訃報 吉井澄雄さん

 照明デザイナーの吉井澄雄さんが亡くなった。

 吉井さんは日本の舞台照明の第一人者でいらした。劇団四季の創立メンバーのおひとりであり、オペラやミュージカル、新劇、スーパー歌舞伎……と幅広いジャンルで大きな功績を残された。私がこの仕事を始めたころ(1980年代です)は東宝などの大劇場の照明もほぼ一手に引き受けていらした。私との接点はその時代にある。

 私は大学卒業後、すぐに東宝演劇部に所属して演出部として仕事を始めた。20代の私は特に森繁久彌さんの座組に付くことが多かったのだが、その照明デザインのほとんども吉井さんのお仕事であった。私は演出部なので吉井さんが明かりを作る時間にも毎回お付き合いした。

 そのつながりで森繁さんの『佐渡島他吉の生涯』を演出させていただいた時(森繁さん、井上思さんと共同で)が、吉井さんと演出家としてご一緒した唯一の機会であった。
 駆け出しの演出家である私は、舞台稽古でもすぐに演出席を立って舞台に駆け上がりたくなってしまうのだが、吉井さんは「君はここにいなさい」と優しくたしなめてくださった。

 日本の舞台照明を近代化し、照明デザイナーの地位を向上させたのは間違いなく吉井さんである。そして多くの優秀な後継者を育てられた。

 ご冥福をお祈りいたします。

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ミュージカル『十二国記 ―月の影 影の海―』 公演スケジュールとチケット情報発表

 毎月12日は“『十二国記』の日” 。

 公演スケジュールとチケット情報が発表されました。公式サイトへはこちらから。

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『TDV』2025 大阪!

7月4日(金)

 大阪の梅田芸術劇場メインホールで『ダンス オブ ヴァンパイア』が開幕した。

 梅田芸術劇場では2020年1月以来の『TDV』である。
 メインホールは座席数1905席の大劇場。今シーズンの『TDV』ツアー中では(東京公演のBrillia HALLを含めても)最も大きい会場である。特に3階席まである客席空間の比類のないスケールが(客席天井には工費“2億円″ともいわれる大シャンデリアも吊られている)『TDV』の世界観を一層引き立たせてくれるだろう。

 今日のキャストは伯爵/城田優さん、サラ/中村麗乃さん、アルフレート/太田基裕さん、伯爵の化身/加賀谷一肇さんである。幕間の“クコール劇場”も初日らしく歌舞伎の口上風で、休憩時間を(休憩時間なのに)大いに盛り上げた。1幕の前半で起きたマイクのトラブルが残念でならないが。

 明日は早くも2回公演。ダブルキャストの「もうひとり」も明日の昼公演でデビューする。

 大阪公演は7月12日(土)まで。当日券の販売も(貸切公演回を除いて)あるそうです。

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上演決定! 『レベッカ』

 ミュージカル『レベッカ』の上演が決定した。

 第1報はこちらからどうぞ。

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ミュージカル『十二国記 —月の影 影の海—』 PV解禁

 毎月12日は“『十二国記』の日”。

 今月はこれ

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『TDV』2025 愛知!

6月7日(土)

 名古屋の御園座『ダンス オブ ヴァンパイア』が開幕した。

 御園座では2019年12月以来の『TDV』である。
 御園座は東京のBrillia HALLと比べると舞台の間口も奥行きもひと回り大きく、その分、舞台の闇が深まったようにも感じる。歌舞伎の上演を想定して作られている劇場なので、客席最後列からでも舞台が近く感じるのも美点だろう。その代わりに1階客席には「横通路」が無いので、客席の使い方も東京とは微妙に異なってくる。

 今日のキャストは伯爵/山口祐一郎さん、サラ/フランク梨奈さん、アルフレート/寺西拓人さん、伯爵の化身/佐藤洋介さんである。クコール役の駒田一さんはこちらがご当地らしく、そのことに触れた「クコール劇場」の映像もやがて公式Xで公開されるだろう。

 明日は早くも2回公演。ダブルキャストの「もうひとり」も明日中にはデビューする。

 愛知公演は6月15日(日)まで。全席完売で、当日券の販売はございません……だそうですが。

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『TDV』2025 東京千穐楽

5月31日(土)

 今月の10日に開幕した『ダンス オブ ヴァンパイア』東京公演が千穐楽を迎えた。

 前回の上演から6年ぶりの再演と言うことで、この作品をご存じない方や、知ってはいても観劇したことは無い方も少しずつ増えていただろうと思われる。6年のブランクはキャスト/スタッフの顔触れも今までになく大きく変えた。劇場すら帝劇からBrilliaに変わった。

 それらのことが『ダンス オブ ヴァンパイア』の受け取られ方に少なからず影響を与えるのではないか、と危惧しないではなかった。だが、開幕後は今までと同様に、いや今まで以上に多くのお客様に楽しんでいただけているように感じている。
 だとすればそれは、上演するにはいささか困難がつきまとうこの大作に全力で取り組んでくださった全キャスト、全スタッフ、そしてオーケストラの皆さんの熱意と執念の賜物だろう。この場を借りて関係者全員に感謝と敬意を表したい。

 さて。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』はこの後、名古屋大阪福岡へと向かう。プロフェッサー役の石川禅さんとは昨日で、クコール役の伊藤今人さんとは今日でお別れである(お2人は東京公演のみのご出演であった)。

 禅さん、今人さん、お疲れさまでした! また会えますように!

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緒方規矩子さんを偲ぶ会

5月21日(水)

 緒方規矩子(きくこ)さんを偲ぶ会へ。

 緒方さんは日本の舞台衣裳デザイナーの草分けであり第一人者でいらっしゃったが、今年2月7日に96歳で惜しくも亡くなった。
 その功績や手がけられた数々の作品を語るには私は余りにも不適格である。なのでご一緒した作品のことだけを簡単に記したい。

 緒方さんと初めてご一緒したのは、私が演出家デビューして間もない1998年、ブロードウェイ・ミュージカルの金字塔『サウンド・オブ・ミュージック』の時であった。
 主人公の家庭教師・マリア役は大地真央さんで、緒方さんは既に宮本亜門さん演出の『サウンド・オブ・ミュージック』の時に衣裳デザインを担当されていらした(その時のマリアも真央さん)のだが、演出が私に変わった時に真央さんと共に緒方さんも続投され、新たなデザインを何点か起こしてくださった。

 次にご一緒したのは、やはりブロードウェイ・ミュージカルのクラッシックである『南太平洋』であった。
 第二次世界大戦中の南太平洋の島々が舞台で、駐留するアメリカ海兵隊と従軍看護婦たちをはじめ、「バリ・ハイ」と呼ばれる架空の島の人々の衣裳をデザインしていただいた。
 「バリ・ハイ」の人々の衣裳をデザインする作業は、アジアの風俗や民族衣裳に強く関心を抱かれていた緒方さんに打って付けであるように私には感じられた。米兵の衣裳は作るよりも実物を調達する方がリアルでいいのよ……と、ニューヨークの衣裳屋さんから大量の軍服を調達されたりもした。

 緒方さんとの3作品目は帝劇発のオリジナル・ミュージカルとして製作された『風と共に去りぬ』。
 南北戦争を時代背景とする大河ドラマの大勢の登場人物を、当時アシスタントをされていた前田文子さんや西原梨恵さんの手を借りながら描き上げてくださった(前田さんも西原さんも今では第一線で活躍する衣裳デザイナーである)。
 主人公のスカーレット・オハラを演じたのは『サウンド・オブ・ミュージック』に続いて大地真央さんで、2幕のある場面で「スカーレットのドレスの色と大道具のレット・バトラー邸の大階段の色がかち合う」と言う事件があったのだが、美術デザイナーの堀尾幸雄さんが緒方さんに譲歩して大階段は別の色に塗り替えられた。

 最後にご一緒したのは三島由紀夫/作の『鹿鳴館』であった。
 上記3作品とは異なり和物で、佐久間良子さん、平幹次朗さんをはじめとする錚々たるキャストの大メロドラマに相応しい華やかで重厚な衣裳を緒方さんはデザインしてくださった。

 偲ぶ会は渋谷のオーチャードホールのロビーを会場として開かれた。ロビーには緒方さんがデザインされた衣裳の実物がデザイン画と共にディスプレイされていた。『サウンド・オブ・ミュージック』のマリアと『風と共に去りぬ』のスカーレットの衣裳も並んでいた。

 ご冥福をお祈りいたします。

 

 

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訃報 チャールズ・ストラウスさん

 名曲「トゥモロー」を作曲したチャールズ・ストラウスさんの訃報が届いた。

 ストラウスさんの代表作は何をおいても『アニー』だろう。ミュージカルでは他にも『バイ・バイ・バーディ』や『アプローズ』『ゴールデン・ボーイ』などのヒット作がある。ミュージカル以外にも『俺たちに明日はない』『イシュタール』などの映画音楽も手掛けられた。享年96歳であった。

 『アニー』の脚本家・トーマス・ミーハンさん、作詞と初演の演出を手がけられたマーティン・チャーニンさんに続いて、『アニー』の作者はこれで全員が鬼籍に入られた。

 ご冥福をお祈りいたします。

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ミュージカル『十二国記 ―月の影 影の海―』 メインキャスト集合ビジュアル更新

今日は12日なので(毎月12日は『十二国記』の日。と言うわけで)……
ミュージカル『十二国記 ―月の影 影の海―』公式サイトのメインキャストのビジュアルが更新された。

こちらからどうぞ。

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『TDV』2025 ダブルキャスト初日!

5月11日(日)

 公演2日目。ダブルキャストの城田優さん、中村麗乃さん、寺西拓人さん、伊藤今人さん、加賀谷一肇さん、そして武田真治さんの初日。

 昨日に劣らず、今日のお客様も大変温かく我々を迎えてくださった。今日は初参加のキャストが昨日よりも格段に多かったので、お客様の拍手や歓声がキャスト一同をどれほど勇気づけたことだろう。キャスト全員もその声援にしっかりと応える熱演を見せた。

 カーテンコールでは伊藤今人さんの進行で中村さん、寺西さん、武田さん、城田さんがご挨拶。そののち、「みんなで踊ろう」コーナーに突入、今人さんの「テンションだ!」という発言に煽られて会場は一段とヒートアップした。

 昨日に続いてご観劇くださったクンツェさんから、終演後に舞台裏で「この『ダンス オブ ヴァンパイア』はいま現在、世界最高の『ダンス オブ ヴァンパイア』です」とのお言葉をいただいた。
 クンツェさんは私たちの日本版を「アイロニーが全編に渡って感じられるのがいい」ともおっしゃっていた。この場合の“アイロニー”という言葉の解釈に相応しそうな文章をネット上で見つけたので引用させていただくと……

 【ironyという語はよく“皮肉” と訳されます。皮肉というのは事実を遠回しに言ったり、わざと正反対を言ったりして、相手を批判したりからかったりすることですね。また、意図したこととは異なったり、逆になったりすることを指して、“皮肉な結末”、“運命の皮肉”などと言う場合もあります】

 クンツェさんのおっしゃる「アイロニー」のことを考えながら『ダンス オブ ヴァンパイア』を観直してみるのも意味深いことのように思われる。
 『ダンス オブ ヴァンパイア』は第一級のエンターテインメント・ミュージカルだが、エンターテインメントなだけではなく、誰かをからかったり、何かを批判したり……しているに違いない。

 これで2025年の『TDV』通信はひとまずおしまいである。ご愛読ありがとうございました。

 チケット難が叫ばれているので大変恐縮なのであるが……東京公演は5月31日(土)まで。そののち愛知、大阪、福岡にも参ります。

 ではまた。劇城で!

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上演決定! 『ジキル&ハイド』

 ミュージカル『ジキルハイド』の上演が発表された。

 公演は来年(2026年)の3~4月。新演出版です。

 公式サイトへはこちらからどうぞ。

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『TDV』2025 初日!

5月10日(土)

 『ダンス オブ ヴァンパイア』が6年ぶりに戻ってきた。すばらしい初日だったのではないかと思う(個人の感想です)。

 今日のダブルキャストは山口祐一郎さん、フランク莉奈さん、太田基裕さん、駒田一さん、佐藤洋介さん、そして石川禅さんであった。客席にはオリジナル・プロダクションを手掛けたウィーン劇場協会の皆さんとともに脚本・作詞のミヒャエル・クンツェさんのお姿も。クンツェさんに我々の日本版をご覧いただくのは2006年の帝劇初演以来である。

 カーテンコールでは駒田一さんの進行で太田さん、フランクさん、石川さん、そして山口さんが初日スペシャルのご挨拶。そしてクンツェさんにも客席から一言いただいた。
 「みんなで踊ろう」のコーナーが終わり、オーケストラがエグズィット・ミュージックを演奏し終えてもお客様の拍手は鳴りやまず、もう一度幕が上がる。キャスト一同にクンツェさんと指揮の塩田さんも加わってお客様の歓声にこたえ、ようやく初日の公演は終了した。

 明日はダブルキャストの「もうひと組」の初日。

 明日もすばらしい公演でありますように。

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『アニー』東京公演千穐楽 そして『TDV』通信

5月7日(水)

 丸美屋食品ミュージカル『アニー』東京公演が千穐楽を迎えた。

 今日は昼公演のみ。ダブルキャストはチーム・バケツの登板である。チーム・モップのみんなは昨日が千穐楽なのであった。
 ご来場くださった皆さん、応援してくださった皆さん、ありがとうございました。キャスト、オーケストラ、スタッフの皆さん、お疲れさまでした。

 2025年の『アニー』はこのあと8月に上田、大阪、金沢、そして名古屋に赴く。ひと回り大きくなっているはずのアニーと孤児たち、ダンスキッズに会いにいらしてください。

 さて。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』は舞台稽古が佳境。
 今までの稽古場でも、段取り……というか約束事……というか、テクニカルなことの整理整頓に大半の時間が費やされてきたのだが、それは劇場入りしてからもあまり変わらない。

 きっとそうは見えていないだろうが、『ダンス オブ ヴァンパイア』は実はテクニカル命のミュージカルなのである。

 (明日もがんばります……)

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『TDV』2025 Weekly

5月2日(金)

 稽古場最終日。

 ピアノでの通し稽古を重ねた後、ついにオーケストラが稽古場に。キャストとの「オケ歌合わせ」に2日、そして「オケ付き通し稽古」に2日。今日で稽古場でのすべてのメニューを消化した。

 それにしても、久しぶりに聞く生オケでの『ダンス オブ ヴァンパイア』の音楽はやはり“圧倒的”である。クコール役の伊藤今人さんは「涙が出ました」とおっしゃっていた。私も、稽古を終え帰宅しても、ベッドに入り目を瞑っても、夢の中でさえも、『ダンス オブ ヴァンパイア』の音楽が頭の中で鳴り響いている。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』の音楽には強い中毒性があるのだ。

 さて。

 東京建物Brillia HALLでは仕込みが始まった。来週から始まる舞台稽古に向けて各セクションの作業が続く。
 リー君のゆる~いレポートも第2弾が登場。公演グッズの情報も公式サイトにUPされ、否が応でも開幕気分が盛り上がる。

 まだ「やらなければいけないこと」がてんこ盛りなのに~(泣)

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『TDV』2025 Weekly

4月25日(金)

 通し稽古が始まっている。

 上演時間は今のところ1幕が1時間15分弱、2幕が1時間20分弱……と言った感じになっている。幕間休憩は恐らく25分で、カーテンコールを合わせると全体では「3時間前後……?」になるのではなかろうか。
 もう少し稽古を重ね、そして劇場入りしてテクニカルが確定したところで根拠のある上演時間が見えてくるだろう。

 本日より別スタジオでオーケストラのリハーサルもスタート。指揮は(なんと『ダンス オブ ヴァンパイア』には初参加だという)塩田明弘さんである。

 稽古場で過ごすのもあと1週間である。

 

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『TDV』ニュース

 速報!

 『ダンス オブ ヴァンパイア』をよくご存じの皆さんにはお馴染みの、よく知らない皆さんには「……?」のリー君が戻ってきました!

 こちらからどうぞ!

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『アニー』2025 初日!

4月19日(土)

 40年目のアニーが初日を迎えた。昼公演はチーム・モップの、夜公演はチーム・バケツのそれぞれ初日であった。

 昨日行われた囲み取材の様子が色々な媒体で取り上げられているが、そこに登場していたわんちゃんが「家康(イエヤス)」である。
 『アニー』にはアニーと仲良しになる「サンディ」という名前の野良犬が登場するのだが、そのサンディ役をダブルキャストで務めているのが「家康」と「おこげ」である。家康がチーム・モップ、おこげはチーム・バケツのサンディ役なのだが、今回は、スタンバイ・キャストというか、アンダースタディと言うか、3人目のサンディが控えている。

 『アニー』に登場するサンディを「わんわん大サーカス」さんが引き受けてくださるようになったのは2019年から。家康はその時から出演しているので今年で7年目のベテランである。おこげはその時点ではアンダースタディで、家康と共に正キャストを務めていたのは「メープル」であった。おこげはメープルの卒業に伴って正キャストに昇格した(おこげの初登場に触れたブログはこちら)。

 その時のおこげと同様に、将来の正キャストを睨んでスタンバイしていたのは「まつり」である。
 まつりは、実は昨年もスタンバイをしていた。サンディとしては出演していないが、「野犬狩り」の場面に抱きかかえられて捕獲される野良犬役では登場していたのでお気づきの方もいらっしゃるかもしれない。

 舞台には大勢のキャストやオーケストラの生演奏など、わんちゃんにとってはいきなりだと怖がってしまうかも知れない要素が少なくないので、サンディ役を教えるにしても時間を掛けて少しずつ慣れさせて行く必要がある。殊にまつりはとても怖がり屋さんなので、わんわん大サーカスのトレーナーさんも「2025年公演のどこかでデビューできればいいな」くらいに考えていらしたようなのだが、ここにきてまつりの成長が著しく、なのでついに今日の夜公演でチーム・バケツのサンディとして無事にデビューを飾った。

 まつり、 初舞台おめでとう!

 丸美屋食品ミュージカル『アニー』は5月7日まで東京・初台の新国立劇場中劇場で上演中。
 夏休みには恒例のツアーもあります。

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『TDV』2025 Weekly

4月18日(金)

 全場面をあたり終え、稽古は2巡目に入っている。

 前回の上演から5年が経過していることもあって稽古はとても新鮮である。ダブルキャストのアルフレートとサラ、そしてシャガール、レベッカ、マグダ、ヘルベルトが新キャストであること、伯爵さま、教授、クコールが新たにダブルキャストになったことも新鮮に感じる大きな理由だろう。新鮮であるということは、裏返せば「忘れている」と言うことでもあるのだが。

 帝劇での上演を想定してデザインされた『ダンス オブ ヴァンパイア』は東京建物 Brillia HALLではどのような見え方になるのだろう。Brillia HALLに私がまだそれほど馴染みがないので、個人的にはその部分に興味津々である。帝劇を想定した舞台美術をBrillia HALLにはめ込む作業は一苦労ではあるのだが。

 日本初演は2006年の7~8月。20年目のヴァンパイアである。

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『アニー』2025 Weekly

4月14日(月)

 昨日放送の『シューイチ』(7時30分~/日本テレビ)にアニー役の丸山果里菜さんと小野希子さんが生出演。アカペラで「トゥモロー」を披露した。
 そして16時25分からはアニー特番『シューイチ×ミュージカル アニー 開演直前! アニーオーディションに完全密着』も放送され、昨日の日本テレビさんはさながら「アニー・デー」であった。

 今年の特番は久しぶりに「オーディションに密着するドキュメンタリー」的な内容で、昔からアニー特番を楽しみにしていた私などにはこのスタイルがやはり嬉しい。来年もこの方向だといいなぁ。

 特番には第2弾が用意されていて、『シューイチ×アニー 祝40年目! 涙と笑いの舞台初日に完全密着』のタイトルで、4月27日(日)の16時05分から放送の予定となっている。
 どうぞお見逃しなく。

 さて。

 稽古場での作業はすべて終了。今日から新国立劇場中劇場で仕込み作業が始まっている。開幕は4月19日(土)。

 今週末です。

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『TDV』2025 Weekly

4月11日(金)

 稽古は2幕の後半に突入した。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』は見せ場が次から次へとやってくるミュージカルである。2幕も伯爵さまとサラの「愛のデュエット」に始まり、悪夢のダンスシークェンス「夜を感じろ」、アルフレートと教授の霊廟(れいびょう)探索、図書館、バスルーム……と続く。その中でも「見せ場の中の見せ場」と言えるのはやはり墓場のシーンであろう。ここには「永遠」と「抑えがたい欲望」という2つの重要なナンバーがある。

 「抑えがたい欲望」は伯爵さまのソロナンバーであるが、私たちの日本版では「伯爵の化身」と思しきダンサーが伯爵さまの歌に寄り添うように踊る。伯爵の化身を踊るのは佐藤洋介さんと加賀谷一肇さんである。

 今回から伯爵さまが山口祐一郎さんと城田優さんのダブルキャストになったことは皆さんご承知の通りであるが、伯爵の化身も今回から「山口さんには佐藤さん」「城田さんには加賀谷さん」の固定となる。
 城田さんの伯爵さまは山口さんの伯爵さまとはかなり印象が異なる。そもそもの「俳優としての持ち味」が大いに異なるお2人なので印象が異なるのも当然と言えば当然なのだが、佐藤さんと加賀谷さんの「化身」もその印象は大いに異なる。

 ぜひ見比べていただきたい。

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ミュージカル『十二国記 —月の影 影の海—』 ヴィジュアル公開!

 ミュージカル『十二国記 —月の影 影の海—』のヴィジュアルが公開された。
 これからも毎月12日には新しい情報が何かしら公開される……らしい。

 公式サイトのヴィジュアルはこちらからどうぞ。

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『アニー』2025 Weekly

4月7日(月)

 稽古場もいよいよ佳境である。

 今週はついに「通し稽古」が始まり、別スタジオでは「オーケストラのリハーサル」も開始され、オーケストラを稽古場に迎えて「オケ合わせ」へと進み、そして「オケ付き通し稽古」に至る。1週間後には劇場入りである。
 今年の『アニー』もかなり楽しい仕上がりになりそうである。新キャストと続投キャストの絶妙なコラボレーションで例年以上にダイナミックでスピーディな『アニー』が誕生するだろう。

 そんな稽古の様子を見ることができる(かも知れない)『アニー』特番の放送が決まった。
 4月13日(日)の16時25分~16時50分に日本テレビ(関東ローカル)で放送される『シューイチ×ミュージカルアニー 開演直前! アニーオーディションに完全密着』である。

 どうぞお楽しみに!

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『TDV』2025 Weekly

4月4日(金)

 稽古はハイスピードで進んでいる。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』は芝居の段取りが細かく決められているうえ、その細かい段取りを音楽にはめなければならないので稽古にはどうしても時間がかかる。キャストの皆さんは段取りを理解し、覚え、音楽を聴きながら芝居をしつつ細かい段取りを的確に処理して行くことを求められる。前回のWeeklyで触れた「生みの苦しみ」のひとつにはこの「細かい段取りの多さ」も含まれる。

 今回は『ダンス オブ ヴァンパイア』に初登場となるニュー・キャストも多く、ダブルキャストで演じられる役も増えたので、その分稽古にかかる時間も増える。なのにハイスピードで進んでいるのはどういうことだろう……? 稽古は既に2幕に突入している。

 話は変わるが、稽古場では伯爵さまと伯爵さまが並んでいらっしゃる。そしてそれを見るととても奇妙な感覚に陥る。
 アルフレートやサラは今までもダブルキャストだったので2人で並んでいても違和感はそれほど無いのだが、伯爵さまが2人並ぶのはさすがに気になる。のみならず、今回はプロフェッサーも2人で、更にはクコールも2人である。

 2人の伯爵さま、2人のプロフェッサー、2人のクコールが1部屋に集まっているところを想像してみてください。

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『アニー』2025 Weekly

3月31日(月)

 稽古は2幕の後半まで進んでいる。

 キャストの顔触れが変わると芝居の運びも今までとは変わってくるので、見慣れた場面や聞き慣れた台詞が時々びっくりするほど新鮮に見え、聞こえる。
 芝居って奥が深いなあ……。

 話は変わる。

 今年の『アニー』では「手話通訳さんのいらっしゃる公演」が2回開催されることになっている。4月24日(木)の12時の回と4月27日(日)の16時30分の回である。
 『アニー』では初めての試みであるが、今まで劇場に足を運ぶことを難しく感じていらした皆さんにも『アニー』を楽しんでいただけたらこれほど嬉しいことは無い。

 近年では「手話通訳さんのいらっしゃる舞台」が少しずつではあるが広がっている。この機会にどうぞご来場くださいませ。

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『TDV』2025 Weekly

3月28日(金)

 品川プリンスホテルへ。『ダンス オブ ヴァンパイア』の製作発表。

 製作発表ではクロロック伯爵役の山口祐一郎さんと城田優さん、サラ役のフランク莉奈さんと中村麗乃さん、そしてアルフレート役の太田基裕さんと寺西拓人さんがご登壇。ご応募くださった方の中から抽選で選ばれた300名のオーディエンスの皆さんにもご参加いただいた。

 最初に2人のサラと2人のアルフレートによるデュエットナンバー(つまり4人で)「外は自由」が披露されて製作発表がスタート。そののち全員が揃っての質疑応答へと進む。キャスト一同は本番さながらの扮装での登壇であった。

 製作発表の様子は既に様々な媒体が記事にしてくださっているのでそちらをご参照いただきたいのだが、中には私が「釣り竿のようなもの」を掲げている写真を添えた記事もあり……。
 製作発表で釣りをするはずもなく、『ダンス オブ ヴァンパイア』を以前からご存知の皆さんにはお馴染みの“アレ” を持たされているのである(泣)。

 製作発表を終えて稽古場へ。

 既に顔寄せと歌入り読み合わせを終え本格的な稽古がスタートしている。今日までに1幕前半の3場面に手を着けた。
 稽古をしながら過去の上演時の「生みの苦しみ」が少しずつ蘇ってきた。この「苦しみ」は『ダンス オブ ヴァンパイア』特有の感覚である。

 公演が終わると「楽しかった事」だけが記憶に残り「困難だったこと」などは忘れてしまうが、今回は忘れないようにしよう。

 ……と思う。

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『アニー』2025 Weekly

3月24日(月)

 1幕をひと通り当たり終え、2幕の稽古に着手した。

 今年からの新キャストの皆さんがそれぞれ素敵なお芝居を見せてくださっていて、今年も新しい風が随所で吹いている。特にハニガン・ルースター・リリーの3人組は「3人中2人が新キャスト」なので、今までとは結構印象が異なるチームになるだろう。
 ハニガンと劇中で大きく絡むことになるグレースも新キャストになり、この2人のやり取りも実に新鮮。今までとは一味違う駆け引きが連日繰り広げられている。

 ハニガンを振り回すアニーと孤児たちももちろん今年からの新キャスト。なのでハニガン役の須藤理沙さんは新キャストに囲まれまくっていて、稽古場での立ち位置が「新キャストのひとり」であった昨年とは180度変わっていて、そこがなんとも面白い。須藤さんご本人は「面白い」どころではないかも知れないが。

 40年目の“新しい”『アニー』

 どうぞお楽しみに。

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『TDV』2025 Weekly

3月21日(金)

 歌稽古と並行して、『ダンス オブ ヴァンパイア』の見せ場であるダンスナンバーの稽古もスタート。広い稽古場に稽古用の大道具(ベッド……とか)も運び込まれた。

 前回(2019年の再々々……演)までの稽古場は帝劇の9階であった。
 『THE BEST』通信でも触れたが、帝劇の「9階稽古場」は広いようで実はそこまで広くはなく、天井高もそこまで高くはなく、搬入条件もそれほど良いとはいえなかった。なので過去の稽古では「稽古用の大道具をダンボールで作る」という俄かには信じがたいような方法などで悪条件を乗り越えた。

 現在の稽古場は9階稽古場に比べると諸条件が良いので、晴れてダンボールではない大道具での稽古が実現した。

 ちょっと嬉しい。

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開幕目前! 『ライフ・イズ・ミュージカル』

3月19日(水)

 新国立劇場中劇場へ。石川禅さんのソロ・コンサートライフ・イズ・ミュージカルのサウンドチェック/舞台稽古。

 コンサートは明日20日(木)の13時と17時の2公演。ゲストは既報の通り13時の回が瀬奈じゅんさん、17時の回が浦井健治さんである。瀬奈さん、浦井さんも駆けつけてくださって、和気あいあいとしたリハーサルであった。

 禅さんらしさが隅々まで詰まった、とても素敵なコンサートになっている……と思う。前回までコンサートが行われていたよみうり大手町ホールとは雰囲気が異なる会場なので、その辺りも楽しんでいただけると嬉しい。

 では東京・初台でお待ちしています。

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『アニー』2025 Weekly

3月17日(月)

 歌稽古を終えて絶賛立ち稽古中。

 『アニー』は毎年上演されることがお約束になっているので、キャストの皆さんも続投の方が少なくない。が、今年も「今回から新たに参加するニュー・キャスト」が何人かいらっしゃる。

 グレースを演じる愛原実花さん、ルースター役の赤名竜之介さん、リリー役の浜崎香帆さん、ルーズベルト大統領役の森田浩平さんがニュー・キャスト。アンサンブルの後藤裕磨さん、岩矢紗季さん、江崎里紗さんも今回からの登場で、望月凛さんはカムバックである。アニー役の2人を含む子供たちもニュー・キャストとなる。

 アニー役、孤児役、そしてダンスキッズの子供たちには「出演した翌年はオーディションを受けられない」というルールがあって(1年空けば再びオーディションに応募が可能)、なのでほとんどの場合、子供たちはニュー・キャストとなるのである。
 そのルールのせいもあるのか、子供たちの印象……というか雰囲気は、毎年面白いくらい異なる。今年も今までとは結構印象が違っているので、どうぞお楽しみに。

 大人のニュー・キャストの皆さんも印象は結構異なるので……

 楽しい。

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