあるだろうが、稽古場内の親密度……というか打ち解け具合……というか、稽古場のムードやテンションがとてもいい状態に上がってきたように思う。限られた残り時間の中で処理しなければならないことは山積みであるが、このカンパニーなら大丈夫だろう。

 さて。

 1月もおしまい。初日まで2週間である。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

1月30日(木)

 大勢でがんばるナンバーをいくつかステージング。その合間にソロ曲も何曲か。
 大勢でやるナンバーは見ていても楽しい。やっている皆さんも楽しそうである。少なくとも涼風真世さんは「楽しい」とおっしゃっている。

 昨日も触れたが、やるべきことが増えたので(人が増えたからね)稽古の終了時刻もそれなりに遅くなる。遅くなればそれなりにお腹も空く。前もっての食料の確保が生死を分ける(死にません)。

 話は変わる。

 『THE BEST』は2幕構成で、途中に25分の(と現時点では予想されるが確定ではない)休憩が入る。上演時間は……3~4時間の間……ではなかろうか? おおよその目途がついたらご報告したい。

 おおよそでも目途のつく時が来れば……の話であるが。

 (前日よりつづく)そして帝劇での演出作品17本目がTHE BESTである。『THE BEST』は、帝劇と帝劇で上演されたすべてのミュージカル、そしてそれらに携わった関係者全員へのラブレターである。皆さんのおかげで日本のミュージカルはここまでくることができました。(つづかない)

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

1月29日(水)

 ツアーに出ていたキャストが続々と帰ってきてくれて、稽古場がますます賑やかに。

 というわけで、さっそく「全員が登場するナンバー」をステージング。それから帰ってきた皆さんの「まだ手を付けていなかったナンバー」もステージング。更に「アンサンブルさんが先行していたナンバー」にレギュラーキャストの皆さんをドッキング。
 稽古でやるべきことが一気に増えて、稽古場は賑やかになっただけでなく慌ただしくもなった。ショー・ビジネスらしくなってきた!(追い込まれるとアドレナリンが出るタイプ?)

 (前日よりつづく)帝劇での演出作品16本目は舞台『キングダム(2023年2月公演)である。実写映画版でもお馴染みの大人気コミックの舞台化で、豪華なキャストが一瞬「ミュージカルか!?」と錯覚させるがミュージカルではない。骨太なドラマと目の前で繰り広げられる激しいアクションが大きな見せ場となっていた。

 舞台『キングダム』は現・帝劇最後の新作ストレートプレイであった。心がけたことは「原作ファンの皆さんの期待に応えること」、そして「帝劇に相応しいスケールを維持すること」。キャストの熱演とクリエイティブ・チームの創意によってそれは達成できていたのではないかと思う。(つづく)

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

1月27日(月)

 歌稽古。そして振り付け/ステージングとそのブラッシュアップ。

 今日は今までの中では一番大勢がそろった稽古であった。みんながそろうとやはり楽しい。

 話は変わる。

 帝劇の楽屋口は地下1階、先日閉店した「丸亀製麺」の左側にある。そこには“帝国劇場楽屋口”と書かれた鉄扉があって、そこを抜けると1月13日のブログに記した「かつて楽屋食堂があった廊下」に通じている。
 楽屋口は、コロナ禍以前はファンの皆さんがお目当てのキャストの入り待ち/出待ちをする風景がよく見られた場所である。井上芳雄さんを出迎える皆さんの列が“プリンスロード”などと称されて話題になったこともあった。

 しかしコロナ禍以降、現在では入り待ちも出待ちも禁止されている。なので、楽屋口前での滞留はご遠慮くださいますように。

 (前日よりつづく)帝劇での演出作品15本目はMy Story-素敵な仲間たち―(2020年9月17日・18日)である。2020年は「新型コロナ感染症が社会のあらゆることを止めてしまった」年である。劇場を取り巻く環境も一変してしまったことはまだ記憶に新しい。帝劇でも予定されていた『エリザベート』『ミス・サイゴン』が公演を中止し、『ジャージー・ボーイズ』はコンサートに形を変えて上演された。

 帝劇が通常公演を再開したのは10月の『ローマの休日』からで、9月はまだ通常通りの公演は行われていなかった。『My Story ―素敵な仲間たち―』はその9月を埋める形で急遽企画された2日間/4ステージだけのトークショーであった。ホストは山口祐一郎さんで、ゲストは浦井健治さん&保坂知寿さん、加藤和樹さん&平方元基さん、そして中川晃教さんであった。

 この年以降、土壇場になっての公演中止やキャストの休演、代役での上演……などが各地の劇場で続くことになる。帝劇にも受難の日々であった。(つづく)

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

1月26日(日)

 歌稽古。そして振り付け/ステージングのおさらいデー。

 帝劇同様に今年で閉館となる劇場が都内にもうひとつある。六本木の俳優座劇場である。

 俳優座劇場は1954年の開場なので今年で72年目ということになる。現在の劇場は帝劇同様2代目で1980年に落成した。こけら落とし公演は劇団俳優座による『コーカサスの白墨の輪』で、大学の友人たちと観に行ったことも懐かしい。

 帝劇と俳優座劇場とで事情が異なるのは、俳優座劇場の閉館は建て替えのためではないということである。
 歴史のある劇場がまたひとつ幕を閉じる。最終公演『嵐 THE TEMPEST』の千穐楽は4月19日(土)と告知されている。

 寂しい限りである。

 (前日よりつづく)帝劇での演出作品14本目はシスター・アクト~天使にラブ・ソングを~(2014年6~7月公演)である。『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』のタイトルが使われたのは実は初演の時だけで、再演以降は『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』と前後が入れ替わって今日に至る。
 ウーピー・ゴールドバーグさん主演のコメディ映画を原作とする陽気、且つ感動的なミュージカルで、音楽はアラン・メンケンさん、作詞はグレン・スレイターさんである。ウェストエンド、ブロードウェイの他、ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア、オランダ、韓国……など各国で上演され人気を呼んだ。日本では2016年、2019年、2022年、2023年と再演を重ね、東宝のレパートリーの一翼を担う1本となった。主人公のデロリス役は森公美子さんと瀬奈じゅんさんのダブルキャストでスタートし、後に蘭寿とむさん、朝夏まなとさんが加わった。

 2011年に上演された『風と共に去りぬ』『細雪』の2本を最後に、歴史ある帝劇でのストレートプレイの上演は途絶える。次にストレートプレイが上演されるのは『千と千尋の神隠し』(2022年)まで待たねばならない。(つづく)

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

1月25日(土)

 歌稽古。
 今日も新たに顔を出してくださった方が。中にはこのコンサートのお陰で久しぶりにお目にかかれた方も。今はまだ1人ずつバラバラにいらっしゃているが、皆さんが一堂に会する日もそう遠くないだろう。

 そしてアンサンブルさんの衣裳合わせ。
 1人1人の点数は決して多くはないのだが、それなりの人数なのでやはり一日仕事に。

 今日は階段を使わなかったなぁ……。

 (前日よりつづく)帝劇での演出作品13本目はエニシング・ゴーズ(2013年10月公演)である。『エニシング・ゴーズ』は1934年に初演されたブロードウェイ・ミュージカルのクラッシックで、現在上演されているのは1987年のリヴァイヴァルに際して改定されたヴァージョンである。日本初演は1989年で、私たちの帝劇版は日本では3ヴァージョン目の『エニシング・ゴーズ』であった。

 他愛ないドタバタなストーリーがコール・ポーター作詞・作曲の名曲に乗って繰り広げられるコメディであるが、こういう作品の上演が実は一番難しいと感じる。ロマンティックなデュエット、エキサイティングなタップダンス、1930年代のファッション、そしてジョーク満載の台詞。どれひとつとっても現代の日本で上手くやるのは難しい。
 その困難に果敢に挑戦したキャストの皆さん……瀬奈じゅんさん、鹿賀丈史さん、田代万里生さん、保坂知寿さん、大澄賢也さん、吉野圭吾さん、すみれさん、玉置成実さん……の奮闘に拍手。(つづく)

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

1月24日(金)

 歌稽古。そして振り付け。

 今日までに振付チームが担当する場面の8割程度に手を付けた感じである。だんだん完成形に近づいてきた!
 そして今日も色々な方が顔を出してくださった。で、今日はちょっぴり遅い時刻まで。お付き合いくださった皆さん、ありがとうございました!

 今日は9階稽古場とB4稽古場の間を2往復した。エレベーターを使わずにである。

 降りる時だけですが。

 (前日よりつづく)帝劇での演出作品12本目はニューヨークに行きたい!!(2011年10~11月公演)である。『ニューヨークに行きたい!!』はドイツのハンブルクで初演されたミュージカル・コメディで、シンガー/ソングライターのウド・ユルゲンスさんのポピュラーソングを全編に散りばめた賑やかなジュークボックス・ミュージカルだった。
 主人公のTVキャスター=リサは瀬奈じゅんさん、反目し合うバツイチのカメラマン=アクセルは橋本さとしさんで、近年のミュージカルには珍しい現代劇でもあった(そしてファンタジーでもない)。

 2011年は12月に『ダンス オブ ヴァンパイア』の再演も行われ、この年私は帝劇で4作品を演出したことになる。本来ならば100周年を祝福する1年になるはずであったが、図らずも「演劇の役割」を改めて考える大切な1年となった。この年のことは決して忘れてはならないと思う。(つづく)

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『THE BEST/New HISTORY COMING』通信

1月23日(木)

 歌稽古。そして振り付け。

 ゲストの皆さんも少しずつ顔を出してくださっている。
 ゲストの皆さんが登場するのは最大でも「2日間3ステージ」なので、基本的には稽古が必要となるような内容は想定していない。と言って「ぶっつけ本番」と言うわけには行かないので、顔を出していただいて段取りや譜面などの確認をするのである(確認ついでに歌っていかれる方も)。

 話は変わる。

 稽古中、演出家はどうしても運動不足になりやすい。座って見ている時間が長いし、ついケイタリングに手を出してしまうからであるが、このままではとんでもないことになりそうなので、今後はエレベーターを使わないことに決めた。

 降りる時だけですが。

 あと急いでない時。

 (内容に触れずにブログを埋めるのは難しいなぁ……)

 (前日よりつづく)帝劇での演出作品11本目は三銃士(2011年7~8月公演)である。『三銃士』はアレクサンドル・デュマの小説を原作としてオランダで作られたミュージカルである。ドイツやハンガリーでも上演された後、日本に上陸した。
 主人公のダルタニャンを井上芳雄さんが演じ、三銃士には橋本さとしさん、石井一孝さん、岸祐二さんが配された。他に山口祐一郎さんや瀬奈じゅんさんも加わるという豪華キャストで、ダルタニャンの恋と挫折と友情と冒険が描かれた。

 2011年は帝劇の100周年であると共に東日本大震災の年でもあった。震災直後はガソリンや食料品が不足し、公共交通機関の運行は間引かれ、計画停電が行われるなど、気軽に観劇に出かけるような雰囲気とは程遠い状況であったように思う。
 そのような中で『風と共に去りぬ』も、それに続く『三銃士』も上演された。『風と共に去りぬ』では戦禍で焼け野原となった古郷タラに立ち尽くすスカーレットと、不屈の精神でそこから立ち上がる姿が描かれた。『三銃士』ではダルタニアンの父が「勇気、誇り、そして分かち合う心が人生を生きるに値するものにする」と息子に指針を与えた。

 演劇に携わる私たちが演劇に勇気と希望を与えられていた。(つづく)

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『THE BEST/New HISTORY Coming』通信

1月22日(水)

 歌稽古。

 お休み無しだった振付助手の松島さんと大久保さんにようやく訪れた休日。どうぞ良い休日を。

 そして新妻聖子さんのゲスト出演が新たに発表された。新妻さんは先日、第二子となる男の子のご出産をご報告されていた(おめでとうございます!)。
 どうぞお楽しみに。

 (前日よりつづく)帝劇での演出作品10本目は風と共に去りぬ(2011年6~7月公演)である。これは2001年に初演されたミュージカル版ではなく、堀越眞さんの新脚本で新たに製作されたストレートプレイ版である。主人公のスカーレット・オハラを米倉涼子さんが、レット・バトラーを寺脇康文さんが演じた。
 私たちクリエイティブ・チームのテーマは「かつて上演された『風と共に去りぬ』を再現する」ことにはなく、目指したのは「現代に相応しい“大劇場のストレートプレイ”はどうあるべきか」であった。

 現・帝劇と『風と共に去りぬ』に浅からぬ縁があることは1月14日のブログでも触れた。先日発売になった『帝国劇場アニバーサリーブック』も“帝劇開場と『風と共に去りぬ』のエピソード”に紙幅を割いている。
 2011年は帝劇開場100周年(初代帝劇からです)の記念イヤーだったのだが、この年にこの作品が選ばれたことには理由があったのである。(つづく)

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