『レベッカ』通信

11月19日(月)

 ピアノ通し、1回目。

 止めずに通すことで見えてくる色々なことがある。“止めずに通す”と言うことは“本番により近い状態”で稽古していることになるわけなので、ここで見えてきたことは“観客にもそのように伝わる”と思った方がいい。
 通してみて“よかったと感じられた点”は、それが定着するように促し、“そう感じられなかった点”には何か手を打たなければいけない。

 稽古後のダメ出しは、その内容をカンパニー全体で共有しておきたいので、その場面の関係者だけに伝えるのではなく、スタッフ&キャスト全員参加で行う。
 定着させたいことも、手を打つべきことも、全体で共有しておけば、スタッフ&キャストのひとりひとりが主体性を持って作品に参加し易くなるはずである。個々が主体性を持って動けるカンパニーは強い。

 オーケストラのリハーサルも別稽古場で始まった。リーヴァイさんから新しいアレンジ/オーケストレーションのスコアが届いている筈である。

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『レベッカ』通信

11月18日(日)

 エピローグを手直し。幾つかのヴァージョンを試してみて、最終的にしっくり来たものを選ぶ。その後、全場面を(“通し”ではないが)当たる。

 今日は「歌入り読み合わせ」以来の“豪華リレー”であった(こちらのブログ参照のこと)。
 全編を“昨日までより長い”幾つかのブロックに区切り、今まで以上に“流れ重視”で、稽古しては調整を加える、を積み重ねた。

 当然のことながら、芝居の精度は確実に上がっている。演出やステージングの問題点も、1歩ずつだが確実にクリアになっている。

 そして明日から、ついに“ピアノ通し”に突入する。オーケストラ・リハーサルもいよいよ始まる。

 稽古場で過ごす“最後の週”である。

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『レベッカ』通信

11月16日(金)

 アンサンブルさんの衣裳&ウィッグ合わせ。あ、4人目の「あやちゃん」が!(衣裳デザイナーの前田文子さん)

 衣裳&ウィッグ合わせの後、“流れ重視おさらい”の3日目。その後、2幕2場「海岸」と2幕5場「廊下」のナンバーを手直し。

 一昨日、昨日、今日の3日間で全場面をひと通りさらった。

 『レベッカ』オフィシャル・ページの“INTRODUCTION”では、『レベッカ』初演のことが「コンパクトかつ濃密な劇空間で繰り広げられたロマンティック・ミステリー」と紹介されている(それはこちら)。
 今現在の『レベッカ』も、まさしくそんな感じである。ただし、今回はその再演ではなく、完全にリニューアルした“新作”であるが。

 明日は稽古OFF。稽古場“最後の”OFFである。

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『レベッカ』通信

11月15日(木)

 コーラス稽古ふたたび。
 前回のコーラス稽古(11月7日)では1幕の楽曲を取り上げたので、今日は2幕を。

 コーラス稽古の後はおさらい。
 昨日と同様に複数の場面を繋げ、流れを重視するスタイルで。

 『レベッカ』の稽古場には3人の「あやちゃん」がいる。平野綾さん、出雲綾さん、島田彩さんである。
 稽古中に誰かが「あやちゃん!」と呼ぶと、呼ばれていない「あやちゃんが」返事したりすることが時々起きるので、ちょっとややこしい。

 1幕14場「化粧部屋」には3人の人物が登場する。「わたし」と、ベアトリスと、「わたし」付きのメイド=クラリスである。
 ベアトリスを演じているのは出雲さんで、クラリスは島田さんである。なので「わたし」を平野さんが演じると、この場面に登場するキャストは全員が「あやちゃん」になる。

 『レベッカ』の稽古場には3人の「石川さん」もいるのだが……。

 その話はまたの機会に。

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『レベッカ』通信

11月14日(水)

 色々な場面のおさらい。来たるべき通し稽古に備えて、“複数の場面を繋げて”“流れを重視する”稽古に移行する。

 今日は密度の濃い、充実した1日であった。今までの“場面毎に”“確認をしながら”稽古していた時には生まれなかった“集中力”、或いは“求心力”が、どの場面からも感じられたからである。
 それには3人の「わたし」の進化が大きく影響していると思う。3人が今までコツコツと積み重ねてきた努力が実を結びつつある、と言うことだろう。

 その影響はカンパニー全体に波及し、至る所で白熱した演技が繰り広げられることとなった。影響は、もちろんマキシムにも及んだ。

 今日のような1日を、明日も、明後日も送りたい。そして、この熱量と求心力を、そのまま劇場に持ち込みたいと思う。

 そうなりますように。

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『レベッカ』通信

11月13日(火)

 終日、衣裳の仮縫い&衣裳合わせ、そしてウィッグの合わせ。

 『レベッカ』の衣裳デザイナーは前田文子さん、ヘアメイク・デザイナーは川端恵理子さんである。前田さんは今回が『レベッカ』初参加で、川端さんは初演からの続投。

 仮縫いは、「デザイン画が描かれ、生地が選ばれ、縫製された衣裳」を、「身に着けた状態で、寸法や仕上がりなどを確認・調整」する作業。衣裳合わせは「できあがっている衣裳」を「身に着けて、寸法や使い勝手などを確認・調整する」作業である。
 衣裳とウィッグを着用すると、いつも通りの見慣れた大塚千弘さん、平野綾さん、桜井玲香さんが、目の前で見る見るうちに「わたし」へと変わっていく。涼風真世さんも保坂知寿さんも、瞬く間にミセス・ダンヴァースである。

 衣裳とウィッグの力は想像以上に大きい。

 衣裳合わせに立ち会って思ったのは、「1幕後半にやってくる“仮装舞踏会”の場面は、思った以上に見どころなのかも知れない」と言うことである。

 衣裳とウィッグの力は計り知れないほど大きい。

 今日の作業は文字通り“朝から夜まで”であった。衣裳チームの皆さん、ヘアメイク・チームの皆さん、そして演出部の皆さん、ありがとうございました。

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『レベッカ』通信

11月12日(月)

 1幕をおさらい。そしてエピローグを作る。

 物語には“始まり”があれば“終わり”がある。プロローグがあればエピローグがあるのである。
 エピローグは、プロローグと同じように桜木さんがステージングをしてくれた。そして、プロローグ同様、“夢のような”シークェンスになった。

 これで全ての場面に手を着けた。ここまで“駆け足”であったことは否めないが、駆け足でもここまで来ておかないと、この先が厳しくなる。稽古場で過ごせるのもあと2週間である。

 ……と言うことは「来週の半ばにはオーケストラが稽古場に入って来る」と言うことで、と言うことは「来週の頭から通し稽古だ」と言うことで、と言うことは「粘れるのは今週末までだ」と言うことなのである。

 粘るのか?

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『アニー』ダンスキッズ・オーディション

11月11日(日)

 丸美屋食品ミュージカルアニー。その2019年の“ダンスキッズ”を選ぶオーディションが昨日と今日とで行われた。

 日本テレビ製作の『アニー』は、初演から既に30年を超える上演史を持っている。私たちの『アニー』はその3ヴァージョン目で、このヴァージョンは2019年で3年目を迎える。
 ダンスキッズは、このヴァージョンになって登場した“ダンスシーンに特化した子供たち”の呼び名である(ダンスキッズについては昨年のブログもご参照いただきたい)。アニー役や孤児役と同様にダブルキャストになっていて(チーム・バケツとチーム・モップ)、チームごとに6人ずつ、合わせて12人のキッズが選ばれることになる。

 まず1次審査の書類審査である程度人数が絞られる。そして実技の2次審査。昨日がその1日目であった。審査をするのは振付の広崎うらんさんと振付助手の小山みゆきさん。私は現在『レベッカ』の稽古中なので、最終日である今日のみの参加であった。

 既にオフィシャル・ページには“ダンスキッズ決定”の第1報がUPされているが(それはこちら)、今年も本当に甲乙つけがたい、大変充実したオーディションであった。
 去年も一昨年もそうだったのだが、子供たち全員から「ダンスが大好き」なことがヒシヒシと伝わってきて、その中から誰かを選ぶことなんて、とてもではないができない。
 ……と言ってもいられないので、「断腸の思いで(うらんさん談)」12人を選ばせていただいた。

 合格した皆さん、本当におめでとう。残念な結果だった皆さん、どうかダンスを辞めないで!

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『レベッカ』通信

11月10日(土)

 2幕のおさらい。
 5場~6場、2場、7場、8場、9場~10場~11場をおさらいした後、12場を完成させる。

 『レベッカ』の2幕後半を見ていて感じるのは「愛は負けない」と言うことである。負けないのは「わたし」の愛か? それともレベッカの愛か……?

 照明デザイナーの成瀬さんが稽古を見に来てくれる。
 『レベッカ』の照明デザイナーは、シアタークリエでの初演も、大劇場版の再演も、成瀬さんだった。その時のデザインでは、極細の光線が暗闇に突き刺さる様に差し込んでくる明かりが印象に残る。

 今回はどんなデザインになるだろう。

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『レベッカ』通信

11月9日(金)

 2幕9場を完成させ、10場、11場、12場を作る。

 10場はマンダレイの「窓辺」。
 9場から繋がる場面である。とても短い場面だが、ここにはミュージカル・ナンバー「レベッカが歌う」がある。

 11場は「コーンウォールの駅」。
 ロンドンからの汽車が発着する、恐らくはローカルな鉄道駅である(実際には“コーンウォール”の名のついた鉄道駅は無いらしい)。ミュージカル・ナンバーは「夜を超えて」がある。

 そして12場は「××××××マンダレイ」。
 ここにはミュージカル・ナンバー「×××××××」があるが、今日はマンダレイの使用人たちのセクションだけをステージング。それ以外の人たちのセクションは明日のメニュー。

 これで手を着けていない場面はエピローグのみとなった。まだラフ・スケッチの段階だが、新しい『レベッカ』の全体像が見えてきた。

 開幕まで3週間。どこまで成熟させられるだろう。

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『レベッカ』通信

11月8日(木)

 2幕8場、9場を作る。

 8場はマンダレイの「書斎」。直前の場面(7場)の“審問会”で新たに浮上した“事実”が「わたし」の前に立ちはだかる……。
 ここにはファベルのミュージカル・ナンバー「持ちつ持たれつ」があるが、それ以外の部分では、まるでストレート・プレイのように緊迫した台詞のやり取りが続く。稽古場の雰囲気もストレート・プレイのそれのようである。

 9場は「マンダレイの玄関ホール」。
 その日「わたし」は、ジュリアン大佐、ファベルと共にロンドンに赴いた。“あること”を確認する必要が出てきたからである。「わたし」の留守中のマンダレイの様子が、ミュージカル・ナンバー「出発は8時」では描かれる。

 稽古場に取材の方がいらしてくださることが続いている。稽古場の様子が記事になったり、オンエアされたり……するかも知れません。

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『レベッカ』通信

11月7日(水)

 稽古がある程度まで進んだので、この辺で改めてコーラス稽古。

 音楽監督の甲斐正人さんが、音楽のニュアンスやナンバーの意味合いなどについて、1曲ずつ調整を加えて行く。より音楽的になる、と同時に、より演劇的にもなって行く。甲斐マジック!
 今日のコーラス稽古を振ってくれたのは(指揮をしてくれたのは)宇賀神典子さん。今回の『レベッカ』は塩田さんの指揮で開幕し、宇賀神さんに引き継がれることになっている。

 コーラス稽古の後、2幕のおさらい。

 今日のメニューは1場abc、3場、4場、2場、そして5場。2場と5場は完成途中であったものを最後まで作り終える。

 まだ手を着けていないのは6場面。今週末までに、なんとかラストシーンまでたどり着きたい(たどり着けるといいな)

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『レベッカ』通信

11月6日(火)

 2幕5場、6場、7場を作る。

 5場はマンダレイの「廊下」。
 この場面にあるミュージカル・ナンバーは「新しいミセス・ド・ウィンター(リプライズ)」。桜木さんが驚異的なスピードでステージング……している途中で演出家から注文が入り、一気呵成ではなくなる。

 6場は「モーニング・ルーム」。
 ここにはミュージカル・ナンバー「それは私よ」があり、“それ”とは何か、“私”とは誰かが気になるところであるが、ここでは触れない。

 そして7場は「裁判所」。ミュージカル・ナンバーは「審問会」。

 触れたいが触れない。

 モーニング・ルームは、マンダレイの奥様(ミセス・ド・ウィンター)が、手紙を書いたり電話をかけたりして午前中を過ごすためだけの部屋である。

 と言うことは、ハイヌーン・ルームやレイトナイト・ルームもある――と言うことなのか?

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『レベッカ』通信

11月5日(月)

 2幕2場、3場ab、4場を作る。

 2場は(コーンウォールの!)「海岸」である。
 ここは大勢の人物が登場する場面。ミュージカル・ナンバーは「流れ着いたもの」があり、桜木さんが驚異的なスピードで一気呵成にステージング。

 3場aは再び「ボートハウス」。連続する3場bは「告白」である。
 ……あれ? なぜ3場bは「告白」なのだろうか? 他の場面は「なんとかルーム」や「なになに部屋」のように“場所”なのに……?

 それはともかく、ストーリー上、ここは極めて重要なことが語られる場面である。登場人物は3場aの冒頭にベンがちょこっと姿を見せる以外は「わたし」とマキシムの2人きりである。
 稽古では、3人の「わたし」が“この場面で起こっていること”や“表現しなければならないこと”をしっかりとキャッチできるように、 いつも以上に時間をかけてじっくりと確認。
 「ほとんど1人で歌っている」「×(かける)3」のマキシム様、どうぞお疲れが出ませんように。

 そして4場は「ブレックファスト・ルーム」。
 ここには「わたし」とベアトリスのナンバー「女は強くなる」がある。これは、ウィーンではとても人気のあるナンバーであるらしい。

 ブレックファスト(朝食)のルームがあると言うことは、マンダレイにはランチ・ルームやアフタヌーンティ・ルームもある――と言うことなのか?

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『レベッカ』通信

11月4日(日)

 私のパソコンは、ロック画面に日替わりで“風景”や“生き物”などの写真がランダムに表示される設定になっている。
 パソコンを立ち上げて、心臓が口から飛び出るかと思うほど驚いた。ディスプレイに映し出されたのが、レベッカがヨットの事故で命を落とした“コーンウォールの海岸”だったからである。

 それはともかく、1幕11場(コーンウォールの海岸!)と12場をおさらい。おさらいの後、2幕の立ち稽古に入る。

 今日、新たに手を着けたのは2幕1場a、1場b、1場c。

 1場aはマンダレイの「廊下」で、1場bは「レベッカの寝室」、1場cは「窓辺」で、abcで連続したひとつの場面となっている。
 1場aには「わたし」のナンバー「あれもこれも」があり、1場bにはミセス・ダンヴァースと「わたし」の「レベッカ Ⅲ」が、そして1場cにはミセス・ダンヴァースの「ほんの一歩で」がある。

 今日は少人数の稽古場だった。

 1幕11場に登場するのは「わたし」とマキシムとベンの3人だけだし、12場も「わたし」とフランクと執事のフリス(朝隈濯朗さん)の、やはり3人である。
 2幕1場に至っては「わたし」とミセス・ダンヴァースしか登場しない。が、「わたし」は3人、ミセス・ダンヴァースは2人いるので、今日の稽古中では一番賑やかだったのだが。

 明日は一転、大勢の人物が登場する場面から。(あ、その後は少人数だ……)

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11月2日(金)

 まず1幕13場~15場をおさらい。その後、1幕4場~10場をおさらい。

 演出助手の末永さんが、おさらいの中にシレッと15場を入れてきた。危ない危ない。15場は、まだ手を着けていない場面=1幕のラスト・シーンである。どんな場面なのか……には、ここでは触れない。

 今回の『レベッカ』では、マンダレイで「わたし」を迎える側の人々の様子も、今まで以上にしっかりと描きたいと思っている。昨日の記事でも触れたことだが、『レベッカ』では、主人公を取り囲む人々の態度とその変化こそがストーリーだからである。

 2人のミセス・ダンヴァースは、その持ち味や、そこから受ける印象が結構異なる。
 涼風ダンヴァースも保坂ダンヴァースも、現時点ではまだ芝居を固めずに様々な演じ方を試している。その結果、見えてくるものも毎回違うので、そのどれをチョイスするべきなのか、そこが大いに悩ましい。

 もう少し悩みます。

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『レベッカ』通信

11月1日(木)

 昨日までの稽古場から新しい稽古場へ引越し。

 演出部の皆さんが、稽古を休みにすることなく引越しを済ませてくれた。ここは、10年前『レベッカ』の初演を稽古した思い出深い場所である。

 で、プロローグから1幕3場までをおさらい。

 先々にどのような出来事が待ち受けているのか、それをどのように表現するのか、それらが分かったところでもう一度物語の発端に戻り、芝居を確認し修正をかける。

 桜木さんによって手を入れられて、プロローグは更にいい感じになった。1場では、ミセス・ヴァン・ホッパーがスピーディな展開に悪戦苦闘している。「わたし」たちは、それぞれに新しいやり方をお試し中。

 『レベッカ』では、アンサンブルさんたちも重要な役割を担っている。

 「劇中で起きていること」の印象は、主人公を取り囲む人々の反応や態度によって大きく変わる。観客は、周囲の人々(アンサンブルさんたち)の様子から、無意識にストーリーを感じ取っているのである。
 アンサンブルの皆さんは、物語の発端ではモンテカルロのリゾート客たちを演じ、舞台がマンダレイに移ってからは屋敷の使用人たち、更にはイギリスの上流階級の人びと、そしてマンダレイの領民たち……などを演じることになる。
 彼らの表情や仕草のひとつひとつが、観客に「主人公に起きていること」を届けるのである。

 明日もおさらい。

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『レベッカ』通信

10月31日(水)

 今日は2つの稽古場に分かれて稽古。

 広い稽古場では「今宵 マンダレイで」と「アメリカン・ウーマン」のブラッシュ・アップ。狭い方では1幕11場と12場を作る。広い方は桜木さんの担当で、私は狭い方の担当。

 1幕11場は「ボートハウス」。
 マンダレイの小さな入り江を臨む海岸にひっそりと佇む、人気(ひとけ)のないボートハウス。その近くで、“ベン”と名乗る男(tekkanさん)が貝殻を集めていた……。

 1幕12場は「クロウリーのオフィス」。
 マンダレイの管理人=フランク・クロウリーの仕事場である。そこは、彼らの雇い主たち(マキシムやレベッカやベアトリスやジャイルズ……)が顔を出すような場所ではない。そこへひょっこりと現れたのは……。

 その後、広い稽古場に戻って1幕14場を作る。

 1幕14場は「化粧部屋」。
 13場に続く、仮装舞踏会当日の場面である。舞踏会の主催者である「わたし」がどんな“仮装”に身を包んで現れるのか。それは招待客たちはだけでなく、マキシムにも伏せられていた。
 化粧部屋では「わたし」がメイドのクラリスの手を借りて支度の真っ最中。お披露目の時間は刻一刻と迫って……。ここで歌われるのは「夢の主役」である。

 今回、改めて台本を読み返してみて、8年前とは違った“読み方”ができる部分が少なからず存在することに気づく。8年前を共に過ごしたキャストたちの“読み方”も、8年前と現在とでは異なるだろう。
 そして今回から参加する皆さんの“新鮮な”読み方。それらが合わさって、きっと『レベッカ』は生まれ変わるに違いない。

 立ち稽古開始から10日余り。既に1幕のほとんどに手を付けた。そしてつくづく感じるのは……

 『レベッカ』は本当に面白い。

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『レベッカ』通信

10月30日(火)

 午前中は舞台美術の打ち合わせ。

 美術の松生さん、照明の成瀬さん、舞台監督の佐藤さん、演出助手の末永さん、そして演出部の皆さんと。大道具の発注が迫っているので、前回の打ち合わせ後に出た変更点を確認。

 稽古では1幕13場「マンダレイのメインホール」を作る。

 待ちに待った仮装舞踏会の当日である。着飾ったゲストたちが次々と到着する。その中には、ニューヨークからはるばる駆けつけた“あの人”の姿もあった……。

 ここには2つのミュージカル・ナンバーがある。「今宵 マンダレイで」と「アメリカン・ウーマン」である。
 ステージングの桜木さんは、連日の新しいナンバーのステージングに少しも臆することなく、手際よく鮮やかにナンバーを形にして行く。その手腕は“見事”と言うほかはない。

 明日の稽古メニューにも新しいナンバーが……。

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『レベッカ』通信

10月29日(月)

 立ち稽古。1幕8場と10場を作る。

 1幕8場は「ベアトリスの家」。

 原作の小説によれば、マキシムの姉=ベアトリスとマキシムとの間には、それほど頻繁に交流はないようだ。彼女(と、その夫=ジャイルズ)の住む家はマンダレイから50マイル(80Kmくらい)ほど離れている――とも書かれている。
 そのベアトリスに、マンダレイの「わたし」から電話がかかってきた……。

 10場は「ゴルフクラブ」。

 英国の上流階級の紳士淑女がゴルフに興じている。クラブの名前は“ケリス・カントリー・クラブ”。ケリス(Kerris)は、イギリスの西コーンウォール地方に実在する土地である。マンダレイの最寄りの街がケリス――と言う設定が原作にはある。
 紳士淑女の話題の中心は、近々マンダレイで開催される“仮装舞踏会”である。レベッカの存命中、マンダレイでは毎年のように仮装舞踏会が開かれ、ヨーロッパ中から大勢のセレブリティが集まった。
 その大イベントが、いま再びマンダレイで開かれようとしている……。

 8場にはベアトリスの歌うナンバー「何を悩む」があり、10場にはジュリアン大佐(今拓哉さん)、ジャイルズ、そして紳士淑女たちのナンバー「ブリティッシュ・クラブ」がある。

 さて。

 稽古は、今のところ至って順調である。なぜそう思うかと言うと、演出助手の末永さんに「順調だよね?」と尋ねたら「まあ、そうですね」的なことを答えてくれたからである。

 手ごたえは悪くない(と思う)

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『レベッカ』通信

10月27日(土)

 立ち稽古。1幕4場、5場をおさらい。そして6場、7場、9場を作る。

 1幕6場は「書斎」。
 「わたし」は、マンダレイの書斎でマキシムとチェスの対戦中。そこへ……。

 続く7場は「東館のスイートと書斎」。
 東館のスイートは「わたし」の寝室として用意された部屋である。その夜「わたし」は……。

 そして9場は「レベッカの寝室」。

 「わたし」やマキシムの居室が設えられているのは、マンダレイの館の東館である。が、レベッカの寝室は、それらとは反対側の建物=西館にある。
 レベッカの死後、海に面した西館は使われることが無くなり、立ち入る者もいなくなった。その寝室から誰かの話し声が聞こえる。「わたし」がその声に引き寄せられるように寝室まで来てみると……。

 ミュージカル・ナンバーは、6場には「わたし」とマキシムの「君は幸せか?」があり、7場には同じ2人の「こんな夜こそ」がある。9場にはミセス・ダンヴァースとジャック・ファベル(吉野圭吾さん)の「愛されていただけ」と、もう1曲、ミセス・ダンヴァースの歌う「レベッカ Ⅰ」(!)がある。

 『レベッカ』はミュージカルであるが、ミュージカルとしての面白さだけでなく、ドラマとしての面白さを、同等かそれ以上に感じる。稽古していても、まるでストレートプレイの稽古場のようになる瞬間が少なからずある。
 近年はストレート・プレイを手掛けることは滅多にないのだが、『レベッカ』の稽古場にいると、そうでもないような気がしてくる。

 このキャスト&スタッフでの芝居作りは本当に楽しい。

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『レベッカ』通信

10月26日(金)

 立ち稽古。1幕4場、そして5場。

 1幕4場は「マンダレイの玄関ホール」。

 マキシムと結婚した「わたし」は、「ミセス・ド・ウィンター」としてマンダレイにやってきた。
 マンダレイでは多くの使用人たちが2人を出迎えた。マンダレイの地所を管理するフランク・クロウリー(石川禅さん)や女中頭のミセス・ダンヴァース(涼風真世さん/保坂知寿さん)……などである。
 3場までの舞台だったモンテカルロと異なり、マンダレイにはまばゆい日差しも無ければ、ミセス・ヴァン・ホッパーのような騒々しいキャラクターも登場しない。代わりにあるのは、じっとりと湿った重たい霧と、屋敷中に染みついた先妻レベッカの記憶である……。 

 1幕5場は「モーニング・ルーム」。

 マキシムは、マンダレイに戻ればやはり何かと忙しい。ひとりで時間を持て余した「わたし」は、迷宮のようなマンダレイの屋敷内を歩いているうちに、ある部屋に迷い込んだ。モーニング・ルームである。
 モーニング・ルームで「わたし」はミセス・ダンヴァースと出くわす。ミセス・ダンヴァースは「わたし」に、その部屋の色々なことを教えてくれる……。

 1幕4場にはミュージカル・ナンバー「新しいミセス・ド・ウィンター」があり、5場には「何者にも負けない」と「親愛なる親戚!」がある。今日はその3曲もステージング。

 「新しい……」は、マンダレイの召使やメイドたちが「今度の奥様はどんなだろう」と期待半分、不安半分で歌うナンバーで、「何者にも……」は、ミセス・ダンヴァースのナンバー、「親愛なる……」は、マキシムの姉であるベアトリス(出雲綾さん)とその夫ジャイルズ(KENTAROさん)、そして「わたし」の3人のナンバーである。

 今日はステージングの桜木さんが大活躍。桜木さん、お疲れ様でした。

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『レベッカ』通信

10月25日(木)

 1幕1場、2場a、2場b、3場をおさらい。

 主人公の「わたし」がモンテカルロでマキシム・ド・ウィンターと出会い、マキシムに恋心を抱き、マキシムからプロポーズされるところまで物語は進んだ。モンテカルロ編はこれで終了、4場からはイギリス編に突入する。

 3人の「わたし」は、少しずつ、それぞれの個性を見せ始めた。

 トリプル・キャストではあるが、物語の解釈や演出を変えているわけではないので、3人の「わたし」がやっていることは基本的には一緒である。
 が、一挙一動を指定してはいないし、そもそも「わたし」が感じていることの“リアリティ”みたいな部分は“俳優の中にあるもの”からすくい上げられるので、結果として“見えてくるもの”にはキャストの個性がにじむことになる。

 過去の上演では、「わたし」は大塚さんが1人で演じていたので、この“違い”は私には新鮮であった。そして、とても興味深く、面白い。

 明日はいよいよ“マンダレイ”へ。目に見えない恐怖の始まりである。

 稽古後、衣裳打ち合わせ。未確定だった幾つかのデザインと、作業の進捗状況を確認。

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『レベッカ』通信

10月24日(水)

 立ち稽古。1幕2場a、2場b、そして3場を作る。

 2場aは「モンテカルロのホテルのテラス」。ここは朝食の会場で、1場の翌朝である。テラスにマキシムが現れると、宿泊客や従業員はヒソヒソとうわさ話を始める。そこに「わたし」がやって来て……。
 2場bは「モンテカルロの断崖の上」。地中海を一望する、“それこそ、息をのむような”景色の場所である。マキシムに連れ出されて、「わたし」はここに来たのだが……。

 2場aにあるミュージカル・ナンバーは「その名はレベッカ」。“うわさ話”のナンバーである。
 立ち稽古の前半では、このナンバーをステージング。大勢の登場人物が“入れ代わり立ち代わり”歌い継いで行くスタイルのナンバーなので、形になるまでに、やはりそれなりの時間を費やす。

 ナンバーのステージングにひと区切りついたところで2場aのドラマ部分を作る。ドラマ部分と「その名はレベッカ」を合体して、2場aはようやく完成である。

 続いて2場b。2場bにも“うわさ話”があるので、それとドラマを別々に作リ、その後、ドッキング。わずか1分ほどの場面なのだが、こちらもそれなりに時間を費やす。
 ここまでで宿泊客と従業員はお疲れさま。あとはマキシムと「わたし」に残ってもらい、2場bの後半と、更に3場を稽古。

 2場bの後半にはマキシムのナンバー「幸せの風景」があり、3場には「わたし」のナンバー「永遠の瞬間」がある。どちらもシンプルな内容のシンプルなナンバーなので、ステージングにも大して時間はかからない。
 その代り、どちらのナンバーにも「わたし」が登場しているので、稽古回数は×(かける)トリプル・キャスト分と言うことになる。

 自分の番になるまで辛抱強く待っていた「わたし」の皆さん、そして3人の「わたし」にお付き合いくださった山口さん、お疲れさまでした。

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『レベッカ』通信

10月23日(火)

 歌入り読み合わせ。

 幕開きからラストシーンまで、ミュージカル・ナンバーを含めて全編を読んで(そして歌って)みる。
 ダブルキャスト、トリプルキャストになっているキャラクターはリレー形式で。「わたし」は桜井さん、平野さん、大塚さんとリレーして読み、ミセス・ダンヴァースは涼風さんから保坂さんへとリレー。本公演ではありえない豪華リレーである。

 今回の上演(新演出)に当たって、台詞は言い回しを少し調整した。楽曲も何か所かでサイズを変更している。ミヒャエル・クンツェさんが新たに歌詞を書き下ろしてくださったナンバーもある(“新曲”ではないが“新歌詞”である)。当然、竜真知子さんが新たな訳詞を書いてくださった。

 全編を読み終えた所で「このミステリーにどのように取り組むのか」と言った方針を述べる。今回は、クリエ初演版や帝劇再演版以上に、ミステリーとしての輪郭をくっきりと出したい。

 読み合わせの後、立ち稽古。プロローグを作る。
 ステージングの桜木さんが“夢のような”シークェンスをクリエイトしてくれる。

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『レベッカ』通信

10月22日(月)

 立ち稽古に入る。

 立ち稽古初日の今日は、1幕1場「モンテカルロのホテルのロビー」に手を着ける。

 モンテカルロは、F1グランプリやカジノで有名なモナコ公国の中心的な市街地である。
 1幕1場は、風光明媚なリゾート地=モンテカルロに建つ高級ホテルのロビーで、主人公の「わたし」が英国貴族=マキシムと運命的な出会いをすることになる場面である。

 この場面は、ストーリー的には決して複雑な場面ではない。主要な登場人物は「わたし」(大塚千弘さん、平野綾さん、桜井玲香さん)と、マキシム(山口祐一郎さん)と、「わたし」の雇い主であるミセス・ヴァン・ホッパー(森公美子さん)の3人だけである。
 にもかかわらず、このワン・シーンをひと通り段取るだけで、思いの外時間がかかってしまった。

 ホテルのロビーのような、“不特定多数が常時通行している”場面では、行き交う宿泊客やホテル・スタッフを、物語と連動させて効果的に動かしたい。しかし、その“連動”と“効果的に”の実現には殊の外時間が必要なのである。
 それに加えて「わたし」がトリプル・キャストである。5分半ほどの場面を処理するのに、今日は5時間近くを費やしてしまった。

 こういう場面をもっと手際よく作れる人になりたいなあ(あれ? デジャヴ? 以前にもこんなブログを書いたような……?)

 『レベッカ』には、この場面の前にもう1シーン=プロローグがあるのだが、それは明日のメニュー。1幕1場の稽古の後は、コーラスの確認とおさらい。

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2019年のアニー決定!

10月21日(日)

 丸美屋食品ミュージカル『アニー』の、2019年のアニーと孤児たちを選ぶオーディションの最終日。

 午前中は3つのグループに分かれてワークショップ審査。
 その場で次々と出される課題に対してどう対処するか? つまり、“予習してきたこと”や“対策を立ててきたこと”ではない部分を問う審査である。昨日までの審査では見えていなかったひとりひとりの素顔が見えてくる。ここでまた少し人数が絞られる。

 午後は演技の審査。
 これが最後の審査である。年齢で分けられたいくつかのグループごとにそれぞれ課題が渡されていて、その課題を1人ずつ見せてもらう。全ての審査を終えたのは17時に設定された結果発表の1時間前であった。

 ここからは時間との戦いである。様々な可能性が検討され、何度も何度もリストの名前を入れ替えて、合格者を選び終えたのは結果発表の15分前であった。
 すぐさま私が読み上げる“リスト”が作成され、間違いの無いようにいま一度名前を読み上げて確認し、私たちが結果発表の会場に滑り込んだのは17時3分前であった。

 結果発表の様子が早くも公式サイトにUPされている(それはこちら)。
 そして、ネット上で既に記事にしてくださっているメディアも(こちらこちらこちらなど。順不同です)。素早い、そして暖かい記事をありがとうございます。

 さて。

 この建物で『アニー』のオーディションと結果発表が行われるのも今回が最後となる。長年親しまれてきたこの建物は来春には取り壊されることが決まっているのである。2020年のアニーたちを選ぶのは、きっと新しい建物のはずである。

 オーディションに参加してくださった全員とご家族の皆様に、この場を借りて感謝いたします。ありがとうございました!

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『アニー』オーディション

10月20日(土)

 丸美屋食品ミュージカルアニー。その2019年の公演の“アニー役”と“孤児役”のオーディションが現在進行中。

 『アニー』は、毎年ゴールデンウィークの前後に東京公演が、夏休みに大阪や名古屋など4都市でツアー公演が行われている。
 主人公のアニーは孤児で、アニーと孤児院の仲間である孤児たちは、台本では“6歳から13歳”と設定されている。なので、毎年、それに相応しい年齢の子供たちをオーディションして配役するのが長年の習わしになっているのである。
 そのオーディションに密着した特別番組も毎年春に(全国ネットではないのだが)放送されている。ご覧になったことのある方も少なくないだろう。もちろん、今回のオーディションにもカメラが入っている。

 そのオーディションであるが、まず“応募書類”と“課題曲「Tomorrow」を歌った動画”を送っていただく1次審査がある。そこである程度人数が絞られ、合格者は2次審査に進むことになる。
 2次審査は都内のオーディション会場に足を運んでいただき、課題曲を審査員の前で歌っていただく形で行われる。この2次審査が先週の土曜日と日曜日で行われ、ここでまた人数が絞られた。
 そして今日と明日で最終審査が行われている。

 1日目である今日は、課題曲の歌審査からスタート。ここで更に人数が絞られ、合格者はダンス審査に進む。ダンス審査で更にまた人数が絞られ、合格者は2日目に進む。
 最終日でもある明日はワークショップ審査と演技の審査。そして、ようやく2019年のアニーと孤児が決定する。

 今日のオーディションに参加してくれた皆さん、本当にありがとうございました。全員が光り輝いていました。

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『レベッカ』通信

10月19日(金)

 歌稽古。

 今まで個別に稽古していた3人の「わたし」が一堂に会する。そのほかの人々――2人のミセス・ダンヴァースやジャック・ファベル、ベアトリス&ジャイルズ夫妻、ジュリアン大佐、ベン――も合流である。

 今までは割愛していた“ミュージカル・ナンバー中(や、その前後)にある台詞”も、今日は割愛せずに。歌の確認だけでなく、登場人物の心理状態やどんなキャラクターなのか……と言った部分にも言及。“芝居の稽古”に少しずつ近づいて行く。

 稽古ピアノに大ベテランの國井雅美さんも参戦。音楽スタッフが一層充実。10月13日のブログで触れた中條さんは、今回は「音楽監督助手」のクレジットでの参加になる模様。
 そして、「おもろい女」終演後のシアタークリエの舞台をお借りしての照明機材のテストや、本番用小道具の打ち合わせ……などなども。

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『レベッカ』通信

10月18日(木)

 歌稽古。平野さん、コーラス稽古、コーラス稽古の後、tekkanさん。

 歌稽古も最終段階に近づいてきた。なので、コーラス稽古の際、1曲ごとにそのナンバーの狙いや物語としての注意点……などを語る。音楽としての精度に加えて、ドラマとしての精度にも気を配る段階に来た、ということである。

 稽古場には稽古用の仮小道具が運び込まれた。歌稽古終了後、近づいてきた立ち稽古にそなえて、舞台の使い方や道具の飾り方をシミュレーションする。
 遅くまで付き合ってくださった演出部の皆さん、ありがとうございました。

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