『アニー』通信

2月14日(火)

 ブロードウェイ・ミュージカルアニーの上演準備が進行している。

 先週末には“サンディ”の打ち合わせがあった。

 “サンディ”は『アニー』に登場する野良犬の名前である。野犬刈りで捕まりそうになったところをアニーの機転に救われ、アニーとの間に友情(?)が芽生える(のだと思う)。
 そのサンディを、今回の『アニー』では“どのように”していくか。サンディを担当してくださる方と意見交換(ちょっと“ぼかして”記しているが、具体的に書いてしまうと何だか夢が無くなる様な気がするので……)。

 昨日は衣裳デザインの打ち合わせ。

 振付の広崎うらんさんにも参加してもらって、衣裳デザイナーの朝月真次郎さんと、衣裳全体をどう考え、どう組み立てるか、意見交換。
 1933年と言う『アニー』の時代設定と、キャラクターの背景と変化(つまりストーリー)を大切にした衣裳になりたい。そのためには……?
 朝月さんは既に実作業に入っており、生地を集めたり、染めたり、パターンを起こしたり……されているらしい。今度の『アニー』は衣裳も見どころのひとつになるだろう。

 そして今日は舞台美術の打ち合わせ。

 美術デザイナーの二村周作さん、照明デザイナーの高見和義さん、舞台監督の小林清隆さん・やまだてるおさんと、場面毎のデザイン、使い勝手、転換の手法などなど、稽古に入るために必要となる部分を詰める。

 新生『アニー』では、ドラマも舞台転換もスピード感あふれる物にしたい。

 そうなりますように。

| | コメント (0)

大千穐楽 『シスター・アクト』通信

2月11日(土)

 全国ツアーを行っていたミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が、まつもと市民芸術館 主ホールで、遂に千穐楽を迎えた。

 キャスト、オーケストラ、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。そして、ご観劇くださった皆さん、ツアーを支えてくださった皆さん、本当にありがとうございました。
 残念ながら私は東京だったので千穐楽には立ち会っていない。と言うより、1月8日に博多座で観たのが最後である。なので、誰よりも私自身が重度の“『シスアク』ロス”である。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』は“観る者に希望と勇気を与えてくれるミュージカル”だと私は思っている。そしてそれは、“劇場の役割”の中で最も大切なことだと私は考える。その1点だけでも、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が繰り返し上演されるべき理由となるだろう。

 果たして次があるのかどうか……今は何もわからない。が、「あって欲しい」と切実に、心から、神掛けて、願っている。(それまでは『クリエ・ミュージカル・コレクションⅢ』へどうぞ。瀬奈デロリスに会えます)

| | コメント (0)

初日 『クリコレⅢ』通信

2月9日(木)

 『クリエ・ミュージカル・コレクションⅢ』の初日が無事に幕を下ろした。感慨無量である。

 『クリコレ』シリーズ初日の劇場は他のどの公演の初日とも違っていて、毎回とても落ち着いている。キャストもスタッフも丹念に準備を重ねてきた証しだと思う。
 今日も全体での返し稽古や各セクションの修正作業は行われたが、誰かがバタバタしている、と言うようなことはなかった。

 初日恒例の「お祓(はら)い」を開演の2時間前に済ませると、演出家にはもうすることが何もない。お弁当を頂いたら、後はただ“その時”を待つだけである。

 『クリコレ』初日の「開演前の客席」の雰囲気は独特である。
 “高揚感”と“緊張感”が半分半分……とでも言おうか、「これから見たり聞いたりする“もの”」へのお客様の期待と不安が、同じくらいでせめぎ合っているのだと思う。

 私自身は、高揚感よりも緊張感の方がはるかに強い。果たしてお客様は私たちのショーを気に入ってくださるだろうか。その緊張感は、カーテン・コールが終わり、緞帳が降ろされ、お客様が客席を去られる時まで続く。
 どの初日でもそうである。『クリコレⅠ』の時も『Ⅱ』の時もそうだった。が、今日のそれは“いつも以上”であった。

 終演後、楽屋を出る時にすれ違った山口祐一郎さんは、ニヤリとされて「台本に書いてある通りになりましたね」とおっしゃった。

 そうであったのならば本当に嬉しい。

 これで『クリコレⅢ』通信はおしまいである。ご愛読ありがとうございました。次は『アニー』通信。程なく始まります。

 『クリエ・ミュージカル・コレクションⅢ』は3月5日まで。どうぞ、お見逃しのありませんように!

| | コメント (2)

『クリコレⅢ』通信

2月8日(水)

 舞台稽古2日目。

 今日も稽古前に若干の修正作業。舞台稽古は午後イチから、昨日の続き。メニューを順調に消化し、大休憩の後、ゲネプロ。“日直”からカーテン・コールまで、ミュージカル好きの私にとっては“ため息の出るような場面ばかりが続く”2時間30分(くらい)であった。

 ゲネプロ終了後は全体で確認。とても良い仕上がりのゲネプロではあったのだが、更なる完成度を目指して、明日の開演前に舞台で何曲か当たることに。

 さて。

 明日の東京地方、予報では雨やミゾレになるらしい。お出かけのご予定のある方はどうぞご注意くださいませ。

 コレクションした人にとって“その曲”は、様々な想いの詰まった“特別な曲”である。ひとりひとりの“特別な曲”を集めたショー『クリエ・ミュージカル・コレクションⅢ』

 開幕は明日。

| | コメント (2)

『クリコレⅢ』短信

2月7日(火)

 舞台稽古1日目。

 稽古の前に、午前中は照明デザインの続きとオーケストラ&音響チームのサウンド・チェック。午後イチで舞台稽古。幕開きの“日直”さんより2幕の真ん中辺りまで“場当たり”と“オケ付きで”を重ねる。舞台稽古終了後は大道具と電飾の直し。作業にお付き合いくださった皆さんに心より感謝。

 今日のブログは素っ気なくてすみません。

| | コメント (1)

『クリコレⅢ』通信

2月6日(月)

 稽古は無し。朝から1日、照明のデザイン。

 照明デザイナーの柏倉淳一さんが、様々な照明機材を駆使して36曲分の照明デザインを次々と生み出して行く。
 並行して音響チームのセッティングや調整、オーケストラのシーティング、楽屋周りでは衣裳チームとヘアメイク・チームの準備……など、明日からの舞台稽古に備えた作業が各所で行われている。美術デザイナーの松井るみさんは、明日初日を迎える日生劇場とシアタークリエを行ったり来たりしながら(ご近所で良かった)、大道具スタッフにあれこれ指示を出している。

 ……と言う訳で、明日は舞台稽古。その前に、まだやることが。

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

2月5日(日)

 稽古場最終日。

 2回目のオケ付き通し稽古である。
 日直は瀬奈さん。瀬奈さんは相変わらずトークがお上手である。続く“本編”は、昨日の通し稽古で取りこぼした幾つかのことが首尾よく回収されて、とてもいい仕上がりであった。皆さん“さすが”としか言いようがない。

 稽古後はシアタークリエへ。昨日千穐楽を迎えた『お気に召すまま』と入れかわりに、我々の仕込み作業が始まっている。いつもの様に道具のタッパを決め、照明のフォーカス作業。そして夜少し遅い時刻から照明デザイン、スタート。

 近ごろ夜の作業にはめっきり弱くなった。なので……おやすみなさい。ZZzzzz...

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

2月4日(土)

 オケ合わせ2日目。

 まず、昨日の続き。残っている1/3ほどの楽曲を当たる。全曲を当たり終えたところで大休憩。歌唱指導の山口正義さんが作ってきてくださった“美味しいもの”を全員でご馳走になる。

 満ち足りた気持ちになったところでオケ付き通し稽古。今日の“日直”は大塚千弘さんである。
 そのオープニングから最後の幕が下りるまで、『クリコレ』のすべての瞬間には「ミュージカルを見る喜び」と「幸せ」が満ちている。『クリコレ』に集まった人々は、全員がミュージカルの申し子なのだと思う。

 通し稽古終了後は全体で確認。演出家からのダメ出しは何もない。

 ところで、初日が近づくと、稽古場や劇場の様子などをFacebookに書きこむことがある。思いついた時にしていることなので必ず書き込むとは限らないのだが、ご興味がある方は覗いてみてください(山田のFacebookはこちら)。

 そしてもう一点、『クリコレⅢ』の上演時間であるが、幕間休憩20分を含めて、全体では2時間20分~30分……前後になるものと思われる(不確定要素も無くはないので、終演後のご予定は余裕をもってお組みくださいますように)。

 さて。

 明日は稽古場最終日。シアタークリエでは仕込み作業が始まる。

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

2月3日(金)

 オケ合わせ1日目。

 『クリコレ』で嬉しいのは、オーケストラが稽古場にやって来ても居場所がなくならないことである。
 『クリコレⅢ』のオーケストラは12名編成。メンバー全員がオン・ステージなので、いつもなら場所を明け渡さなければならない我々スタッフも、そうしないで済むのである。昨日までオーケストラのスペースでのびのびと過ごしていたアンサンブルの皆さんが路頭に迷ってはいるが。

 オケ合わせは台本順に1曲ずつ、確認と調整を丁寧に。
 音楽監督の八幡茂さんが、『Ⅰ』『Ⅱ』に続いて今回も素敵な編曲を施してくださった。指揮は『Ⅰ』も振ってくださった若林裕治さんである。今日は全35+1曲のうち、2/3ほどの楽曲を合わせて終了。続きはまた明日である。

 このブログでも何度となく記しているので「またか」とお思いの方も大勢いらっしゃるだろうが、オーケストラと初めて合わせる日が芝居作りの全行程の中で最もワクワクする日である。すなわち、今日である。
 キャストの皆さんも全員が絶好調(当社比)で、明日の“オケ付き通し”が待ちきれない!

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

2月2日(木)

 ピアノ(粗くない)通し。

 昨日“粗かった”色々な部分が整理・消化され、格段に洗練された良い通し稽古であった。
 キャストの皆さんは口々に「緊張する」とおっしゃっているが、昨日よりも遥かに楽しそうに見えた。この顔触れが楽しそうに歌っている(或いは踊っている)姿を見て嬉しくならないミュージカル・ファンはいないだろう。

 明日から3日間はオーケストラとの稽古になる。それが済むといよいよ劇場入り。初日は1週間後である。

 『クリコレⅢ』に登場する25作品にはブロードウェイ・ミュージカルもあればロンドン発の作品もある。ウィーン生まれのミュージカルももちろんあるし、それ以外の物もある。
 そのうち山口祐一郎さんが出演された作品は11本。ただし、それらの作品からのナンバーを山口さんが歌う……とは限らないのだが。

 今回の“ダンス”は“あの”ダンス。

| | コメント (3)

『クリコレⅢ』通信

2月1日(水)

 粗(あら)通し。

 “粗”と付いているからと言って“粗くやること”を目的にしている訳ではない。「“多少大雑把になってもいいから、とにかく通してみましょうよ。怒らないから”通し」くらいに思っていただければ、まあ当らずとも遠からずだろう。

 それはともかく、全編が繋がってみると、とにかく楽しくて、見応えも聞き応えもあって、時々ウルウルして、ちょっと得した気分にもなるゴージャスなショーになっている。まだまだ粗いことは粗いのだが、それは残りの稽古期間が解消してくれるだろう。
 一番心配していたのは“上演時間がどの程度になるか”だったのだが、どうやら3時間近くになってしまうことは避けられそうである。ただし“日直当番さんの話が異常に盛り上がった場合”はその限りではない。

 粗通し終了後はダメ出し……と言うか確認。そして抜き稽古。明日の“粗くない通し”に備える。

 『クリコレⅢ』で取り上げるミュージカル・ナンバーは、“1963年初演のミュージカル”から“現在上演中のミュージカル”まで、多彩な25作品から選ばれている。

 “地獄”も“天国”もあります。

| | コメント (0)

訃報 藤村俊二さん

 藤村俊二さんが亡くなった。

 藤村さんとご一緒したのは、ジャン・クロード・カリエール/作のコメディ『ラ・テラス』(2001年、PARCO劇場・他)の時である。このフランス産のシニカルな“コント風”コメディで、藤村さんは“若い夫人を連れた老大佐”という不思議な役を演じてくださった。
 藤村さんの信条は“独特のユーモア”と“軽やかさ”にあったと思うのだが、当時70歳に近かった藤村さんは(我々の心配をよそに)舞台でも跳ねたり転んだり、芸風同様に身体も実に軽やかでいらした。
 若い頃、日劇(=日本劇場。“有楽町マリオン”のある場所に建っていた)ダンシング・チームにいらした経歴を知れば、それも当然と思えるのだが。

 藤村さんのニックネームは「おひょい」と言った。
 「なんで“おひょい”なんですか?」とご本人にお聞きしたことがある。我慢するのが嫌いで、気に入らないことがあると現場から“ひょいっ”といなくなってしまう癖があるからだ、と、おひょいさんは飄々とおっしゃった。

 『ラ・テラス』でご一緒する数年前のことである。私が演出する“ある新作ミュージカル”に藤村さんがキャスティングされたことがあった。が、藤村さんの出演は実現しなかった。

 “ひょいっ”といなくなってしまわれたのである。

 合掌。

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

1月31日(火)

 今まで稽古は大変“おおらかな”ペースで進んで来た。が、ここに来ていきなり「今日・明日で全場面を当たれ」。しかも「明日は粗通しもやれ」と言う。

 でも、それはそのはずである。気が付けば稽古場で過ごせるのもあと僅か。別スタジオではオーケストラ・リハーサルも始まった。なので……。

 幕開きより順番に全曲=全場面を当たる。

 全35曲+1曲=36曲を1曲ずつ順番に、おさらい、思い出し、或いは新規にステージング……しながら整理と確認。まだ1曲ずつで繋げてみたわけではないが、『Ⅰ』『Ⅱ』にも劣らない、充実した楽しいショーになっている、と思う。
 そして、照明デザイナーの柏倉淳一さんが稽古場に登場。いつも記しているように、照明デザイナーが稽古場に現れたら稽古も最終段階である。

 今日はカンパニー一同、大いに頑張った。「今日・明日で」と言われたところを、「今日1日で」全場面当たり終えたのである。
 なので、明日の稽古は「粗通し」ではなくて「粗通しから」になった。開始時刻もちょっぴりゆっくりになった。

 明日は通すぞォ!!

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

1月29日(日)

 「闇が広がる」、「私が踊る時」、「大勢のナンバー」、「デュエット・ナンバー」をステージング。

 稽古中はキリのよいところで短い休憩が入る。と、すかさず誰かがおさらいを始める。
 歌の確認だったり動線や振りの思い出しだったり、単独だったり単独で始まったのがいつの間にか大人数になったり……、その内容は様々であるが、休憩時間が休憩だったためしは殆んどない。
 連日“発表されている稽古メニュー以上に稽古が行われている”みたいなことになっているのだが、稽古終了後は稽古終了後で誰かが自主稽古を始める。稽古の量は更に増える。

 ……まるで部活。

 稽古と並行して今日は衣裳合わせも。どんな衣裳が選ばれた……かな?

 さて。

 博多座の『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が、昨日無事に千穐楽を迎えた。
 ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。あとは浜松(2月3日、4日)と長野(2月10日、11日)を残すのみとなった。

 『シス・アク』ロスの皆さん……どうぞシアタークリエへ。

| | コメント (0)

初日 『田茂神家の一族』通信

1月28日(土)

 所沢ミューズ/マーキー・ホールへ。『田茂神家の一族』の初日。

 直し作業の大半は昨日、ゲネプロの後に済ませている。なので、今日は大きな作業などはない。
 開演の2時間前に全体集合。体を動かした後、注意事項の確認と事務連絡。その中で“今日はほぼ満席”であることが報告される。天候にも恵まれ幸先のよい初日である。

 今日の開演時刻は14時。だが『田茂神家の一族』は“なんとなく始まってしまう”芝居なので、私自身には高揚感のようなものはない。その“なんとなく”が上手く行くことを願う緊張感のようなものはなくはないが。
 幸い、芝居は上手く“なんとなく”始まった。そして、始まってしまえばもう止めようがない。『田茂神家の一族』の命運はキャストの皆さんに委ねられた。

 今日のお客様は、この“どう楽しめばよいのか”いささか分かりにくい(かも知れない)芝居を、とても上手に楽しんでくださった。劇団東京ヴォードヴィルショーがここで公演を打つのは5回目なのだそうだが、そのお陰かも知れない。
 所々、初日らしい“ヒヤヒヤ”もなくはなかったが、それでも芝居の終わりにはたくさんの拍手を頂いた。

 カーテン・コールでは劇団を代表して佐藤B作さんがご挨拶。その幕が下りるや否や、キャストもスタッフも一斉に撤収作業にかかる。
 連日自宅から劇場に通っていたので錯覚しそうになるが、今日は紛れもない旅(ツアー)初日なのであった。

 劇団東京ヴォードヴィルショー第71回公演、三谷幸喜/作『田茂神家の一族』の旅が始まった。次の目的地は厚木である。

 皆さん、どうぞ良い旅を!

| | コメント (0)

『田茂神家の一族』通信

1月27日(金)

 所沢ミューズ/マーキー・ホールへ。

 午前中は照明合わせの続きとテクニカル・リハーサル。午後から後半部分の場当たり。場当たり終了後、ゲネプロ。

 『田茂神家の一族』は寓話である。物語の舞台も登場人物も出来事も架空のものである。だから、その全てが滑稽に思えるし、私たちも心置きなく笑って眺めていることができる。
 だが一方、架空の出来事だからこそ、観客はそれと何かを重ね合わせてみることもできる。同じ“寓話”である『貴婦人の訪問』がそうであったように、ご覧になる方、上演されるタイミングによって“見えてくるもの”も“感じられること”も違ってくるだろう。

 2017年の『田茂神家の一族』。いよいよ明日、その幕が上がる。

 「これはもう新作である」……と言えるほどには一新されてはいないのだが(1月15日のブログを参照のこと)、ヴァージョン・アップは確実にしています。

| | コメント (0)

『田茂神家の一族』通信

1月26日(木)

 今日から3日間は『田茂神家の一族』通である。

 『田茂神家の一族』カンパニーは既に稽古場での作業を終え、昨日から劇場入りして仕込みや道具調べ、照明合わせなどを進めてきた。会場は所沢市民文化センター・ミューズのマーキー・ホールである。

 三谷幸喜/作『田茂神家の一族』の舞台設定は「村長選挙を前にしたある村の、候補者合同演説会の会場」である。
 台本に“有権者数=105名”とあるから何とも小さな村なのであるが、その村の、恐らくは公民館とか小学校の体育館とか、そういった場所が演説会の会場なのだと思われる。

 そういうワケで『田茂神家の一族』の舞台美術は、一見“何も無いような”舞台美術になっている。
 大道具として美術デザイナーの石井強司さんが用意してくださったのは、“村の公民館(或いは体育館)に元々あったであろう幕”だけである。そこに、公民館の備品と思しき“候補者用の椅子”や“小テーブル”“司会者用演壇”など、僅かな小道具が持ち出される。
 以上が『田茂神家の一族』の舞台美術の全貌である。

 で、今日と明日とで舞台稽古。今日のメニューは前半部分の場当たり。
 “ワン・シチュエーション”物の舞台稽古では、ひとたび芝居が始まってしまえば、誰かが止めない限りラスト・シーンまで止まらない。が、『田茂神家の一族』は照明のデザインが“ワン・シチュエーション”ではないので、要所要所で止めながら芝居と照明とを合わせて行く。

 場当たりを終えた後は“開演前の段取り”の確認。
 『田茂神家の一族』では、開演前の舞台上やロビーで「合同演説会の会場設営」や「投票に行くことを促す広報活動」などが散発的に行われている。その段取りの確認である。
 開演前の「会場設営」や「広報活動」を見逃しても『田茂神家の一族』鑑賞には何の支障もないのだが、少し早目にご来場いただければ物語をより深く楽しんでいただける……かも知れない。

 ご来場をお待ちしています。
 

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

1月25日(水)

 女性だけの曲、全員の曲、ソロ曲の3曲をステージング。

 “女性だけの曲”のステージングでは、今日も「セーブして歌うよう」にお願いをした。したのだが……「セーブしようとしたのに」「できない」「歌っちゃう」。なんてチャーミングな女子たち!
 その代償として、2つ目のメニューである“全員の曲”のステージング時には“抜け殻”のようではあったが。

 話は変わる。

 『クリコレⅡ』では『Ⅰ』に登場した楽曲は取り上げないようにしていたのだが、今回はその縛りは外すことにした。なので、『Ⅲ』には『Ⅰ』『Ⅱ』に登場した楽曲も再登場する。
 自分の予想では「再登場曲は全体の1/3くらいの数になるかも」と思っていたのだが、セットリストができあがってみると、それよりずっと少ない。

 であるにもかかわらず、『クリコレⅢ』のセットリストはかなり充実している、と思う。アレがあって、アレもあって、アレもあった上に、アレもアレもアレもあるのである。

 特に、“私に近い世代”の方には(以下自粛)。

 明日は稽古OFF。

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

1月24日(火)

 デュエット曲、男性だけの曲、ソロ曲の3曲をステージング。

 『クリコレⅢ』で取り上げるデュエット曲は全部で10曲(交互に歌われる「闇が広がる」「私が踊る時」は1曲とカウント)。ほとんどは男性と女性のデュエットであるが、そうではない組み合わせのものもある。

 今日ステージングしたのは男性と女性のデュエット曲。
 ちょっとヴォードヴィルっぽい(つまり、それほどロマンティックではない。が)楽しい楽曲である。“ヴォードヴィルっぽい”と言うことは、それなりに“振り”が付くと言うことでもある。
 振付の青山さんと振付助手の森実友紀さんが、楽しげな振りをお手本を見せながらテキパキと渡して行く。渡されるお2人も「楽しい!」を連発していらしたが、「覚られえたら……」と小声で付け加えることも忘れなかった。

 “男性だけの曲”は勇壮でとても活発なナンバーである。“女性だけの曲”と同様にとても高い音があり、やはりパワフルに歌わなければならない。
 ステージングをする時には繰り返し何度も歌うことになるので、喉の負担を考慮して「セーブして歌うよう」にお願いしている。いるのだが……本来が勇壮で活発な楽曲なので、動いている内につい「セーブして歌う」ことを忘れてしまう。

 その“稽古なのに手加減してない感じ”が、ものすごくチャーミングなのだが。

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

1月23日(月)

 1幕最初のナンバーと1幕ラストのナンバー、2曲をステージング。ミュージカルには幸せと喜びが満ちている! その後、全員で歌のおさらい。

 『クリコレ』シリーズは、毎回“日替わりキャスト1名のトーク”で幕が上がる。これは今回も変わらない。
 トークの内容は「『クリコレ』で自分が歌う楽曲にまつわる思い出やエピソード」と言うことだけが決められていて、実際にしゃべる中身は各人に任されている。カンパニー内では、“その日トークを担当する人”は「日直」と呼ばれている。

 この場面は「劇場で前の列に座った人が“お気に入りのミュージカル・ナンバー”を熱く語っているのが聞こえてくる」状況をイメージしている。
 正直に告白すれば、『クリコレⅠ』が開幕するまでは“成立するか”確信が持てなかった場面でもある。幸い不安は杞憂に終わり、『クリコレ』シリーズの“入口”として定着して今回まで生き延びた。

 毎回楽しいトークを披露してくださったキャストの皆さんに感謝。

 夜は『アニー』の舞台美術打ち合わせ。もう少し粘ります。

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

1月22日(日)

 『エリザベート』のスペシャル・ガラ・コンサートを終えられた瀬奈じゅんさんが登場。ソロ曲、デュエット曲、大勢で歌う曲をひと通り当たる。

 『クリコレⅢ』の歌唱指導は山口正義さん。演出補の小川さんが歌唱指導補も兼ねてくださっている。
 1月18日のブログでちょっと触れているが、山口さんは小川さんの劇団時代(“ミュージカル劇団フォーリーズ”=現在の“イッツ フォーリーズ”)の先輩である。と同時に、私の大学の先輩でもある。世間は狭い。

 そして、稽古ピアニストは栗山梢さん。
 ご一緒するのは今回が初めてなのだが、シアタークリエで先月上演されていた『ナイスガイ in ニューヨーク』の素敵なピアノ・トリオを率いていらしたのが(兼・音楽監督補)栗山さんである。ミュージカル業界的には“栗山絵美さんの妹さん”であることがトピックであろうか(栗山梢さんのブログはこちら)。

 瀬奈さんの歌稽古の後は、一昨日、一昨昨日ステージングしたナンバーのおさらい。だんだん形になってきた。

| | コメント (0)

『田茂神家の一族』通信

1月21日(土)

 午前中は『アニー』の振り付け打ち合わせ。

 『アニー』の本格的な稽古が始まるのは3月に入ってからであるが、3月から稽古を始めるために、現在、様々な準備や打ち合わせが進行中。
 今日は振り付けの打ち合わせ。作業をどのように進めるか、どんなアイデアでミュージカル・ナンバーを展開するか……などについて広崎うらんさんと意見交換。

 午後は『田茂神家の一族』の稽古場へ。

 今日は物語の後半部分をおさらい。
 物語も後半になると全ての登場人物が揃い、展開もまるでジェット・コースターのように目まぐるしい。それぞれの登場人物が抱える“個々のストーリー”が同時に進行しながら、“全体のストーリー”も幕切れに向かってそのテンションを上げて行く。
 三谷君お得意の“ワン・シチュエーション”物では、キャストの皆さんは舞台上のどこにいても気の休まる瞬間がない。観客は“いま喋っている人”に注目しながら、“周りの人がどう聞いているか”も見ているからである。

 今日も長時間の稽古になった。お疲れ様でした。

| | コメント (0)

『××××Ⅲ』通信

1月20日(×)

 ××稽古。

 今日はまず××さんの「×××××××××」をステージング。
 「×××××××××」はミュージカル『××××××××××』のナンバーである。『××××××××××』は日本で××に××された××ミュージカルであるが、この楽曲は××××である×××の××××が、××××な××を夢見て歌う、ちょっと×××なナンバーである。
 ××さんの××××は中々××××で、ちょっと×××でも××××い。××××で××む××××××××さんのハーモニーも××××である。

 続いて、××××××さんの「××××××××××」をステージング。
 「××××××××××」はミュージカル『××××××××××××』の1幕ラストを×る、ちょっと××しいナンバーである。×××では××を××る大××××なのだが、今回は少し××××でお届けする。

 昨日と今日で、××も××に××××××が付いた。その××に××する××××××さんの××に×××を送りたい。

 明日は稽古×××。(もうしません)

| | コメント (2)

『クリコレⅢ』通信

1月19日(木)

 歌稽古の後、いよいよ立ち稽古に入る。

 立ち稽古は××さんのナンバー「×××× ××××××」の振り付けからスタート。××さんにアンサンブルの皆さんも加わって×××なシーンが繰り広げられる。
 『クリコレⅢ』の振付は青山航士さん。そして、このナンバーでは橋本好弘さんが×××の指導と振付で青山さんを補佐してくださる。

 近年では、こう言う“ミュージカルらしいミュージカル”が上演される機会は多くはない。そういう意味でも『クリコレⅢ』で「×××× ××××××」を取り上げる意味は大きい。
 特に“次の世代”のアンサンブルさんたちがこのナンバーを経験しておくことは、将来のこの国のミュージカル界にとっては、とても意義のあることだと思う。

 何より見ていて楽しいし。

 初日まで3週間。どうやってページを埋めればいいのだ……?

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

1月18日(水)

 歌稽古。今日は涼風さん、岡田さん、そしてアンサンブルの皆さん。

 涼風さんは、とても対照的なソロ曲2曲を歌われる。詳しくは書けないが……簡単にも書けない。
 なので、作品の内容にはまったく関係ない涼風さんの稽古中の発言を書こう……と思ったのだが、涼風さんからNGが出たので、「書いてもいいです」と言われた部分を書く。

 涼風「私、鳳蘭さんに憧れて宝塚に入ったんです」
 演出助手・小川「私は山口正義さんに憧れてフォーリーズに入ったんです」

 ……その前後が書きたかったのだが。

 岡田さんのソロ曲2曲もとても対照的な楽曲である。ひとつは(以下略)。そしてもうひとつは(以下略)。

 とても感動したことを告白しておきたい。

| | コメント (1)

『クリコレⅢ』通信

1月17日(火)

 歌稽古。山口祐一郎さん登場。

 まず山口さんのナンバーをひと通り当たる。
 まだ慣らし運転で、やや抑えて歌っていらっしゃるのだが、『貴婦人の訪問』を終えた後、少しゆっくりされたのが良かったらしく、なんだかとっても“いい感じ”。

 続いて、山口さんと全キャストが合流、大勢で歌うナンバーを合わせる(ただし瀬奈さんは公演中のためご欠席)。
 その後、涼風さん&山口さんの「私が踊る時」や、田代さん&山口さんの「闇が広がる」……など、デュエット曲を合わせる。更に、男性のみのナンバー、女性のみのナンバーなども合わせる。

 それにしても、『クリコレ』の稽古場はなんとも居心地が良い。
 キャストの皆さんがお互いのことをよく分かっていらっしゃるので気を使うことが無いし、“今やるべきこと”が共有されているので無駄な時間もない。
 “歌うこと”や“演じること”、“お客様に喜んでいただくこと”に対する皆さんのベクトルが同じ方向を向いていることも大きい。

 そんな稽古場で我々は、連日夢のような時間を過ごしている。ここに書くべきことも山ほどあるのだが……。

 書けない!

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

1月16日(月) 

 歌稽古。今日はアンサンブルさん、保坂さん、そして今さんが登場。

 『クリコレ』では様々な作品からミュージカル・ナンバーが集められている。取り上げる楽曲の“スタイル(音楽性)”も実に様々である。なので歌い手は、その多彩ななスタイルを“歌い分ける”ことを要求されることになる。
 特にアンサンブルさんは、異なるスタイルの楽曲が続く箇所もあったりするのだが、この“歌い分け”が一筋縄では行かない。なかなか手強い。今日も“連続する異なるスタイルの2曲”を本番同様に繋げて歌ってみたのだが……。

 話は変わる。

 稽古場では、我々スタッフは観客でもある。
 『クリコレ』には“よく知っているミュージカル・ナンバー”もふんだんに登場する。稽古場では、それを“本公演で歌っていた本人”がリ・クリエイトする瞬間を目撃する。或いは、“本公演とは別の誰か”が新たな生命を吹き込む瞬間に立ち会う。観客である我々の心は大きく揺さぶられる。
 歌は心に直接届く。だからでもあるだろうし、その歌を“特別な誰か”が届けてくれるからでもあるだろう。

 何て幸福な観客なのだろう。

| | コメント (0)

『田茂神家の一族』通信

1月15日(日)

 田茂神家の一族の稽古場へ。

 以前も記したが、三谷幸喜/作『田茂神家の一族』は、劇団東京ヴォードヴィルショーが創立40周年記念興業と称して、創立42年目に当たる2015年の3月に上演したコメディである。
 初演は福島で幕を開け、続けて東京公演が行われた。今回はその再演で、所沢で初日を開けた後、日本各地を回る。
 劇団の公式ページではツアー前半の日程が発表になっているが、その大半は各地の演劇鑑賞会が主催する公演である。そのため、観劇には鑑賞会に加入することが必要になる場合が少なくない。ご観劇ご希望の方はどうぞご注意ください。

 さて。

 『田茂神家の一族』は、三谷君お得意の“1シチュエーション”の“1幕もの”である。

 “日本のどこかにある”と言う設定の架空の村「朳(えぶり)村」で、24年振りに村長選挙が行われることになった。
 前村長が24年にも渡ってその地位についていたため、これまで選挙らしい選挙は行われてこなかったのだが、その前村長が引退することになり、24年振りに“無風”ではない選挙が行われるのだ。
 で、『田茂神家の一族』では、その選挙に先立つ“候補者合同演説会”の一部始終が描かれる。今回村長選に立候補した面々は……。

 今日は物語の前半部分をおさらい。
 本来はノンストップである物語を(それでは稽古にならないので)幾つかのブロックに区切って、確認と修正を挟みながらひと通り当たる。
 そして、『田茂神家の一族』はミュージカルではないのだが、時折“歌”が挿入されたりもするので、前半部分を当たった後は“歌”の場面の整理と調整をひとしきり。

 『田茂神家の一族』の再演も、ただの繰り返しではない“大幅なヴァージョン・アップ”を目指している。初演をご覧くださった皆さんに「これはもう新作である」と言わせたい。

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

1月14日(土)

 歌稽古。

 今日は個人の歌稽古である。登場したのは吉野圭吾さんと大塚千弘さん。お2人とも『クリコレⅡ』に続いてのご出演である。

 ミュージカルで“役になりきっている”時とは違った表情や佇まいが見られるのも『クリコレ』の様なコンサートの楽しみのひとつだろう。舞台上だけでなく、稽古場での表情や佇まいにもその違いは現れる。まあ、それを言ったら私だって、ミュージカルの稽古の時とは違っているに違いないのだが。

 話は変わるが、大塚千弘さんと初めてご一緒したのはミュージカル『シンデレラストーリー』の時であった。
 初演は2003年だったから(当時は「大塚ちひろ」名義でいらした)、あれから既に14年近い年月が流れたワケである。当時10代半ばだった大塚さんも、今では(以下略)。

 そんな大塚さんを見て、演出助手の小川さんが「柔らかい感じになりましたね」とおっしゃった。
 大塚さんには以前からも“ほんわか”したところはあったと思うが、言われてみればなるほど、現在の大塚さんは以前にも増して“柔らかい”感じであるかも知れない。付き合いが長くなってくると、長いなりの発見や喜びがある。

 明日は稽古OFF。

| | コメント (0)

『クリコレⅢ』通信

1月13日(金)

 歌稽古。

 今日からプリンシパルの皆さんも登場である。
 前半は女子の皆さん、後半は男子の皆さんの歌稽古。ソロの曲よりも先に“大勢で歌う楽曲”に手を着けておこう、と言う作戦である。

 “女子だけ”の楽曲には“ちょっと手強そうな”ものが1曲あって、今日は歌稽古の大半をこの曲に費やした。
 パートが複雑に分かれていて、ハモりも難解で、とても高い音があり、しかもパワフルに歌わなければならない、そんな楽曲である。先行して歌稽古を進めて来たアンサンブルの女子たちも、最初にこの曲を当たった時には虚ろな表情になっていた。
 が、皆さんが歌い慣れた頃には“かなりいい感じ”になるだろう。

 ところで、昨年の12月26日のブログに記した「1曲だけ、日によって楽曲と歌い手が変わるナンバー」が公式ページで明らかにされている。

 自分の目と耳で確かめるまでは内容については一切知りたくない……と言う方以外はこちらからどうぞ。

| | コメント (0)

«『クリコレⅢ』通信